登録日:2022/02/27 Sun 20:57:43
更新日:2024/06/18 Tue 10:00:16NEW!
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まんがタイムきららmax 4コマ漫画 納豆 病弱 衝撃のラスト 涙腺崩壊 保健室 日常系 芳文社 漫画 榛名まお 桐原霞 のけもの少女同盟
一年D組の桐原霞です
以前は病弱でしたが元気に頑張ります!!
のけもの少女同盟とはまんがタイムきららMAXで連載されていた4コマ漫画である。
作者は榛名まお。2016年5,6月号のゲスト連載を経て2019年3月号まで連載された。全2巻。
◆概要
体調や性格の問題でクラスに馴染めない少女達が保健室に集まり、「友達を作って普通の生活に復帰する」ための部活を立ち上げて交流を深める納豆のステマストーリー。
ざっくりいえば「女子高生達の日常系」で全2巻ときららでは「定番」とも言えるコースではあるが、個性的なキャラクターと良質なギャグ、そして終盤の展開によって高い評価を得ている。
本作の2巻の帯には「今までのギャグ漫画にはない衝撃のエピローグ」と書かれており、「日常物」では通常見ないような結末には戸惑った人も多いが*1、
「何気ない日常を描いた物語」であったことにこそ意義があったとも言え、感想は概ね好意的な物で占められている。
そしてまた、決して唐突な展開というわけではなくその伏線はそこかしこに張られている。最後まで読んだ後、一から再度読み返した際にはまた違った印象を抱くことだろう。
この他、作者が好物としている納豆がそこかしこにねじ込まれているのも特徴。
2巻の後書き部分にも余韻ぶち壊しの納豆を称える文章がローマ字で記載されている。
ただし本作を最後まで読んだ人ならその中の一文に感じ入るものがあるかもしれない。
◆あらすじ
超軟弱、ツンギレ、厨二病……とある女子高の保健室の一角に、何の因果か学校不適合者たちが集結。友達を作って普通の生徒に復帰することを目指して今日もあれこれミーティング!友達何人出来るかな?奇想天外なクラス復帰コメディ4コマ!
(まんがタイムきららweb 作品紹介ページより引用)
◆登場人物
○放課後文化研究会
部活動が必修となっている方波見(かたばみ)女子高校において、ももの提案で設立された部活。
部員は霞とニカ、詠子、あとたまたまやってきたすずめを無理やり入れて4人。
部活動内容は「友達を作って普通の生活に復帰する部」で霞が部長となっている。
実は部活動内容が不明瞭で通らなかったので、ニカがいることを利用して「ロシア文化研究会」にももがこっそり変えて登録している。
- 桐原 霞(きりはら かすみ)
虚弱体質の本作主人公。1年D組。
病気がちでずっと入院しておりこれまで学校に通えなかったが、主治医から許可が出たことで「普通に友達を作って普通の学園生活を送る」夢を叶えるために方波見高校に入学した。
とはいえ、まだまだ万全とは程遠い体調のため5月になってようやくクラスと合流。しかも自己紹介の場で倒れたことで友達ができないのではと悩む羽目に。
そんな折、保健室で出会ったニカやもも達と放課後文化研究会を立ち上げることになる。
やはり今でも体が弱く、事あるごとに貧血などでしょっちゅう倒れては保健室に運び込まれている。
そんな虚弱体質なのでちょっとぶつかっただけで骨折するのではと周囲から過剰に心配されることもあるが、貧弱ではあるものの肉体強度的にはわりと普通の範疇。
性格は礼儀正しく、常に笑顔。ただし、ずっと入院していたため世間知らずなのもあってかなり天然気味。
何気に意外と自己評価が高く、若干自信過剰な面もある。
ポジティブに何にでもチャレンジするが、大抵は身体が付いて行かずに他者のお世話になることもしばしば。
事あるごとに「私憧れてたんですよ」と語るため、それをからかわれた事もあったが、その際には「本当に憧れてたんですけど」と珍しくふくれっ面で拗ねていた。
とはいえ、その明るく前向きな部分は多くの人を笑顔にしており、放課後文化研究会の皆も本気で嫌がったりはしていない。
病弱という事もあり、効果があるかにかかわらず様々な健康グッズ集めが趣味。その関係で健康食品である納豆が大好物で色々なものに混ぜようとする。
また、趣味とは少々異なるが入院していたころには病室でいつも童話みたいなお話を考えていた。
そこで話作りにチャレンジしたところ思いのほか手ごたえを感じたことで、児童文学作家として誰かを笑顔にする新たな夢を抱き「不思議の国のかすみちゃん」を執筆、児童文学賞に応募している。
部内での評判はよく、またおそらくあまり時間が取れなかったであろう状況でも続き二部を半月程度で仕上げており文才は高い。
ちなみに応募時のペンネームは仙人が霞を食べるからということで「仙人ごはん」。すずめは授賞式でかなり微妙な顔をしていた。
- 熊代 ニカ(くましろ にか)
