魔法(スレイヤーズ)

ページ名:魔法_スレイヤーズ_

登録日:2022/01/07 (金) 01:27:16
更新日:2024/06/17 Mon 13:23:28NEW!
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スレイヤーズ 黒魔術 呪文 魔導士 魔法 精霊魔術 神聖魔法 混沌の言語



本項目ではライトノベル『スレイヤーズ』に登場する魔法、及びその使い手である魔導士について解説する。



概要

作中世界の魔法は混沌の言語カオス・ワーズと呼ばれる呪文によって因果律を狂わせ、精神世界面アストラル・サイドに干渉して引き出す力と定義されている。
高位の呪文はこれに加えて特殊な身振りを必要としたり、触媒として道具・魔法薬を用いる場合もある。
「混沌の言語」を捧げることで、精霊・魔族・神族などの超常的存在の力を借りて、
「混沌の言語」と「力あることば」の組み合わせ次第で様々な現象を引き起こすものである。
なお、人間に限らず竜族やエルフも使用可能だが、このような魔力のキャパシティ・制御に長けた種族であれば詠唱や身振りは必ずしも必要ではない。


ただし、作中世界では下手に魔法が乱用されるのを防ぐために一部の無害かつ簡易な魔法を除き、原則他人に呪文を教えるのは禁止されている。
難易度が低い呪文であれば一般人でも呪文を丸暗記すれば使えるが、ただ呪文が使用できるだけでは魔導士とは扱われない。
『スレイヤーズ』における魔導士とは「混沌の言語」と「力あることば」の意味を理解し、自力で「呪文」を構築できる者を指す。
簡単な例を挙げるのであれば、

  • 呪文丸暗記の一般人 → 丸暗記でプログラミングを打ち込みソフトウェアを組む
  • 一般的な魔導士   → プログラミング言語を理解し既存のソフトウェアを再現可能
  • 一流以上の魔導士  → 高度なソフトウェアや新興のソフトウェアを制作可能

このようなイメージで考えて差し支えない。
主人公のリナ=インバースを始め、作中に登場する魔導士の大半は後者2つ目以降であり、
魔道士協会などで「呪文の作り方」を学ぶなどして、自力で魔法を構築した者達である。
ただし、作中では一般人でありながら他人に教えるのが禁止されている「眠り」を使用する者が登場しており、
明確な描写はないが、違法に丸暗記で簡易かつ悪用可能な呪文を教える魔導士や、そうした犯罪者に教えを乞う層も少なからずいることが示唆されている。


そんなわけで、『スレイヤーズ』ではRPGのように戦いの最中突然新しい魔法に覚醒するような現象は存在しない。
作中の魔導士達がストックしている魔法は、彼らが事前に研究して自力で開発・完成させたものであり、
一朝一夕で作れるものではないし、「混沌の言語」の取得のために専門の魔導書を入手・閲覧する必要があるなど、開発に予算も相応にかかる。
スレイヤーズ世界の文明では羊皮紙がメインに使用されている水準で植物性の用紙もあるにはあるが量産までには至っておらず、
基本的に魔導書は購入も閲覧も超高額であることも留意したい。
劇中でもリナは優れた資質を持ちながら白魔法は食指が動かないという理由で基礎しか取得しておらず
(真剣に研究していれば高度な白魔法を取得できていただろうとリナ自身が振り返っている)、
ゼルガディスも高度な精霊魔術を使える腕を持ちながら、一章中盤まで簡単な回復魔法「治癒」すら未取得だった。
中には高度な呪文「翔封界」が使えながら、その安価版の呪文「浮遊」を未収得であった等の極端な魔導士が出たケースもある。
このように限りある予算や時間を有用性よりも自分の趣向に合致する分野の呪文の開発に注ぎ込むことは、作中の魔導士達にとって珍しいことではない。
また、「他人の使う魔法を見て独力で模倣・再現する」という行為は、
不可能ではないものの広範囲の分野の知識と高い分析能力がなければできない高等技術である。
この他、同時に放った魔法同士が干渉を起こして変質・消滅する現象がごく稀に生じることがある。
かなり特殊な事例のようでこの現象が生じた際はリナや他の魔導士も驚愕していた。
リナはこの現象に興味は持ったものの、調査には広範囲の魔法を使用可能かつ協力的な魔導士が必要なため頓挫し、結局狙って引き起こしたのは過去の経験で学んだ一例のみである。


使用する魔法の出力は、使用者のコンディションなどの細かい要素を除けば、
主に「魔力容量キャパシティ(ゲームで言う最大MP)」「呪文の完成度」「使用者と使用魔法との適正」で決まる。
魔力容量・適正は先天的に決まり、劇中では魔力容量を後天的に底上げした事例は、伝説的なアイテムであるデモン・ブラッドを使用したケース以外では、
人造キメラのゼルガディスや旧ルヴィナガルド残党産ハーフ・デーモンなどの非道な人体実験の産物しか確認されていない。
この魔力容量には二種類の意味があり、先述した最大MP以外に「一度に出力できる魔力量」という意味も含まれている。先の例で言えば、デモン・ブラッドを使用した例はこの出力魔力量をブーストするケースで、人体実験による例はおそらく両方増やすケースだと思われる。
適正に関しては作中で取り上げられることは少ないが、適正の強弱が成功率に関わるのは主に高位の魔法で、
簡単な呪文であれば適性は低くても出力が落ちるだけで「使用・発動できない」ことは稀らしい。
作中の顕著な事例では主要キャラのゼルガディス=グレイワーズや千の偽名の二つ名を持つ魔術師の一例が挙げられる。
例えば、前者は精霊魔術なら最高位の術を使える程に魔法に精通しているにもかかわらず原作では黒魔術は適性が無いのか使う場面は無く(アニメでは使用可能)、
後者は火属性の精霊魔術は基礎で難易度も丸暗記で行使可能な程の簡単な火炎球すら三流レベルでショボい威力の魔法しか使用できないので対して、
死霊魔術に関しては適性の高さゆえか火炎球なんぞより遥かに高度な、超一流クラスの魔導士が使える魔法を行使可能であった。


また、魔族に関しては「他者の力を借りる事」自体が自身の存在を脅かすため、魔法の使用はかなりのダメージを伴うことになる。
一応精霊魔術程度なら理由があれば扱えなくもないようだが、他の魔族の力を借りる黒魔術となると例え上位魔族の力を借りる物であっても致命傷となるとのこと。
ちなみにレッサー・デーモンなどが「炎の矢」らしきものを放っているが、あれは自前の魔力を直接変換しているものであって呪文とは別物。
このような芸当は人類には不可能であり、膨大な魔力容量を持つ魔族ならではの攻撃手段となっている。



