KARDS(DTCG)

ページ名:KARDS_DTCG_

登録日:2020/12/29 (火) 22:50:00
更新日:2024/05/24 Fri 12:54:51NEW!
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dcg 第二次世界大戦 steam カードゲーム kards



KARDSとは、Steamで配信されているDCGである。
Hearthstoneの流れを汲むデジタルカードゲームであるが、この手のゲームだと概ねファンタジーかサイバーパンクか、というところで、副題のThe WWII Card Gameの通り「第二次世界大戦」をモチーフとし、差別化を図っている。
日本語版がない上、カードの「イラスト」が戦中の写真か戦中に描かれたイラスト、ということでぶっちゃけ華はない。なので、正直一般受けするものとは言えない。
じゃあWW2ファンにはお勧めかと言えば、ディープな層だと今度は歩兵が普通に戦闘機を叩き落せるルールで発狂するだろう*1
というわけで日本では今一つ流行っているとは言い難いのが現状であるが、基本無料なので遊べる環境にある人(で、多少なりともWW2に興味がある人)は触ってみてもいいかも知れない。



基本ルール

  • 1から始まり毎ターンの開始毎に+1して回復するKredit(上限12)を使ってカードを出していき、先に相手のHQの防御力(初期値20)を削りきった方の勝ち。
  • 初手は先攻4枚、後攻5枚。1回だけこの中で要らないカードだけ選んで引き直すことができる(マリガン)。
  • 毎ターンのドロー数は1枚。ただし、お互い最初のターンはドローがない。
  • カードの使用には左上のボックスの部分に書かれた数字分のKreditを使用する。Unitの場合は2つ数字が書いてあるが、左側の大きく書いてある方である。
  • カードの種類は2つ。
    • 場に残り作戦コスト(左上のボックスの右側の数値)・攻撃力(左側の数値)・防御力(右側の数値)・兵科(攻撃力と防御力の間にあるアイコン)・効果が設定されているユニット
    • 効果を発動し場に残らないオーダー

  • ユニットの防御力はオーダーによるダメージ、相手ユニットから攻撃を受けた場合/相手ユニットに攻撃した場合に相手ユニットの攻撃力分削られる(HQが攻撃を受けた場合も相手ユニットの攻撃力分防御力が削られる)。
  • ユニットは防御力が0以下になると破壊される。
  • 出したユニットは通常は次の自分のターンまで移動・攻撃できない(所謂召喚酔い)。また、ユニットが移動・攻撃を行う際は作戦コスト分のKreditを支払う必要がある。

  • 場にはサポートライン(自分/相手)、フロントラインがあり、各ラインに配置できるカードの枚数は5枚まで。また、サポートラインには常に互いのHQが置かれるため、それ以外のカードを置けるのは実質4枚まで。
  • ユニットは通常1ターンに「移動」か「攻撃」のどちらかを行うことができる。移動は自分のサポートラインとフロントラインの間を移動する。
  • フロントラインは両プレイヤー共通のラインであるが、一度にどちらかのユニットしか入ることができない。既に相手のユニットがフロントラインを占めている場合、相手ユニットを全て排除しなければ自分のユニットをフロントラインに移動させることはできない。
  • ユニットは航空ユニット(Fighter/Bomber)を除き、サポートラインからフロントライン、或いはフロントラインからサポートラインにしか攻撃できず、サポートラインから直接相手のフロントラインを攻撃することはできない。(シャドウバースの「進化」と違い、このフロントラインの取り合いによるテンポダウンで駆け引きを発生させている)
  • デッキのカードは40枚。ただし、1枚は必ずHQが入るため実質39枚。同名のカードはレアリティによって1-4枚投入できる。(高レアリティのカードは1枚まで、低レアリティのカードは最大4枚まで投入できる)
  • 国家として「アメリカ」「イギリス」「ソ連」「ドイツ」「日本」という主要国家と、サポート専用の「フランス」「イタリア」が用意されている。デッキを組む際は主要国家から1つ、それ以外の国家から1つまでを選んで組み合わせることができる。(単一国家で組むことも可能。また日本+アメリカのようなトンチキな組み合わせも制限はない)