ロシアから越してきたハーフの少女で非常に小柄な幼児体型。1年C組。
ラノベや女児向けアニメが好きとオタク趣味を持っており、クラスでオタクをバカにするグループが幅を利かせていることから教室にいるのを避けて保健室にこもりがち。
日本語はペラペラだが、オタクをバカにするグループに対してロシア語で罵倒したこともあってか、クラスでは日本語が喋れないふりをしている。
ただし、保健室で霞と出会った際には咄嗟に日本語が出たことで部の皆とは日本語で話している。
ちなみにテストの成績は散々。日本語喋れないふりをしているのに点数よかったらそれはそれで変だが。
納豆が苦手なため、納豆を薦めようとする霞には辟易していた。一方、何にでもヌッテラ(チョコスプレッド)を塗って食べる癖があり相当な甘党。
自分以外やらないとは言っているので、一応変だという自覚はある模様。
- 川居 すずめ(かわい すずめ)
ヘッドホンとすずめのヘアピンがトレードマークの典型的なツンデレ少女。1年B組。
家族との折り合いが悪いことから一人暮らしをしており、その関係か自立心が非常に強く、他者との関わりを面倒くさがっていることからクラスで孤立している。
もっとも言うだけはあって、テストでは常に首位でスポーツも万能と文武両道。ただし水泳の息継ぎは苦手……とはいえ泳ぎ自体は上手く、息継ぎなしで端まで泳ぎ切っているのでこれはこれで凄い。
根は優しく、困っている人を放っておけないチョロい性格。この性格によってなし崩し的に放課後文化研究会に入らされた。
そして部活動を行ううちに角が取れ、同じクラスの詠子の世話を焼いているうちにクラスにも徐々に馴染んできている。
メインキャラの中では一番しっかりしており、状況把握もできる事から終盤は彼女がメインとなって話が進むシーンも多い。
- 倉持 詠子(くらもち よみこ)
人見知りで保健室に引きこもっているホラー好きな少女。1年B組。
ももの姪で、両親は多忙なのかももと二人で暮らしている。
元々は天真爛漫な普通の女の子だったのだが、ある時お化け屋敷に連れられて行ったのが切っ掛けでホラー趣味に目覚めてしまった。
以降は人を怖がらせることに快感を覚え、さらになまじ芸術方面の才能が高いために周囲の子を恐怖に陥らせて次第に孤立していくはめに。
そして孤立を続けているうちに引っ込み思案になってしまったようだ。
ぜぶぶ君というぬいぐるみを常に持ち歩いており、腹話術の形で言いたいことを代弁させている。
途中からはクラスに復帰するようになり、トラブルもあったがすずめのフォローもあって何とかクラスに溶け込めた模様。
文化祭ではお化け屋敷担当として大活躍していた。怖すぎて営業中止となったが。
- 千間院 もも(せんげんいん もも)
養護教諭……なのだが、趣味でセーラー服を着用している変人。
その格好と童顔なのが相まって初対面の人はまず生徒としか思わない。
フランクに接するため生徒の人気は高い。
適当なところもあったり、教師の立場を利用して夜のプールを無断利用したりすることもあるが、詠子を始め生徒たちとは真摯に接している。
○その他の登場人物
- 仲谷 葵(なかたに あおい)
霞のクラスメイト。
柔道部員で体格がよいため倒れた霞を保健室まで運ぶのが主な役目。
ちょっとしたことで倒れる霞を他の生徒と共に遠巻きに見ているだけであったが、二学期にはようやく会話ができて以降は仲良くしている。
- 佐武 奈美(さたけ なみ)
すずめと詠子のクラスメイト。読書が趣味の普通の女の子。
2人に興味を持って話しかけて以降、それなりに仲良くしている。
縁日では多くの的屋から「親父さんにお世話になって」と品物を渡されていたが、本人曰く読書が趣味の普通の女の子。
- 松里 まこ(まつざと まこ)
ニカのクラスメイト。
ニカの事をたいそう気に入っており気が付けばストーカーと化していた。
そのためニカが日本語を話せることは知っている他、会話のためにロシア語も勉強している。
- 吹沢 春香(ふきさわ はるか)
真面目な指導教諭。
ももの奔放な格好を指摘したが、咄嗟に付かれた出まかせを信じ込み容認している。そんなこともあって意外と仲は良い。
アイドル好きという一面もあり、酔ったももを家に連れ込んだ際には2人してアイドルグッズで悪ノリして何だかすごい事になってしまった。
- 霞の両親
母親は娘に似ていつも笑顔の穏やかな女性。
だが、風邪をひいた霞の見舞いに皆が家に来た際には感動のあまり大げさに泣き崩れたのでドン引きされた。
父親は娘を車で送ったり、色々な納豆を買ってきたりとこちらも娘を可愛がっている。
- 高柳(たかやなぎ)
霞の主治医の男性。
霞が風邪をひいた際に往診していたのだが、「乾燥で唇が切れた」と口から大量出血した霞にリップクリームを勧めただけで去って行った。
このためすずめから信頼できる医者なのか不安がられていた。
一応医者らしく大量の薬を処方してはいる。
ネタバレ折り畳み! 私やったことなくて…憧れてたんです!