種類

精霊魔術

地水火風の四大元素に加えて「精神」の属性の精霊の力を借りて発動する魔法。
具現化した上で物理的な作用を相手にもたらす原理のため、精神系以外の魔法は魔族には効き難い。
また、対魔法防御力が高い一部の竜族やその皮膚組織を使ったザナッファーには地水火風の呪文は非力過ぎて通用しない。
難易度が高くなるが、複数の系統を組み合わせた呪文も開発は可能。
なお、白魔術は劇中では精霊魔術とは別枠っぽく扱われているが、「神聖っぽく見える精霊魔術」を人間が勝手に区分しているだけで、
実際は精霊魔術の一部であるためこちらに記載する。



  • 火炎球(ファイアー・ボール)

着弾した瞬間に爆発する火球を生み出す火系の呪文。
高い威力と使い勝手に反して呪文の難易度は魔道士ではない一般人でも呪文を丸暗記で使用可能な程度で、
この呪文を操れるかどうか(自力で呪文を作れる事)が一人前の魔道士と言えるかどうかの目安の一つとされている。
ルナ・インバースは直撃しても「ぬるい」の一言で済ませたらしいが、
これは向こうがおかしいだけで常人であれば加減でもしてない限り焼死させる威力は出る。


  • 炎の矢(フレア・アロー)

炎の矢を一斉に生成して撃ち出す火系の呪文。
矢の本数は術者のキャパシティに比例し、リナの場合は10本以上出現する。
火炎球よりも威力は低いが弾幕を張れるため射撃範囲が広く、さらに呪文の難易度も簡易なため、
呪文をアレンジして「本数を減らす代償に呪文の詠唱時間を短縮する」「背面に矢を展開する」などの応用が可能。


  • 爆煙舞(バースト・ロンド)

小型の火球を多数同時に撃ち出す呪文。
実は派手な見た目の割に威力が低い(素肌に直撃しても軽い火傷を負う程度)というコケオドシ呪文だが、ハッタリには役立つ。


  • 烈火球(バースト・フレア)

一般的に火炎系呪文の中では最強の威力を持つとされる呪文。
目標となる空間に光の球を生成し、火炎球の10倍もの熱を発生させる。
簡易な火炎系の呪文が対象を燃焼させるのに対して、烈火球はゴーレムや城壁すらも融解させる威力を誇る。


  • 炎熱鞭(バム・ロッド)

掌から火の鞭を伸ばして攻撃する呪文。鞭は術者の意思で動きをコントロールできる。


  • 暴爆呪(ブラスト・ボム)

伝承でレイ=マグナスが生み出したと言い伝えられている火炎系呪文。
烈火球を上回る火球をいくつも生成して起爆させる呪文で、その威力は地面が融解を通り越して蒸発するほど。
しかし、レイ=マグナス以外に使用できた魔導士がおらず、リナですら呪文の完成には至ったもののキャパシティ不足で使用できない代物であったが、
後にゼロスからブン捕ったデモン・ブラッドの魔力増幅により使用可能になった。
ただし、防御は『人類最大の魔力容量の持ち主が全力を振り絞れば』完全に無効化出来る。*1


  • 蓮獄火炎陣(ヴレイヴ・ハウル)

ゼルガディスが使う火炎-大地系呪文。
媒体によって描写が異なる呪文であり、原作小説では術者の前方扇状に溶岩を吹き出し、テレビアニメでは溶岩の塊を呼び出して目標に叩き付ける。
原作小説では町に向けて使えば一瞬で壊滅まではいかなくとも大火災は免れない、とされている。


  • 炎霊滅鬼衝(ルーン・フレイア)

ミリーナが使用した呪文
超高熱の炎を槍の形にして投げつける。威力は炎の単体攻撃呪文の中では最強を誇るらしい。


  • 炎裂壁(バルス・ウォール)

魔力の壁を作り出して炎を左右に吹き散らす防御呪文。大抵の火炎系呪文は無効化できる。


  • 炎呪封殺(フレア・シール)

耐火呪文。爆熱の中でも一切の熱さを感じないが、呪文詠唱時間が長いという欠点があり、実戦で使える機会は少ない。


  • 浄結水(アクア・クリエイト)

何もないところから真水を生み出す水系の呪文。サバイバルに便利。
作中世界では水の精霊がどこからか水を持ってくるという認識だが、作者によれば実際には空気中の水分を集める原理の呪文で、
その気になれば除湿にも応用可能らしい。


  • 水気術(アクア・ブリーズ)

水中で呼吸が出来るようになる呪文。潜水時に使用する事が多い。
だが服が濡れてしまうという弱点がある。


  • 氷窟蔦(ヴァン・レイル)

壁や地面に置いた手を起点にして螺旋状に這い進む氷の蔦を生成し、接触したものを氷漬けにする呪文。
特に通路など狭い空間での戦闘で真価を発揮する。


  • 氷結弾(フリーズ・ブリット)

冷気の球を打ち出し、着弾した部分を起点に周囲を氷結させる水系の呪文。
火炎球の氷版で、火炎球と同時に撃ちだすと着弾前に引きあって互いに消滅する。


  • 氷の矢(フリーズ・アロー)

氷の矢を一斉に生成して撃ち出す水系の呪文。
こちらも炎の矢と同様に矢の本数が術者のキャパシティに比例して増える。


  • 幻霧招散(スァイトフラング)

術者を中心に一定範囲に霧を発生させる呪文。
目くらましに使うだけでなく、不可視の攻撃の軌道を見切るという使い方も可能。


  • 雪を操る呪文(仮)

ナーガのオリジナル呪文。
雪がある環境下でなければ使用できず殺傷性にも乏しいが、雪合戦では無類の強さを発揮できる。


  • クリスタルブリザード

アライナが使用。ブリザードを起こす。
恐らく人間のキャパシティでは使用不可能な呪文。
劇中では攻撃に見せかけつつ視界を封じて魔法陣の内部に気付かれずに誘い込むために使用された。


  • ノクトコフィン

アライナが使用。氷の檻で対象を捕らえる。
増幅魔法陣のブーストもあったとはいえ、異形のザナッファーを巨大ゴーレムごと拘束する程度には広範囲。


  • 地霊咆雷陣(アーク・ブラス)

地を這う雷撃を撒き散らす呪文。
殺傷能力は低く一時的に痺れさせて相手の動きを封じる程度だが、
射程が非常に広く、街の数区画に及ぶため回避は困難。
ただし、回避以外の対処法なら、地面に剣を突き立てて避雷針代わりにするなどがある。


  • 雷撃(モノ・ヴォルト)

触れた対象に電撃を流す呪文。威力はスタンガン程度で触れなければ意味が無いのが欠点だが、
掌だけでなく剣等の武器を介して相手の体内に直接叩き込むことも可能。


  • 地精道(ベフィス・ブリング)

穴掘りの呪文。地の精霊に干渉し、地面をぽこぽこ崩して道を作る。
単純で攻撃力が全くない呪文だが、落とし穴を作ったり足場を崩したり、地面に緊急回避したりトンネルを掘って無理矢理通路を作ってしまうなどリナは便利に使いこなしている。
消えた土などがどこに行くのかは作中では明かされておらず、使い手のリナ自身疑問に思いながら連発していたことも。
ファンクラブでの作者の回答によれば、その分の土がどこに行くのかは大地の精霊に一任されており、
その時々でどっかの土が盛り上がったりどこかの土の密度が上がったりするらしい。


