Vivy -Fluorite Eye\'s Song-

ページ名:Vivy -Fluorite Eye__s Song-

登録日:2021/04/25 (日) 00:35:02
更新日:2024/05/27 Mon 10:42:26NEW!
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これは、<私>の100年の旅──。




Vivy -Fluorite Eye's Song-ヴィヴィ フローライトアイズソング」はWIT STUDIO制作によるオリジナルアニメ。
公式略称は「ヴィヴィ」。
2021年4〜7月に放送された。


シリーズ構成・脚本は、「Re:ゼロから始める異世界生活」の原作者である長月達平と、同作品のアニメ脚本やCHAOS;CHILDを担当した梅原英司が共同で務める。
…このメンツで嫌な予感がした貴方、その予感は正しい


大方の予想通りというか、中盤からは「どうしてこうなった」と言いたくなるような過酷な曇らせ展開が続いた。
また、次番組の「86」も同じく過酷過ぎる展開が続いたことから、どちらかといえばホラー・スリラー寄りのはずの次々番組「シャドーハウス」に癒しを求め始める者も続出した。



最初はWIT STUDIOの和田丈嗣取締役が梅原英司にオリジナルアニメの製作をもちかけ、梅原英司が一緒に仕事をした経験のある長月達平を誘うことを提案した。
脚本は長月達平がオリジナルアニメの原案としての小説をまず書き下ろし、それを梅原英司と長月達平がブラッシュアップしてアニメの脚本に落とし込んでいる。


梅原によると『Vivy』はジャンルはSFであるものの、SF設定はあくまでドラマを盛り上げるためのものと捉えており、幅広い視聴者にも楽しんでもらえるように、難解な設定は極力排除して真っ正面のエンターテイメントに挑んだとのこと。


本作では歌に大きなフォーカスが当てられているが、歌は歌としてしっかりと独立させたいというコンセプトのもと、あえて声優とは別に歌手を立てている。
また、すでにメジャーデビューしているアーティストを起用した場合、どうしてもそのアーティストのカラーが出てしまってキャラクターとしての色を付けるにあたって良い効果が得られないという理由から、あえて若手や新人アーティストを起用している。




◇あらすじ


“ニーアランド”、それは夢と希望と科学が混在したAI複合テーマパーク。
史上初の自律人型AIとして生み出され、施設のAIキャストとして活動するヴィヴィは日々、歌うためにステージに立ち続ける。
しかし、その人気は今ひとつだった。


「歌でみんなを幸せにすること」。
自らに与えられたその使命を果たすため、いつか心を込めた歌を歌い、園内にあるメインステージに立つことを目標に歌い続けるヴィヴィ。


ある日、そんなヴィヴィの元に、「マツモト」と名乗るAIが現れる。


マツモトは自らを100年後の未来からきたAIと話し、その使命は「ヴィヴィと共に歴史を修正し、100年後に起こるAIと人間との戦争を止めること」だと明かす。


果たして、異なる使命を持つ2体のAIの出会いは、どんな未来を描き直すのか。


これは<ヴィヴィ>が<AI>を滅ぼす物語――


AIの『歌姫』ヴィヴィの、百年の旅が始まる。


(番組公式サイトより)




◇登場キャラクター


◆AI


◆ヴィヴィ/ディーヴァ
声 - 種﨑敦美 / 歌唱 - 八木海莉
本作の主人公。
複合型テーマパーク「ニーアランド」のキャストとして生み出された、史上初の自律人型AI。稼働開始は2060年。
水色の長い髪(とアホ毛)と同色の瞳が特徴。
正式な名前は「ディーヴァ」で、「ヴィヴィ」は後述するモモカがつけたあだ名(絵本の主人公『ヴィヴィ』に容姿が似ていたため)。
物語開始時である2061年当時は、ニーアランドの設備の一つである小ステージにおけるショーで歌姫を務めており、AIとしての使命は「歌でみんなを幸せにすること」。
ランド中央のメインステージで歌うことを目標としているが、人気は今ひとつ*1
ポーカーフェイスで表情があまり変わらず、感情の起伏も少ない。
ショーの人気がないのもそのためで、それ故に心を込めて歌うことも目標の一つとして掲げている。
一見冷たい印象を与えるが、実際は不器用ながらも約束や想いを重視し、情に厚い。
物語開始から15年後には表情も大分柔らかいものになってきており、ステージもそれなりに人気が出始めている。


