傭兵団の料理番

ページ名:傭兵団の料理番

登録日:2021/07/05 Mon 10:49:00
更新日:2024/05/30 Thu 11:39:00NEW!
所要時間:約 13 分で読めます



タグ一覧
四季童子 ヒーロー文庫 小説家になろう ライトノベル 異世界転移 料理 料理人 傭兵団の料理番 川井昴 傭兵団


レーベル:ヒーロー文庫
著  者:川井昴
イラスト:四季童子



▽目次


概要

小説家になろう」に連載されている異世界転移小説の書籍化作品。
異世界に転移した若き料理人が現地の傭兵団に拾われ、料理番として共に旅をする中でかけがえのない仲間となっていく物語。


本作の特徴として、一つのエピソードを二つの視点で描く形式になっていることが挙げられる。
まず主人公の東朱里の視点で物語が語られた後、そのエピソードに関係する別の登場人物の視点で改めて語られることで朱里の知りえないことが読者に提示されるのである。
物語が進むにつれてその形式から外れるエピソードも増えつつあるが、基本フォーマットは変わっていない。
また、時折未来の第三者による解説文が挿入されることによって、主人公達の行動が歴史にどのように残ったのかが語られている。


1巻&2巻セットと14巻の同時発売時にボイスドラマCDが制作された。



あらすじ

料理人志望の青年・東朱里が異世界にトリップしたところから物語は始まる。
朱里を拾ったのは、傭兵団の団長、ガングレイブ。
料理番のいなかった傭兵団で、朱里は料理の腕を振るうことで自らの存在価値を高めていく。
傭兵団の各隊長たちは一癖も二癖もある人物揃いだったが、朱里は料理を通じて彼らと心を通じ合わせていった。
発明を手伝い、剣の悩みを聞き、恋の後押しをする……。
少しずつ、朱里は傭兵団の仲間達に認められていく。
しかし、朱里はまだ知らない。
自分自身が英雄として語られる存在になることを。
(1巻あらすじより)



登場人物

※名前の上にある文章は第三者の解説


○ガングレイブ傭兵団


他の英雄ほどの知名度は無いが、ガングレイブ傭兵団を料理番として支え続けていた影の英雄。
後に『食王』と呼ばれる彼自身の料理は勿論、後にとった弟子達の料理もサブラユ大陸の食文化を大きく発展させた。

●東朱里
CV:石谷春貴


主人公。1巻時点では20歳。作中ではシュリもしくはシュリ・アズマと表記されることが多い。


広島県の片田舎にある料理店に生まれ、心から料理を愛している青年。
小学3年生の時から料理人を目指して父のもとで修行を始め、高校卒業と同時に父の意向で東京へ料理修行の旅に出されたため、和洋中の料理からお菓子まで幅広く作れる腕を身に着けている。
修行を終えて実家の店に帰るために新幹線に乗ろうとしたところなぜか異世界に転移してしまい、偶然彼を保護したガングレイブ傭兵団に料理番として雇われることになった。


料理は基本的に現地の食材を使ってやりくりしているが、どうしても手に入らない調味料などは自分なりに不完全ながらも再現。
さらに彼以外の異世界転移者が伝えたと思しき食材や調理器具が随所で発見されるため、見つけたら購入している。
ちなみに彼の料理の腕は作中世界ではトップクラスではあるものの突出しているわけではなく、彼と同等の腕を持つ現地人の料理人は幾人もいる。
本人もそのことは自覚しているため、慢心せずに自己研鑽に勤めている。


料理が絡むと暴走しがちな面があるものの、基本的には真面目な好青年。
ただし本人の視点では結構フリーダムなことを考えていたり、相手の言動に心の中で毒舌ツッコミを入れたりしている。
また他人の苦悩や不調には鋭い一方で自分自身のことは軽視している節があり、他人を救うために必要ならば自己犠牲すら厭わない。
この点については仲間達に時折説教されているものの中々治らないでいる。


結構女性にモテているのだが、本人が料理馬鹿で恋愛経験が無いことと明確なアプローチをしてきたのが一人しかいないことが合わさって気付いていない。
そしてその一人がガチすぎる求婚をしてきたことで対応に困っている。



孤児から成り上がって多くの偉業を成し、戦乱のサブラユ大陸を統一。
現代に至るまで平和が続く王国を作り上げた初代国王。
その功績は『英雄の中の英雄』『人類最古の名君にして、最初で最後の英雄王』とまで称えられている。

