天穂のサクナヒメ

ページ名:天穂のサクナヒメ

登録日:2020/11/18 Wed 05:20:27
更新日:2024/05/23 Thu 12:49:49NEW!
所要時間:約 45 分で読めます



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米は力だ!



天穂てんすいのサクナヒメ』(Sakuna: Of Rice and Ruin)は、同人ゲームサークル「えーでるわいす」製作の稲作とスタイリッシュ2Dアクションを組み合わせたまったくあたらしい和風アクションRPG。
アニヲタ的にはコミケで『花咲か妖精フリージア』や『アスタブリード』を出していたサークルの作品、と言った方が分かりやすいかもしれない。


2020年11月11日にSteam、12日にNintendo SwitchPS4向けに販売開始。パッケージ版は彩色画集付きの限定版もリリースされている。
Switch版、PS4版については2021年12月9日に廉価版に切り替わっている。


牧場物語』でお馴染みのマーベラスがコンシューマーを務め広報・販売を行っているが、開発には一切関わっておらず、開発はえーでるわいすの代表2名が中心、仕上げの時期でも10名と少数精鋭で行われており、開発開始から販売まで5年半掛けている。


テーマソングは『ヤナト田植唄・巫 ―かみなぎ―』(歌唱:朝倉さや)。



【特徴】

本作はアクションRPGだが、「米は力だ!」のキャッチフレーズの通り、プレイヤーキャラは「コメを食べると強くなる」という一風変わった設定となっている。
そしてそのコメは宝箱を開けると出てきたりする訳ではなく、自ら栽培しなくてはならない。


本作の特徴は、とにかくその米作りの異常な再現度にある。
本作の米作りはそんじょそこらの「種を植えると秋にはきのみが収穫できるよ!」的なゲームとはわけが違う。
何しろ本作の米作りは種籾の選別から始まる。優良な種籾を選ばなければ惰弱な稲しか育たないが、選別しすぎると播種できる量が減り収穫量が減ってしまう。
その後も考えることは尽きない。

  • どのように育苗するか?
  • どの程度田起こしするか?
  • どの時期にどの密度で田植えをするか?
  • 水はいつどの深さまで入れていつ抜くか?
  • 水温管理はどうするのか?
  • 肥料の窒素・リン酸・カリの比率はどうするのか?
  • 肥料を撒きすぎていないか?
  • トライフォース農法をしていないか?
  • コメを作るのだから当然害虫植物病旱魃日射不足が起きる。
  • これらのトラブルをいかに予防しいかに対処するか?

これらありとあらゆる選択が異様な自由度でプレイヤーのさじ加減に委ねられているのだ。
あなたが正しく米作りに励めば黄金色の豊作が、誤った判断をすれば凶作が待っている。
もちろん、こうした濃厚な農業再現率がプレイヤーのストレスを貯めるものではなく、しっかりと楽しめる要素として落とし込まれているのも評価すべき点である。


更に、本作はこれらの要素が農学的に正しく実装されている点が高く評価されている。
プレイヤーの間でよく言われる言葉として農林水産省が攻略Wiki代わりという格言(?)がある。
つまり、「なにか困ったことがあったら農林水産省のHPに行ってコメ作りの解説ページを見てそのとおりにすると解決する」ということだ。
だが本当にWiki扱いして、ゲームの解答を求めるような連絡コメントをやるのは止めよう。
農林水産省のHPはゲーム攻略Wikiでも攻略サイトでもない。


こうした出来の良さは発売後早々に評判を呼び、全国の小売店から続々と売り切れが報告される事態に。
サクナヒメを求めて難民が玩具店や電気屋を右往左往する、「令和の米騒動」と呼ばれる事態にまで発展した。
ネットニュースやTVでも取り上げられ、子供向けの農業教育ソフトとしても注目を浴びるなど、2020年有数のダークホース・ゲームソフトとなった。



【物語】

神々が住まう「頂の世」の「御柱の都」で暮らすサクナヒメは父母から受け継いだ身分に胡座をかき自堕落な生活を送っていた。


あくる宴の日、「麓の世」から飢えた人間達が迷い混みサクナが主神カムヒツキに捧げる筈だったお米に手をつけてしまう。
怒ったサクナは人間達に危害を加えようとするが、火種を倒し油と酒に引火、奉納殿ごと吹き飛ぶ大惨事を引き起こしてしまった。


楽しみにしていた貢ぎ物を台無しにされたカムヒツキは罰として、サクナと人間達に無数の鬼が住まうヒノエ島の調査を命じ島流しに。


サクナが鬼狩り、人間達が稲作で食糧を賄うことに決まったのだが、人間に稲作が出来る者が居なかった為、サクナが狩りと稲作両方を任されることとなったのだった。



【登場人物】

■主要人物

ヒノエ島に流刑調査と開拓*1のために派遣された一団。
サクナを初め一癖も二癖もある者ばかりで、序盤は問題点ばかりが目立つが物語が進むにつれて過去や人柄が掘り下げられるに連れて成長していく。


  • サクナヒメ(佐久名比命)

CV:大空直美
本作の主人公。ヤナト最強の武神と豊穣神を両親に持ち、両者の資質を受け継いでいる。
常春の神代の世界である「頂の世」の「御柱の都」にて物心付いた頃から艱難辛苦の少ない環境で過ごしていたため怠惰で我が儘な性格で、血筋に胡座をかき他者を見下すことが多いが、それなりに常識はあり他者への気遣いはできる。
根っこのところでは非常に律儀、あーだこーだわがまま言いながらも頼られると断れない。ドMじゃないもん!
一部では「ニート」扱いされているが都に居た頃のサクナはカムヒツキへの奉祀の仕事を怠惰ながらもこなしていたのでニートではない。