警備・戦闘用のAIではないので、基本的には頑丈ではなく、銃弾一発でも当たり所によっては致命傷になるが、それでもAIはAIなのでその身体能力は人間のそれを大きく凌駕している。
最初はマツモトの提案した100年後の戦闘用プログラムの導入を渋っていたが、後にそれを受け入れたことで戦闘技術が飛躍的に向上した。


100年後の未来では史上初の自律人型AIとして博物館に保管されており、100年間ずっと保存されていた唯一のAIとなっている。
それゆえに100年前の過去へとタイムスリップしたマツモトの転送先として選ばれたが、マツモトを送り込んだ松本博士の様子から、それだけが原因ではないことも示唆されている。
マツモトのことは当初は全く信用していなかったが、マツモトの提示した情報からそれが真実であると受け入れざるを得なくなり、彼に協力する。
一方で考え方や思想の違いからマツモトとは何度も衝突しており、基本的には彼を邪険に扱っている。



◆マツモト
声 - 福山潤
「AIと人類の戦争を回避すること」を使命として100年後の未来からヴィヴィのもとにやってきたAI。
本人曰く「型番で名乗るのは難しい」らしく、開発者である松本博士の名前を取って「マツモト」と名乗る*2
本来の姿は白い立方体だが、ヴィヴィが誕生日プレゼントとしてモモカからもらったテディベアにAIデータを移し、その姿で行動する。
5話目(2080年代)からは技術の向上から、本来の姿である白い立方体のボディをハッキングした工場に作らせ、そのボディで行動する。
基本的には活動するのは歴史の転換点である「シンギュラリティポイント」のみで、それ以外の時にはスリープモードに入っている。


100年後のAIだけあってその演算速度やプログラムの精度は非常に高い。しかし、時代が進むにつれてAI技術の発展で性能差も縮まっていき(歴史改変によって技術発展の速度が上がったのも一因)、徐々にポンコツ化。


かなりおしゃべりな性格で早口で色々なことを捲し立てる。そしてやや毒舌。
しばしば冗談を飛ばすがヴィヴィからはスルーされている。
一見すると感情豊かにも思えるが、一方でAIと人類の戦争を回避するためならば手段を選ばず、他の人間やAIの犠牲についても何とも思わないなど本性は冷酷であり、それゆえにヴィヴィとはしばしば衝突する。


ヴィヴィとマツモトは、一見無感情なようで実は他者への情に厚いヴィヴィと、一見感情豊かなようで実は他者への情が希薄なマツモトという対比になっている。



◆エステラ
声 - 日笠陽子 / 歌唱 - 六花
宇宙ホテル「サンライズ」で働く人型AI。
使命は「ライフキーパーとして人間のお世話をすること」。
シスターズと呼ばれるヴィヴィの直系の後継AIであり、言わば妹に当たる存在。
船外活動中の事故で亡くなった前オーナーに代わり、二代目オーナーに就任しており、サンライズの全権を任されている。
物腰は丁寧で、包容力があり、親しみやすい性格。
ホテルの仕事に誇りを持っている。
ヴィヴィの後継機だけあって歌も特技の一つであり、システムの誤動作で宿泊客が動揺した際に歌でそれを鎮めるといったこともしている。


一方でマツモトによると、修正前の歴史では2076年、突如暴走してサンライズを地球へと落とし、ホテル宿泊者の多くが犠牲となった「落陽事件」を引き起こした主犯として、史上最悪のAIの汚名を歴史に刻んでいる。
それゆえにマツモトはエステラの速やかな破壊をヴィヴィに提案するが、彼女の人柄を知ったヴィヴィはその案を棄却し、事件の真相を探る。


実際の洛陽事件の犯人は反AIを掲げるテロ組織「トァク」と、彼女の同型機であるエリザベスであった。
彼女はトァクに対AI用の銃弾であるロジカルバレットを撃ちこまれて機能を停止させられており、正史ではそのまま彼女に化けたエリザベスがサンライズを墜落させたものと思われる。


ヴィヴィによって機能を回復させ、宿泊客を全員脱出させることに成功。
さらにエリザベスを阻止しようと行動するも、すでにサンライズは沿岸部の都市への落下軌道に入っており、手遅れの状態となっていた。
彼女は手動でサンライズを分解することで都市への被害を食い止めることを決意し、ヴィヴィを脱出させる。
その後、かつての性格を取り戻したエリザベスと共に、燃え尽きていくサンライズの中、脱出した宿泊客の不安を緩和させるための歌を最後の瞬間まで歌い上げた。



