登録日:2011/05/07(土) 13:52:19
更新日:2023/08/10 Thu 15:38:38NEW!
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ゲッターロボ ゲッター 石川賢 永井豪 ダイナミックプロ ドワォ 製作秘話 プロット ゲッターロボの初期稿
合体ロボットアニメの祖であり、その筋のクリエーターにとっては「ゲッターロボ」は神仏が如き存在‥‥
意外にも「ゲッターロボ」は何も考えてないようでいて実は考えてある。という深い作品なのだ。
「ゲッターロボのモチーフはサッカーなんだよね」だなんてちょっとしたひらめきではない。
なのでこの項は、「ゲッターロボの草案とはいかなる物か?」という事を書き記す。
◆発端
ゲッターロボ號の巻末エッセイ漫画「ゲッターと私」にはこう描かれている。
ダイナミックプロで三台車を買って、無免許にも関わらずダイナミックプロ社長と石川賢と永井豪の三人が車に乗った。
案の定三台の車は玉突き事故を起こしておじゃんに。
GO「よし、次の企画は合体物で行こう!」
KEN「え?」
GO「今の感覚だよ、三体合体!」
まさにダイナミック。
しかしこれは微妙にウソであり、本当は東映からの「三人の超人が合体してロボになる話を作れないか?」という鋼鉄ジーグも真っ青の相談が発端。
そして作られた初期プロットこそはゲッターロボの原点
「チェンジ・ロボット・ゲッター3」
である。
大体のあらすじはゲッターロボと同じだが、このプロットではゲッターチームはロボに乗るのではなく、変身サイボーグ……ますます鋼鉄ジーグだ、いやキューティーハニーか。
三人の若者が肩車の順番を変えることによって三形態のサイボーグに変身する。
1が武蔵、2が隼人、3が竜馬であり、タイトル通り3がこのプロットにおいては主役形態であった。
三人の名前もこの時点では
流竜馬(アニメスタッフによる設定画では流竜之進となっている)
犬神隼人
巴武蔵
となっている。
隼人の名字が後に「神」一文字になった理由は言うまでもない。
このプロットは惜しくもお蔵入りとなったが、次なる段階「チェンジロボット・ゲッターロボ」に引き継がれる。
「チェンジロボット・ゲッターロボ」では、主人公の少年達をサイボーグではなく生身にしてレーシングマシンを合体させよう、と言う話になった。
「ゲッターと私」は微妙にウソだ。と書いたのはこれがあるからであり、あながちあれもウソだけじゃない。
これで方向性は定まり、レーシングマシンを戦闘機っぽいメカに変えて企画は進む。
◆生みの苦しみ
1973年12月に方向性が決定したが、翌年の4月にはアニメを放映しなければならないので急ピッチでデザインの策定が開始された。
初期稿は後の石川賢曰わく
「うう~ダセ~~」
「シブい、渋すぎる」
やはりゲッターロボと言えば亀の甲羅がモチーフのあれっきゃない。
悩みはデザインやキャラクターだけでは無い、そう……合体である。
ゲッター1のデザインは出来ていたが、2と3のデザインは非常に難航した。
「ゲッターと私」から引用すると…
KEN「無茶だ!!物理的に不可能だ!!サマにならない!!いったいこいつらのエンジンはどこにあるんだ!!」
いかにコロンビア大学卒業(ウソ)の石川賢でも無理な物は無理だった。
しかしここで永井豪の助けが入り
「上からマシンを差し込んで、こっから腕を出せばいいじゃん」などと神懸かったセンスを披露。
KEN「そっ…それアリなんですか!?」
GO「マンガだよマンガ、マンガはもっと自由な発想で描かなきゃ面白くなんないよ」
流石冷奴先生、設定ばかりこねくり回してつまんない漫画を描くような奴とは物が違う。
ちなみに「ゲッターと私」ではこう描かれているが、実際は
KEN「僕のような真面目な人間ではあのデザインは出来ない、あれは豪ちゃんがやった」
GO「僕は理詰めの人間なのであんな無茶な合体は出来ない、あれは賢ちゃんがやった」
KEN「えっ」
GO「えっ」
……二人の間ではこういう事になってる。
なんだかんだあったが無事にデザインは揃い、テレビアニメは放映されて大成功に終わった。
余談であるが、雑誌のインタビューなどで
GO「でも三体合体なら本当は六形態あるハズだよな」
とか
KEN「竜馬のモデルは僕です(笑)」
などと言っちゃったりもした。
◆Gの衝撃
主役機の交代や交代要員など、衝撃的な展開のゲッターロボGであるが、その初期稿はさらに衝撃的であった。
最初は、なんとゲッターチームが隼人を残して二人とも死ぬという内容だった。
ゲッターロボ・サーガにて竜馬が「あばよダチ公!」と言い残して爆発に巻き込まれたが、本当はそこで竜馬は死ぬはずだった。
しかし流石に鬱展開過ぎると思ったのか、竜馬生存ルートの方に話を切り替えた。
