深夜プラス1

ページ名:深夜プラス1

登録日:2021/01/09 Sat 18:41:54
更新日:2024/05/24 Fri 13:25:10NEW!
所要時間:約 5 分で読めます



タグ一覧
小説 英国 冒険小説 名作 ハードボイルド 小島秀夫 不朽の名作 ハヤカワ文庫 スパイ小説 ギャビン・ライアル 深夜プラス1 モーゼルm712 英国推理作家協会賞





概要

深夜プラス1(原題:Midnight plus one)とは、1965年に出版された英国冒険小説。


著者は元軍人・ジャーナリストで、1961年から英国冒険小説作家として活動を始めたギャビン・ライアル(Gavin Tudor Lyall)。
「ちがった空」「もっとも危険なゲーム」に続く、ライアル3作目の作品である。


日本では菊池光によって翻訳され、1967年にハヤカワ文庫から出版された。
その後、2016年には鈴木恵による新訳版が出版、翻訳が現代的なものに改められ、頁数が100頁ほど増えている。


そのハードボイルドな内容から、国内外共に高い評価を受けた作品。
本国では1965年に英国推理作家協会のスリラー・シルバーダガー賞を受賞した。



ストーリー

第二次世界対戦から20年ほど過ぎた1965年。
元イギリス諜報員のルイス・ケインは、大戦中にヨーロッパで築いたコネを生かし非合法な依頼をこなすビジネス・エージェントとして活動していた。


ある日。フランス・パリのカフェで寛いでいたケインは、戦時中からの付き合いである弁護士アンリ・メルランと10年ぶりに出会う。
かつての旧友が持ってきた依頼は、欧州で活動する凄腕の実業家であり、現在フランス当局から指名手配中の男「マガンハルト」の護送。
マガンハルトは合法的な渡航が不可能な身ではあるが、非合法手段を駆使してでもフランスを横断し、リヒテンシュタインへと向かわなければならないのだという。


車両は一台のシトロエンDS。距離はおよそ1300km。乗客は彼とその秘書、そして一人のガンマン。報酬は1万2千フラン。
追うフランス警察、そして待ち伏せる謎の刺客達を相手に、危険なヨーロッパ横断の旅が始まる。





登場人物

  • ルイス・ケイン

イギリス出身の男。使用する武器はモーゼルM712。
元々特殊作戦執行部(SOE)のエージェントとしてフランスに潜入し「キャントン(旧訳ではカントン)」という偽名でスパイ活動を送っていた。
その後戦争が終わった彼は、戦時中に磨いた諜報能力を生かしてフランスに定住。イギリスの富豪たち相手に、半ば非合法な依頼を受けるエージェントとして活動していた。


ガンマンとしての技能はそれほどでもなく本職のハーヴィーからは何度もツッコミを食らっているが、運転に関する技能と行動を予測して敵を撒くテクニックは元諜報員なだけあって一流。
依頼主アンリから提供されたシトロエンDSを駆り、フランス沿岸からスイスの山奥まで実業家マガンハルトを送り届けようとする。



  • ハーヴィー・ラヴェル/ハーヴェイ・ロヴェル

アメリカ出身のガンマン。使用する武器はS&W M36。
アメリカ政府所属のシークレットサービスだったが、ヨーロッパ滞在中にアルコールに溺れ職を失う。
銃の実力は確かだったため、シークレットサービス時代の腕を生かしてヨーロッパを拠点にボディガードとして活動。
60年代にはレジスタンス上がりのベテランのガンマンにも匹敵するガンマン上位となるが、アルコールを摂取すると手が震えて撃てなくなるという問題を抱えていた。


ルイス・ケインの相棒として助手席に搭乗。マガンハルトを護衛し、彼の殺害を企む追っ手を排除していくが...



  • アンリ・メルラン

凄腕の弁護士。50歳を超えているがまだまだ現役。
戦争中はフランスのレジスタンスの元締めを担っており、イギリス諜報員らとの親交もあった。
自らが資産管理も引き受けている実業家マガンハルトからの依頼を受け、ケインにリヒテンシュタインまでの護送を依頼する。
一行の足手まといになるのを避け、連絡を取り合いながら別ルートでリヒテンシュタインへ向かう。



  • マガンハルト

実業家であり、ケインの依頼主。
かつてはフランスでも取引を行っていたが、イギリス滞在中にコート・ダジュールの女性から偽のレイプ事件で訴えられたことでフランス警察に指名手配されてしまう。
しかしその後、とある全財産の掛かった重要な取引でスイス・リヒテンシュタインまで向かわなければならなくなり、空路ではなく陸路、それも非合法な手段でのヨーロッパ横断を決意。
会合当日の深夜0時1分までにリヒテンシュタインの会合場所へ到着すべく、ケインらと共にシトロエンDSに搭乗する。


ビジネスに関する強欲さと、表向き善人であろうとするプライドの高さを併せ持つ良くも悪くも人間臭い男。
法律の穴を突いてスイスで租税回避を企む反面、たとえ冤罪であろうと金で不法に買収することを嫌っている。



  • ヘレン・ジャーマン

マガンハルトに随伴する秘書。女学校生徒のような世間知らずで傲慢な態度から現実主義者のケインに皮肉を言われがち。
しかしケインの墓参りに花を添えるなど、上流階級出身らしく細かな気の効く人物でもある。
酒と危険な職業を続け破滅へ向かっていくハーヴィーを救おうとするが...



  • アラン/ベルナール

ヨーロッパで一二を争うベテランガンマン。共にケイン同様レジスタンスとして活動していた男であり、戦後はレジスタンス時代の腕を活かして活躍していた。
追っ手の放つ刺客として、手下を率いてケインやマガンハルトを幾度となく襲撃する。



  • フレッツ

リヒテンシュタインに住むマガンハルトの共同株主。
彼と無事会合することが、マガンハルトの依頼となっている。



  • マックス・ハイリガー

マガンハルトの共同株主。
航空事故で資産と共に死亡したと思われていたのだが...



  • ギャレロン

死亡と一緒に燃え尽きたはずのマックスの無記名株を持っているという謎の男。
株主に召集を掛けて誘き寄せ、やってきたマガンハルトを抹殺すべく刺客を放った。



  • ジネット・ド・マリス

ケインのレジスタンス時代の恋人であり未亡人。レジスタンス時代は書類偽装を行っていた。
終戦後はワイン農家を営んでいるが、ケインからすると味は良くないらしい。
窮地に陥ったケイスの許に駆けつけ、一行を匿った。



  • フェイ将軍

スイスの情報屋。善悪敵味方関係なく情報を売買して金儲けを企むプロの悪党。
戦時中は軍人だったが、集結後も本国へ帰ろうとせず手に入れた諜報網を駆使して富を築き上げた。
窮地に陥ったケイスはギャレロンに情報を売られるリスクを覚悟して彼に接触し、いちかばちかの賭けに出る。



映像化


スティーブ・マックイーンが映画化権を獲得し、コロンビア映画がスポンサー、ボブ・ラフェルソンが監督となって映画化されるはずだったが結局頓挫してしまった。
彼がケインとラヴェルどちらの役を希望していたのかは不明。



余談


  • 本作は国内人気が高く、中でもハーヴェイ・ロヴェルはハヤカワミステリ冒険小説人気キャラクター部門で1位を獲得している。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,1)

[#include(name=テンプレ3)]


#comment(striction)

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