  • 霊呪法(ヴ=ヴライマ)

大地の精霊に干渉して周囲の土砂を集め、低級霊を憑依させることにより石人形(ゴーレム)を生み出す呪文。
大きさや形状は呪文のアレンジにより調節が可能だが、
人間のキャパシティの限界により一定の大きさ以上だと関節部しか動かせないゴーレムとなる。


  • 地撃衝雷(ダグ・ハウト)

地面を槍状に隆起させて足元から対象を串刺しにする地系の呪文。
ゼルガディスは再生能力の高いトロル相手にこれを使い、実質再生無効状態にして消耗死させる戦術を取ったことがあり、リナをドン引きさせた。


  • 振動弾(ダム・ブラス)

小さい赤い光の球を放ち、当たった対象を球から放つ高振動で粉砕する地系の呪文。
詠唱の短さに反して威力が高く、使い勝手が良い。


  • 爆裂陣(メガ・ブランド)

地面を爆発で吹き上げて上の対象ごと吹き飛ばす地系の呪文。
派手な見た目に反して殺傷能力自体は低めで、作中では主にリナのツッコミ&爆破オチに使われる。


  • ロラーザロード

自分の立っている周囲の地面を高速船のように動かすと同時に風にも干渉して空気抵抗を無くす移動用の呪文。
ミルガズィアが人間に化けたままで移動する際に飛べなくて不便、と言う理由で旅行中の片手間に編み出したオリジナルの術だが、人間の基準で言うと超高等技術である。


  • アーススロゥン

アライナが使用。
大地で破城槌を作り出して攻撃する。


  • ヴァルトレイン

ルコーリアに操られたテシアスが使用。
描写からエルフの魔力で実現した地霊咆雷陣の強化版と思われる。


  • 魔風(ディム・ウィン)

突風で対象を吹き飛ばす風系の呪文。
殺傷力がなく、相手を強制的に退けることができるので殺してはいけない相手の沈静化などにも使用されている。
ルークはこのタイプの風系呪文を武器に纏わりつかせる技術を保有しており、剣技の補助や奇襲的に相手を吹き飛ばすなどで使用している。


  • 封気結界呪(ウィンディ・シールド)

風の結界で術者を包み込んで攻撃から身を守る呪文。
使用中は結界のコントロールと維持に意識を割く必要があるため、発動中はあまり強力な呪文は使えなくなる。
複数の術者がいれば重ね掛けが可能で、封気結界呪同士を重ね掛けして結界の強度を数倍に高めたり、
弱い冷気呪文と併用して山火事の中で火や熱から身を守りつつ安全に脱出するなどが可能。


  • 轟風弾(ウインド・ブリット)

炎の矢や氷の矢の風系版。
前者2つよりも威力は弱めで射程も短いが、敵が目視できないという利点がある。
こちらも矢の本数が術者のキャパシティに比例して増える。


  • 浮遊(レビテーション)

風に干渉することにより対象に浮力を持たせて浮遊させる風系呪文。
ただし移動速度は遅く、普通に歩くより若干速い程度が最速。
未熟な術者でも100Kg程度は運搬可能で、熟達した使い手であれば馬車1台分は運搬できる。


  • 翔封界(レイ・ウィング)

風の結界を纏って、高速飛行を行う風系呪文。副産物で水中でも呼吸・行動が可能。
スピードは浮遊を遥かに上回るが制御が難しく、呪文の難易度も高いため本編時点では使用者が廃れつつあるらしい。
高度、重量、速度の総和が術者の力量に比例するため、最高速で飛行するには地面すれすれを飛ぶ必要がある他、
維持には相応の集中力を有するため長時間は使えない。


  • 烈閃槍(エルメキア・ランス)

対象の精神にダメージを与える光の槍を放つ精神系呪文。名前の通り、エルメキア帝国出身の魔道士が開発した。
外傷を与えず、肉体を持つ人間なら直撃しても極度の精神衰弱状態を引き起こしてしばらく寝込む程度で死ぬことはないが、
肉体を持たないゴーストや最下級魔族なら一撃で滅ぼせる。
純魔族相手だと下位相手でも有効打にはなれど致命傷には至らないが、牽制としては役に立つ。
「槍」とあるように単発攻撃であるが、呪文のアレンジで威力と引き換えに炎の矢のように拡散させることは可能。


  • 烈閃咆(エルメキア・フレイム)

烈閃槍の上位版で、精神を攻撃するビームを放つ。
人間相手なら精神を一撃で完全破壊、並の下位純魔族でも決定打になる。


  • 冥壊屍(ゴズ・ヴ・ロー)

大地に目標の精神と肉体を同時に攻撃する影を走らせる。生み出された影は疑似精神生命体の為、明り等でうち消すことは不可能。
威力自体はかなり高いが、対単体攻撃であるので純粋なエネルギー量と言う点では黒魔術の覇王雷撃陣に劣る。


  • 魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)

ゼルガディスの得意技である精神系呪文。
物体に魔力を宿らせて攻撃力を高める魔法で、魔力を宿らせる性質上、普通の武器でも純魔族に有効打を与えることが可能になる。


  • 霊王結魔弾(ヴィスファランク)

上記の魔皇霊斬の拳版といった精神系呪文。
自らの拳に魔力を込めて素手で純魔族にすら文字通りの有効打を与えられるようになる。


  • 雷花滅撃吼(ラザ・クロウヴァ)

地系と精神系の複合呪文。
無数の小さな光の粒を対象にブリザードの様に吹きつけて肉体と精神にダメージを与える。


  • 傀儡の術

他者を意のままに操ることができる呪文。対象の意思を封じるため本来は簡単な命令しか与えることができないが、
本編・すぺしゃる共に、オートで動けるように予め命令を埋め込んだ魔道具を対象に装着することで、この欠点をある程度克服した使い手が登場した。


  • 隔幻話(ヴィジョン)

離れた場所に自分の幻を写して相手と会話する呪文。
通話先に端末の役割を果たす魔道士や儀式を施された専用の施設がなくてはならない。
主に魔道士協会間の連絡に用いられており、一般人でも料金を払えば使用可能で、協会の収入源の一つとなっている。


  • 夢幻覚(イリュージョン)

自分の見せたい幻を相手に見せる事が出来る呪文
集中する必要があるため術者は発動中は他の魔術を使用できず、おまけに対象となる一人にしか幻覚が見えないため、
戦っている当人同士の認識としてはともかく、幻術にかかっていない外野からは単なる漫才にしか見えない。
難易度自体は作中で登場する魔法の中ではさほど高い方ではないのだが、上記の事情で「見た目が地味」という理由からリナは習得していない。


  • 入れ食いの呪文(仮)