●ガングレイブ・デンジュ・アプラーダ
CV:前野智昭


ガングレイブ傭兵団団長。1巻時点ではおおよそ20歳だが後述する出自のため正確な年齢は不明。これは他の隊長達も同じ。


群雄割拠の戦乱の時代に生まれた戦災孤児で、子供の頃は幼馴染7人とギャング団を結成して殺人と放火以外なら何でもやってきたが、悪党のままでいることの危険性を察知して傭兵団に鞍替えした。
自分のように悪事をはたらかなければ生きていけない子供がいない平和な国を作りたいと願い、自分の国を手に入れるべく戦っている。


一度見聞きしたものを完璧に覚えられる才能の持ち主で、その能力によって出自の割には高い知識を持っている。
普段は知識を生かして団をまとめる頼れる団長なのだが、想定外の事態に遭遇したりして焦っていると考えすぎてとんでもない決断を下してしまうことがある。
特に自分の本来の望みを押し殺したり自分を犠牲にする策を練ることが多く、その度に周囲から諫められたり、時には力づくで説得されたりしている。


少しずつ団の規模が大きくなっていく中で料理番の不在が問題になりつつあったときにシュリと出会う。
当初は常識外れの服装をして訳の分からないことを喋るシュリを怪しく思っていたが、彼が料理のできる人材だと知り、実際にクリームシチューを作ってもらったことで料理番として雇うことを決めた。



大陸王ガングレイブの妃であり、現代の魔法師ですら到達できない魔法の深奥である『真理』を手に入れた『真理の魔女』。
『真理』を独占することを良しとせず、大陸統一後に国立魔法師学園を作って己の知識の全てを伝えたが、残念ながら『真理』にたどり着けた教え子はいなかった。

●アーリウス・デンジュ・アプラーダ*1
CV:後藤沙緒里


十万人に一人の割合で魔法を扱える者が存在する作中世界において、その中でも特に優れた能力を持つ魔法師の部隊を率いる絶世の美女。貧乳。


子供の頃から一途にガングレイブを慕っているものの表には出さず隠している。
しかし隠せているのはガングレイブ当人に対してだけで周囲にはバレバレ。
新参者な上に色恋に疎いシュリですら分かるレベルだったので、ガングレイブはその鈍さに呆れられていた。


ガングレイブに気に入られているシュリに嫉妬し、自分も料理をできるようになろうとシュリに相談しに行ったところ、ガングレイブと2人っきりで湯豆腐を食べる場を設けてもらいその場で告白。
見事両想いになることはできたものの、国を手に入れるまで待ってくれというガングレイブの宣言もあって結婚には非常に時間がかかってしまった。



魔工技師として調理器具や通信機、魔動車など後世の文明文化を大きく変えるほどの発明品を多く残した『発明の母』。
建国後は王国筆頭魔工技師の任命を辞し、私立魔工塾を設立。技術が戦争に利用されないように尽力し続けた。

●リル・ブランシュ
CV:大久保瑠美


魔法を使って材料を加工したり、特殊な能力を付与させたりする魔工技師。工作兵も兼ねる魔工師部隊の隊長。幼児体型。


大の発明マニアで幼少のころから様々な発明品を考案している。
しかしそれらは既存の魔工技術では不可能なアイディアばかりであり、実現には至っていなかった。
後に魔法のことを知らないシュリとの会話で自分が常識に囚われていたことに気付き、そこからは常識外れの方法によって次々と革新的な発明品を生み出していくことになる。
シュリの使うコンロなどの調理器具も彼女が作ったもの。


肉が苦手だったが、コンロを発明したときにシュリに作ってもらってからハンバーグが大好物になった。
その好みはもはや中毒者の域に達しており、事あるごとにシュリにハンバーグを要求する。


シュリとは互いに惹かれあっているが本人達は自覚していない。
後にシュリにガチ求婚する女性が現れてからは露骨に不機嫌になり、その女性のアプローチを妨害するようになった。



統一王国に伝わる最強の戦闘剣術、空我流の開祖。
統一王国大将軍の地位にありながら、後方で作戦を練るよりも前線で仲間と共に戦う方を好んだ。
彼の死後、空我流は弟子たちによって多くの流派に派生し、優れた剣士を輩出し続けている。

●クウガ・ヤナギ
CV:河西健吾


一見すると女性にも見える容姿の持ち主でありながら、優れた反射神経と動体視力、そして剣の才能を持つ剣士。関西弁のような独特の口調で話す。
日々の鍛錬も欠かしておらず、剣に迷いが生じると納得できるまで一人で稽古をする習慣がある。


ある戦の後、自分の剣に行き詰まりを感じながら稽古をしていたところに見かねたシュリが夜食を作りに訪れた。
そこでアジフライを作るためにシュリがアジを綺麗にさばくのを見て、それまでの力を重視した剣だけではなく戦場での経験で培った技を重視した剣も必要だと悟り、その後の一晩ぶっ続けの鍛錬で力の剣『剛剣』と技の剣『柔剣』を使いこなせるようになった。


