ライフチェンジャー(遊戯王OCG)

ページ名:ライフチェンジャー_遊戯王OCG_

登録日:2022/06/02(木) 22:53:43
更新日:2024/06/18 Tue 13:55:16NEW!
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遊戯王 遊戯王ocg 罠カード 禁止カード 1ターンキル ワンキル マジエク帝 通常罠 enemy of justice 3000




「ライフチェンジャー」とは遊戯王OCGに登場するカード。



概要

2006年2月16日発売の「ENEMY OF JUSTICE」が初収録。
このパックの主なカードは以下のものがある。


  • アニメカードであり初登場のD-HERO
  • 《裁きを下す者-ボルテニス》や宣告者などの所謂エンジェルパーミッション用カード
  • 大人版霊使い
  • 永続除外系メタとして今でも使われる《閃光の追放者》《次元の裂け目》《マクロコスモス
  • GX期パックではお馴染みの融合E・HEROや現役のサーチカード《E-エマージェンシーコール》
  • 妥協召喚できる代わりに自壊する光神機シリーズ
  • 鳥獣族サポートで後にBFで猛威を振るう《ゴッドバードアタック
  • 長い時を経てDCGである種の大活躍をする《デステニー・デストロイ

その中でアニメ登場カードでもシリーズカードでもなくひっそりと登場していたのが《ライフチェンジャー》である。
カードテキストは以下の通り。


通常罠
お互いのライフポイントに8000ポイント以上の差があった場合に発動する事ができる。
お互いのライフポイントは3000になる。


お互いのライフを3000にするカードでこの後に《残骸爆破》などを決めてしまえばライフを一気に削り落とし勝利できる。
しかし、発動条件が異常に厳しくお互いのライフポイントが8000以上開いていないと発動できない
自分のライフをどんなに削ろうと付けられるライフ差は7999が限界であり、相手のライフが初期ライフポイントを越える8001以上にならなければ達成できない。
相手に回復してもらうのは依存度があまりにも高すぎるので、自分で相手のライフを回復させる手段を用意する必要がある。
そのため相手のライフを削るカードなのに相手のライフを回復させないといけないという、矛盾した行動を要求されてしまう。
どちらのライフが上かは問わないので自分から回復しに行く手もあるが、こちらもこちらでかなりの手間となってしまう。


相手のライフを回復するカードとバーンカードを両方採用している【シモッチバーン】のコンボ失敗時の保険として入れる手も考えられるが、
その場合失敗したらひたすらにライフを回復させた上でこのカードに繋いでから再度ライフを削りに行くという非常に難しい動きを要求されてしまう。
そもそも、そんな状況にならないようにコンボを決めに行くのに特化した方が良いのは明白である。
また、相手のライフを回復させるのであれば勝てなくても負けない事に意味があるマッチ戦ならば回復させるだけで良い《自爆スイッチ》という選択肢もある。


使い方を考えても目的とやる事が矛盾するため「使おうとすると何をしたいのかがわからなくなる」「効果に見るものはあるが発動条件が厳しすぎて無理に使う程の価値が無い」と言う様な評価に落ち着いてしまう。
一応《次元融合》等で自分のライフをガンガン削る【ドグマブレード】ならば《成金ゴブリン》を追加する事で発動条件を満たせたが、大抵《ライフチェンジャー》の枠を2枚目の《マジカル・エクスプロージョン》にしても勝てるためほとんど使われなかった。


後に登場した【ジャンクブレード】で採用された罠をコピーする効果を持つ《ジャンク・コレクター》も発動コストと誓約は踏み倒せても発動条件は踏み倒せなかったため結局使えず。
レアリティもレアということでカスレアとして語り継がれることもなく、ひたすら地味な存在で多くのデュエリストに忘れ去られて行った。














…と環境デッキでの採用どころかそれ以外のデッキでもまともに使う事すらできなかったので、ほとんどのデュエリストに忘れ去られていた。
しかし、登場から10年が近づいてきた辺りでこのカードは突然注目を受ける事になる。


