魔法少女まどか☆マギカ オフィシャルノベル(メガミマガジン2011年4月号)

ページ名:魔法少女まどか_マギカ オフィシャルノベル_メガミマガジン2011年4月号_

登録日:2021/03/16 Tue 19:46:10
更新日:2024/05/27 Mon 09:25:49NEW!
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魔法少女まどか☆マギカ まどマギ 小説 メガミマガジン 洗濯バサミ オフィシャルノベル 一肇 ゆーぽん とんこつラーメンの背脂



『魔法少女まどか☆マギカ オフィシャルノベル』とは、学研の雑誌「メガミマガジン」2011年4月号に掲載された、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の短編小説である。
著者並びに挿絵は、同作のノベライズ版も担当した一肇とゆーぽん。



概要

『魔法少女まどか☆マギカ』放送当時、「メガミマガジン」誌にて同作の特集記事が組まれた際に、2ページの見開きで掲載された小説。他の書籍などには2021年現在再録されていない。
内容は、TVアニメ本編では描かれなかったまどか達の日常をユーモラスに描いたものとの事だが、一見コミカルながらも『まどマギ』の空気感はしっかりと守られており、
ノベライズ版を手掛けた著者が手掛けただけの事はあってキャラクター造形のブレなどは少なめ。


時系列は、登場人物たちの間柄を考慮するとTVアニメ第5話から第6話の幕間と思われるが、後述する通りさやかと杏子の関係も考えると無理のある点も多いため、あくまでパラレルの展開とも解釈できる。



ストーリー

どうしてこんなことになっちゃったんだろう。と、わたし、鹿目まどかは思うのです。

辺りは、自分の指先も見えないような、まっくら闇でした。ここにもうずいぶん長い間、わたしたちは閉じ込められたままなのです。

このままわたしたちはここで死んでしまうのかな、なんて呑気なわたしもさすがに心細くなったりしますが――。

でもやっぱり、弱気になったら負けなのです。

世の中うまくいかないことがあるから面白い。とかママも言ってたし、わたしもそんなポジティブ人間になりたいと思う今日このごろ、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。


……などとまどかが一人モノローグを呟いていたところに、さやかが彼女に救援を求める。
まどかは慌てて親友の元に駆け付けるも、暗闇の中で杏子と衝突し、彼女の上に倒れ込んでしまう。
当然、杏子は悪態をつくが、仁美はまどかもわざとではないのだと杏子を嗜める。相変わらず助けを求めるさやか。


状況を解説すると、彼女たちが現在いる場所は、学校の体育準備倉庫。
元々は、まどかが授業で使ったバスケットボールの片付けをしていたところ、何故かキュゥべえがそこで寝ており、色々話しかけられている内に他の面々も集まり、
そうしている内に誰かしらに鍵をかけられてしまったのか、扉が閉まってしまった―――という事であった。


まどかはようやくさやかの元に辿り着き、ともに扉に手をかけて力を込めるも、扉は大きな岩のようにびくともしない。仁美と杏子、ほむらも加えた5人がかりでも同じこと。
流石に一同は憤るも、そこに「これは――魔女の仕業かもしれないね」とキュゥべえの嫌な感じの声が響く。
キュゥべえの声が届いたのか、仁美が「魔女ってなんですの?」と問うも、ほむらは「あなたは知らなくていい」とバッサリ。
ムッとしたのか仁美はほむらに対して「そんな口叩いているからクラスで浮くんですわ」と返すも、
ほむらからは逆に「とんこつラーメンの背脂並に浮いてるあなたに言われたくない」と若干メタ入った反論をされてしまい狼狽えてしまった。


仁美は狼狽しながらも、自分達(まどか、さやか、ほむら、杏子、仁美)しか居ないはずの空間に、自分の見知らぬ第三者の声が聞こえる事に疑問を抱く。
流石のキュゥべえも、本来なら自分が伝えたい相手にしか聞こえないはずの自身の声が、無関係の仁美に届いてしまうという事態に驚いてしまう。
キュゥべえ曰く、このような状況は相当ねじくれた結界が張られてない限りありえないとのこと。
言われてみれば、キュゥべえの声自体いつもと若干異なるようであるとまどかは感じた。
仁美は声の主が一体誰であるのか厳しく問い詰めるも、まどかは魔女や魔法少女、そしてキュゥべえの事を話しても分かってもらえるとは思えず困るも、
さやかの機転で「次の文化祭の寸劇で使う腹話術」という事にして何とか乗り切る。


とにもかくにも、この事態が魔女の仕業だとしたら、ここが既に結界の中であれば、どこかにその本体が無ければならないはずだ。
そもそも魔女以前に、この倉庫の扉を誰が閉めたのかという疑問もある。
思えば、最後に倉庫に入ってきたのは杏子のはずだとさやかが指摘。杏子は自身が犯人扱いされたことに腹を立てるも、ほむらが皆をクールダウンさせる。
そもそも魔女の仕業とはまだ決まってない、まずは全員がこの場所に集まることになった状況から話すべきだとまとめた。


纏めると、以下の通りという事となる。

  • さやか……まどかの姿が見つからないから探しに来た。そうしたら中に彼女とキュゥべえが居たので付き合っていた。
  • 仁美……いつまでも倉庫から出てこないまどかとさやかを案じて倉庫に入ってきた。
  • ほむら……倉庫に異様に力が集まっていると察して様子を見に来た。
  • 杏子……ほむらに同じ。彼女が入った直後に扉が閉まった。