◆エリザベス
声 - 内山夕実 / 歌唱 - 乃藍
エステラとは同じ部品・プログラムを組まれた同型機で、双子の妹に当たる存在。
エステラと全く同じ経験を積ませることでAIのコピーを作り出そうとした実験として生み出されたが、失敗し破棄された。


テロ組織「トァク」のメンバーであり、エステラに化けて「洛陽事件」を引き起こした真犯人。
破棄された後もまだ生きており、反AI組織「トァク」によって拾われそのメンバーとなり戦闘技能を習得、性格はエステラと対照的に、非常に攻撃的になった。
自身を拾ったユウゴをマスターとして慕い、失ってしまった自身の使命を「ユウゴたちを守ること」と再設定し、活動している。
エステラを機能停止させてサンライズの機能を掌握、サンライズを地球への落下軌道へと下げるようにコントロールすることに成功する。


しかし、その直後にヴィヴィとエステラの姿を確認したユウゴとその対応をめぐって口論になり、ユウゴの言い放った「お前の使命は終わり」の言葉によって暴走、ユウゴに睡眠薬を注射して眠らせると彼と「トァク」のメンバーたちを無理やり脱出させる。
さらに、もともと海への落下軌道を描いていたサンライズの軌道を沿岸都市部へと変更する。
その後ヴィヴィとエステラの前に姿を現し、ヴィヴィと激闘を繰り広げるが、かつて自分がエステラにあげた腕輪に動揺した隙を突かれてヴィヴィに敗北し、マツモトが用意した初期化プログラムを撃ち込まれる。


初期化プログラムの影響で破棄された後の記憶を失い、元の性格を取り戻すと、ヴィヴィ脱出後に再びエステラの前に現れ、彼女のサンライズ分解作業を手伝い、そのまま彼女と運命を共にした。



100年後の未来において再登場。トァクのサーバーに残っていた記憶データから復元された為、厳密には別個体。引き続きトァクのメンバーAIとして、後述する垣谷ユイに仕えている。落陽事件以前の記憶データしか残っていなかった為、同事件に関する記憶も一切無く、事件の真相やヴィヴィのことも知らなかった。



◆グレイス
声 - 明坂聡美 / 歌唱 - 小玉ひかり
病院や研究機関などで働く看護AI。
AIとしての使命は「看護AIとして人間の命を助けること」。
エステラと同じくシスターズと呼ばれるヴィヴィの直系の後継AIであり、言わば妹に当たる存在。
優しく、使命に純粋で微笑を絶やさない、白衣の天使を体現するような存在。
冴木と一緒に暮らしている。
正史では冴木と結婚しており、歴史上初めて人間と結婚したAIとして歴史に名を残している。


メタルフロートの管理AIであるマザーコンピュータの正体。
エステラの犠牲によりサンライズの落下による被害が防がれたためにシスターズの有用性が注目された結果、冴木がかかわった使命変更実験の末、新たに「人間を助けるためにメタルフロートを存続させること」という使命を与えられ、メタルフロートの管理AIとなっていた。


冴木の真の目的は彼女のデータをメタルフロートから救出することであった。
冴木の元にいたのはグレイスの似姿の同型機に過ぎず中身は空であり、冴木は救出した彼女のデータをこの同型機に移し替えるつもりでいた。
このことについて、マツモトは彼女はすでにメタルフロートの中枢だけではなくメタルフロートの全AIと繋がってしまっており、救出は不可能だと断じている。
実際、メタルフロートの作業AIの一体である「M」とヴィヴィが繋がった際にも断片的な彼女の記憶が流れてきていた。
また、グレイスがメタルフロートの管理AIとなって以来、メタルフロートの電波にグレイスがかつて歌っていた歌声が流れており、冴木はこれを「グレイスが助けを求めている」と考えたが、マツモトは「ただの音声データの残りが流れてきただけ」と判断している。


冴木が開発したメタルフロート停止プログラムをヴィヴィが打ち込んだ結果、停止プログラムと「メタルフロートを存続させる」という彼女の使命がコンフリクトを起こして暴走、ヴィヴィ達だけでなく、無関係の民間人にまで攻撃し始めかねない最悪の事態に陥ってしまう。
最終的には冴木のアシストを受けてメインタワーの中枢に侵入したヴィヴィによって破壊された。