リナのオリジナル呪文。この呪文を使って釣りをすると魚が入れ食いで釣れる。
初出は1巻なのだが、それからリアルタイムでほぼ30年近くの時を経て原理と開発譚が説明された奇妙な経緯を持つ。
幻術の一種で、釣り針を魚からは「とてつもなく美味しそうなもの」に見せかけることで喰いつきを良くしている。
最終的には人間に使うことで野宿時の貧相な食事のごまかしに使うつもりだったのだが、実際に口に入れると味まではごまかしきれないがために釣り専用の呪文として流用されたという次第。
乱獲を防ぐのと釣りの楽しみが減るため、リナはこの呪文を誰かに伝授する気はなく緊急時以外は使わないようにしている。


  • 崩霊裂(ラ・ティルト)

精霊魔術で最強の威力を誇る精神系の呪文。ゼルガディス、アメリア、ミリーナの切り札で、アニメではレゾも使用している。
敵を青白い光の柱で包み込み精神を破壊してしまう効果があり、
直接精神世界に干渉する原理のため物理的被害は無く外傷も生まれないが、精神への攻撃力は竜破斬にも匹敵する。

+ 詠唱-

永遠(とわ)と無限をたゆといし 全ての力の源よ
尽きることなき蒼き炎よ
我が魂の内に眠りしその力 無限より来たりて 裁きを今ここに


  • 眠り(スリーピング)

一定範囲内の生物を眠らせる呪文。術を掛けられた対象は生半可なことでは目を覚まさない。
興奮状態、あるいは緊張状態の相手には通用し難く、戦闘では不意打ちやナーガレベルで図太い相手でもない限り役に立ちにくい。
なお人間以外が使用する場合はこの限りではなく、16巻でエルフが広範囲かつ高出力の上位アレンジ版を使用している。
高い有用性に加えて一般人でも丸暗記で発動可能な難易度から、他人に教えることが名指しで禁止されている呪文の一つでもある。


  • 明り(ライティング)

光る球体を生み出す呪文。呪文のアレンジにより光量の調節が可能で、呪文の持続時間と光量が反比例する性質がある。
殺傷能力はないが詠唱も短いため、光量を最大にして不意打ちで目くらまし代わりに使うなど、戦闘でも活用できる。
一般人でも丸暗記で使用可能な程度の難易度なため、いくつかの魔道士協会ではこの呪文を有償で一般市民に教えて収入源としている。
このため、魔導士以外でも「明り」だけは使用可能な一般人も少なくなく、リナと暗殺者ズーマが対峙した際に、
足手まといとみなされていた一般人が上述の目くらまし目的で「明り」を使ってリナをアシストした事もある。


  • 治癒(リカバリィ)

白魔術。対象の肉体的・霊的な回復力を極限まで高めて傷の回復を促す呪文。
性質上、回復対象の体力と引き換えに傷を回復させるため、重症者に使用すると逆に体力を低下させてしまい死に至らしめてしまう。
また、病気や風邪の人間に使用してしまうと、病原菌まで活性化させてしまうので、確実にこじらせて悪化させる。
(幼い頃のリナはそれを知らず夏風邪をひいたルナにこの術を用いて肺炎まで悪化させたことがあり、後で報復として殺されかけたらしい)


  • 復活(リザレクション)

白魔術。リカバリィと同じ回復魔法だが、こちらは周囲の気を集めて回復する為、対象の体力を消費しない。
その為、病気や猛毒などに対しても有効である。
かなり高等の術であるようで高位の神官ですら習得が容易ではなくリナも習得していなかった。それが終盤のとある悲劇に直結することに……。


  • 麗和浄(ディクリアリィ)

体内の毒物や劇物を中和し無毒化できる白魔術。
難易度が低めな分強力な毒物となると中和できないが、睡眠薬程度なら完全に打ち消せる。


  • 封錠(ロック)

扉や窓に魔法の鍵を掛けて開かなくする呪文。白魔術。
錠前が付いていない扉でも使用可能だが、扉の強度は変化するわけではないので、材質次第では扉を破壊するという身も蓋も無いやり方で突破できる。


  • 封除(アンロック)

鍵を開ける鍵外しの呪文。白魔術。
物理的な鍵を開けるのは勿論、上記の「封錠」の施された扉も解除可能。
利便性に対して呪文を丸暗記すれば誰でも使用可能な程に簡易な難易度のため、悪用を防ぐべく人に教えることが名指しで禁止されている。


  • 崩魔陣(フロウ・ブレイク)

六紡星の頂点に灯った光の魔力で魔術を中和する白魔術。
白魔術以外の魔術の特徴である「因果律に干渉して歪ませて生じるエネルギーによって発動させる」現象を、力の流れを正常に戻して呪文の効果を打ち消す効果がある。
範囲内では味方の白魔術以外の魔術も打ち消してしまうデメリットがある。


  • 浄化結界(ホーリィ・ブレス)

ナーガが使用した高度な白魔術。
アンデッドモンスターを浄化する光の波を放つ。小さな都市なら丸ごと浄化できるほど効果範囲が広いが、術者の負担も重く1日に1回しか使用できない。
なお、ある回でナーガは浄化呪文が致命傷となるヴァンパイアと共闘している状況にもかかわらずこれらしき呪文を使おうとしたこともあった(未遂で終わったが)。


  • 浄化炎(メギド・フレア)

白魔術。
白い火柱を上げる呪文でアンデッドモンスターも一撃で倒せるが、人間に対して使用すると敵意や悪意等の感情が消えるだけで身体には全く影響を与えない。


  • 消化弾(エクストボール)

文字通り火を消す白魔術。効果は高くないが、一軒家の火事程度なら十分消せる。
ゼルガディスはこの呪文を使えず、外伝で自分が起こした家の火事を消すのに氷魔法で凍結させるという荒業を使っていた。


  • 幻操呪牙(カオス・ストリング)

魔力で糸を操作する魔法。
ナーガは暗殺者の鋭利な糸を用いた「鋼糸術」をハッキングするように逆に操り自滅させる用途で用いたが、
本来は戦闘用ではなく吊り橋や架橋の製作などに用いる土木工事用の呪文。


  • 物体修復の術

赤法師レゾのオリジナルの術で、玉のような道具を修復したい範囲の中央に放り込んで復活と似た呪文を唱える事で発動する。
リナは「とんでもない実力者」とレゾの力量に驚愕し、後日、割れたガラスを同じように元通りに修復したゼロスを見てメンフィスが驚いたように、エルフの基準でも高度な術である。


  • 虚霊障界(グーム・エオン)

使用者の周囲に魔法を遮断する結界を作る呪文。
系統を選ばずほとんどの魔法を遮断できるが物理攻撃には一切機能せず、
範囲内では術者も他の魔法を使用できない。
暗殺者ズーマはこれを用いて自分の独壇場な白兵戦に強引に持ち込む戦術を好んでいた。


  • 黒霧炎(ダーク・ミスト)

術者の周囲に暗黒の霧を生み出す目くらましの呪文。
範囲内は自然光はもちろん「明り」などの魔法の光源も全て打ち消されてしまう。


  • 魔竜吠(グ・ル・ドゥーガ)