ありがとう石川先生。
竜馬が死んだら一体誰が主人公になってたのか?という疑問が湧き上がるが、そこは幻の主人公
「来栖丈」
の出番。
来栖丈はかつての早乙女博士の同僚、故・来栖博士の息子であり、隼人より頭が良くて、竜馬より身体能力が高いというインチキスペックが与えられていた。
そしてその来栖博士が遺した設計図を元に作られた新ゲットマシン「ドラゴン号」と改修された「ジャガー号」「ベアー号」がゲッターロボGに変形する予定であった。
だからゲッタードラゴン初期デザインでは下半身がゲッター1まんまだったりする。
アニメ版の初期稿ではムサシは武蔵坊弁慶(新ゲッターの人じゃなくて歴史上の人物の方)のごとく立ち往生で死亡。
リョウはゲッター線爆弾を搭載したイーグル号で特攻。この二人の死がきっかけとなりジョーと文治がゲッターチームに加入。大魔人ユラーとの決戦を行う予定だった。
また早乙女博士の義理の兄にあたる団兵衛というキャラクターの登場も考えられていた。
しかし結局リョウは生存。来栖丈はボツになってしまった。
来栖丈のデザインは後のゲーム「ゲッターロボ大決戦」の男主人公アキラの元になったという噂。
そして初期稿では弁慶ではなく、準レギュラーの大先生こと大枯文治が三号機を担当するハズだった……
このように、ゲッターロボには適当に決めてたようでいて、実は七転八倒悶絶必死の苦労があった。
それらを踏まえるとゲッターロボを更に楽しめる……かも
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▷ コメント欄
- 来栖丈はOVA版の敵として出して欲しい感じ。『不揃いな3つの力がひとつに』VS『優れた個人』の対比で。 -- 名無しさん (2013-11-22 16:07:25)
- だから隼人は高確率で「生き残される」わけか -- 名無しさん (2014-03-22 02:32:30)
- ↑この時かは隼人はその運命を背負ったのか… -- 名無しさん (2014-04-14 10:27:12)
- 今ふと KENとGO合わせてGENもしかして不動指令の名前のもとって・・・ちがうかw -- 名無しさん (2014-08-04 09:04:18)
- スパロボでオリジナルシナリオにて幻の主人公や仲間を隠しキャラ枠で登場(竜馬が死なずに加入する)とかならできるのか? -- 名無しさん (2015-01-10 12:16:16)
- むしろ来栖が主役のスピンオフで一人でゲッタードラゴンで活躍するOVAとかも見たいかも -- 名無しさん (2015-10-16 21:36:31)
- 三体合体なら本当は六形態あるハズ…アルベガスやんけ! -- 名無しさん (2016-06-26 20:08:31)
- もし、本当に竜馬が死んでたら神谷明氏のブレイクは遅れてたか無かったかも。 -- 名無しさん (2016-07-30 20:05:17)
- 来栖丈が主人公になってたら声優は誰になってたかな?個人的には田中亮一氏辺りな気がするけれど。 -- 名無しさん (2016-07-30 20:07:07)
- 方向性が決定した12月の翌年の4月に放送開始ってアニメ制作って、どれ位の期間で出来るの? -- 名無しさん (2016-07-30 20:09:46)
- この時点で隼人は取り残される役なのかよ -- 名無しさん (2016-10-21 14:28:35)
- ボツ設定はボツ設定で面白いから困る -- 名無しさん (2016-10-21 15:08:17)
- こんな感じでゲッターが今のゲッターになるまで結構いろんな偶然が重なってるんよね(真ゲッター&エンペラー誕生のくだりとか)、ちょっと運命感じる -- 名無しさん (2017-11-30 22:40:29)
- ハヤトだけ生存させる理由ってなんだろ -- 名無しさん (2019-10-20 02:51:52)
- ↑TV版で隼人の人気が高かったからだと思う。Gでライガーの出番が少ないのはそれが理由と聞いた -- 名無しさん (2020-12-12 21:03:18)
- ↑×4 こういう設定を出来る限り拾って貰えると我々としては実に助かるんだよな…温故知新は源流さ -- 名無しさん (2021-07-16 06:56:11)
- 大枯文治が3号機ってことは製作陣的には人気キャラになる予定だったんだろうなぁ。実際は不人気でどんどん出番減ってたし止めたんだろう -- 名無しさん (2023-06-13 12:34:24)
- 記事の内容量的にもゲッターロボGの方にまとめるべきでは? -- 名無しさん (2023-06-13 13:23:37)
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