ニクロン(ウルトラ怪獣)

ページ名:ニクロン_ウルトラ怪獣_

登録日:2020/12/11 Fri 20:45:15
更新日:2024/05/23 Thu 12:59:29NEW!
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居村眞二 ウルトラシリーズ ウルトラ怪獣 怪獣 決戦!ウルトラ兄弟 ウルトラマンタロウ レッドキング ガシャポン 善玉怪獣 漫画オリジナルキャラクター 漫画オリジナル怪獣 オリジナルキャラクター ニクロン ある意味マイナスエネルギー怪獣? カプセル怪獣←ではない 武史やアカネに見せてやりたい



ニクロンとは、故・居村眞二の漫画作品『決戦!ウルトラ兄弟』に登場した怪獣である。
初出は「てれびくん」1979年3月号に掲載された連載第11話(最終話)「僕の怪獣を殺さないで!」。



概要

怪獣が大好きであるが故にウルトラ兄弟を嫌い、他の子供達からも「カイジュウ」と仇名されていじめられているアキラ少年が、
たまたま店先に設置されていたガチャガチャを回して手に入れたカプセルの中に入っていた怪獣。
人語を喋ることが可能で、ニクロン本人曰く「人間に憎まれて死んでいった怪獣の哀しみの心が集まって生まれた怪獣」。
当のニクロン本人の性質は非常に穏やかで、劇中でも巨大化して以降はほぼアキラと遊んでばっかりで、タロウとの戦闘でも終始押されっぱなしであった。


当初はガチャポンのカプセルに収まるオモチャ程度のサイズしか無かったが、翌朝には数十メートル規模にまで巨大化。
アキラをいじめる子供たちを驚かすために、アキラが大切にしているレッドキングの人形を本物の怪獣と同サイズにまで巨大化させる超能力を発揮している。
この能力で巨大化した怪獣は本物そっくりに動くが、やはり元が人形であるため戦闘力も低く、ウルトラマンに一発殴られただけで元の人形に戻ってしまう。



「僕の怪獣を殺さないで!」エピソード解説

突如として市街地に出現し、破壊の限りを尽くす怪獣レッドキング
大勢の人々が逃げ惑う中、ただ一人アキラ少年だけは他の子供たちが逃げようとする中、遠目に暴れまわるレッドキングの姿に見惚れていた。
それが祟ったか、一同はレッドキングの目に留まってしまう。それでもレッドキングを見て笑顔を浮かべているアキラ少年。万事休す……


と、そこに颯爽と駆け付けたのは、我らがヒーロー・ウルトラマンタロウ
レッドキングに果敢に立ち向かう姿に子供たちは応援の声をかけるが、アキラ少年だけはレッドキングの側を応援する。


アキラ「レッドキング。負けるなレッドキング。タロウなんかやっつけちゃえ!」


レッドキングを抱えて投げ飛ばし、弱ったところにストリウム光線を放ってレッドキングを粉砕するタロウ。
他の子供達が歓声を浴びせる中、アキラ少年だけは「タロウのバカやろう!大きらいだ!」と涙目でタロウに罵声を投げつける。
それが聞こえたのかは定かでないが、タロウはアキラ少年の方を一瞬だけ振り返ると、すぐさま飛び去って行った……


当然のことながら、そのあんまりな言動を理由に他の子供達から詰め寄られるアキラ少年。
「なんでタロウを応援しなかった」「お前のあだ名がカイジュウだからって怪獣を応援することは無いだろう」「怪獣の味方をする奴なんで人間の敵だ」もっともな批難を浴びながらも、
「怪獣だってすきであばれてるんじゃないよ。ウルトラ兄弟は、怪獣を見つければすぐに殺すから、きらいだ」と、レッドキングの人形を片手に反論。
アキラ少年はウルトラ兄弟の悪口を言った事で子供達に殴られてしまい、その際に取り落としたレッドキングの人形も踏みつけにされてしまう。
ガマクジラにヘソを食われて死んじまえ」と捨て台詞まで吐かれたアキラ少年はトボトボと帰宅するも、その中途で店先に設置されているガチャガチャを発見。
ちょうど手元に20円あったため、ガチャガチャを回したところ、出てきたカプセルの中に入っていたのは、怪獣好きのアキラ少年も知らない、見た事もない怪獣のオモチャ。
彼はそんな「名無しの怪獣」を家に持ち帰るのであった。


その夜、眠りについたアキラ少年の夢の中に、件の名無しの怪獣が現れ、彼に語りかけた。


ニクロン「アキラくん、君はほんとうに怪獣が好きなんだね」
ニクロン「おれは、にくまれて死んでいった怪獣のかなしい心があつまって生まれたニクロンという怪獣なんだ。俺はなんにもできない怪獣だけど、君におれいがしたいんだ」
ニクロン「明日の朝、まどの外をみてごらん」