以下、終盤の展開について記載されています。
問題のない方のみ進んでください。
大好きなみんなへ
本当の事隠しててごめんなさい
「普通」にあこがれていた私のわがままです
実は霞の病気は治ってなどおらず、それどころか治療不可能な難病に侵されており本編開始時点で余命幾許もない状態。
この事は両親、そして霞自身も知っており、残された時間で「学校に通って友達を作りたい」という霞の小さい頃からの夢を叶えるために「健康になったので学校に来られるようになったという『設定』」で方波見高校へと入学してきた。
部活動を通して放課後文化研究会の仲間、そしてクラスメイトとも仲良くなり夢だった「普通の学園生活」を送ることができた霞であったが、10月31日、霞の誕生パーティーにてついに限界が来て倒れてしまう。
それから入院後しばらくは面会に来た友人達といつもの調子で談笑していたのだが、程なくして容体が急変、面会謝絶となったことで事ここに至ってすずめ達も霞の本当の病状を知るのであった。
総てを知ると霞の病弱キャラのギャグ描写に対する見方も変わる。
霞がしょっちゅう倒れたり吐血したりといった描写は、命をすり減らし、血反吐を吐きながら、それでも笑顔で「普通」の生活を続けていた彼女の強さを描いていたことになるのだ。
総てを受け入れ穏やかに笑っていた母親が霞の友人達を見て取り乱したのは、娘の「夢」が叶ったことを知ったから。
主治医が吐血した霞を手当てせずに退室したのも友人達と過ごす時間を優先させたかったからだろう。
無論、大量に処方されていた薬は風邪薬ではなく、霞がどうにか日常生活を送れるようにするための支持療法である。
11月17日夜、病床で「かすみちゃん」三部作の残り二部を書き上げ高柳先生と穏やかに会話する霞。
そして翌日、以前に投稿していた児童文学賞の結果が発表され「かすみちゃん」は見事に大賞を受賞。
しかし、その報が彼女の耳に届くことはなく、授賞式の檀上にも彼女の姿はなかった……
……が、幽霊としてちゃっかり授賞式を見届けていたりする。見届けるまでは「死んでも死に切れません」だそうな。
そして授賞者代理として壇上に立ったすずめのスピーチを聞き終え、皆との出会いに感謝しつつこの世を後にするのであった。
「普通の日常」を笑顔で過ごし、何事にも全力で挑んだ少女、桐原霞。
彼女がいなくなったことを悲しみこそすれ、彼女を憐れむものは誰一人いない。
彼女は懸命に生き、やりたいことを全てやって夢を叶えたのだから。
明日…
楽しみだなあ…
追記修正は納豆をかき混ぜながらお願いします。
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▷ コメント欄
- …………読んでないのにネタバレ見て涙腺にダメージ食らった……ごめん……ごめんなさい…… -- 名無しさん (2022-02-28 01:15:22)
- 雑誌で読んでて最後が衝撃出来だった奴。ぐーぱん!も好きだったし、またこの作者さんの漫画をきららで読みたいなぁ。 -- 名無しさん (2022-02-28 07:13:39)
- まだ読んだことない人はぜひ読んでほしい -- 名無しさん (2022-03-01 01:05:12)
- このwikiで知って読んだ。教えてくれてありがとう記事作成者さん -- 名無しさん (2022-03-06 23:09:14)
- ギャグも面白くて良い作品 -- 名無しさん (2022-03-06 23:13:55)
- 何気にロシアネタ満載だから今連載してたらヤバかったかも -- 名無しさん (2022-03-11 22:58:56)
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