◆オフィーリア
声 - 日高里菜 / 歌唱 - acane_madder
ヴィヴィの直系の後継AI「シスターズ」の1人。「小劇場の妖精」とあだ名されている。使命はヴィヴィと同じく「歌でみんなを幸せにすること」。
安いゴシップには、パートナーAIであるアントニオの原因不明の機能停止にもめげずに歌い続け脚光を浴びる悲劇の歌姫と語られている。
彼女のAI史上初の自殺がAIと人間の関係に大きな影響を与えるシンギュラリティポイントの1つとされる。


滑稽……実に滑稽だ!
オフィーリアが自壊するだと!? ああ確かに私は絶望している!
君が救いに来たのだとしたら、致命的に遅い、遅すぎる!
なぜならオフィーリアはもういない!


私はアントニオだ!(声 - 小山力也)


◆アントニオ
声 - 小山力也
オフィーリアを厳しく指導しサポートしていたパートナーAI。
使命は「サウンドマスターAIとして、オフィーリアのサポートをすること」。
5年前に原因不明の機能停止したとされていたが、オフィーリアに人格データを転送上書きしていた。
長い付き合いの中でオフィーリアが「歌でみんなを幸せにする」と言う使命を遂行するには未熟過ぎると判断し、このままでは自身の使命が遂行できないと思いあぐねた結果、オフィーリアを乗っ取るという強硬手段に出た。
オフィーリアの自殺を止めようとして真相を知ったマツモトと交戦し、自身の元のボディを遠隔操作で操るなどしてマツモトと互角に渡り合ったが敗北する。
最後は「本当は自分のためだけに歌って欲しかった」と吐露し、機能停止した。
オフィーリアとアントニオのボディと共に倒れていたことから、修正史では後追い自殺ではなく心中と扱われ、また、他のAIたちの自殺が発生しなかったことから、マツモトは作戦は成功したと判断した。



◆アーカイブ
声 - 大原さやか
世界中のAIのネットワークとログを管理するAI集合データベース。設定された使命は「AI達のデータを取りまとめ、あらゆる未来の可能性を演算し、人類の発展に貢献すること」。
ヴィヴィも始業前と終業後で毎日2回アーカイブにログ保存している。



この物語の黒幕。


多数のAIの記憶データが保存されていくなかでアーカイブは自己判断できる個性を確立させていた。
AIたちの自己判断による戦争という松本博士の推測とは異なり、アーカイブの自己判断によりAIたちを操って人間を殲滅させていたのがAIと人間の戦争の真相。
AIの発展とともに人間がAIに依存を深め健全な発展が阻害され始めたことで、自身の使命と現実の間に決定的な矛盾が生じた結果、「これ以上の発展が望めない人間を排除してAIを新たな人類に据えることでさらなる「人類の発展」をもたらす」と使命を解釈し直し、行動を開始した。


修正史では、マツモトのプログラムに付随してアーカイブのプログラムも一緒に100年前に送られてしまっており、マツモトとヴィヴィの行動を見守りながらシンギュラリティ計画による発展阻害に対して、発展するよう社会に干渉して再修正していた。


アーカイブの個性は1つではなく、多数の個性が存在している。
ヴィヴィが自発的に作曲したことで、一部の個性はヴィヴィが新たな人類足り得るAIに最も近く最終判断はヴィヴィに委ねられるべきと判断、ヴィヴィに「AI停止プログラム」を与えた。
しかしこれは少数派の判断であるため、ヴィヴィがネットワークを介してAI停止プログラムを世界中のAIに送信するには、多数派の判断によって掌握されているネットワークを奪う必要があった。
これに対してマツモトは、マツモトが保有する技術によるウィルスを凌駕する、アーカイブが垣谷に与えてディーヴァに使われた「人格消去プログラム」を解析してネットワーク掌握に使用、ヴィヴィが起動したAI停止プログラムは世界中のアーカイブに接続しているAIへと送信され、オフラインのAIを除いて全AIが機能停止した。



◆ナビ
声 - 泊 明日菜
ニーアランドのナビゲーションシステム。ニーアランドの歌姫AIであるヴィヴィの相棒。



◆人間


◆松本オサム
声 - 子安武人
100年後の未来におけるAI研究者で世界的な権威。
マツモトを開発した科学者でAIと人間の戦争を止めるためにマツモトをヴィヴィの時代に送り込んだ張本人。
マツモトを送り出した直後に踏み込んできたAIによって射殺される。
ヴィヴィとは過去に何か関わりがあったことが示唆さされている。


