宇宙の意志(COSMIC WORLD)

ページ名:宇宙の意志_COSMIC WORLD_

登録日:2022/10/03 (月曜日) 22:53:45
更新日:2024/06/27 Thu 10:38:32NEW!
所要時間:約 17 分で読めます



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cem cosmic world 変態 主人公 特撮オタク 女性恐怖症 cosmic world~名付けられた『世界』



宇宙の意志とは、フリーゲームを中心としたコンテンツCOSMIC WORLDの主人公である。


彼が何なのかと言うと、三次元管理プログラム『コズミックアイ』の子にして主端末の宇宙生物(むぃむぃ星人)であり呪術師で悪食王である。
役職はコズミックアイの作った世界を守護する組織CEMの表リーダー。
通称宇っちゃん様。特撮オタクで性別は存在しないが好きな物はゲイビデオとBL本。




……上記の設定は比喩も誇張も無く全て事実なのだが、これだけと何を言っているのかサッパリ判らないだろうし、到底正気とは思えない文面なので順序立てて説明していく。



【経歴】


元は三次元世界全体を管理するプログラムの無感情な主端末「宇宙の意志」だったのだが、紆余曲折あって更に「端末」と呼ばれる一部の地球人類へと意識を転生させていた。


ニンゲンへ転生した後の名前は横山圭。美術教師を親にもつごく普通の青森の高校生。
だが、圭は幼少時に喧嘩した友達が仲直りする前に事故死。交換するはずだった地球儀とオルゴールを心の傷の象徴として彼は持ったままとなる。
これが理由で「他人と深い仲になる」ことに対する複雑な心的外傷からか一部の感情が喪失。喜怒哀楽はちゃんとあるのだが以後「恋愛感情の欠落」を抱えることとなる。*1



そこから自らの前世を呼び起こした父、コズミックアイの手により彼が統括する組織「CEM」に所属し複数世界をまたにかけ活躍することとなる。
宇宙の意志としての認識が覚醒して以降は、高次元世界において語尾が「むぃ」とつく変な口調のはっちゃけた性格に。


この際、あまりにニンゲンの時と覚醒状態の人格が乖離している(他は割と誰もが似通っている)ことを周囲からも疑問に思われているのだが……


覚醒し活動していたのは20年ほどなので20歳。しかし前世の『宇宙の意志』としての主端末状態だと150億歳という極端なもの。
だが、彼の本来の出自は表向きの上記のものとは微妙に違う。




【クラインの壺】

かつて宇宙の意志が事故的に飲み込んだ機構。「クラインの壺」とは字で、その正体は二つのものを一つにまとめる特殊なシステム。
これにより宇宙の意志の能力や存在は多少それらの影響を受けている。




飲み込んだと言うのはカバーストーリーに過ぎない。




【戦闘能力・形態】


まず共通要素として宇宙の意志は腹の中が異次元に通じているため、その気になれば無限に物を食べることができる。
食技と自称していて(コレとネーミングが被るが連載時期的に宇宙の意志というキャラが登場したのはずっと前なのでただの偶然)
目の前の物体や相手を食べ尽くす「アイムハングリー」など、かなり便利なのだがその強さはかなり食欲に左右される。


腹の中が異次元に通じているのと不死身の肉体を持っているため別に宇宙の意志は食べなくても死なない。
彼の食事はほぼブラックホールに物を捨てるようなものである。
ではなんのために食べるのかと言われると、彼にとって食事はほぼ精神安定剤に等しい。
体質的に食べなければ食べないほど、精神の均衡を失い凶暴性を増していく性質。そう、宇宙の意志はつまり『腹が減るほど強くなり満腹になればなるほど弱くなる』のだ。