兵科

ユニットは以下のような兵科を持ち、それによって特性が分かれる。


歩兵(Infantry)

特に効果はない


戦車(Tank)

「移動」と「攻撃」を両方同じターンに行える。あくまで両方行えるのであって、「攻撃」2回とかは(そういう能力がなければ)不可能。また、動くたびに作戦コストを消費する。


砲兵(Artillery)

攻撃時に反撃ダメージを受けない。


戦闘機(Fighter)

自身のサポートラインからダイレクトに相手のサポートラインを狙える。また、戦闘機がいるラインに爆撃機が攻撃を仕掛ける場合、戦闘機にしか攻撃できない。


爆撃機(Bomber)

自身のサポートラインからダイレクトに相手のサポートラインを狙える。また、戦闘機以外の相手に攻撃した場合は反撃ダメージを受けない。ただし、自分もまた攻撃された時に反撃ダメージを与えることはできない。


能力

いわゆるキーワード能力のようなものがある。


電撃戦(Blitz)

いわゆる「速攻」。場に出たターンに行動できる。


護衛(Guard)

この能力を持つユニットのいるラインの他のユニットは、砲兵と爆撃機以外からは攻撃されない。


山岳兵(Alpine)

他の自分の持つ同能力持ちユニットごとに+1/+1。デッキ内にこの能力持ちを揃えて横並べしていくのが基本になるだろう。


待ち伏せ(Ambush)

攻撃された場合に先にダメージを与えることができる、言うなれば防御時のみの先制攻撃。
ただ、能動的に活用する方法はあんまりないので、基本的には敵の攻撃に対する抑止力となる。


配備(Deployment)

CIP能力(場に出た時の能力)を表す。


破壊(Destruction)

PIG能力(破壊された時の能力)を表す。


激怒(Fury)

1ターンに2回攻撃できる。2回「攻撃」のアクションを行える、のであって1回の攻撃でダブルダメージが出るわけではないことに注意。つまり、行動コストも2倍かかる。


重装甲X(Heavy Armor {X})

受けるダメージをX点減少する。同様のゲームを知っていればこの効果の単純な強さは分かると思う。


機動力(Mobilize)

ターン開始時に+1/+1を受ける。ダメージを受けた場合、Moblilizeを失う。移動力を機械化し素早く戦場へと辿り着く特性を示す。交戦が始まればそれまで。


釘付け(Pin)

対象ユニットをPin状態にする。そのユニットは自分のターン終了時まで移動/攻撃を行えない。制圧射撃などで行動を制限されている状態を表す。


退却(Retreat)

対象のユニットを1ライン下げる。フロントラインにいるユニットはサポートラインに、サポートラインにいるユニットは手札に戻る。もしサポートラインがいっぱいの状態でフロントラインにいるユニットが「退却」する場合、そのユニットは手札に戻る。


煙幕(Smokescreen)

このユニットは移動か攻撃を行うまで攻撃されない。シャドバの「潜伏」に近いか。


勢力説明

アメリカ

USA! USA!
USAと言えば圧倒的物量。
と言うわけで、ユニットの展開力とリソース(手札やKredit)の確保に重きが置かれている。
ユニットはガンガン攻め込んでいくタイプが多く、フロントラインに関わる能力もある反面、Guard持ちが全くいない(2020/12/29現在)。


2/5 MARINES(第5海兵連隊第2大隊) 制限4
2K1 3/2 Infantry
Smokescreen
フロントラインにいるユニットに対し、2倍のダメージを与える