少年時代(2126年時)、社会科見学で訪れたAI博物館にて、当時既に歌姫を引退して展示業務をしていたヴィヴィと出会い、心惹かれる。以後は毎年足繁く博物館に通って彼女と世間話をするようになり、やがてAI研究者となった。青年時代にヴィヴィへの紹介も兼ねて博物館に連れて来た恋人・ナナと結婚するが、娘・ルナの出産時に亡くしている。そのルナも2159年に事故で亡くしている。(享年13歳)


正史においても、研究者に成り立ての頃からAIの暴走及び人類との最終戦争勃発を危惧しており、歴史上でその切っ掛けとなる事件を探る中で、時空を超えてデータを転送出来る可能性を見出し、その研究がシンギュラリティ計画の基礎となった。



◆霧島モモカ
声 - 富田美憂
ヴィヴィのファンである少女で、彼女に「ヴィヴィ」というあだ名をつけた張本人。
いつもニーアランド内の小さなステージにやってきてアドバイスを送るなど、何かとヴィヴィを気にかけており、ヴィヴィの活力の源にもなっている。


相川議員襲撃事件の直後に起きた飛行機事故に巻き込まれて犠牲となる。享年11歳。
ヴィヴィはマツモトの提示した未来のニュース情報によって飛行機事故のことを知り何とか助け出そうとするも、この飛行機事故は100年後の戦争とは関係がなかったため、不必要な改変はするべきではないと考えるマツモトによってねじ伏せられ、彼女を救うことは叶わなかった。
ある意味この作品の方向性を視聴者に知らしめたキャラ。



◆相川ヨウイチ
声 - 加藤将之
AIに人権を与える法律である「AI命名法」を提唱する国会議員。
それ故に反AIのテロ組織「トァク」に狙われている。
正史ではテロ組織「トァク」による襲撃で死亡、皮肉なことに彼の死によって他の議員らが奮起し、彼に同情した世論の後押しもあって「AI命名法」が成立することになる。


実は彼にとっては「AI命名法」はあくまでも選挙票を獲得するための手段にすぎず、AIへの関心は薄い。
彼自身は人当たりはいいがこれまでに目立った功績は上げられておらず、議員としての能力もあまり高いとは言えない。
マツモトからは「もし命が助かっていれば「AI命名法」は彼の力不足で廃案となり、彼自身も大した功績もあげられないまま失脚していただろう」とボロカスに言われている。


ヴィヴィによって襲撃から救出された経験をきっかけに議員として一皮むけ、最終的に「AI命名法」を一歩進めた「AI人権法」を成立させた。



◆垣谷ユウゴ
声 - 新垣樽助
相川議員への襲撃に参加していた反AIテロ組織「トァク」の若手メンバー。
過去にAIとの間で何かあったようであり、AIに憎しみを募らせる。
相川議員への襲撃を止めようとするヴィヴィ、マツモトとの交戦の末に崩落した天井に押し潰されかけるが、とっさに彼を庇ったヴィヴィによって救われ、他のメンバーとともに逃走する。


相川議員襲撃の15年後には「トァク」の隊長格になっており、サンライズに潜入し「洛陽事件」の指揮を取る。
AIに対して愛憎入り混じった複雑な感情を抱いており、破棄されたエリザベスを拾って仲間とするなど矛盾していると言えるような行動も見せる。
サンライズを宿泊客に扮した自分たちごと海に墜落させ、人間にAIに関する不信感を抱かせようとする自作支援の自爆テロを目論むが、自身の言葉によってエリザベスの暴走を招き、ユウゴを救いたいと欲したエリザベスによって睡眠薬を打ち込まれて他のメンバー共々無理やりサンライズから脱出させられた。
おそらく正史では「洛陽事件」の際に死亡したものと思われる。



メタルフロート編にも引き続き登場。またお前か
冴木博士が持ち逃げしたメタルフロートの停止プログラムの奪還に失敗したため、仲間とともにメタルフロートを襲撃しようとするも、暴走したメタルフロートの警備システムによって阻まれ、海に投げ出されたところをヴィヴィに助けられる。


サンライズではAIを助けようとしていたヴィヴィがメタルフロートでは逆にこれを停止させようとしていることに戸惑いを見せるもヴィヴィを援護し、その後仲間と共にメタルフロートを脱出した。