このせいで設定上の強さ比較がとても難しく

  • 満腹状態で戦闘向きでさえないキャラからもボロクソにやられる
  • 飯抜きを重ねたせいでその場の仲間内の最強格キャラを全員瞬殺する

という極端な結果も珍しくはない。まあ大体のシリアスストーリーでは極端な満腹でも空腹でもないのだが。
あまり空腹になりすぎると暴走の危険が増すし。
ゲームシステムでも空腹度に関してはオミットされている要素で、ほぼギャグパート以外だと死に設定と言っていい。



・幼体
手足も伸びてない胎児のような姿をした通常形態。肌は青く、目はパッチリ開いている。背中からは赤い血管のような触手がいくつか生えていて、それで物を取ったりする。
宇宙の意志と言えば日頃からこの姿で居るのが常。
この時点で不死性を有していて「自動再生」と呼ばれる再生能力を持つ。不死身なせいかダメージ描写がやけに多い。


戦闘スタイルは呪術。黒魔術や密教の真言などを用いて攻撃だけでなく相手を縛ったり逆に味方を強化したりする。精神力を相手の魂に送りこんで微弱だが治癒もできる。
万能肌だが圧倒的な破壊力には欠けていてサポート向き。とはいえポテンシャルは高い。


・成体
目が赤く染まり頭からは角が、胴体からは手足が生え背中には昆虫の羽(赤い葉脈のような血管が通っている)のような羽が生えた形態。
スーパーモードと自称している状態で、最初はサナギを介して多少の時間をかけて変身していたが後に一瞬で変われるようになった。


手足が生え呪力も運動性能も飛躍的に上がったため武闘と呪術を組み合わせた全く新しい格闘技「呪闘術カオティックアーツ」を編み出して闘うようになる。
敵組織の戦闘用幹部とも打ちあえるようになるが、いわゆる最強格の幹部キャラが相手だと勝てないという中の上ポジション。


・最終体
何も無い空間にひび割れた穴が開き、その空間の穴から目も鼻もない口だけの頭が覗き込むという見ようによってはかなり不気味な形態。
潜在能力を解放し世界管理者としての親の能力を引き継いでいるため圧倒的な破壊力を有しているが、正気を失った暴走状態に等しく人語すら介さずコントロールも難しい。


が、ゲームではプレイの仕様上周回後なら特に問題なく運用できるし公式サイトの日記でも暴走オチ要員として割とポンポン出ている。
というか日記の方は普通に喋れる。


あらゆるものを食らいつくすという特性が極限まで高まっておりとんでもなく凶暴で、敵組織最強格のキャラと見ても遜色がない実力。
身体特性からか、ゲームのスキルでも多彩な呪術や格闘要素はほぼオミットされていて食らいつくす技か膨大な魔力で破壊するばかりのシンプルな能力構成となっている。



・ユナイバー
頓挫した続編に設定だけ存在する究極態。
クラインの壺によって人間の姿との垣根が無くなり、マントと兜を付けた闘士のような姿となった。
呪闘術を極めたその姿は圧倒的な格闘性能を誇り、能力構成も成体をブラッシュアップしたような物となっている。
必殺技として「コズミックワールド」というニューブローを持っているが、詳細不明。




【性格】

一言では説明し難い物がある。
設定だと「わがままで楽天家」とあって実際周囲を振り回す言動ばかり。欲求に弱く、恥も外聞もなく食事や欲しい物のために媚びたりなど我欲の塊その物。
また「むぃむぃ語」とも呼ばれる奇妙奇天烈な「むぃ」が語尾の幼児語めいた口調をしている。


特に飯が絡むと理性を失い、飯の邪魔をしたものは世界を滅ぼさんとする勢いで滅殺にかかる。
逆に言えばキレても飴でも差し出すと大概はコロっと忘れる。


BL的なネタに巻き込んだ妄想をしては周囲をげんなりさせたりゲイビデオや同人誌を収集しているなど嗜好は完全にそっち寄りで、そこで迷惑をかけるのはしょっちゅう。
よく「おっさんの赤フンドシ」を例えに出したり「美少年をはべらせたい」と言っている。
が、その割には上記の経歴による恋愛感情が欠落している精神構造肉体的にも性別が無い身体のせいか本気で男性と恋に落ちた事は無い。*2
どうやらあくまでBLは性的指向と言うより趣味止まりのようである。