アメリカの攻めだるまを象徴する一枚。条件付きとはいえ2コストのカードで防御力6までを一撃死させられるのは恐ろしい。


C-47 SKYTRAIN(C-47 スカイトレイン)制限1
5K2 1/6 Bomber
攻撃できない。
使わなかったクレジットはターン終了時に失われない。


とりあえず「あたまおかしい」と思ったあなた、間違ってない。
Kredit持越しは普通にヤバい。流石に1枚制限カードではあるが。


M7 PRIEST(M7プリースト) 制限3
3K1 1/2 Artilary
Deployment:フロントラインをコントロールしている場合、+2/+1の修正を得る。

貧弱なスタッツのユニットが、フロントラインを支配していればマッチョボディに。
アメリカのフロントラインを取ることを志向するユニットの1つ。


THE WAR MACHINE(戦争機械) 制限4
2K Order
追加のKreditスロットを1獲得する


WAR BONDS(戦争の絆) 制限3
5K Order
追加のKreditスロットを2獲得する
次のターン開始時に追加で1枚ドローする


分かり易いKreditブーストカード。これで一気に高コスト帯にアクセスしていくことになる。


イギリス

ヨーロッパ戦線では対独の前線に立ち続け耐え続けた大英帝国。
それを反映してか、Guard持ちのユニットやHQの防御力を上げるカードが多く極めて防御より。
耐えて耐えてじり貧となった相手を磨り潰す、それがイギリスの流儀である。
また三枚舌とも称される狡猾さを反映してか、オーダーカードに関わる能力も多い。


5th BRIGADE(第5旅団) 制限4
2K1 1/5 Infantry
Guard


ある意味イギリスを象徴するユニット。2コストで破格の防御とGuardを兼ね備えている。
ちなみに攻撃できないわけではない。


85 PIONEER COMPANY(85パイオニア中隊) 制限1
1K4 0/4 Infantry
Smokescreen
あなたのオーダーのコストは1少なくなる。最少は1である。


パイオニア中隊とは通常戦力に先立って道を作ったりする「安価な労働力」で、主に植民地兵やユダヤ人があてられた部隊。
効果は分かり易くオーダーのコストを下げるカード。煙幕で攻撃もくらわず、オーダーで狙われても防御4と中々の耐久性。


WELLINGTON(ウェリントン) 制限1
8K2 5/4 Bomber
このターンに与えたオーダー1つごとに、このユニットの展開コストを-2する。


先ほどのパイオニア中隊がオーダーを支援するカードなら、こちらはオーダーに支援されるカード。
オーダーを繰り出すほどに安いコストで出すことができる。


RESOLUTE DEFENSE(徹底抗戦) 制限4
1K Order
Guardを持つユニット全てに+1/+3の修正を与える。


FORTIFICATION(要塞化) 制限4
3K Order
HQの防御力+7。


防御よりのイギリスの戦術を強力に後押しするオーダー。
こうしたカードを活用し、徹底して守りを固めたい。


ソ連

大戦初期は大粛清の影響からパッとしなかったが、徐々に戦力を立て直し最終的には冷戦の片方の雄にまで上り詰めた赤い国。
そうした背景とソ連のイメージを反映してか、「時間経過とともに強化されるユニット」と「HQの損害を許容して利益を取る」ことが特徴となっている。


16th RIFLES(第16ライフル部隊) 制限2
1K1 0/1 Infantry
Smokescreen
ターン開始時に+1/+1の修正を得る。


「時間と共に強くなる」の分かり易い例。煙幕に隠れている間、徐々に強くなる。動き出せばもう隠れてはいられないので、タイミングは慎重に。


YAK7(YAK7) 制限1
2K1 2/2 Fighter
ターン開始時にカードを1枚引き、自分のHQに1点ダメージを与える。


ライフ1点とカード1枚の交換の強さは誰もが知るところ。
そういうことを許容するのがソ連である。


NO SURRENDER(降伏せず) 制限3
4K Order
1/1のLIGHT INFANTRYユニットをサポートラインがいっぱいになるまで加える。


ソ連兵は畑でとれる。


GREAT PATRIOTIC WAR(大祖国戦争) 制限1
6K Order
それぞれのHQは自身の防御力の半分(端数切捨て)のダメージを受ける。


シンプルに互いのライフを半減させるカード。
後は決め手があれば。


ドイツ

ドイツと言えば電撃戦。
実際「Blitz」持ちのタンクが多く、その後方をSomkescreen持ちがカバーする、という分かり易い戦術を得意とする。
アメリカがパワーでラインを取りにいくなら、スピードでラインを取りにいくのがドイツ流である。