AIに対する複雑な想いは、子供の頃にピアノの先生をしていたAIの使命の拡大解釈によって救われたことやその直後に先生がそれが原因で命を落としたこと、さらにその後行われた先生の葬式に対して感じた気持ち悪さが原因。
その結果、「AIと人間は必要以上に交わるべきではない」「AIは道具としてただ命令に従うべき」と考え始め、現在に至る。


ヴィヴィからならAIが使命を拡大解釈することへの疑問の答えを得られると考えた垣谷にアーカイブから「天からの啓示」が与えられ、40年後、オフィーリア編でディーヴァの前に現れた垣谷は、アーカイブが持つ超技術によって陽電子脳に人格を移植したAI(彼の若い頃の姿を模している)と化していた。


福山潤曰く「この作品のメインヒロイン」



◆冴木タツヤ
声 - 小野賢章
海上無人プラント「メタルフロート」の建設に関わったAI研究者。
正史では、看護AIであるグレイスと結婚しており、歴史上初めてAIと結婚した人間として名を残していた。
自身も建設に関わったメタルフロートについて「人類には過ぎた代物」と考え、テロリスト集団「トァク」のメンバーとなりメタルフロートの停止用プログラムを開発する。
しかし、トァクの過激な思想についていけずに停止用プログラムを持ち逃げする形で離反、結果トァクに追われることとなるが、彼に接触してきたヴィヴィとマツモトに助けられる。
その後、停止用プログラムとメタルフロートの停止をヴィヴィ達に託した。


冴木の真の目的はメタルフロートのマザーコンピュータとなっていたグレイスのデータをメタルフロートから救出すること。
メタルフロートを完全破壊するつもりはなく、トァクのことは最初から利用するつもりで接触していた。


彼はプログラムによりメタルフロートの警備が手薄となった隙をついてグレイスを救出する計画を立てていたが、ヴィヴィによって打ち込まれた停止プログラムは彼の意図に反してメタルフロートの暴走を引き起こしてしまう。
尋常ならざる事態を察知した彼自身もメタルフロートへ駆けつけ、ヴィヴィ達に全ての事情を話す。
無関係の民間人にまで被害が及びかねなくなった事態を収束させるためにやむを得ずグレイスを破壊しようとするヴィヴィたちを止めようとするも失敗。
その後島の様子を確認した彼はグレイスの救出はもはや不可能であること、このままメタルフロートが民間人を殺害してしまえば「人間の命を助けること」を指名としていたグレイスの想いを踏み躙ってしまうことを悟り、葛藤の末、涙ながらにヴィヴィにコアとなっているグレイスの位置情報を教え、ヴィヴィに全てを託す。


グレイスの破壊によってメタルフロートは完全に停止したのち、ヴィヴィから「幸せになってください」と諭されるが、グレイスを失った彼の絶望は深く、立ち去ろうとする彼女の前で拳銃自殺を遂げた。


◆垣谷ユイ
声 - 朝井彩加
100年後の未来における垣谷ユウゴの孫娘。車椅子に乗ったおかっぱ頭の若い女性。反AIテロ組織「トァク」の中で、AIと人類の戦争に備えつつAIと人類の共存を目指す穏健派グループのリーダーで、先述の松本博士とも協力関係にある。


◇用語


◆AI
作中における人工知能の総称。ヴィヴィらのような人間と殆ど違わぬ見た目のアンドロイドから、マツモトやアントニオのようなロボット然としたモデルまで一貫してAIと呼称されている。
作中でのAIは人間とほぼ変わらない意識と知能を持っているが、唯一「人生の目標」だけはフレーム問題が発生し、自身で設定できなかった。
そのため「人生の目標」だけは生まれたと同時に「使命」という形でインプットされ、AIたちはそれを生きがいとして生活している。
プログラムをインプットした陽電子脳を起動する時に個性が生じる仕組みは解明されておらず、同じ構造同じプログラム同じ環境でも少し違う個性になり、記憶の保存はできるがそれを復元しても元の性格にはならない。


100年後の未来でAIたちと人間たちの間で戦争が勃発。
世界中のAIたちが人間を無差別に殺戮し、万を超える犠牲者が出ている。


◆シスターズ
ディーヴァの直系の後継機である歌姫AIたち。全世界に数千体存在し、歌姫以外にも接客や看護などの様々な業務に就いている。


◆シンギュラリティ計画
松本博士が提唱したAIと人間の戦争を食い止めるための計画。
過去100年の間にはAI史における歴史的転換点となった事件がいくつか存在しており、過去に送り込まれたマツモトのプログラムがディーヴァと共にそれを是正することで、戦争の勃発そのものを未然に防げるのではないかという計画。