更に戦隊ヒーローを毎週見てツッコミを入れる趣味を持っており、ちょくちょく物の例えに使う。
カラオケでも特撮ソングばかり歌い「宇宙の心」と豪語している。


食事やBL絡み抜きにも平然とアホなことを言いだしたり、意味不明なコントや奇妙なギャグを初めて周囲を引かせることも多い。
ギャグ話だとほぼ引っかき回しになっていて周囲を危険で珍妙なイタズラや思い付きの暴走で瀕死に追い込むなんてのはザラ。そしてその制裁で攻撃や拷問される目に合うのもザラ。*3


が、同時に目の前で誰かが困っていると助けたり、弱い者をいたぶるようなクズを見るとつい正義感でブチのめしたりすることも多い。
公式サイトのSSでは主人公として彼の一人称視点で話が進む話が多いのだが、シリアスな状況だと問題解決や仲間の救援のために論理的思考や常識的判断をするシーンが多く、心の声としては冷静な部分も散見する。*4



とにもかくにも欲求と衝動と理性と良心がなにもかも極端な人格をしていて、言ってしまえば
「どれほどクズなことをやらかしてもどれほど良心的に人助けをしてもどちらでも違和感が無い」存在。
反面、自身と違った方向の破綻者を見ると思わずブレーキ役やツッコミに回る事も。
ギャグイベントだと頭が悪すぎる理由で暴れまくったかと思えば張りつめたシーンだとわざと道化ぶったり、逆に理路整然と相手と舌戦を繰り広げるケースすらあるなどなんともギャップが激しい。


公式サイトSS終盤にあった地の文の解説では(欠落した恋愛感情以外はむしろ自由な発想力・思考力を持っているため)愚かさと同時に可能性や天才性を示唆する愚者のタロットがまさしく彼自身の象徴であると例えられていた。
言うなればタロットカードの愚者が戯画化された存在その物と言って良いキャラかもしれない。



余談だが、ゲーム作中のイベントであるキャラが彼の深層意識から真の望みを読み取ってか叶えようとしたことがある。
その望みは食べ物でも美少年でもなく「皆を護れる力が欲しい」だった。
願いは見事叶えられ力の一助となる仲間が増えたのだが……彼の心の奥底がどうなってるのかは、彼自身把握しかねるのかもしれない。




【女】

そして避けては通れない部分が女嫌いである。
宇宙の意志と言えば女嫌いであり、女嫌いと言えば宇宙の意志と言ってよいほどの作中を代表する女嫌い。


  • 女が出てくると露骨に辛辣になる。
  • 女性に抱きつかれるとジンマシンや鳥肌が立ち、気分が悪くなる。
  • 女性用の着衣済みの衣服などを触り続けていると体調を崩す。
  • 女性フェロモンに該当する物質を振りかけられただけで吐き気がして料理を食べられなくなる。

など個人的嫌悪と言うより身体反応のアレルギーに近いレベルの嫌悪感で、この世で最も嫌悪しているのが女性と公言してはばからないレベルでの女嫌い。


その異常きわまる女嫌いの理由は、宇宙の意志より先に身辺整理用の個体として父、コズミックアイに造られた、宇宙の意志の姉にあたる超人「雫」の存在。
(この一族?で身体的にまともな性別が確認できるのはほぼ彼女だけである)


長期出張帰りで初めて覚醒後に出会った時から彼女は宇宙の意志に異常な好感を有していて、更に自分に反抗的で生意気な態度の宇宙の意志にお仕置きと評して様々な過激な行動に出てしまう。
そういった雫の異常すぎる執着・愛情表現と姉としての意地悪な態度から、彼女絡みの言動に非常に酷いトラウマを抱え心に鍵をしてしまったのが女嫌いの根源である。*5
宇宙の意志当人曰く「この日まではまだ女性が少し苦手という程度だった」ので、ほぼ原因は100%彼女。
というか、それまでBL好きの描写も無かったのでその反動で好きになった疑惑さえある。