PANZER III-E(3号戦車E型) 制限2
4K2 4/4 Tank
Blitz, Smokescreen
他のBlitzを持つ自軍の戦車は+1/+0の修正を受ける


シンプル、かつドイツの戦術を雄弁に語るユニット。
是非ともBlitz持ちを並べて使いたい。


88mm FLAK(88mm対空砲) 制限3
6K2 3/4 Artilary
Ambush
航空ユニットおよび戦車に2倍のダメージを与える


「アハトアハト、そいつは素敵だ、大好きだ!」
ジッサイツヨイ。中盤以降の強力な航空ユニットや戦車をものともせずに屠ることができる。実は弱点は同じ砲兵。


REINFORCEMENTS(増援) 制限3
3K Order
全ての自軍ユニットを完全に修理し、カードを1枚引く。


フロントラインに押し寄せるドイツ軍に損害を与えたと考えている相手の気持ちをへし折るカード。
「修理」は要するにダメージを取り除く、ということである。
適切なタイミングで「増援」を呼べば、一気に敵を押し切れるはずだ。


日本

陸空が中心のゲームではあるが、日本も一応主要国扱い。
主要五国の中では最も攻撃的であり、時として破壊時効果を使うために自爆攻撃すら辞さない攻めっ気が求められる。
オーダーもダメージを与えるものが多いのがその戦術を後押しする。
その一方でエンドカードと呼びうる重量級カードに乏しく、攻めきれないと辛いことにもなりがちである。
あと細かいことだが、航空ユニットの名前が何故か日本側の呼称と連合側のコードネームが混じっている。


AKITA REGIMENT(秋田連隊) 制限4
2K1 2/1 Infantry
Blitz
Destruction:ランダムな敵ユニット1体に2点のダメージを与える


日本を象徴するようなユニット。軽量で攻撃的、Blitzで素早く動け、死んでも2ダメージを撒くと割と隙がない。
こういうユニットをどう使っていくかが求められる。


TYPE 97 Chi-Ha(九七式戦車チハ) 制限4
3K1 3/3 Tank
自軍の歩兵ユニット全てに+1/+0の修正を与える。


チハたん∩(・ω・)∩ばんじゃーい
ドイツとは真逆にロクな戦車がなく、歩兵が戦力の中心となる日本において、そこそこのスタッツに加え歩兵強化能力を持っているチハは普通に有能。
日本の特性を表しているユニットともいえる。


TORA! TORA! TORA!(トラ!トラ!トラ!) 制限4
2K Order
全ての敵ユニットに1点のダメージを与える。


シンプルながら使いやすいカード。
こんな感じでダメージを与えていくオーダーも色々ある。


YAMATO(大和) 制限1
4K Order
自分の日本ユニットは「Destraction:敵のHQに2点のダメージを与える」を持つ。


海軍はどの国もOrderという形で提供されている。
直接戦闘するわけではないせいか、随分とコストが軽い。
ただし、効果自体は日本の戦術と噛み合っている。




追記・修正はTHE COMMONWEALTHで勝利してからお願いします。


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*1 一例として、艦これ黎明期においていわゆる「ミリオタ」界隈においては、「金剛型に46cm砲を載せられる」ことが非難の対象だった。「現実には不可能なことがゲームの都合で可能となる」ことに強い嫌悪感を抱く人たちもいるのがこうした界隈である。

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