翌日、目覚めたアキラ少年が枕元を見ると、昨日置いたはずの怪獣……ニクロンのオモチャが姿を消していた。
夢の中の言葉を思い出して窓を見ると、そこに居たのは数十メートルの本物の怪獣の姿になったニクロンであった。
穏やかな目で自身を見つめるニクロンの眼差しに、アキラ少年も思わず駆け寄る……が、そこに投石してきたのは昨日のいじめっ子達。
すると、ニクロンは目から光線を放ち、アキラ少年の持っていたレッドキングの人形に浴びせると、人形は本物のレッドキングと寸分変わらぬサイズに巨大化
動き出したレッドキングは逃げ惑う子供達を通せんぼし、尻尾で拘束してしまう。


かくして、アキラ少年を背に乗せたニクロンは、彼と共に楽しい時間を過ごす。
一方、レッドキングに拘束されたままの子供達は、ただひたすらにタロウへの助けを叫ぶ。


その声が届いたか、空からまたもやウルトラマンタロウが飛来。
アキラ少年はニクロンにタロウを返り討ちにするよう命令するも、ニクロンは気が進まないのか、項垂れてしまう。
それでもタロウを倒すよう言い張るアキラ少年に根負けしたのか、ニクロンはレッドキングに再び光線を浴びせ、タロウに差し向ける。
最初こそタックルでタロウを突き飛ばしたレッドキングだが、元が所詮オモチャなためか、タロウに一発殴られただけであっさり元の人形に戻ってしまった。


仕方なくニクロンは自身でタロウに挑むも、逆にタロウに投げ飛ばされた上に殴打され、すっかりボロボロになり、涙まで流してしまう。
「タロウ、怪獣なんかぶっ殺しちゃえ!」と応援する子供達と、「おねがいだ、ニクロンを殺さないで」と涙を流してタロウに訴えるアキラ少年。
タロウは、弱ったニクロンを抱えると、アキラ少年と子供たちに優しく語りかけた。


タロウ「アキラくん、ウルトラ兄弟はおとなしい怪獣を殺したりはしないよ。でも、体の大きい怪獣は人間の社会では生きていくことができないんだ」
タロウ「だから、このニクロンも怪獣のすめる宇宙の広い星へつれていかないとだめなんだよ」


ニクロンを殺す意思はない事を示したタロウは、なおも話を続ける。


タロウ「アキラくん、そしてみんなも聞いてくれ」
タロウ「ウルトラ兄弟は宇宙の果てで起こった宇宙戦争をやめさせるために、しばらく地球にくることはできないのだ」
タロウ「地球はもう悪い怪獣や宇宙人におそわれることはないだろう。これからは人間たちが力をあわせて地球を守らなければならない」
タロウ「だから君たちもけんかなどしないで仲なおりするのだ、いいね」


ニクロンを抱えて宇宙に飛び去るタロウ。
「さようならアキラ」と別れの言葉を告げるニクロンに、アキラ少年もまた「さようならニクロン」と笑顔で手を振って返す。
そしてタロウとニクロンが空の彼方に見えなくなった頃、アキラ少年といじめっ子達もタロウのためにも手を取り合って仲直りするのであった……




追記・修正お願いします。


[#include(name=テンプレ2)]




















だが、ウルトラ兄弟も気づかなかったことが地球に起ころうとしていた。


海底にうごめく黒い影……。地底にひそむ巨大な目。大地震、地われの間に見えかくれするトゲのようなものが……、長いねむりからめざめようとしていたのだ。


地球に重大なピンチがおとずれようとしている。ウルトラ兄弟のいなくなった今、人間たちの力で地球を守り切ることができるのだろうか!?


巨大な黒い影がつぎつぎとふかいねむりからめざめはじめている………。




……これだけ見ると不穏極まりない意味深なエピローグだが、メタ的な事を言うと、今月号で連載終了した『決戦!ウルトラ兄弟』の後釜として、
次号から同著者によるザ☆ウルトラマン』のコミカライズが連載スタートしているので、要はそれに対する繋ぎとしての「プロローグ」的な演出なのでご安心を。



余談

居村眞二氏が生前インタビューで語ったところによると、ニクロンの登場した本エピソードは『決戦!ウルトラ兄弟』の話の中でもお気に入りとのこと。
ただ、居村氏は執筆当時、所謂「ガチャガチャ」が何を指しているのか分かってなかったとも述懐している。




追記・修正は、ガチャガチャから本物の怪獣を拾った方がお願いします。


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