実際、宇宙の意志はゲーム作中だとごく普通に接してくるNPCと言った脇役の女性となら敵愾心も持たず世間話や軽い交流を持つ程度の描写はあったりする(雫の部下のメイドやそこらへんで会ったモブとはそれなりに喋ったり頼みごとをする描写がある)。
好意的にグイグイ来る女性あるいは突っかかってくる女性などには露骨に嫌悪感を見せるのだが……
女嫌いというより厳密には「姉と姉の人格を想起させる物が嫌い」が先で、女性全般への生理的嫌悪感は紐付けされた連想によるものと言った方が近いのかもしれない。
どちらにせよ、姉恐怖症から起因する女性嫌いなのは間違いない。


また心底嫌がってはいるが、実際に女性に手を上げたシーンはほぼ皆無と言っていいほど無い。
だがこれはCOSMICWORLDという作品において、女性どころか性別すら存在しない人外キャラが圧倒的に多く、
ゲームにおいては80人以上使用できるキャラの中で明確な使用可能である名有り女性キャラは僅か3名という仕様の問題も大きいだろう。


とはいえ嫌がっている名有りの女性と接する場合でも攻撃まで叩きこむシーンはどちらにせよ無く、
ギャグシーンでメインキャラが互いに致死レベルの攻撃で平然とボケやツッコミをし合うのが常套の作品にもかかわらず、むしろ穏当に罵言で絡むか拒絶するか恐怖に怯えるかが大体である(それでも周囲が苦言を呈するレベルで見苦しい言動ではあるのだが)。


姉相手には怖がりながらも反抗的な言葉を吐くか恐れおののき命乞いじみた言動ばかり取っているのが常。
「雫さんを呼ぶぞ」と言うのがある種の脅しめいた抑止力として機能しているシーンも多々ある。
そもそも雫の存在が宇宙の意志をここまでぶっ飛んだ性格にしたのでは? という疑問が浮上したこともあるが、実際どこからが彼の素でどこからがトラウマなのかは判断がしにくい。そもそもトラウマこれだけじゃないし。




【関係人物・用語】


  • コズミックアイ

世界を視る者「観察者」として創造主に作られた三次元管理プログラム。
宇宙の意志、宇宙の意思、雫の父親。外部からの通称はCEMの「目」だがそのままの外見をしている。
名前の通り巨大な眼球その物の姿をしており、世界を維持するため観察を続ける。
DMの台頭により対抗策として彼がCEMを創設、戦いが幕をあけた。


宇宙の意志以前にコズミックアイから身辺整理用に造られた超人。
そのため種族レベルで全く違うのだが宇宙の意志にとっては姉に該当する。
姿形は紫色の髪をしたメイドの女性。


人格としてはかわいいから虐めたくなるというサディスト要素まで混ざったブラコンで、溺愛していると同時に逆らうと意地悪を繰り返している。
彼女を呼ぶスイッチは宇宙の意志にとっては「核ミサイルスイッチ以上の脅威」に該当する。


また単に「精神的にかなわない」というだけではなく正真正銘CEMトップクラスの実力者であり、裏の裏とでもいうべき特殊任務に多く従事している。
世界管理者を蹴り飛ばしただのある世界の海の三分の一を凍らせただの魔界のダグラス砦を一人で守り切っただので「ダグラスの戦姫」だと言った物騒な異名をいくつも有している。


ハッキリ言って弟と同じかそれ以上にはワガママかつ破天荒。
誰が相手でも「ちゃん」付けで呼びたがるところや唐突に下ネタを挟むなど似た感性も持っている。
ほぼ保護者枠かつ被害が宇宙の意志にのみ向いてるから周囲からはあまりそう思われないだけで。


