アースライト(ゲーム)

ページ名:アースライト_ゲーム_

登録日:2022/08/12 Fri 15:55:08
更新日:2024/06/25 Tue 13:53:19NEW!
所要時間:約 28 分で読めます



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目次



◆概要


アースライト(EARTH LIGHT)とは1992年にハドソンから発売されたスーパーファミコン用ゲームソフトである。
ヘクスマップを採用したターン制の戦略シミュレーションで、ゲームモードはシナリオのみ。全30面。


同社の1989年発「ネクタリス」の系譜だが、ポップな見た目と初心者でも遊びやすい難易度に調整されているのが特徴。
ZOCの概念や包囲効果といった戦略的要素がある。



有名なファイアーエムブレム等と大きく異なるのは、マップのユニットは自敵で全て同じ性能かつ「数も各マップで固定」というところ。
ユニットはマップをまたいで引き継がれないので、そのマップ内でいくらユニットが撃破されても構わない。勝てばよかろうなのだァー
損害を抑えてもスコア以上のメリットはないので初心者にも安心。




◆システム


ヘクス(六角形)タイプの戦略SLGなのは前述した通りだが、これは以下のようなハチの巣のようなマスの並びになる。


 ■■
■■■
 ■■

実際にはこれに90度回転したものと2種類ある。しかし性質は同じ。
見てのとおり四角形タイプに比べて1マスに対し最大6マス接するのが特徴。


四角形タイプは斜めに接するマスは2マス分の距離として数える事が多く、斜めが絡むと見た目より距離が開く事になるが、
その点ヘクスタイプは距離を視覚化すると四角形より円に近くなるため距離感が直感的になる。
ZOCやユニットの「向き」を意識するシステムの場合との相性もいい。


難点はヘクスのマスは縦か横のどちらかが必ず非直線の並びになること。
上の例を見れば分かると思うが、上下に移動するときはうねうねと揺れながら進む事になる。
(アースライトでは並びが90度回転しているので横移動時にうねうねする。)




本作はSFウォーゲームではあるが兵器生産の要素はなく(ダメージによって減った機数の補充は可)、兵器は自軍の初期母艦や浮きドックのものか、敵・中立の浮きドックを占領して奪う事で調達する。
このため各マップごとのユニットの総数が増える事はない。


戦闘システムは

  • 対機動射撃・対艦射撃・白兵に大別する攻撃種類
  • ノーマル・ビーム・ミサイルの属性武器と地形の相性
  • 自分以外の味方がターゲットに隣接していると発生する支援効果
  • 自軍のユニットのZOCでターゲットを囲むと防御力を半減させられる包囲効果

などの要素を基本とする。


射程も直接攻撃と間接攻撃に分かれるが、直接攻撃の場合は相手と武器によっては反撃される恐れがある。




BGMは多くがクラシックからの引用。しかし音色がポップなので雰囲気が堅苦しいという事はない。
優位時に流れる曲は印象に残りやすい。
原曲が不明のものもあるため、恐らくオリジナルも含まれていると思われる。




◆ストーリー


22世紀、人類は宇宙への進出を果たし、その大半がファクトリーと呼ばれる宇宙コロニーに居住し生活していた。
だが、突如ファクトリーの一つが「ガルト帝国(GALT)」を名乗り地球政府からの独立を宣言。
ガルト皇帝を名乗るアーリマン・アヴェスターは用意していた軍隊を派遣、瞬く間に他のファクトリーを占領していく。


僅か数週間で7つのうちの5つのファクトリーを制圧したアーリマンは、地球政府に降伏を迫った。
配備された大量破壊兵器「バッカニア砲」を前に、地球は彼の手に落ちるかと思われたが…。


ガルト軍の攻撃を逃れた各ファクトリー軍は、アーリマンの野望を打ち砕くため反ガルト連邦を結成、決死の反撃を開始する。





ちなみにパッケージ画像の左に描かれている世紀末感漂うモヒカンがアーリマン本人である。
ラスボスがパッケージを飾るというのも珍しい。




◆ユニット


SFらしく人型兵器や戦闘機、戦艦などが登場。
SFCという事でかわいらしいポップなデザインで子供向け…かと思いきや、侮れない設定がしっかりなされており、長所短所もはっきりしている。


ユニットは大きく分けて「機動ユニット」「艦船ユニット」に分かれ、射撃攻撃はそれぞれ対機動・対艦で対応。
つまり合致したタイプの武器がないと攻撃する事ができない。
白兵攻撃はどちらにも使用可能だが、使えるのはHU兵器のみ(一部例外アリ)である。