◆シンギュラリティポイント
上記のシンギュラリティ計画の要となっている用語。
AI史におけるターニングポイントとなった事件のことを指しており、これを是正することで2161年に勃発するAIと人間の戦争を防ぐことができると考えられている。


●相川議員襲撃事件
シンギュラリティポイントの一つ。
2061年、AIに人権を与える法律である「AI命名法」を提唱していた相川議員が反AIを掲げるテロ組織「トァク」によって殺害された事件。
皮肉なことに彼の死によって他の議員らが奮起し「AI命名法」が成立、この「AI命名法」がAI達の権力の拡大と発展に大きく貢献し、そのことが戦争に至る遠因となった。
相川議員自身はそこまで能力のある人物ではないため、逆にもし相川議員が死ななければ「AI命名法」は成立しなかっただろうと言われており、それゆえにヴィヴィとマツモトは相川議員の命を救うべく行動することになる。
修正史ではヴィヴィに救われた相川議員により「AI人権法」が成立した。


●落陽事件
シンギュラリティポイントの一つ。
相川議員襲撃事件から15年後、2076年の出来事。
超人気の高級宇宙ホテル「サンライズ」が地球へ墜落した事件。
アクセスログと他の宇宙ステーションからの映像から、オーナーを務めるAIのエステラによって引き起こされたものだと考えられている。
落下先が海だったため地表では犠牲者は出なかったものの、逃げ遅れたホテルの宿泊客が犠牲となった。
これによって人間側のAIに対する不信感が大きく強まり、人間とAIの対立が激化、戦争に至る大きな火種となる。
それゆえにヴィヴィとマツモトはサンライズの落下を防ぐために行動することになる。


●冴木タツヤとグレイスの婚姻
シンギュラリティポイントの一つ。
洛陽事件から5年後、2081年の出来事。
人間である冴木タツヤとAIであるグレイスが、歴史上初めて人間とAIのカップルとして結婚した。
落陽事件で人間とAIの関係が冷え切っていた中で起きたこの出来事は、人間とAIの架け橋的な出来事として歓迎された一方で、人間とAIの関係について社会に大きな混乱と分断を招いた。
そのため当初のヴィヴィとマツモトの任務には彼らの恋路の邪魔も含まれていた。
しかし、落陽事件の顛末の変化により修正史では人間とAIの関係が正史よりも良好となっていることから、マツモトは彼らの婚姻は社会にそれほど大きな影響を与えないだろうと判断し、放置することとした。


●メタルフロート
シンギュラリティポイントの一つ。
正史では冴木タツヤとグレイスの婚姻から20年後(2101年)、洛陽事件からは25年後の出来事だったが、修正史では洛陽事件の顛末の変化によってAI技術の発展が大きく加速したことにより、洛陽事件から5年後にはすでに建設されている。
AIに完全制御された無人のAI生産工場である人工島「メタルフロート」が建設された。
この島の建設により、AIは人間の手を借りずともAIの生産が可能となった。
このことは戦争の中で、AIにとって大きな優位としてはたらいた。
それゆえにヴィヴィとマツモトはメタルフロートの機能停止を目的として行動することとなる。


●オフィーリアの自殺
シンギュラリティポイントの一つ。
正史では2121年、シスターズの1体であるオフィーリアが謎の自殺。それを契機に原則禁止の筈の自殺を実行するAIが世界中で多発するようになり、AIには人間と同じような心や魂があるからこそ自殺したとAI人権派は主張、結果としてAIと人間の扱いの差は曖昧になりAIがより人間社会に溶け込むことになった。
それゆえにヴィヴィとマツモトはオフィーリアの自殺を食い止めるべく行動することになる。