2015年9月19日発売の「ストラクチャーデッキR-真帝王降臨-」である。
一見【帝王】は盤面コントロール寄りのカードであり、使うならバーンデッキになりそうな《ライフチェンジャー》とは縁が無いように見える。*1
しかし、ストラクチャー新規カードの《汎神の帝王》がドローとサーチ効果持ちで、サーチ効果で自身をサーチする《帝王の深怨》サーチでき、ドロー効果がターン1制限もないことからデッキの圧縮性能が高かった。
更に《冥帝エレボス》も自身を墓地からサルベージできるレベル8の闇属性ということで《闇の誘惑》《トレード・イン》と相性が良い。


デッキを圧縮する魔法カードは当然このカードが目を付けない訳がなく…


マジカル・エクスプロージョン

通常罠
自分の手札が0枚の時に発動する事ができる。
自分の墓地に存在する魔法カードの枚数×200ポイントダメージを相手ライフに与える。


先攻ソリティアワンキルの申し子、通称マジエクである。
しかし、約5年半前に【ジャンクブレード】で暴れた際に制限カードとなっており《マジカル・エクスプロージョン》1枚で相手のライフを8000*2削る事は困難なため火力不足に悩まされていた。
そこで相方として目をつけられたのが《ライフチェンジャー》だった。


従来のマジエク系統のデッキは《マジカル・エクスプロージョン》一発4000ダメージ程度の火力が求められていたため墓地に魔法カードを20枚貯める必要があった。
《ライフチェンジャー》を使うと相手のライフは3000となるため墓地に要求される魔法カードの枚数は15枚と従来より少なく済む。
しかし、これは昔からわかりきっていたことで問題はどうやって《ライフチェンジャー》の発動条件を満たすかと言う事になる。


《成金ゴブリン》

通常魔法
自分のデッキからカードを1枚ドローする。
その後、相手は1000ライフポイント回復する


《チキンレース》

フィールド魔法
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、相手よりLPが少ないプレイヤーが受ける全てのダメージは0になる。
(2):お互いのプレイヤーは1ターンに1度、自分メインフェイズに1000LPを払って以下の効果から1つを選択して発動できる。
この効果の発動に対して、お互いは魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。
デッキから1枚ドローする。
●このカードを破壊する。
●相手は1000LP回復する。


《疑似空間》

フィールド魔法
自分の墓地に存在するフィールド魔法カード1枚をゲームから除外する事で、
このターンのエンドフェイズ時までこのカードは除外したフィールド魔法カードと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


《成金ゴブリン》は《ライフチェンジャー》登場前から存在していたカードだが《チキンレース》が登場したのストラク真帝王降臨が登場する少し前。
《チキンレース》はフィールド魔法のため《疑似空間》でコピーが可能なため、これによりライフ差をつけながらドローできるカードが実質9枚になった。
相手を回復させてしまうため非ビートデッキでありながら、バーンデッキでは敬遠されがちだった《成金ゴブリン》も《ライフチェンジャー》を使う前提ならノーデメリットに等しい。
しかも、当時はフィールド魔法をサーチする《テラ・フォーミング》は無制限のため「《チキンレース》が墓地にないのに《疑似空間》ばかり手札にある」といった事故も回避しやすい。
こうして全てのパーツが揃い開発されたのが【マジエク帝】である。


デッキはほぼ「ドローソース」「サーチカード」「ドローソースのコスト」「エンドカードとなる罠」の4種で構成されている。
前述の帝王パーツに加え、この手のデッキでお馴染みの《トレード・イン》《闇の誘惑》《無の煉獄》《手札抹殺》《手札断殺》《打ち出の小槌》などでドローを繰り返しデッキを回転させていく。
特殊召喚をしないため《命削りの宝札》《強欲で謙虚な壺》も使用可能。
この過程で《成金ゴブリン》《チキンレース》《疑似空間》を8回発動しライフ差を8000つけ、《マジカル・エクスプロージョン》《ライフチェンジャー》の両方を引くというのは難易度が高い様に見える。
しかし、デッキの殆どのパーツがドローかサーチの魔法カードであり1ターンでデッキの全てを引き切るぐらいデッキを回転させることが可能なため無理なく達成が可能だった。
当時は後攻からドローとサーチを止めに来る《灰流うらら》は存在しないので尚更。
ある程度【帝王】デッキのギミックを使っているため、サイドチェンジで普通の【帝王】に切り替えることも可能で、この手のデッキのマッチ戦での弱点になるメタカードにもある程度耐性があった。