ナーガのオリジナル呪文。
竜種の中でも最強の攻撃力を持つ魔王竜(デイモス・ドラゴン)を呼び出して操る召喚術。
使うと碌な事態が起きないフラグとして知られているが、魔王竜は知能は低いが戦力としては非常に強力で、
碌な事態にならないのは基本的に主であるナーガの命令ミスのせいである。



黒魔術

魔族から力を借りることで行使される術。通常の黒魔術は魔族という総体から力を借りるものだが、高度な黒魔術はネームドの魔族から力を借り、それぞれの称号を冠している。
魔族と人間は敵対関係にあるが、魔族は世界全てを滅ぼす事が目的であり、さらに魔力容量で劣る者に力を引き出されても痛手にならないため、黒魔術は成立している。
ただしその都合上、ネームドの魔族を指定した黒魔術で力を借りた本人に攻撃しても、「お前自身を殺すのにお前の力を貸せ」と言うのに等しいため、何かの間違いで自殺でも望んでいなければ原則通用することはない。
また、力を借りる先である魔族が消滅していればそれに由来した黒魔術は当然使えなくなり、使っても不発に終わる。
精霊魔術と異なり、攻撃力の大半を直接相手の精神世界面に叩きつける原理で攻撃が行われ、物質世界の爆発やエフェクトなどはその余剰エネルギーが物理現象として具現化したものである。
その為、対象を精神世界から隔離する封魔装甲ザナッファーに対しては全く役に立たないと言う欠点がある。



  • 竜破斬(ドラグ・スレイブ)

理論上人間が使用できる魔法の中では最大の威力を誇るとされている呪文。
魔王シャブラニグドゥの力を借りる魔法で、開発者はレイ=マグナスとされており、
この呪文で1600歳の雷銀竜を倒したことからこの名前となったとされている。
最強の呪文に恥じない威力を誇り、小さな街や山一つ程度なら軽々と消し飛ばせる。


欠点としては威力が高すぎて市街地で下手に打てない点が挙げられる。
そのため、リナの代名詞のような印象に反して、実は本編での使用回数はそこまで多くない。これの知名度を上げたのはアニメ版の功績が大きいだろう。
また、中位魔族にはキャパシティの差からこの呪文でも決定打にはなり得ず、
腹心直属以上の魔族達に至っては片手間で相殺・防御する術を持っているため、
よほど不意を突かなければ通用しないし、食らったとしても致命傷にはならないらしい。
精霊魔法の崩霊裂と連携発動させると白い炎に目標を包み込む術に変化し、腹心クラスですら驚いて逃げる程の威力となる。
また、大前提として本編のボス格であるシャブラニグドゥはこの呪文の力の源のため、撃たれたところでそもそも通用しない、はずだったのだが……。

+ 詠唱-

黄昏よりも昏きもの 血の流れより紅きもの
時の流れに埋もれし 偉大な汝の名において
我ここに闇に誓わん
我等が前に立ち塞がりし すべての愚かなるものに
我と汝が力もて 等しく滅びを与えんことを


  • 魔王剣(ルビーアイ・ブレード)

ルークのオリジナルの黒魔術。
魔王シャブラニグドゥの力を借りる呪文で、凝縮した魔力を赤い剣の形にして振るう。
黒魔法としては例外的に封魔装甲ザナッファーで精神世界から隔離された対象にも有効打を与える事が出来る。
腹心クラスにも有効打を与える威力があるが、発動中は常に魔力を消費するため消耗が激しい上に、側面から攻撃されると脆い一面がある。
似たような神滅斬を開発したリナも「初めて見た」と言うほど珍しい呪文だが…。


  • 赤い霧の魔法

魔王シャブラニグドゥの力を借りる呪文で、術者の周りに赤い霧を噴出させて攻撃魔法を無力化する。
コピーレゾが竜破斬を無効化する際に使用した。


  • 冥王降魔陣(ラグナ・ブラスト)

冥王フィブリゾの力を借りる呪文。
逆五芒星の頂点に闇の柱を吹き上げ、そこから伸びる黒いプラズマで対象を攻撃する。


  • 冥王幻朧呪(ラグナ・ドライブ)

「すぺしゃる」で登場した冥王フィブリゾの力を借りる呪文。
高い知能と自立判断能力を持つゾンビを作り出す高度な死霊呪文。


  • 魔竜烈火咆(ガーヴ・フレア)

魔竜王ガーヴの力を借りる呪文。
術者の手の平から貫通力のある火線を一直線に放出して、軌道上の相手を攻撃する。
高い威力と優秀な貫通力から使い勝手の良い呪文。


  • 獣王牙操弾(ゼラス・ブリット)

獣王ゼラス・メタリオムの力を借りる呪文。術者の意のままに動く光の帯で攻撃する。
リナのオリジナル呪文だが必要魔力容量が人間のそれでは発動不可であり、デモン・ブラッドで魔力増幅しなければ使用できない。
威力が高い上に軌道も自在なため使いやすいが、ハーフデーモンのグランシスには、
「弱防御魔法発動→一瞬止まった隙に回避→弱防御魔法再発動→(以下ループ)」という方法で断続的に威力を減退させられて破られている。
「すぺしゃる」に出た魔道書『群狼黙示写本』に書かれた内容から構築した呪文。


  • ゼラス・ファランクス

獣王ゼラス・メタリオムの力を借りる呪文で、獣王牙操弾と同じ効果と威力を持つ光弾を同時に多数発射する。
ミルガズィアの得意技で、『力ある言葉』だけで発動するので亜魔族相手程度ならば相手に何もさせずに部隊単位で壊滅させる事が出来る。


  • 覇王雷撃陣(ダイナスト・ブラス)

覇王グラウシェラーの力を借りる呪文。
標的を中心に展開した五芒星の頂点に稲妻を着弾させて攻撃する。


  • 覇王氷河烈(ダイナスト・ブレス)

覇王グラウシェラーの力を借りる呪文。
敵を瞬時に氷漬けにした後に氷結粉砕してしまう。
呪文のアレンジにより、崩壊させずに凍らせたままにすることも可能。


  • 海王槍破撃(ダルフ・ストラッシュ)

海王ダルフィンの力を借りる呪文で、超高速の衝撃波で対象を攻撃する。


  • 海王滅殺斬(ダルフ・ゾーク)

海王ダルフィンの力を借りる呪文。
大量の水を操作して鋭利なウォーターカッターのように対象を切り裂く。
周囲に大量の水がある場所でのみ発動可能な黒魔術。
「すぺしゃる」では攻撃ではなく即席の池を作る用途でも使用された。


  • 黒妖陣(ブラスト・アッシュ)

黒いエネルギーで目標周辺の空間を包み、意思ある存在や有機体を塵と化す呪文。
ただし無機物には効果はなく、この特性を利用して殺菌変わりに使うことも可能。
範囲が固定なので、味方が巻き込まれる可能性もある模様。


  • 塵化滅(アッシャー・ディスト)