HU兵器


分類は機動ユニット。
HUは「ハードユニット」の略で、人型のロボット兵器を指す。
性能はそこそこだが白兵・射撃の両方を備えているため、多くの状況で味方から相互に支援効果をもたらす長所がある。
このため一見攻撃力に劣るスペックでもそれなりの攻撃力を出す事が可能。



◆HUB-01 マルス
最初のマップから登場する標準的なHU。
一見するとピラフマシンのような形状で頭部が胴体に収まり、胴体から肩~フレキシブルな腕、腿~接地面積が大きく力強い脚といった構造になっている。
武装は中型のビームガンと背中にマウントした実ブレード。
スペック上はパッとしない火力に見えるが、他のHUと違い射撃・白兵どちらにも偏っていないので様々な状況で支援効果が活きてくる。
機動力も十分あるので連携自体もやりやすく、これから登場する兵器に対する有利不利もきっちりしている事から、始めたばかりのプレイヤーの教育係ともいえよう。


序盤を過ぎても汎用性の高さは利点で、ZOCを活用して味方をカバーしたり、標準的の名にふさわしい活躍が期待できる。
被害担当としても活躍する。



◆HU-AX45 タロス
白兵戦に特化したHU兵器。
マップチップ上はずんぐりむっくりだが、個別画像では引き締まった体型と巨大な肩アーマーがカッコイイ。
最大の特徴である高出力ビームサーベルはHUの持つ武器としては最高峰の威力を誇り、艦船にも大打撃を与えられる優秀な兵装である。
両腕内部には予備武器として小型ビームガンも仕込んであるが、こちらは緊急用なのでごく低出力。
つまり実質格闘一本の漢機体である。


難点は格闘特化のくせに移動力がやや低めなこと。戦線に追い付けず居場所に困る事もある。
また武器が両方ともビーム属性なので、ビームを100%遮断される地形「磁気帯」では何もできなくなってしまう。
なまじ装甲が厚いので囮として優秀で、得意の格闘より盾にされる事の方が多かったり…。



◆HU-NN7 ティタン
長距離レールガンを積んだHU兵器。
解説と戦闘で画像がまったく異なり、解説画面やマップ上では頭部~胸部からレールガンの砲身が生えているような見た目でかなり異形。
砲身の上に顔っぽいものは見えるが、ぱっと見では頭のない変な機体である…。
一方で戦闘画像では普通の人型になっており、こっちだときちんと頭があり、レールガンも背中に背負っている。攻撃時は可動式の砲身を肩に背負う形で発射。


しかしながら、その不安定な外見と裏腹に性能はすこぶる優秀。
機動力がある上に移動後の間接射撃が可能なので、最大8マス先の敵まで狙える。
対機動間接射撃そのものが割と貴重な事もあり、序盤から終盤まで後方支援役として働き続ける事となる。


また予備武装として白兵戦用のハンマーを装備しており、白兵戦もちょっとだけこなせる。
間接射撃タイプなので、敵の射撃に反撃できないのが弱点。



◆HU-M34 メデゥサ
両肩に巨大でゴツい対機動ミサイルポッドを積んだ機体。
珍しく4つ足の多脚タイプであり、基本は人型の外見ではあるが固定砲台のような要素も見られる。
手には大型フレイルを装備。


なかなか頼りがいのありそうな見た目なのだが、しかしHU兵器の中ではクセの強い機体で、まず両肩ミサポがでかい的になっているせいか防御力が紙。
ゴツいミサポも攻撃力は思ったほど高くはなく、マルス相手に単機でやり合うと紙装甲が響いて損害でイーブン~やや負け。
白兵戦用に持っているフレイルも見た目に反してかなり貧弱で、艦船を殴っても最低ダメージしか出ない事が多い。


ではザコ機体なのか…と言われればそんな事はなく、真価はHU最速の機動力にある。
これによりマルスよりも敵の包囲がしやすく、またマルスとの支援効果も期待できる優秀なサポート役となる。
他の機体では届かない遠方のドックを狙ったり、戦闘機と連携する事も可能。
要するに単体で運用するものではない、連携重視の軽量級機体である(外見はどう見ても重装型だが)。



◆CHU-03R/CHU-03F アテナ
CHU-03Fは爆撃機形態の型式。
タイトルロゴにも登場している本作の主役機体。プレイヤーが使えるようになるのは終盤だけどな!
白と赤を基調としたスマートなデザインでかっこかわいい。
最大の特徴は可変機体であること。
人型(HU)と戦闘機型(爆撃機)に任意で変形でき、両方の役割をこなす事ができる最新鋭のマルチファイターである。
爆撃機形態では戦闘機なみの高機動力でブロンテスと同じ単発式の対艦重爆撃が可能になる。
変形時にはちょっとしたコマアニメが流れる。