剛剣と柔剣に開眼してからはそれまで以上に圧倒的な強さを手に入れ、名実ともにガングレイブ傭兵団の最大戦力として活躍するようになる。
しかしそのポジション故に強敵との戦いでボロボロになることも多い。



初代王族近衛隊総隊長にして弓術を主体とした天狗流戦闘術の開祖。
後に国家事業である大陸全土の地図の作成に名乗りを上げて各地を旅し、地図と旅行記を作成。
さらに未知の場所だった大陸外にも足を延ばし、数十年かけてその記録を持ち帰った。

●テグ・ヴァレンス
CV:濱野大輝


色黒の青年。おちゃらけた性格のムードメーカー。
誰よりも仲間想いのため、シュリの無茶を叱る役割になることが多い。


自分の頭で考えて判断することを苦手としており、周囲の流れに乗って生きてきた。本人曰く「楽な生き方を選ぶ」性格。
弓兵隊隊長という立場ではあるが指揮は殆ど副官に任せ、自分はひたすら敵を射る役目に徹している。
その弓ですらガングレイブに指示されたから使っているだけで拘りなどは無いが、才能があったらしく優秀な戦士となった。
団での実力はクウガに次いで高い。


風邪で倒れても尚働こうとするシュリを叱った際に、シュリに頼りすぎていたことを自覚。
その後はシュリと親友になり、親友を守るために頑張ることを決意して少しずつ自分で考えて行動するようになっていく。
しかし彼が行動をしたときには大抵トラブルになるトラブルメーカーでもある。



戦時中は裏の任務をこなし、戦後は諜報機関主任の座を蹴って歓楽街『楓鳳凰街』の創始者兼支配者となった女傑。
しかしその実態は歓楽街を取り仕切ることで情報を集め、ガングレイブ王に提供し続けた忠義者。

●アサギ・カエデ
CV:上田麗奈


大人の色香を持つ美女。
敵地から物品を盗んだり、火を放ったり、娼婦に化けて篭絡したりと敵軍に工作を仕掛ける特殊工作部隊の隊長を務める。


元は商家の娘だったが、あるとき盗賊に襲われて家族と商隊を皆殺しにされてしまう。
彼女も殺されるはずだったが、髪と瞳の色を自由に変えられるという特異体質と白磁のように美しい肌に目をつけられて生け捕りにされてしまった。
その後は慰み者にされながらも強く生き続け、ギャング団時代のガングレイブ達に助けられた過去を持つ。


大の賭け事好きで、任務の無いときは専用の大型天幕を設営して団員と共に賭け事に興じる。
ガングレイブには苦言を呈されているものの、精神的にきつい任務をした後の息抜きとしてしぶしぶ認めさせている。
本人の賭け事の腕は非常に高いのだが、戯れにシュリと勝負したときは三戦三敗の惨敗を喫した。
しかしこれは数字の計算が重要となるギャンブルだったために基礎学力の差*2が出たのと、シュリにはギャンブル好きの友人がいたのでイカサマを見破ることができたのが勝因であり、シュリは気まずい思いをする羽目になる。



犯罪者たちを罰する処刑人の一族ネレーデン家の初代当主。
彼の一族は完璧に公平にあり続ける心を重視しており、犯罪者相手に手心を加える事は無いが過剰に罰を与えることも無い。
余談だが彼の一族は大柄で頑強な肉体と、それと不釣り合いな可愛いもの好きという性格を代々併せ持っている。

●オルトロス・ネレーデン


常に鎧とヘルムを身に着けている寡黙な大男。
団の規律を破った者を制裁する懲罰部隊を率いる。


しかしその実態は乙女な性格と口調を持つオネェ。
本人は自分の性分を嫌悪しているために自室に一人でいるとき以外は決して喋ることはない。
そのため偶然独り言を聞いてしまったシュリを除き、子供時代からの仲間であるガングレイブ達ですらその事実を知らない。
後に起きたとある事件の際に覚悟を決めてカミングアウトし、仰天されながらも受け入れられたことでそれ以降は普通にオネェ言葉で喋るようになった。


ボイスドラマでは時系列が朱里と傭兵団の出会いだったために一言も喋らず、朱里が各メンバーとのエピソードを簡潔に紹介するパートでもネタバレを防ぐためか一人だけハブられるという扱いを受けている。



堕落した宗教組織『神殿』と袂を分かち、新たな宗教『ヤオヨロズ教』を立ち上げた初代法王。
万物に神は宿り常に自分たちを見守ってくれているというその教義は神殿の教えと対立するものだったが、人々には広く受け入れられ大陸一の宗教へと成長していった。

