登録日:2022/05/22 Sun 20:31:19
更新日:2024/06/18 Tue 13:52:27NEW!
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漫画 comicリュウ j.c.staff 高山文彦 17年春アニメ 日常系 徳間書店 アニメ 2012年 アリスと蔵六 桜美かつし
無敵の超能力少女・紗名
花屋の頑固じいさん・蔵六
ふたりの出会いが
世界の運命を変えていく
SFファンタジー
「アリスと蔵六」とは、今井哲也による漫画作品。COMICリュウ掲載。
あらすじ・概要
どことも知れぬ研究所から、ひとりの実験体が脱走した。
名は「紗名」。想像したことをどんなことでも現実にできる超能力者"アリスの夢"であった。
彼女は逃避行のすえ、無店舗の花屋を営む老人・樫村蔵六の元に転がり込むことになる。
しかし、紗名は研究所から追いかけてきた能力者・雛霧あさひ&よながに見つかってしまう。
雛霧姉妹と紗名に振り回された蔵六は彼女らの超能力を恐れもせず、道路を破壊し通行人に迷惑をかけた3人にきつい説教をかましてその場を収める。
その人一倍頑固で一本気な気質を見込まれた蔵六は、事情を知る刑事・内藤から「紗名を養子として引き取ってやってくれ」と頼まれるが……。
……というのが本作のあらすじ。
中心となるのは主人公・紗名が周囲の人々との交流を通し、精神的に成長していく日常描写。
一応能力バトルアクションをやるシーンも存在するがジャンルとしては「日常もの」であり、能力者である紗名が目指すのも世界を背負うヒーローではなく普通の大人。
「普通の大人」である周囲のキャラクターも、基本的に子供である紗名に背負えないような重荷(世界の命運とか)は背負わせないスタンスで物語は進む。
「知らないことは願えない」が大きなテーマでもあり、無敵の能力者でありなんでも叶えられる紗名が、知恵や経験の面で押し切られたり挫折したりというシーンが少なからず存在する。
ちょっと哲学的でヒューマンドラマ味の強い作品である。
2017年4月から6月にかけてアニメ化された。J.C.STAFF制作。全12話。
監督は桜美かつし、シリーズ構成は高山文彦が担当。
アニメ版は原作の漫画版に比べアニメという媒体故のヴィジュアル面やシナリオ面で分かり易くなった改善点も有るが
反面、原作の変則的なコマ割や急な視点の変更などによる形而上哲学的な表現描写がスポイルされている部分も有る。
またアニメ版は12話で展開を収める都合上、漫画版に有った12話以降の展開に関係する伏線内容の類は削除されてしまっている。
主な登場人物
樫村紗名/赤の女王
CV:大和田仁美
本作の主人公。金髪赤目の女の子。
年齢は10歳前後だが、「ワンダーランド」にいつのまにか"居た"らしく、それ以前の記憶はない。
"アリスの夢"であるが彼女のみ一人一種類の制約がなく、「想像したものをどんなものでも現実にする」という、現実改変じみたトランプ能力を扱える。
単に物体を生み出すのみならず、人間を凝視するだけでその人間の生い立ちと記憶全てを瞬時に読み取る、水を一瞬にして熱湯に変える、自在にテレポートを行う、(実際にはやらなかったが)死者を蘇らせるなど、その力は神の御業に等しい。
当初はこの能力に生活のすべてを依存し、性格も傲岸不遜で幼稚であったが、
蔵六に引き取られて人間として過ごすうちに徐々に「人間らしさ」を身に着けていく。
引き取られて以降、蔵六と「むやみに能力を使わない」という約束をしたことでトランプ能力はなるべく使わないようにしている……が、苦手なものが出てくるとついつい能力を使いがち。
早い段階で明かされるがそもそも人間ではなく、「ワンダーランド」が外の世界を学習するために人間を模倣して作り出した端末。彼女自体が「ワンダーランド」そのものでもあるため、彼女が人間社会で経験を積むほど「ワンダーランド」もより複雑かつ高度に進化していく。
樫村蔵六
CV:大塚明夫
本作の主人公その2。
丸顔に白いアゴヒゲと口ひげを蓄えた、昭和世代の親戚に一人は居そうなコワモテのお爺さん。
作中でもトップレベルに肝の据わった人物。自ら「曲がったことが嫌い」と自称するように、筋を通すことを重視しており、人が死ぬような危険な能力を振り回す相手でも一切気圧されない鋼のメンタルの持ち主。
一方、態度には一切出さないが紗名のことは気遣っており、紗名の親役を押し付けられたのもその親心を見抜いた内藤のアイデアだったりする。
頑固一徹を絵にかいたような一本気な性格から知り合いは多く、警察からヤクザまで顔が利く。
また年齢や思考からすれば珍しくタブレット端末などもキチンと扱える。
職業は「樫村生花」という花屋(より正確に言うとイベント会場や式場などの飾付を専業とする生花店)で、彼の他に二人のスタッフがいる。
樫村早苗
CV:豊崎愛生
蔵六の孫娘。高校生。
のんびり屋かつ天然気味な人物で、頑固者の蔵六とは似てないとよく言われるらしい。
語尾がよく「~」と間延びする。
蔵六が紗名の親代わりならこちらは歳の近い友達的な存在で、蔵六とはまた違った視点で紗名を見守っている。