  • 宇宙の意思

異界から発生した宇宙の意志のコピー。当初は同じく語尾が「むぃ」だったが後にコズミックアイの処置により個性が発現。
語尾が「ぷぃ」になる。設定上でだけ存在するが一体どういう時系列で出現したのかといった逸話は全く無く、何やら重要存在そうなのにゲームでは当たり前に存在している。
最も謎が多い。


天界の神族などとはまた違った存在。
次元の管理者としてコズミックイヴそしてコズミックアイを造り出した数多の宇宙と世界を内包する「三次元」の創造主にして代表。本来の三次元の管理者。
言及されている部分は少なくただ「創造主は永遠ではなかった」と言われている。


が、DM(ダークメサイア)大幹部サンゼルマンの考察だと
「死んだのではなく、犠牲ばかり出る不完全な世界の管理に嫌気がさして管理を自分で造り出したアイとイヴに押し付けて逃げたのだろう」とのこと。
そこまで強大な神がただ永遠ではなくあっさりと死ぬのは理屈に合わず、おそらくはそのまま悠々自適に三次元世界のどこかでのうのうと生きているとか。


  • コズミックイヴ

世界を考える者「思考者」として創造主に作られた三次元管理プログラム。
本来はコズミックアイとそろって世界を管理する役割を持つ。
外見は謎に満ちていて出番も描写もまるでないが「偉大なる脳」と言及されているので恐らくは……


世界が争いに満ち不完全であることに疑問を持ち『選ばれた者だけを残してリセットするべき』という終末思想に憑かれ世界管理の義務を放棄。
彼女の後釜の管理者補佐として宇宙の意志が作成される。
DM(ダークメサイア)という多世界規模の過激派団体を率いて世界の再生(強い奴だけ選別して世界まるごと消しちゃう)を試みた悪の首領。

コズミックイヴの本当の目的は世界の革新ではない。
その目的は三次元世界の数々を破壊し、世界を管理する立場と義務から自分の伴侶として神に造られたコズミックアイを解放すること。


彼女にとっては、コズミックアイとは夫なのだった。
つまり『神』から押し付けられた義務の奴隷ではなく、己が伴侶と全てを解放された世で暮らしたい。そんなささやかな願いのために世界全てを滅ぼす組織を作り出した。


幹部も兵士も、そんなばかばかしい理由のために動かされていることは感知していない。これを知っているのはDMの大幹部数名のみ。
大幹部はその事情を知ってなお、仲間としてその願いをかなえるために闘うことを決めた強大な力を持つ『イヴの友』に過ぎない。
だからこそ、DMの命令系統は時に歪み、忠誠を誓っている筈の存在が不合理な行動や命令に巻き込まれたり造反因子として死ぬこととなる。
コズミックアイもまたそれを知ってはいるが、その開放を自ら拒絶し世界維持を優先している。


  • ソクラテス

哲学者のことではなくあるシステムの名称。
CEM(というかコズミックアイ)が所持しているアカシックレコード。三次元世界全ての情報が記録されており、最悪どの世界が滅びてもこれを用いればいくらでも世界を再度元の状態で造り直せる。


もちろんソクラテスによる再起動はCEMもなるべく避けたい最終手段ではあるのだが、これがあればちゃぶ台返しがいくらでも可能なためDMは必死でソクラテスを探し破壊を試みている。
CEMのメンバーならソクラテスにアクセスして情報を調べることはできるが、ソクラテスその物がどこにあるかはコズミックアイおよび限られた一部の者しか知らない。






ソクラテスはCOSMIC WORLDの主人公にしてコズミックアイの子供である「宇宙の意志」の内部に埋め込まれている。


宇宙の意志の正体とは「クラインの壺」そのもの。
この場合のクラインの壺とはいわゆる四次元構造体でもなんでもなく「異なる二つの力や要素を統合させる」能力を持ったシステムの名称であり、字。
コズミックアイの提案によりコズミックイヴと両名で休戦協定として互いに因子を出し、その力を統合して生まれたのが宇宙の意志。
宇宙の意志はコズミックアイが単体で生み出した単なる補佐プログラムではなく直系の二人の子供だったのだ。