こうして環境どころかフリー対戦などでもほぼ使われることがなかった、無名だった《ライフチェンジャー》は一気に環境における地雷デッキのキーカードとして環境に駆け上がる事になる。
ただ、活躍したデッキが先攻ワンキルだったため当然野放しにされる訳もなく2016/04/01改訂にて一発で禁止カードとなった。


悪名高く過去の実績もある《マジカル・エクスプロージョン》じゃなく《ライフチェンジャー》である事に驚くデュエリストは少なくはなかった。
これについては《残骸爆破》などで代用が効く《マジカル・エクスプロージョン》ではなく《ライフチェンジャー》にしたのではないかと言われている。
また《成金ゴブリン》《チキンレース》《疑似空間》とライフ差をつけながらドローするギミックが生きている以上は、再び新たなワンキルデッキが開発される可能性を危惧したのではないかという説もある。
実際海外では日本のリミットレギュレーションとほぼ同時期に《成金ゴブリン》が制限カード、《チキンレース》を禁止カードに指定する方向で規制をかけており《ライフチェンジャー》は現在でも無制限のままとなっている。
一発禁止に関しては性質上一回使えれば十分な上に採用されていたのは1枚だったため、制限カードでは意味がないので仕方のない事だろう。
そういった事情を考えるとあながちとばっちり規制とは言えないのかもしれない。
最も《マジカル・エクスプロージョン》はこの後《闇よりの罠》を相方とし【マジエク閃刀帝】として復活し最後の一仕事をしてしまったので、やっぱりこの時禁止にしておくべきだったという声も少なくはない。


使えないと思われていた無名のカードがカードプールの変化で突如大化けし、禁止カードとなって行ったのは多くのデュエリストに驚きを与えた。
次の《ライフチェンジャー》はもしかしたら忘れ去ってあなたのストレージに放置されているカード…なのかもしれない。





追記・修正は相手とのライフの差が8000開いてからお願いします。


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  • 禁止カードとしては間違いなく弱いけどある意味仕方ない規制というか、いろいろコメントに困るカード -- 名無しさん (2022-06-03 10:00:22)
  • 実質「ライフ差8000を条件に5000バーン」なカードになってたからな…マジエク居なくなっても3000バーン用意出来れば代用出来るから危ないっちゃ危ない。でも現状なら解放しても良いんじゃないかな、って思うぐらいには微妙なポジション -- 名無しさん (2022-06-03 10:49:09)
  • 3000バーンは一応残骸爆破がある。…けどあれってほぼマジエクの下位互換(マジエクなら15枚で同じ威力出せる)だからコンボ前提でも正直厳しくて使われてない。…やっぱり悪いのはマジエクだよなぁ -- 名無しさん (2022-06-03 13:17:12)
  • 「ライフ『チェンジャー』なのに交換してなくね?」は禁句。実際海外版だと違う語が付けられてる -- 名無しさん (2022-06-03 13:31:03)
  • チェンジの核の意味は「別の何かに変化する」であり「交換する」は派生的な意味だから別に交換しないのはおかしくないよ、どちらかと言うと「均一にする」って意味の「Equalizer」の方が実態に近いって判断だと思う。交換するって意味合いが強いのは「exchange」の方だね。 -- 名無しさん (2022-06-03 18:13:19)
  • wikiで触れてたけど「changer(変化させる者)」より「Equalizer(等しくする者)」の方が効果的に合ってるからだろうと。やはり本場だと適当な英語は違和感が強くなるって事なんだろうね、レスキューラットも海外だと見た目通りハムスターになってたし -- 名無しさん (2022-06-03 18:17:56)
  • むしろチェンジを交換してるという意味でしか把握してない人の方が驚く -- 名無しさん (2022-06-04 09:18:46)
  • 初期ライフ4000のリンクスならしれっとノーマルで収録されてそう -- 名無しさん (2022-06-04 11:22:07)

#comment(striction)

*1 《光帝クライス》が【ドグマブレード】【ジャンクブレード】で戦士族かつ特殊召喚時にカードを破壊してドローできる性質が評価され採用されることがあるにはあった。
*2 1枚200ダメージなので墓地に魔法カードが40枚必要。最低のデッキ枚数である40枚と同等の数。

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コメント

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