と、一通り状況を把握したところで、やはり最後に扉を閉めたのは杏子だという結論になる。
自分では無いと激昂する杏子だったが、ほむらは彼女を制して状況をより冷静に解説する。
曰く、杏子が扉の鍵を閉じたのであれば、自分が気付かないはずがない。杏子の背後に別に誰か買いでそういう行為に及んだのであれば、杏子が気付かないはずがない。
つまり、扉を閉じた犯人は「外にいる」と考えた方が妥当だと。
犯人がどんな相手かはまだ未知数だが、この場には3人の魔法少女が居る。その誰にも気付かれずにこれだけの結界を張れる相手だとしたら、相当強い魔女だとみるべきだ。
杏子は魔法少女になって扉を破壊すればいいと提案するが、そんなことをすれば外にいる他の生徒に危害が及ぶかもしれないとさやかが却下する。


とにもかくにも、事態を何とかしたいという想いは心がバラバラであっても皆同じのはず、自分たちを閉じ込めたのが魔女なのだとしたら
せめて世界の平和のためにも、魔法少女であるさやか達3人だけは助けないと、とまどかは心を痛める……


……と、ここにきてキュゥべえが「引いてみたのかな?」と提案する。
曰く、先ほどまでまどか達は扉を押したり叩いたりはしていたが、引っ張ったりはしてなかったらしいのだ。
まさかと思ってまどかが扉を引くと……「ぎい」という音と共に扉は開き、眩い光が差し込んできた。


かくして一同は呆気にとられながらも、倉庫から外に出る事に成功……明るい場所に出たところで、まどかはキュゥべえが顔の真ん中に何かを付けていた事に気付く、
キュゥべえの顔に付いていたのは洗濯バサミ。あまりにも倉庫が臭かったらしいので、鼻に挟んでいたのだそうだ。鼻なんてあったのか
どうやらキュゥべえが鼻を塞いでいた事が原因で、仁美にも声が聞こえていたとの事らしい。
当然ながら一度は疑われる結果になってしまった杏子はキュゥべえに詰め寄り、彼から「だいたい無意識にしろ扉を閉めたのはキミだよ!」と真っ当な指摘をされるも、
あたしはいちおーこれでも開けた扉は閉めるように教育されてんだよ!」と反論し、まどかは彼女の育ちに意外な感情を抱く。


――――と、ここにきて一同が体育館の出口に歩こうとした瞬間、ぞっとするほどの気味の悪い衝撃が世界全体を打ち付けた。
どうやら、今度こそ本当に「魔女」のお出ましの様であった。
杏子、さやか、ほむらは魔女を討伐しに赴き、仁美も既に去り、一人残される形となったまどか。
去り際のさやかの言葉、「まどか、あんたはここにいて。大丈夫。三人いるから」という言葉を思い出す。
嬉しい気持ちと情けない気持ちが半分。自分だけが役に立てず、安全なところから事態を見守る事しかできないというもどかしさをまどかは感じる。
そんな彼女に相変わらず抜け目なく「ボクと契約しようよ」とぬかすキュゥべえだったが、魔法少女になったところで他の皆のように活躍できるかという不安もあった。


やがて、どこか近くて遠い空間で光が弾けた。禍々しい気配が砕け、薄れていくのをまどかも感じる。
そして結界の果てから魔法少女三人が帰ってくるのを見て―――まどかは駆けだすのであった。


これが、いまのわたしのせいいっぱい。

いつもいつだってわたしはあななたちに逢えたことがとてもうれしいんだよ。

もう誰も欠けることなくいつまでもみんなで仲良く過ごしていきたいんだよ。

そんな気持ちが胸いっぱいに溢れて、わたしは叫びました。


「みんなー、おかえりなさい!」



登場人物


マミさんはすでに故人となっているため登場せず。


ご存じ主人公。同著者のノベライズ版同様、小説は全編通して彼女のモノローグという形で語られる。
ほむら、杏子に加え、既にさやかが魔法少女として活動しているのに、自分がそれをただ見守る事しかできないという現状にもどかしさを感じている。
魔法少女になったところで皆と同じ活躍ができるか悩んでいたが、TVアニメの最終話の事を考えると複雑な気持ちを抱いてしまった読者も多いだろう。


TVアニメ本編とあまり変わらないが、ほむらは一同に紛れた仁美の存在の浮きっぷりを「とんこつラーメンの背脂」に例えたりとコミカルな語彙も見せた。
杏子は生まれ育ちの環境の良さを伺わせる描写が挟まれているが、彼女の過去を考えると……
ちなみに、本小説の時系列はさやかが既に魔法少女になり、平然と魔女退治に勤しんでいる状況を考えると上述の通りだと解釈できるが、
本文ではその間がっちり対立していたさやかと杏子がそこまで険悪でなかったりと、TVアニメの挿話と考えると若干無理のある部分がある。


とある事情によって彼女にもキュゥべえの声が聞こえるようになってしまい、一同の魔女やら魔法少女やら云々のすったもんだは全て、さやかが誤魔化した寸劇の練習だと解釈した。
倉庫から出られた際には「寸劇に出てもいいが、魔法少女の中心たる赤役は自分がやりたい」とかぬかしている。
キュゥべえ曰く「やる気と適性が必ずしも比例しないのは難しいところだよね……」。


ご存じ憎いアンチクショウ。
基本的にはTVアニメ同様の魔法少女勧誘業をまどかにしかけるも、体育準備倉庫が臭いからと言って鼻に洗濯バサミをしたり、
そのせいで自分の声が一般人にまで漏れるというアクシデントを招いたりと、若干コミカルな一面も見せた。



追記・修正は、魔法少女の素質無しでもキュゥべえの声が聞こえた方がお願いします。


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