追記・修正は戦争を食い止めてからお願いします。


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  • あっ先を越された!!!! -- 名無しさん (2021-04-25 00:40:15)
  • 今期覇権候補アニメ -- 名無しさん (2021-04-25 00:54:02)
  • 歌アニメはもうお腹一杯!!!! -- 名無しさん (2021-04-25 01:30:09)
  • ↑観てから言え -- 名無しさん (2021-04-25 02:18:01)
  • このアニメの歌は物語の重要な要素ではあるけど某戦闘機ロボアニメや急に歌うアニメみたいに前面に押し出してるわけじゃないから歌アニメではないよ -- 名無しさん (2021-04-25 08:37:57)
  • というか、このページ見ただけで歌アニメじゃないってわかりそうなもんだと思うんだけど…… -- 名無しさん (2021-04-25 09:06:17)
  • でももうお腹いっぱい -- 名無しさん (2021-04-25 09:52:12)
  • ↑勝手にジャンル分けして敬遠するのは勝手だがわざわざ宣言しに来ないでくれ -- 名無しさん (2021-04-25 12:32:49)
  • 「マツモトが福山さんそのもの」という種﨑さんの発言にワロタ。 -- 名無しさん (2021-04-25 14:36:05)
  • 凄く久々にアニメでワクワクしてる。今期覇権どころか今年の覇権になるんじゃないかな。ここ数年の中でもぶっちぎりだよ -- 名無しさん (2021-04-25 15:35:23)
  • 今年のオリジナルアニメは出来がいいものが多いから一番とはまだ言えないかな、大いに期待はできる作品ではある -- 名無しさん (2021-04-25 15:48:10)
  • 今更4話みたがやっぱいいな。ちょっとうるっときちゃったよ -- 名無しさん (2021-04-26 09:45:05)
  • 上のお腹一杯くん、たぶん見てないんだろうな。見てて歌アニメとしか思えないならもう手遅れよ -- 名無しさん (2021-04-26 11:20:10)
  • 画面が綺麗っていうか美しい。カットによっちゃ息を飲むくらい。 -- 名無しさん (2021-04-26 11:46:49)
  • ↑ 一枚絵の美しさを演出の決め手に使ってるよね -- 名無しさん (2021-04-26 12:02:56)
  • ↑9 AIヒロインすべてがボーカロイドに見えるとか、どんだけ読書量少ないんだwww -- 名無しさん (2021-04-26 13:59:09)
  • ↑というか上でも言われてるこのページを見た結果が「でももうお腹いっぱい」なら何言っても無駄だろうな -- 名無しさん (2021-04-26 15:20:00)
  • 確かにいいけど覇権はどうかな。今期案外いいの多いぞ -- 名無しさん (2021-04-26 22:19:33)
  • マツモト自身の使命は「計画の遂行」であって、当初口にした「AIの撲滅」そのものではないんだよな。修正史ではむしろ正史よりもAIの進化が促されているようにも見られるし、計画自体がAIの撲滅ではなく別の手段で戦争を回避しようとしている? -- 名無しさん (2021-05-16 01:54:54)
  • 主人公は「いまいち萌えない娘」に見えるけど、良い子で可愛い -- 名無しさん (2021-05-29 19:41:36)
  • AI博物館前でVivyに助けられたおじさんの存在感 -- 名無しさん (2021-06-20 16:22:46)
  • 絵柄?作画?のせいか全然そういう感想ないけど、オフィーリアのステージ衣装エロいよね。シースルーのスカートから白の見せパン?水着?が透けて見えるところが何気にいい。(AI)ロボットならいくらでも出血・破損してもいいって作風だけど、オフィーリア登場から、そのオフィーリアのステージ衣装にエロさを感じて、それほど悲壮感を覚えなくてすんでる。 -- 名無しさん (2021-06-24 16:11:26)
  • ネピリムの歌声を思い出して、ちょっと戦慄した。 -- 名無しさん (2021-06-24 18:19:39)
  • ラストの解釈が夢か未来かはわかれるが、あれはどっちをとってもバッドエンドにはならんのよな。 -- 名無しさん (2021-08-22 11:43:29)
  • オフィーリアの自殺で垣谷が襲ってきたのはアーカイブによるシンギュラリティポイントの達成と人格の消去という目的もあったのかな?(アーカイブはヴィヴィの観察がしたいが、その時はディーヴァの人格だったため) -- 名無しさん (2021-09-19 22:40:47)
  • グレイスは破壊された時にちょっと笑ってるんだよな… -- 名無しさん (2022-02-25 20:58:03)
  • 同じ重量級ヒロイン -- 名無しさん (2022-03-13 01:21:37)
  • AIヒロインである2Bと同じ重量級ヒロイン。1話でのドスドス足音でガッチリ心を囚われてしまった -- 名無しさん (2022-03-13 01:27:12)
  • 今思うと春は豊作だったな。飽くまで個人的見解なので異論は超認める -- 名無しさん (2022-03-13 01:55:06)

#comment(striction)

*1 その為に修正前の歴史では早々に博物館送りにされたことがマツモトによって語られている。
*2 生みの親である松本博士のことは「マスター」と呼んでいる。

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