HU形態での武装はレールガンポッドとサーベル(物理)。どちらも実弾属性なので磁気帯で無力化されない。
威力も優秀で、マルスやメデゥサと比べて一目瞭然の高火力。
防御力も高いのでまさに終盤の強機体である。


…が、何事にも弱点はあり、万能ではないのが本作のバランス。
まずHU形態の移動力はタロスと同じで遅め。
またレールガンは間接射撃なので後方支援に役立つが、逆に言えば射撃戦では反撃できない。
爆撃機形態は単純な爆撃威力ではブロンテスに劣るし、あちらと違い爆撃後の性能アップといった恩恵もない。
レールガンポッドは撃てず、射撃は背部の2連装対機動レールガンを使用する事になるが、こちらは反撃に使用可能とはいえ威力が低くとても主力にはできない。


つまりどちらの形態であっても近距離の射撃戦に弱いという事である。
もちろん爆撃機形態であれば白兵でボコボコにされてしまう。
先にガルト軍が最新鋭機として投入してくるので、必然的にこうした弱点から覚える事になる。




戦闘機


宇宙戦闘機である。このカテゴリでは重爆撃機、輸送艇も一緒に紹介。
最大の特徴はHUの倍近い機動性で、単純な移動力の高さだけでなく地形に対する影響もほとんど受けない。
これによりHU兵器と連携したり、敵の裏を取ったり、爆撃機を迎撃したり、浮きドックの確保などなど、様々な活躍が期待できる。
代わりに白兵攻撃には反撃できない。さすがに腕のついた戦闘機は作らなかったか…。
爆撃機は強力な対艦ミサイルを搭載し、艦船にとっては大きな脅威となる。



◆FS-41 ロブスター
丸みを帯びたぶっとい両腕に強力な対機動ビーム砲を搭載した宇宙戦闘機。
名前の通り、その両腕がロブスターの鋏のように見えなくもない。茹でたら美味しそう
発射されるビームの威力は凄まじく、HU兵器と比較してもかなりの火力を持っている。


代表的な戦闘機であり、高火力・高機動力・低防御力という分かりやすくて使い勝手のよい性質からファンが多い。
砲撃艦艇や固定砲台を遠距離から一気に近付いて殲滅したり、厄介な重爆撃機を迎撃したり、間接射撃を持つティタンやアテナを反撃させずに潰したり等、様々な局面で仕事のできる機体である。



◆FFA-81 クレーネ
マルチロールを主眼に置いた宇宙攻撃機。
ロブスターと同じく両腕に推進機構と一体化した武器を持つが、こちらはビーム砲ではなく対艦ミサイルポッドで、また腕部より中央寄りに可動式レールガンを装備しており対機動兵器にはこちらを使用する。
つまり機動ユニットでは珍しい対機動射撃・対艦射撃の両方を持っている戦闘機である。
戦闘時の外見はほとんど箱。まあ硬そうではあるが…(実際防御力がありけっこう硬い)。


一方、武装はどちらも小さくまとまっていて火力に乏しいのが難点。
HU兵器で言えばマルスに近く、ZOCや移動力を活かした支援効果や包囲効果で火力を確保するのが重要となる。
防御力があり盾として使いやすい点も共通している。



◆FB-97 ブロンテス
みんな大好き恐怖の重爆撃機。
見ただけで分かる単発式の対艦大型ミサイルが特徴。ミサイルの見た目はまるで巨大な鉛筆のよう。
破壊力も絶大で、1発で駆逐艦、2発で巡洋艦、3発で機動母艦が吹っ飛び戦艦が瀕死に追い込まれる。しかもこれは経験値のない状態の話であり、数回に渡る戦闘で育ったブロンテスはハンニバルすら普通に1発で轟沈させるほどになる。
高い移動力で遠方から接近し、対艦ミサイルをぶっぱなして去っていくその姿は艦船にとって悪魔そのもの。


さらにこのブロンテス、対艦ミサイル自体の威力もさることながら爆撃後に再移動が可能なうえ、ミサイルを撃った後の状態では移動力と防御力が増加するというヤバイ特性まで持っている。
しかもそのどちらも機動ユニット最速の移動力12、最硬クラスの防御力65。
生半可な機体では仕留められないどころか、ZOCを活用した極めてウザい運用まで可能なのである。
対艦ミサイルは浮きドックや機動母艦に収容すると再装備されるが、この性質のためあえてミサイル補給をしない戦術も強い。