ヴァンパイアですら一瞬で塵にする黒魔術。
黒妖陣と効果は似ているが、こちらは単体攻撃で無機物も攻撃対象とする。


  • 群霊覚醒呪(ネグロ・ヴード)

死体に低級霊を憑依させて、ゾンビやスケルトン等のアンデッドを作り出して使役する呪文。
死体があるところでしか使用できず、アンデッドは知能が低く簡単な命令しか遂行できないなど制約も多いが、
「冥王幻朧呪」と異なり一度に複数体戦力を確保できるなどの利点もある。
なお、術者の力量によっては使役するアンデッドの知能はある程度改善は可能なようで、
「すぺしゃる」では術者のボケ丸出しな命令にツッコミを入れられる程度には知能が高いゾンビが登場している。


  • 魔骸降来(ガイアグライズ)・獣魔吠(グ・ル・ディーバ)

レッサー・デーモンやブラス・デーモンを呼び出して使役する呪文。
平和主義者クラッシュに敗れたり、リナ達が戦闘員感覚でホイホイ倒したりで、かませに見られがちな亜魔族達だが、
精神系以外の精霊魔術は効かず、半端な剣を受け付けない皮膚を持つなど、そこそこの手練れ程度相手なら十分脅威。
ただし、術者の力量が足りなかったり、何らかの要因でデーモンが活性化すると術者の支配を破るリスクがある。
魔術のアレンジも術者の力量次第では可能で、劇中では明確な描写はないが、
グルザム(剣中毒レミー=マーティンの父)は、亜魔族にさらに下級魔族を憑依させて使役する技術を確立させていたらしい。


  • 異界の魔王の呪文(仮)

デュグラディグドゥ、蒼穹の王カオティック・ブルー白霧デス・フォッグの力をそれぞれ借りた呪文。
本来はスレイヤーズの世界では発動できないが、シャブラニグドゥが作り出した世界の境界に接した異空間の中での戦闘だった事と、
混沌の言語の代わりに捧げることが可能なデモン・ブラッドを所持しているという、
極めて限定的な形で発動条件がそろったことにより、第2部ラストでリナが使用。
代償にデモン・ブラッドを失ったが、その三撃はシャブラニグドゥですら完全には防ぎきれず、大幅な消耗を余儀なくされた。



神聖魔法

神族の力を借りて発動する呪文。
シャブラニグドゥに敗れたラグラディアを除く竜王の力を借りる呪文だが、
スレイヤーズの主な舞台となっていた土地は一部終了まで神封じの結界で覆われていたため、
神族の力が行き届かず1000年間使用不可能な状態であり、人間の間では完全にノウハウが失伝している。
加えて、結界の外の世界では魔術そのものが発展していないため人間の使い手はおらず、
本編で登場した神聖魔法の使用者は、大半が人外かその関係者である。



  • ヴラバザード・フレア

本編でミルガズィアが使用。強大な貫徹力を有する光の奔流で敵を攻撃する。
明言されていないが、火竜王ヴラバザードの力を借りた呪文と思われる。
グラウシェラーには効かなかったが、それまで並みの呪文をノーガードで受けるか相殺していた彼に「逸らす」という防御行為を取らせた。


  • カオティク・ディスティングレイト

アニメが初出の神聖魔法だが、本編でも逆輸入する形でミルガズィアが使用。


  • うぃんぶれす(仮)

第3部でランが使用した空竜王の力を借りた風の呪文。
攻撃・浮遊・高速飛翔まで多岐に渡る用途を一つで賄ってしまう利便性の高い呪文だが、制御は難しい。


その他・系統不明の魔法

  • 重破斬(ギガ・スレイブ)

金色の魔王の名を冠する呪文。禁呪
リナのオリジナルの呪文であり、金色の魔王が一般には知られていない事もあって、使用者はリナ1人のみ。
作中では便宜上黒魔術として扱われているが、金色の魔王は魔族のみならず神族や人間を含む生きとし生ける者全ての母である混沌の海そのもの、
つまり魔族ではなく「魔族の側面もある超越者」なので、厳密に区分するのであれば魔族の力を借りる黒魔術よりもさらに高次の御業である。
その威力は竜破斬すらも上回るが、第1巻時点では金色の魔王を正しく表していない未完成版であり、
金色の魔王を「魔王」として詠唱するのが不完全版、「混沌の海」として詠唱するのが完全版となる。


さらに言えば重破斬は厳密には金色の魔王の力を借りる呪文ではない。
重破斬を発動させると虚無の端末を発生させて対象を抹消してしまう……という魔術に見えるのだが、
金色の魔王は魔族と異なり力自体が存在と同義であり、虚無の端末は金色の魔王の力というよりも金色の魔王自身の一端であるため、
言い換えれば重破斬は金色の魔王の一部が「はろー♪」と舞台の世界に降臨する現象を起こす呪文なのである。
また、不完全版でも人の持つ全魔力に加えて生命力も消耗し、短期間髪の色素が全て抜けるなどのリスクがあるが、
完全版は制御に失敗した場合、上記の特性故に術者が金色の魔王に体を乗っ取られてしまう。
第1部終盤に「異界黙示録」でその本質を知ったリナは、以降禁呪として封印している。


1巻ではシャブラニグドゥの分体に唯一通用する呪文として使用。
重破斬の力を収束させて点攻撃にできる光の剣があったことや、
シャブラニグドゥが不完全な復活で人柱の人格が内在していたのに加え、
完全に予想外だった金色の魔王の呪文の使い手を前に焦って冷静に対処できなかった事が幸いし、辛くもシャブラニグドゥを消滅させることに成功した。


しかし、それを機にフィブリゾが完全版の重破斬を暴走させる形で世界を滅ぼすプランを建てたのが第1部の騒動のきかっけとなった。
だが、そもそもリナ以前にこの呪文の使用者がいなかったので、魔族サイドも重破斬を暴走させた場合漠然と「世界が滅びる何かが起きる」としか認識しておらず、
故にフィブリゾも制御に失敗すると金色の魔王が術者の体を乗っ取ることを把握していなかった。
このため、最後の最後で完全版重破斬を使用して強大な力を纏ったリナを「火事場のクソ力で完全版を制御した」と誤認したフィブリゾは、
金色の魔王が憑依しているのに気づかないまま攻撃するという致命的な大ポカをやらかしてしまい、この行動を不快に思った金色の魔王に反撃され、呆気なく滅ぼされてしまった。*2
同時に金色の魔王もフィブリゾが必死に抵抗するものだから後先考えず深追いしたせいで、力の使い過ぎで憑依を保てなくなり幸いにもリナは解放された。
第2部ラストではシャブラニグドゥの別の分体と再戦した際に一瞬だけリナが使用を考えたものの、
場所がシャブラニグドゥの創り出した世界の境界に近い異空間だったため、使えば金色の魔王が本格的に降臨しかねない上、相手がフィブリゾと同じように見間違えるとは思えない、と判断し即座に断念している。