その作成理由はコズミックアイとコズミックイヴの負担を減らすサブプログラムとして世界管理を円滑に進める折衷案……ではなかった。
それは休戦協定を一時的に結ぶための表向きの理由に過ぎず、コズミックアイの真の目的はアカシックレコード「ソクラテス」を中にしまいこんでおく殻の作成だった。


力を分けた我が子として生み出された宇宙の意志に対し、家族としての情がわいたコズミックイヴでは宇宙の意志を滅ぼしてまでソクラテスを取りだし破壊することができない。
伴侶としての自由をコズミックアイにすら求める程に家族に対する愛のため動くイヴが、自分たちの直接の子を殺すことなど絶対できないだろうから。
言わば「不死身な上にDMの手で破壊できない絶対安全なソクラテスを収める金庫」こそが宇宙の意志の真の製造目的であり存在理由。


世界の管理と維持のためにコズミックアイは生み出された我が子を人質としたのだ。


普通の転生した存在とあまりにかけ離れているのは「横山圭」としての人格が主端末だった「宇宙の意志」のパーソナルと事故的にクラインの壺の発動によって統合された結果生まれた合成人格のため。
ベースとしては横山圭と宇宙の意志は同一人物であるのだが、結果としてはかなりの別人というわけである。



数少ない事情を知るDM大幹部サンゼルマンはかつて宇宙の意志を倒せた状況にもかかわらず戦闘を中断し、彼に問いかけた。



「己が伴侶と我が子と共に生きたいと言うのは間違った願いか」



そもそもなぜDMの幹部は自分と死闘を繰り広げたのに、大幹部はどこか自分を倒さぬよう殺さぬよう立ち回っていたのか。
それは『友の子供』を護ろうとする行動に他ならない。
その意味を理解した宇宙の意志は、父であるコズミックアイの世界維持のため自らの伴侶を騙したと言う所業にショックを受けると共に、母であると判明したイヴの愛が子である自分に向いていたことをも知ってしまう。


ダークメサイアが自らその組織名に闇を冠している理由。
それは「神から使命として強制された世界管理など放り出し、家族で過ごしたい」という身勝手さから。
だが、同時にその真相を知る事をおめおめと許した父、コズミックアイもまた後ろめたさと自分に選択の自由を残していたのだと知り……



宇宙の意志は半端に人でなくなったこの歪な精神構造を自覚しつつも、その魂の内に秘めた心MIND IN MINDはまだ人間だろうからと人類を、そして人類の存在する世界の維持。
すなわちCEM側として戦い続けることを選択する。


それが現状の世界と人間をひいきするエゴに満ちた行為だとわかっても。まだ姿も見ぬ母に対する遠回しの敵対であると判っても、なお。
彼は世界のために仲間と共に戦う道を選んだ。



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*1 覚醒し前世の力を取り戻した宇宙の意志としてのBL趣味もあくまで娯楽媒体としての趣味嗜好でしかなく、恋愛感情の欠落は共通する思考
*2 そもそも宇宙の意志の周りには性別の概念が通じないキャラも結構多い。
*3 ただし彼の所属する組織CEMは宇宙の意志以外にも周囲に問題児が多く、危険行為は別に彼限定の話ではない。というか宇宙の意志の方がフォローや被害者役になるケースもそれなりに多い。
*4 一人称のモノローグだと口調は普通だし思考も冷静で、どこか全体的に客観的な視点で話を進めている。欲やギャグで唐突に思考が明後日の方向に飛ぶこともあるが
*5 雫からすると怯えてたり嫌がっている様がまた可愛いらしく、つい意地悪をしてしまうとか。好意は全力なのに意地悪もしてくると言うのは中々恐ろしい

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