小癪なことに自衛用に小型のビーム砲も装備しているので、非力ながら射撃に対する反撃能力も備えている。
敵に出てくると非常にイヤだが、味方として使う分にはこれほど頼もしい対艦兵器はない。



◆ICR-1 クラブⅠ
輸送艇。というかコンテナとそれを運ぶドローンのセットである。なかなか愛らしい見た目をしている。


機動ユニットと同じ8機編成で、内部に機動ユニットを一つ収納・発進できるのが特徴。
自力での移動手段のない固定砲台や、移動力の低いユニットを運ぶのが主な仕事。
もちろん運搬中に攻撃を受けると撃墜された数だけ積んでいたユニットの機数も減る。
おまけに防御力は紙。武装も自衛用に積んだ程度の代物であり、しかもユニット運搬中は使えない。


しかし支援効果があるため戦闘機隊の補助としても使えたり、敵に狙われやすいため囮として優秀だったりと、プレイヤーによって運用方法がガラリと変わる面白い機体でもある。




砲撃艦艇


間接射撃専門の機動ユニット。長射程武器を積んだ艦艇で、移動力を持った砲台といった感じ。
強力な攻撃性能を持つ代わりに移動後の攻撃ができない。
当然反撃能力はないし、接近されると攻撃も封じられてしまう(間接射撃は基本的に射程2~)。
他のゲームでいう投石器やバリスタみたいな存在か。


ちなみに機動性はHU兵器と同等だが、艦艇なので地形適性が少し異なる。



◆CUB-6 ガンナー
2連装×4本の長砲身・対機動長距離パルスビーム砲を持った砲撃艦艇。
マップではチップの大きさの関係で短砲身に見えるが、設定画面や戦闘時では相当長い。


高性能なアクティブレーダーを積んでいるため遠い目標を捕捉でき、遠距離間接射撃を行える。
が、他の砲撃艦艇と比べて移動力が低く、射程も大きなアドバンテージになるほど長くはないので案外使いづらい。
火力自体は十分あるので通好みの機体と言える。



◆CUN-42 スナイパー
4連対艦長距離レールガンを装備した機体。
顔から4連装×2本の砲身が生えているような姿をしており、ティタンとは別の意味で奇抜なデザインである。
ガンナーが対機動専門であり、こちらはその対になる対艦専門の砲撃艦艇。移動力はこちらの方が高い。


威力はかなりのもので、機動ユニットの装備するレールガンでありながら戦艦の火力に匹敵する…よくよく考えたらこいつやばくね?
もちろん対艦にしか使えないので機動ユニットには無力だが、自力で移動できる分固定砲台のドラゴンよりも使い勝手は良い。



◆CUM-7 ランチャー
長距離ミサイルポッドを装備した砲撃艦艇。
ミサイルポッドは機体正面中央をグルリと囲むように配置されており、いかにも火力全振りといった感じである。
性能としてはガンナーやスナイパーより威力こそ劣るが、対機動・対艦どちらも攻撃でき、しかもミサイル属性による迂回射線特性によって狙いをつけやすい。
あらゆる局面でコンスタントに敵戦力を削る、極めて重要度の高いユニットである。


なお、火気厳禁な見た目とは裏腹に意外にも防御力は高め。
もっとも本機で防御力が活きるというのは、何か根本的に戦略ミスをしているのと同義だが…。




固定砲台


砲撃艦艇から移動力を取っ払ってさらに武装を強化したようなユニット。
最高クラスの射程と火力を持つ。
砲台ではあるが8機編成のため機動ユニット扱い。



◆SG-DR10 ドラゴン
外見そのまんま対艦ビーム砲。ぶっとい大口径の砲身が頼もしい。
どう見ても陣地に作る砲台であって運んで使えるような代物に見えないが、これでもクラブⅠで運搬可能である。
一応球体のような足(?)はついている。
長距離ビーム砲の威力はブロンテスの爆撃と同値。あちらと違い再補給せず毎ターン撃てるのが特徴。
ビーム属性の割に発射音もなかなか重々しく、継続的な対艦火力は随一。


だがいくら長射程でも岩場などで射線を阻まれれば届かないため、配置場所にはけっこう頭を悩ませる。
もちろん磁気帯に阻まれれば役に立たない。
艦船とブロンテスとスナイパーが頑張れば別にいらなくね?ってなる事もたまにある。


敵基地付近にも防衛砲台としてよく配備されている。
ただ艦船が基地付近まで接近するには大抵は主力艦隊を撃破しなくてはならないので、最後にポツンと残っている事が多い。
機動ユニットのおやつ。