なお、1巻にて「過去1回だけ重破斬を試し撃ちして、とある入り江を生物が寄り付かない死の入り江に変えてしまった」とシリアスに語られているが、
すぺしゃるで明かされたその真相は依頼料を減らされた腹いせに依頼人のプライベートビーチをブッパして死の入り江に変えたというとんでもない内容だった。*3
やられた依頼人は依頼料代わりにプライベートビーチを使って魔法で八つ当たりしていいと言質取られていたため、泣き寝入りする羽目になった。*4

+ 詠唱-

不完全版
闇よりもなお暗きもの 夜よりもなお深きもの
混沌の海にたゆたいし 金色なりし闇の王
我ここに汝に願う 我ここに汝に誓う
我が前に立ち塞がりし 全ての愚かなるものに
我と汝が力もて 等しく滅びを与えんことを


完全版
闇よりもなお暗きもの 夜よりもなお深きもの
混沌の海よ たゆたいし存在(もの)  金色なりし闇の王
我ここに汝に願う 我ここに汝に誓う
我が前に立ち塞がりし 全ての愚かなるものに
我と汝が力もて 等しく滅びを与えんことを


  • 神滅斬(ラグナ・ブレード)

金色の魔王の力を借りた呪文。禁呪
虚無の闇を刃状に収束させてショートソード程の魔力の剣を作り出す。
魔力増幅することにより使用可能になった呪文で、重破斬と同じく不完全版と完全版が存在する。
負担は重破斬程ではないがそれでも燃費は桁違いに悪く、
不完全版でも素振りをしようものなら数回で倒れるほど消耗し、完全版に至っては一回振っただけで魔力切れとなる程。
また魔術としてはリーチが極めて短いのも大きな弱点。避けられたら目も当てられない。


その一方で威力も桁違いに高く、不完全版でも腹心直属の幹部魔族達ですら一撃で消滅させる攻撃力を誇り、
完全版に至っては竜破斬をかけた光の剣と互角の出力を持つガーヴの魔力剣を全く手応えもなく切り裂いて本人に重症を与えた程。
重破斬と異なり金色の魔王が降臨するリスクもなく、攻撃範囲も限定されているため閉所や市街地でも使用可能という利点もある。
第2部ラストのみ、特殊な条件下で燃費の悪さが解消されていたため二刀流を披露している。


腹心クラスはおろかシャブラニグドゥですら直撃すればまともに耐えることはできず、
ガーヴ以降の上位魔族達は徹底して「リナを近寄らせない」「発動させる隙を与えない」という対策を取らざるを得なかった。

+ 詠唱-

不完全版
天空(そら)の戒め解き放たれし 凍れる黒き虚無(うつろ)の刃よ
我が力 我が身となりて 共に滅びの道を歩まん
神々の魂すらも打ち砕き


完全版
悪夢の王の一片よ
世界(そら)の戒め解き放たれし 凍れる黒き虚無(うつろ)の刃よ
我が力 我が身となりて 共に滅びの道を歩まん
神々の魂すらも打ち砕き


  • 屍肉呪法(ラウグヌト・ルシャヴナ)

純魔族のみが使える呪法。
これをかけられると無限に再生する異形の肉塊に変えられて表面から生まれる肉の蛇に食われては再生を繰り返し、
呪いをかけた魔族が滅びない限り死ぬことも出来ず、永遠に魔族の食料である「苦痛」という負の感情を垂れ流す物体となり果てる。
ドゥールゴーファのみ、憑依対象にこれをかけて強力な再生能力を備えた肉の鎧として戦闘に活用していた。


  • 神封じの結界

ガーヴを除いた腹心4人が魔族の根城となっているカタート山脈を中心に置く形で四方を囲って張った結界。
約1000年前に起きた降魔戦争で北の魔王が水竜王ラグラディアを弱体化させる目的で張らせたものだが、
この戦いで北の魔王が封印されてしまったため、以降は他の竜王が北の魔王に干渉するのを防ぐための防壁として存続し続けた。
この結界内が「すぺしゃる」~「第2部」までのスレイヤーズの舞台となる土地であり、
結界によって妨げられているため魔族以外の種族はこの土地から出ることはできず、神の力も遮るためここでは神聖魔法が使用できなかった。
ただ、腹心達も結界の維持のためあまり長期間それぞれの結界の要となる拠点を離れることはできない模様で、
劇中では本編時点まで表立った活動はしていなかった(劇中の描写を見る限り、短期なら離れられないわけではないらしい)。
フィブリゾが消滅したことで、第1部終了時点で結界に綻びが生じている。


  • 空(ヴォイド)

ルヴィナガルド残党産のハーフ・デーモンが使用する術で、自身を空間転移させる。
純魔族の転移と似ているが、向こうは物質世界の端末から意識を切り離して即座に別の端末を用意して意識を移す原理なのに対して、
こちらは実体をそのまま空間転移させる原理のため似て非なる術である。
精霊魔術か黒魔術かは不明だが、少なくとも人間の魔力容量では使用不可。


  • 使い魔魔法(仮)

動物に術者の意識を移して使役する魔法。
リナ曰く、本来は使い魔が受けたダメージが術者に伝わる類らしいが、
バズエルという暗殺者はこの欠点を克服した使い魔魔法を行使しており、
さらに使い魔越しに攻撃呪文を放ったり、動物を複数体同時に使役するなどの高い利便性を見せていた。
使い方によっては術者が動くことなく本拠地から離れた相手を一方的に攻め立てれる魔法だが、
使い手の術者が作中世界の過激派の動物愛護団体に動物虐待の加害者としてマークされるという、魔法とは無関係なリスクが存在する
(上記のバズエルも謎のネットワークで本拠地を特定された挙句血祭りにあげられてしまった)。


  • 竜の血の呪法

ミルガズィアが使う呪法で、自分の血で刃物に文様を書くことで魔皇霊斬のように魔力を付与して威力を増価させたり、逆に魔力の流れを抑えて威力を抑制したりする。
文様を通して術者の魔力を直接注ぎ込む事も可能で、竜族上位種の中でも最強クラスの実力者であるミルガズィアが精神界に対する干渉力を強化する装備を纏って魔力を注ぎ込めば腹心クラスの魔族でも痛くないでは済まないダメージを受ける。



関連用語

  • 魔導士協会

魔法を習得したい人々の為に効率よく魔法を学ぶため設立された組織。
悪用者の乱立を防ぐために、教えるのは理論や概念、つまり「呪文」ではなく「呪文の作り方や使い方」のみ。
このような、魔道士を志す者から者から授業料を徴収して講義するなどの教育・育成活動だけでなく、
路銀目的の旅の魔道士への仕事の仲介、「隔幻話」を用いた有料の超距離通信サービス、
王室・政府への意見役としての魔道士の推薦などが主な活動内容となっている他、
土地によっては古代遺跡の発掘や研究も担当している。
各地に支部が存在しているが、本編時点ではそれらを統括する本部が存在しておらず
(かつてはサイラーグに存在していたがザナッファーという魔獣に潰されて以降も再建されなかった)、
基本路線以外の細かい方針や活動内容は各地の支部ごとに大きく異なる。





加筆呪文「追記・修正」!!