●カグヤ・アマテラス
CV:前田玲奈


幼い頃に神殿に入り、修行を積んだ巫女で医学も身に着けている。
戦では敵地に潜入し情報収集にあたる。


修行時代に神父に襲われ、逃げたところを幼馴染のガングレイブ達に助けられた。
その後、他の教会も堕落しきっているのを目の当たりにして神殿の教えに疑問を持つが、それでも信仰心を捨てきれない自分に苦悩していた。
その悩みをシュリに打ち明けたときに彼から聞いた八百万の神の思想に感銘を受け、自分の宗教を立ち上げることを決意。
その教義を考えているときに神の声を聴くことができた。


巫女として清貧を心掛けて生きているが、性欲は如何ともし難いため妄想で処理する癖がついている。
しかし徐々に過激さがエスカレートしてしまい、遂にはストレス発散も兼ねて匿名で小説化することになった。
その内容は試読させられるシュリが「ドギツい内容すぎて直視できない」と零すほどの代物らしい。
後にこの小説は意外すぎる形でシュリを助けることになる。



○ニュービスト国


並外れた内政能力と人心掌握術を持ち、幼い頃より政治に携わった希代の天才。
彼女の指導の下に作られた料理人学校は現代まで存続し、実力と人格を兼ね備えた料理人を輩出し続けている。
彼女とシュリ・アズマの出会いはサブラユ大陸の運命の歯車を大きく動かした。

●テビス・ニュービスト王女


ニュービスト国の王女。通称『美食姫』。1巻時点で12歳。
ニュービスト国の王族は彼女と父王の二人しかいない。


まだ幼いながらも為政者としての実力は確かなものがあり、食料自給率の向上、食材のブランド化、優れた料理人の育成、他国との貿易の擦り合わせ、国内の食材流通量の管理、王室御用達商人の地位の確立など数々の功績を残している。


美食が揃うニュービスト国においてあらゆる美味珍味を食べつくし、料理に関しても高い知識と優れた舌を持つ。
戦争のために自国で雇っていたガングレイブ傭兵団に優れた料理人がいることを知り、戦勝の祝いとしてガングレイブとシュリを招待。
その場で巧みにシュリに料理を作らせるよう誘導した。


シュリの作った麻婆豆腐を食べたことで彼を自分の専属料理人として雇いたいと宣言するほどに気に入ったが、あくまでガングレイブ傭兵団の料理番でいたいシュリにはにべもなく断られてしまった。
関係自体は以後も良好であり、ガングレイブ傭兵団が他国に渡った後も要所要所で登場している。



諜報官としてテビス・ニュービストの傍に常に仕えていた忠臣。
彼女に関する記録は驚くほど少ないが、諜報官の中では群を抜いた実力を持っていたこととガングレイブ傭兵団と深い関りがあったことは判明している。

●ウーティン
テビス王女の付き人として常に傍らにいるメイド少女。
しかしその実態は護衛からスパイ活動、暗殺までこなす凄腕の諜報官である。
自分を拾ってくれたテビスに絶対的な忠誠を誓っている。


幼い頃に盗賊団に両親を殺され、テビスに保護されるまでたった一人で森の中で生きてきた。
言葉を発することのない日常を過ごしていたため、成長した現在でも上手く話すことができず、基本的には喋らないようにしている。
喋る必要がある場合でも一言二言しか喋らない。
また表情にも乏しく、何があっても表情筋が全く動かない。


シュリに成り行きでチャーハンを作ってもらってから彼の料理の虜になり、無自覚だが彼自身に好意も抱くようになった。
後にそれを悟っていたテビスによって半ば強引に自分の想いを自覚させられている。





追記・修正は限られた材料で美味しい料理を作ってからお願いします。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600)

[#include(name=テンプレ3)]


  • 料理描写が適当過ぎるし、食ってるシーンも全然美味そうじゃないのが致命的 -- 名無しさん (2021-07-05 13:39:25)
  • 作者がTwitterでやたら攻撃的というか他者を煽る発言しまくるから嫌になったな… -- 名無しさん (2021-07-05 13:50:57)
  • web版読んでたけどいろんな料理漫画からのネタそのままみたいなのがあって呆れた(わかりやすいので鉄鍋のジャンとか) -- 名無しさん (2021-07-05 18:15:09)
  • ふーんと思ってコメント読んだら笑ってしまった 逆に興味出たわ -- 名無しさん (2021-07-06 14:16:30)

#comment(striction)

*1 結婚後の名前であり、元々の名前は不明
*2 作中世界では掛け算割り算は高等教育であり、足し算引き算すらできない人も多い。アサギは四則演算を身に着けてはいるが、本人曰く掛け算割り算はそこそことのこと。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