◆SG-HY7 ハイドラ
対機動ミサイルランチャー兵器。
こちらも外見そのまんまミサイルポッド…ではあるが、ドラゴンと違い接地用の四本の脚があり、どことなくHU兵器の名残が見られる。


性能的には最強の対機動射撃を持った砲台で、射程は最長の6、威力は圧巻の180。
これはほぼ全ての機動ユニットを一撃で消し飛ばすという恐るべきもの。*1
プレイヤーからの信頼も厚く、マップのどこに配置するかが戦略上の大きなウェイトを占める重要ユニットの一つ。


ドラゴンと同じく敵基地周辺にもよく配備されている。動けないので基地付近にポツンと残されている事が多いのも同じ。
戦闘機・駆逐艦のおやつ。



◆SG-RA4 ラハブ
要塞防衛用の移動砲台。ここまでの固定砲台と違いレール上を移動可能な自走式である。
形状は火砲の欲張りセットで、ドラゴンのような大型対艦ビーム砲を上部に3連装、その下に対機動長距離ビーム砲4連装がついており、その火力はそれぞれの専門たるドラゴン・ハイドラと比べても僅かに劣る程度でしかなく、あらゆる兵器に対し高火力を叩き出せる。
レールの上にしか移動できないという制約こそあるものの、移動力10、最大射程5……つまり15マス以内に標的がいると凄まじい勢いで迫ってくるという恐怖の存在。


ただし装甲は紙を通り越して存在しないレベルなので、囮さえいれば楽勝ではある。
どのくらい紙かというと非力で有名なクラブⅠやブロンテスの対機動射撃で壊滅する。もろすぎやしませんか。


基本的には要塞の防衛兵器として配備されているため、攻める作戦の多いプレイヤー側にとって使えるマップは僅か。
この時クラブⅠで運搬する事もできるが、レール以外に置くと以後固定砲台と同じく移動できなくなる。




宇宙機雷


◆SBBW-4 ウィスプ
まんま宇宙機雷だが攻撃能力はなく、自力での移動もできない。
ZOCで敵を足止めするためのユニット。経験値をプレゼントしてしまうのはご愛嬌。
一応防御力は全ユニット最高である。




巡洋艦


ここから艦船ユニット。
機動ユニットが8機編成なのに対し、艦船ユニットは1隻かつ独自のHPを持っている。*2
艦船ユニットを攻撃するには対艦射撃か白兵が必要になる。
巡洋艦は艦船としては小型に分類され、浮きドックに収容する事で修理が可能。



◆SCG-MB1 ハンニバル
標準タイプの巡洋艦。
まず見て驚くのはそのデザインの奇抜さ。瓢箪みたいなコミカルな素体になんとも頼りない艦橋がついている。
これがアースライト世界の魅力でもあり、今後も面白いデザインの艦船が次々登場するので楽しみにしていきたいところ。


主武装は艦首を囲むように配置された2連装の対艦ビーム砲塔×3門。
なかなかの威力と射程を持ち、使い勝手は良好。移動力も十分ある。
装甲もそこそこ厚く、数値上のHPこそ低めに見えるが生半可な艦船より少しだけ打たれ強い。
最前線で攻撃と盾の両方を兼ねる、艦隊戦の主力となる。


ちなみに自衛用に対機動レールガンを28門装備しているが、こちらはあくまで非常用。
クラブⅠの射撃よりマシといった程度の威力しかないので基本的に使えない。
このため機動ユニットに接近されるとかなりきつい。



◆SCG-BM レグルス
ハンニバルのそっくりさん。
武器がなければ素体は一緒で、艦橋は逆向きについている。プレイヤーもよく見間違いを起こす。


武装性能はハンニバルと対になっており、対艦射撃が非力な代わりに38門対機動用ビーム砲の威力が高くなっている。
だが射程が1にもかかわらず移動力が低いため、得意の対機動射撃を活かせる場面は少なめ。
ぶっちゃけ本作における最弱ユニットであり、多くのプレイヤーが「レグルスだけは活用できなかった」と評する存在である…。


ガルト軍も軽く見ているらしく、他にユニットがいる状況だと狙われる優先順位がかなり低い様子。
実際プレイヤーもこいつの排除は後回しにする事が多い。



◆SCG-AX コルバス
奇抜さここに極まれり、白兵武器を持った巡洋艦。なんだそれ。
どういう事かと言うと船体側面に4つずつハッチがあり、そこから巨大なクローを射出する。なんだそれ。
機動ユニットにとって極めて脅威であることはもちろん、艦船もあんなもので殴られたらたまらない。なにしろ威力は230と重爆撃をも上回るヤケクソじみた数値である。