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  • 白魔術がないね -- 名無しさん (2022-01-07 02:40:36)
  • ゼラス・ゴート! -- 名無しさん (2022-01-07 09:53:12)
  • アストラル・ヴァインってゼルオリジナルだっけ? 確かリナがルーク戦で使っていたような記憶があるんだけど。 -- 名無しさん (2022-01-07 15:37:26)
  • ↑ゼルオリジナルかどうかはわからんが初出の長編5巻ではリナちゃんの知識になかった呪文。その後ゼルに教えてもらったと記述があったような無かったような……。どっちかというとゼルの得意技と表記した方がいいかも -- 名無しさん (2022-01-07 17:59:09)
  • 魔力容量には二つの意味あるからそこ追記ほしい。表記の最大MPとして以外に一度に使用可能MPとしての魔力容量もある。タリスマンで増やせたのは後者の容量の方 -- 名無しさん (2022-01-07 18:09:41)
  • ナーガって重破斬の詠唱聞いてやばさに気づいてたんだよな。やっぱり魔術に関しては天才的だわ -- 名無しさん (2022-01-07 21:26:43)
  • 当時の読者ならドラグ・スレイブ、ラグナ・ブレード、ラ・ティルトあたりは何も見ずに詠唱できるよな -- 名無しさん (2022-01-07 23:36:59)
  • ↑7あの世界の白魔術は神様っぽい魔法をそう呼んでいるだけで本来は精霊魔法の一種だから -- 名無しさん (2022-01-07 23:54:32)
  • ↑↑呪文の所に折り畳みで詠唱入れてもいいかもね。アニメやゲームでのみ判明した詠唱が相当数あるけど -- 名無しさん (2022-01-07 23:56:57)
  • 烈火球の対になる氷系呪文なかったっけ?互いにぶつかり合うとすさまじい音と煙だけ残して威力自体は相殺されちゃう奴。 -- 名無しさん (2022-01-08 00:02:45)
  • ↑ヴァイスフリーズだな -- 名無しさん (2022-01-08 01:10:16)
  • 暗殺者倒せる動物愛護団体って一体… -- 名無しさん (2022-01-08 01:23:30)
  • ↑スレイヤーズ世界…というよりすぺしゃる時空だと割と普通だったりするのが困る -- 名無しさん (2022-01-08 01:57:59)
  • 竜破斬を参考に重破斬を作ったらしいのだが、竜破斬開発者のレイはシャブラニグドゥを内包していたので「我と汝が力もて、等しく滅びを与えんことを」というのは潜在能力を発揮するための呼びかけに過ぎなかったのだろう。ところがどっこいその呼びかけを金色の魔王相手に行ってしまうと、L様の性質もあいまって実質召喚呪文になってしまうのではないかと。数十年考えもしなかったことだけどここを読んで改めてこんなことを思いついた -- 名無しさん (2022-01-08 20:33:47)
  • 魔法が効かない相手に、火球の爆発で吹き飛ばして岩や壁に何度もぶつけて倒すというエグイ攻略法があったりする -- 名無しさん (2022-01-09 02:24:54)
  • ↑それをやったのが某国のお姫様で巫女頭ってんだから… -- 名無しさん (2022-01-09 04:00:27)
  • ザナッファーみたいな敵いるけど、そいつの手前にドラスレ撃てば余剰エネルギーは全部物理変換されるわけで、そっちの威力で倒せんもんかとは思ったな -- 名無しさん (2022-01-09 10:46:23)
  • 効かないことが強敵の表現に使われることがしょっちゅうなため、かませイメージが拭えないラ・ティルトさんカワイソス -- 名無しさん (2022-01-21 10:20:47)
  • アニメから入って原作読むと竜破斬が殆ど使われない、偶に使われても効かない耐えられる即再生とかそんなんばっかりに拍子抜けするのは誰もが通る道。 -- 名無しさん (2022-01-21 11:43:40)
  • 雷撃竜?を呼び出す呪文って何だったっけ?ナーガが使ってえらい目にあった話 -- 名無しさん (2022-01-21 16:12:37)
  • ↑雷竜降(ガイ・ラ・ドゥーガ)だな -- 名無しさん (2022-01-21 17:10:09)
  • ↑ありがとう -- 名無しさん (2022-01-21 19:32:31)
  • 呪文詠唱時の魔力防壁についての記載があってもいいかも -- 名無しさん (2022-05-11 01:32:32)
  • 雷竜降(ガイ・ラ・ドゥーガ)について書きたかったけど掲載巻が手元のなくなってた。誰か頼む -- 名無しさん (2022-05-11 08:10:00)
  • ガチの神聖魔法はTRYでもフィリアが使ってる。神坂先生監修だが人間が使えるようになるのはもっと先と当時ファンブックにあった(出てくる可能性はありますよとのこと)。 -- 名無しさん (2022-05-11 12:03:37)
  • 第二部最終決戦に唐突に登場した新呪文アストラル・ヴァイソンのことは書いてないのか!? -- 名無しさん (2022-08-19 11:05:12)
  • シルフィールが重破斬の不完全版の方失敗するとどうなるんだ?使用者が死ぬだけ? -- 名無しさん (2022-10-26 14:29:08)
  • ↑途中で送信したらわけのわからんことになってしまった…シルフィールが制御失敗すると世界が滅びるって言ってたのは完全版に対してだけなのか?と言いたかった -- 名無しさん (2022-10-26 14:30:09)
  • 神託を下す神様といえどL様の力は超えようがないし、「わからん」が答えじゃないかね。完全版の制御に失敗しても「世界は滅びなかった」わけだし、L様関連の神託は割とてきとーに言ってる気がする。個人的にはリナが言ってた通り術者が死ぬだけと思ってる -- 名無しさん (2022-12-23 14:26:11)
  • 人間にとはいえ、L様が降臨するとかそりゃ世界が終わるクラスの一大事ではあるからな。滅ぶかどうかはL様の気分次第 -- 名無しさん (2023-01-11 18:46:45)

#comment(striction)

*1 物語中では人間としては最大級の魔力容量が必要な竜破斬の使い手であるシルフィールがスタミナ切れ寸前になりながらもなんとか防ぎ切った
*2 メディア媒体によっては滅ぼされた理由が異なるが、イキった挙げ句気づかずに攻撃してしまったのは共通している。
*3 フォローになるかはともかく、一応依頼人が非常に嫌味かつ仕事内容がかなりハードなものであったというのは事実である。あと、リナが理不尽な展開にキレる事が多いすぺしゃるにおいて、「過去1回だけ使った」という縛りがあったとはいえ重破斬をたかだか腹いせに使うほどブチギレたのは後にも先にもこの時だけだったのも事実である。
*4 ちなみにこの時ナーガもいたがリナの本気どころじゃない状態に本能的にビビったのか即避難していた。

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