一条雫
CV:小清水亜美
内閣情報調査室、特務機動班の女性職員。
(荒事を含めた)紗名の護衛が仕事。
彼女自身は良識を備えた善人なのだがぼっち属性持ち。アリスの夢であるが故に"普通の"人間関係に恵まれず、腫れ物扱いされる日々を過ごしてきたらしい。
"アリスの夢"のひとりで、「特定のアニメキャラに変身する」というトランプ能力を持つ。
たまたまそのアニメキャラが666の武器と13の魔法書を使うという設定の武闘派メイドだったため、彼女も同じく666の武器と13の魔法書にまつわる能力を扱うことができる。
アニヲタにとってはある種垂涎の能力だが、一条自身はそのアニメキャラ及び作品が好きなわけではなく、受験時の徹夜勉強をしていて寝落ちした時に偶々流れていたその深夜作品のキャラの能力が"アリスの夢"となっただけの様子。
内藤竜
CV:大塚芳忠
蔵六の馴染みの友人で、警察官。
几帳面で堅物な蔵六とは反対に、飄々とした態度を崩さないダウナー系おじさん。
アリスの夢の研究所をかねてからマークしていたらしく、紗名が起こした事件の後始末や紗名の戸籍の捏造など、蔵六と紗名に裏でいろいろと便宜を図ってくれている人。
~第一部の登場人物~
雛霧あさひ
雛霧よなが
CV:藤原夏海(雛霧あさひ)、鬼頭明里(雛霧よなが)
紗名を研究所に連れ戻そうとする刺客その1&2。
縦ロールでですわ口調の方が姉のあさひ、ポニテで気弱な方が妹のよなが。
紗名に「友達」として人との触れ合いを教え、「紗名」という名前を付けたのは彼女たちである。
一応紗名を連れ戻そうとする追っ手ではあるのだが、個人的に親しいのもあってどこか遠慮がある。
二人とも"アリスの夢"であり、あさひは「鎖の付いたものならどんなものでも呼び出せる」、よながは「絶対に当たる弓矢を放つ」という能力をもつ。
紗名同様、研究所でトランプ能力に関する実験を受ける被験者。
ミリアム・C・タチバナ
CV:能登麻美子
紗名を研究所に連れ戻そうとする刺客その3。
和服を着た大和撫子風の女性だが、国籍はアメリカで元米軍少尉。
言動こそ温厚だが紗名への態度は冷徹そのものであり、多少なりとも遠慮のあった雛霧姉妹とは異なり殺しにかかる勢いで紗名を捕獲しに来る。
彼女も"アリスの夢"であるが、そのトランプ能力は「死別した夫のジョー・M・タチバナの腕を召喚して操れる」というもの。
毛むくじゃらのおっさんの腕がうねうねと生えてきて紗名に襲い掛かるビジュアルはなんとも言い難いものがある。
トランプ能力からも分かるとおり亡き夫ジョーへの重たい愛情(と未練)を抱えており、紗名に執着するのも、彼女の能力を解明してジョーをこの世に呼び戻すためである。
用語
アリスの夢/トランプ能力
想像したものをなんでも一つだけ現実にできる超能力。
この能力に目覚めた人間を指してアリスの夢と呼び、
能力そのものを指してトランプ能力と呼ぶ。
「変身する」「空を飛ぶ」など種類はいろいろあるが、赤の女王以外は原則として一人につき一種類のトランプ能力しか使えない。
また、トランプ能力に目覚めた瞬間に頭にあったことがその能力となるため、「特に興味のないアニメのキャラに変身する」「履物を召喚できる」など、本人の趣味嗜好と無関係だったり変な内容だったりすることも多い。
また、この手の作品にありがちな「能力の素養」は一切描かれておらず、いつ誰がどんな能力に目覚めるかは完全にランダムである模様。
「一種類しか使えない」以外に制約らしい制約はないが、赤の女王を含めて能力を行使する際はコストとして大量のカロリーを消費し、過度に使いすぎると空腹or栄養失調で倒れてしまう。
この特性から、「食事を出してそれを食べることで栄養補給をする」という使い方はやっても意味のない行為になる。(食事を出す際にそれと同等のカロリーを消費するため)
鏡の門
トランプ能力を行使する際顔の近くに出現する、花をかたどった彫刻のような物体。
形状は一人一人異なり、これが出す反応を辿れば「誰がいつどこで能力を使ったか」を判別することもできる。
赤の女王によれば、「ワンダーランド」と現実世界とのつなぎ目であるらしく、この鏡の門を出せる人間=アリスの夢とは、「ワンダーランド」から別の現実を引っ張り出せるようになった人のことらしい。
ワンダーランド
紗名が囚われていた"研究所"こと「クライス&クラーク製薬 日本法人 静岡研究所」の地下に広がる広大な異世界。「不思議の国のアリス」風の絵本チックな物体が浮かび、物理法則すら地球のそれとは異なる。
「赤の女王」こと紗名の生まれ故郷でもあり、紗名はこの世界を自在に操作することができる。
紗名とは別にワンダーランド自体にもなんらかの意思のようなものがあり、紗名の記憶を通して日々進化を続けている。
紗名の対応を巡っては、紗名に一般人としての教育を受けさせて危険度を減らしたい日本の内閣情報調査室と、利権になりうる紗名を手放したくないクライス&クラーク研究所(=アメリカ)とで対立があり、小規模な冷戦状態になっている。
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