他の武装も充実しており、大口径2連装の対艦レールガン、対機動レールガン12門を備え、どちらも侮れない火力がある。
おまけに装甲は他の巡洋艦を遥かに上回るというのだから厄介極まりない。


ゲームが進めばプレイヤー側にも配備されるが、移動力が低いため多彩な武装が活きる画面は思ったより少ない。
下手に温存しても意味がないと割り切り、最前線で味方の盾になりつつ暴れさせるのが最もコルバスらしい運用だろうか。何かとタフな奴なので使いではある。




駆逐艦


巡洋艦よりもさらに小さい艦船ユニット。浮きドックに収容可能。
現実の駆逐艦とはだいぶ異なるのでそこは注意。
なかなかの変わり種が揃ったカテゴリであり、傾向としては高い移動力と中程度の攻撃力を持ち、移動力が残っている限り攻撃後の再移動ができる。
弱点は貧弱な耐久力。防御力もHPも低く、爆撃を受けようものなら大抵は一撃で轟沈する。



◆DDG-BB7 フェンリル
高速で接近し、近距離で対機動射撃を撃ち込む駆逐艦。
船体に4つの砲塔がゴテゴテとついており、その姿はさながら多頭の獣のよう。こちらの方がハイドラの名前に相応しい気が。
さらに砲塔は一つにつき8門の速射砲、つまり計32門に上り、これで機動ユニットをハチの巣にしてしまう。


武装と移動力を鑑みると戦闘機に近い能力と言えるが、フェンリルは艦船ユニットなので、対艦射撃を持たない相手からは反撃を受けない。
接近戦で対艦射撃を仕掛けてくる機動ユニットはクレーネくらいなものなので、ほぼノーリスクで戦端を開けるということ。
これにより切り込み隊長としても大活躍する。
(浮きドックを制圧する際は非力ながら反撃されるので注意。詳しくはペルガミノ項)



◆DDG-AX9 グラント
コンパクトな船体に武装を詰め込んだ駆逐艦。
下部からにょっきり生えている対艦4連装レールガンを主砲とし、射程こそ短いものの巡洋艦以上の火力を持っている。
対機動用に小型ミサイルも持っているが、こちらは低威力なためあえて使う理由はない。


基本的に対艦ユニットが不足する事は少ないため、弱くはないが使い所に若干困るユニット。
使い捨てでも火力を発揮できる分、レグルスよりは遥かにマシだが…。
移動力が7と奇数のため、攻撃後に元の位置に戻りたい時は位置取りにも注意する必要がある。



◆DDG-MN6 ヘルハウンド
突撃する事しか考えていないような、なんとも潔い形状をした駆逐艦。
瓶のような船体の前方に対機動用8連装連射レールガン2門・中距離対艦ミサイル発射管6門を集中配備している。


見た目に反して汎用性重視の能力を持っており、威力こそ控えめだが堅実に火力を発揮できるのが強み。
HU兵器と連携して敵艦船を削ったり、機動ユニットを減らしたりと、地味ながらスルメのような味わいのあるユニットである。




戦艦


宇宙戦争の花形。それが戦艦である。
強力な武装と高い防御力・HPを備え、旗艦に相応しい能力を持つ。
ただしサイズが大きく、浮きドックには収容不可。
なので一度ダメージを受けると修理する方法がなく、損傷するに従って攻撃力も低下する一方となる。
旗艦として、撃沈されると敗北になるマップもある。



◆BB-04 ティアマト
最初に登場する戦艦。
標準的なのが売りだが、やっぱり変な見た目…もとい、個性的な外見が目を引く。
例えようがないので、実際に見てもらわないとこの不思議な外観は伝わらないと思われるが、マップ画面ではカセットテープのように見える。


武装は3連装の対艦大型ビーム砲塔を4門、対機動用のパルスビーム砲塔を32門。
対艦射撃の威力は巡洋艦を遥かに凌ぐ。射程もアスラより長い。
対機動射撃もフェンリル並みの威力を持っており、防空能力も高め。
HPも高く、さすが戦艦といった性能である。



◆BB-AII アスラⅡ
戦艦としては素直な見た目で、艦首にある巨大な4連装長距離対艦レールガン2門が特徴。
機動ユニットに対しては10基のミサイルポッドで対処する。


対艦射撃の射程こそティアマトに劣るものの、それ以外はほぼ上位互換と言ってもいい性能を持つ最新型の戦艦である。
対艦射撃の破壊力も勿論だが、対機動射撃ですら威力110と砲撃艦艇すら上回る大火力を誇り、しかも移動力まで高いので自分から仕掛けるのも容易と攻撃性能については他の追随を許さない。
HPも数値上はティアマトに劣るが、防御力が高いので実際はティアマトより硬い。
戦艦として使い勝手の良さは随一である。



◆BB-MM4 ノーデンス
通称「クジラ」。由来はもちろん外見から。なんとなく飛行船にも見える。
しかしツルっとしたその見た目とは裏腹に耐久力も装甲も桁違いであり、あのブロンテスですらこいつを撃沈するには相当な爆撃を要するほど硬い。間違いなく本作でもっともしぶといユニットである。


武装は船内に仕込んだ対艦大型ミサイル発射管5つ。
その威力はブロンテスの爆撃と同値。
毎ターン移動しながら射程2~4の対艦重爆撃をバラ撒くようなものであり、こいつが含まれた部隊と馬鹿正直に艦隊戦を挑もうものなら全滅は必至である。


代わりに移動力が3と全ユニットで最も遅い。また初登場(もちろんガルト軍が最新艦として投入してくる)マップではおあつらえ向きにクレーネを確保できるため、これでZOCで妨害しつつ一方的に削っていく様はよくクジラ漁と呼ばれる。
対機動ユニット用の武器が何もないのでHU兵器の白兵でボコるのも有効。




機動母艦


機動ユニットを内部に収容・発艦できる大型艦船。
戦艦と同じくデカいため浮きドックに収容できず、修理する方法はないが、代わりに内部に収容した機動ユニットを自動的に修理する。
爆撃機はミサイルも再装備されるので、移動基地としての役割が大きい。
言うまでもないが轟沈すると内部に収容していたユニットも消滅する。



◆CV-MN2 イリス
標準的な積載能力を持つ機動母艦。羽子板。
ブロンテスを筆頭とした機動ユニットの移動補給基地であると共に、数少ない対機動間接射撃の使い手でもある。
その性能はティタンとほぼ同等。ミサイル属性なので射線も少し有利。


なおカタパルトのある甲板の両脇には小型砲塔がズラリと並んでいるが、これらは飾りなのか使用できない。
対機動に使うのは艦橋目前にある中距離ミサイルポッドである。



◆CV-B44 アルテミス
ベルトコンベアーを並べたような奇妙な双胴が特徴的な機動母艦。
他の奇抜なユニットと比べるとそこまで異質な見た目ではないのだが、それでも他に形容しようがない。


長いカタパルトによりユニットを2マス先まで射出することができ、最大で1ターン18ユニット発進可能なのが特徴。
この発進はアルテミスにしかない固有の性質があり、ミサイル以外の間接射撃のように障害物で阻まれている先のマスには射出できなかったり、通常は入れない重力地帯にHUを射出できたり、敵のZOCを無視して射出できたりする。


武装はイリスと同じくカタパルト両脇に対機動ビーム砲が並べられている。数は外見から数えると16門。
イリスと違い間接射撃ではないため使える機会は減るものの、威力自体は優っている。



◆CV-C8 セレネ
機動力に特化した小型の機動母艦。その移動力は7と駆逐艦に匹敵し、高速で多数の機動ユニットを運搬できる。
外見は球体に近い船体と左右に腕のような発進口・カタパルトへと続く。
母艦としては珍しく格納庫への開閉シャッターが見られ、独特な見た目ながら最も母艦らしい姿をしていると言えなくもない。


威力は低いが武器は一応積まれており、船体左右の3連レールガン×2門による対機動射撃が可能。
低いといっても素のマルス並みの数値ではあるので、対艦射撃に気を付ければ削りとしても十分使える。




特殊艦


艦船ユニットの中でも複合した能力を持ったものや、当てはまらないものを記す。



◆CV-CHX サイレン
航空戦艦。蒲鉾をひっくり返して側面から艦橋を生やしたような見た目をしている。
母艦形態と戦艦形態に任意に変形可能で、砲塔つき甲板とカタパルト甲板を入れ替える。ガミラスのアレ
当然だが戦艦形態の時に機動ユニットの発着はできないし、母艦形態では対艦射撃が使えなくなる。


武装としては巡洋艦より強力な対機動・対艦を持ち、戦艦と比べると若干劣る程度。
もっとも対機動用の砲塔は割とヤケクソに並べられており、急場にこしらえた感がなくもない。22門の砲塔がカタパルトを囲むように配置されている。


最大の難点は防御力。
HPは高めに見えるが、変形という複雑な機構が祟ってか装甲が薄い。
これにより実際の打たれ強さはハンニバル以下だったりする。



◆BB-V3 ハスター
豚。由来はマップ上の見た目。
数ある奇抜な艦船ユニットの中でもぶっ飛んだデザインで、文章にすると「球の船体にリーゼントのような土台をつけて砲塔を並べた」風味。
ちなみにガルト軍専用の航空戦艦で、プレイヤーが使うことはできない。


サイレンと異なり変形の必要なくユニットの発着が可能で、それでいて航空戦艦でありながら移動力が6もある特殊艦である。
主砲は土台に生えた2連装の対艦ビーム砲塔4門。サイレンより若干落ちるが、巡洋艦よりは高い。
対機動用にレールガンも装備されているが、こちらは凡庸な威力に収まっている。


総合的には優秀な性能なのだが、サイレンと同じく装甲が薄い上、なまじ移動力が高いせいか単艦で突撃してくるためそれほど脅威ではなかったりする。
敵専用という事もあって、ある意味で不憫なユニット。



◆MSP-21 アバドン
恐怖の核爆弾「アトム」を装備するミサイル艦。
ブロンテスよりさらにヤバい見た目をしており、巨大なアトムを抱えているドローンのような姿。これもうミサイル艦と呼ぶべきものなのか…なんだこれ?
単発式で、しかもアバドンは艦船のため再補充は浮きドックでしかできないが、発射された地点と周囲1マスのあらゆるユニットと地形を消し飛ばす
カタログ上の威力は255だが無関係に消滅させる。


ただし移動力は低いので、普通はドック周りでしか使う機会はない。一応、アトムを撃った後は移動力が増える。
他に、自衛用に小型の対機動用ビームガンを背中(?)に装備している。
このビームガン、ゲーム中では射程1の対機動射撃でありながら「間接射撃Ⅰ」のマークがついているため、もしかすると独特な反撃仕様を持っている可能性があるのだが、こいつで交戦する事はまず有り得ないので詳細は不明である。




構造物


浮きドックや司令塔などの施設。
マップにおける作戦目標で、破壊する/される事が勝敗条件になる。



◆DOC-TY3 ペルガミノ
浮きドック。マップ上に点在する基地で、移動不可。
2本の巨大なシリンダーと隣接する発進口で構成され、内部に機動ユニット・巡洋艦・駆逐艦を収容し修理ができる。


自軍・ガルト軍・中立のものが存在し、中立のものは行動しない。
ペルガミノは他のユニットと違いHPが0になっても破壊はされず、「占領」となってとどめを刺した陣営のものになる。
この時内部にあったユニットも丸ごとその陣営のものとなるので、マップではいかにガルトより先に中立のドックを確保するかが重要となる。


艦船ユニットのようにHPを持つものの、攻撃するには対機動射撃か白兵が必要で、対艦射撃や爆撃で狙う事はできない。
まあそんなもの撃ち込んだら占領どころか内部までぶっ壊してしまうから仕方ないが…。
また自己修復機能を持ち、ターンごとにHPが回復する性質がある。


自動防御システムが備わっており、非力ながら対機動射撃・対艦射撃で反撃を行う(自分から攻撃する事はない)。




◆CT-TYX6 ブレイン
◆FOR-TY1 ソロモン
◆FOR-TY2 カルタゴ
◆FOR-TY4 ゴリアテ
司令塔もしくは要塞。作戦目標であり、破壊によって勝敗が決まる構造物。
どれも性質としては大差ないものだが、ソロモン以降は武装で自衛しており(反撃のみ)、カルタゴ、ゴリアテと進むに従って火力が大きくなっていく。
もっとも射程は1のまま伸びないため、巡洋艦・戦艦の砲撃や爆撃であっさり破壊されてしまう点は変わらない。



◆CT-TY4 アッザム
バッカニア砲の制御システム。扱いはブレインと同じ。
破壊する事でターン毎のバッカニア砲の発射演出も止まる。





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  • この調子でぜひとも、ネクタリスの記事も期待したいところ -- 名無しさん (2022-08-12 17:30:42)
  • BGMに有名なクラシックが流れていたのをよく覚えてる、またステージごとにサブタイトルがついてたりもしたな -- 名無しさん (2022-08-13 20:54:03)
  • キャラクター性とストーリー性を大幅に増した続編もありました -- 名無しさん (2022-08-14 13:25:49)

#comment(striction)

*1 初期状態では爆撃後のブロンテス等生き残るユニットもいるが、大抵はその前にガンガン撃墜して経験値を稼いでいくので手の付けられない火力になっていく。
*2 機動ユニットは機数=HP、つまり8。

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