ひょんなことから都を追放され辺境の島へと流刑同然の扱いを受け、自暴自棄になりかけながらも癖のある人間達と共に励むうちに頼りがいのあるリーダーとなっていく。
島に巣食う鬼を狩れるのは彼女の受け継いだ武神の力あってこそ。また、力だけでなくストーリーが進むにつれて精神的にも成長していき、
地位や力に驕った態度を見せる事はあっても過ちは素直に自分から謝り自らの行動で解決する実直さを見せる。
良くも悪くも裏のない性格で、言うべきでない真実に釘を刺す思慮深さもある。


見た目も言動も完全に子供だがこれでも本人曰く立派な大人であり酒が好物。と言うか初登場が酒に酔った状態。石丸にも酒臭いと言われた。
読書家でもあり大仰な言い回しや豊富な語彙は生まれ以外にもそこから来ている様子。
愛読書は『朧月香子(おぼろづきこうし)』の作品。頂きの世から追放された時も一冊持ってくる程に熱心なファン。


序盤から盛大な高笑い、絶叫、駄々こね、ギャン泣きと様々な感情での怪演を見せてくれるので必聴。


  • タマ爺

CV:鳴海崇志
サクナの養親。サクナが腰に帯びている折れた剣の化身。見た目は狛犬ベースの可愛いマスコットみたいだが知識が豊富。わがまま三昧なサクナに対して常に説教をしているが余り聞き入れられない。
説教以外にも知識が豊富であり、あまり話を聞かないサクナも「爺にわからないのなら誰も知らないな」というくらい信用している。
拠点では知識を提供してくれるが最初は何もしない(ただし何も食べない)が、途中から米と交換で「都との取引」をしてくれる。
物語が進むとすぐ米はカンストしがちな上、取引でしか手に入らない食料や素材もあるのでぜひ利用しよう。割とぼったくられているが。
「神」第一で人間たちには厳しい頑固者…のように見えて、頂きの世からヒノエ島に向かう前段階で既に田右衛門にサクナの駄々こねを無理矢理連れて行く様にやり取りするなど意外と融通が利き、忠誠心は高い。
他にも成り行きで共に暮らすことになった人間たちにも優しく、またミルテが別の神を語る際も「そういうものもいる」と受け入れた。

正しい名前は星魂剣ホシダマノツルギ
元々はサクナの父親タケリビの持つヤナト最強の神剣である。
悪神「大龍オオミズチ」との戦いの際に折れてしまい、剣としての役割は果たせなくなっている。
ちなみに折れていない頃は虎くらいの大きさだったらしい。


大龍オオミズチが復活した際には、サクナの成長は認めた上で今ある武器では到底太刀打ち出来ないと判断し、自分の宿る神剣を溶かし、農具として打ち直すことを提案する。
しかし折れて柄しかない星魂の剣を加工すれば「タマ爺」が消滅する恐れもあり、サクナは勝てるかどうかもわからない戦いなのにそんな事はできないと1度は却下する。
だが強大な敵を前に、いよいよサクナはタマ爺との別れを決意するものの、「大龍オオミズチ」との戦いの際に折れた剣の破片を発見。
それを用いて完全な状態になった為か、タマ爺の人格そのままで復活することとなった。きんたの作った刀のイベントではいろいろ切り裂く妖刀と化していた刀から剣の破片に切りかかられるが逆に妖刀の方を折り割ってしまう程。また農具化イベント以降、彼の折れていた角だけは元に戻る。


  • 田右衛門

CV:矢野龍太
武家出身の大柄な男性。手塚治虫のタッチを彷彿とさせる大きな鼻がトレードマーク。
戦いよりも野良作業を好み、とりわけ稲作を愛している。戦から逃げ出し山賊の頭領に拾われた。
しかしながら武芸どころか稲作……それどころか一切合切何の才もないのに5人前の飯を食らう木偶の坊。最終的に20人分に増える*2
だからといって全くの役立たずではなく、稲作の知識は非常に豊富。
いつか自身で稲作をやるために種籾を持ち歩いており、ヒノエ島で稲作を行えるようになったのも田右衛門のおかげ。初っ端から不注意で種籾を大量紛失したのも田右衛門だが。
それ以外にも生まれから学はあり、島での生活以前には悟教の教えを真に受けて一切肉食をしなかった程真面目で*3、穏やかな性格で面倒見がよく人間関係の和を取り持ち、自力で乗り越える必要があると見れば陰ながら見守るに留めるなど思慮深い。
家宝の刀を壊されようが概ね事実とは言え辛辣な言葉をぶつけられようが笑って流す程心の方は図体以上に広く、滅多な事では怒らない。*4
要するにギスギスしがちな人間関係を上手く回してくれる存在。
ほぼ成り行きで集まった住民たちが中盤以降笑い会えるようになるのは彼のお陰である。
なお発売当初は都追放の原因を作っておきながら詫びの1つも入れず、そのくせ態度だけは一人前とあってプレイヤーの心を逆撫でした主犯だった。現在はアップデートにより初めての夕餉の際に会話が追加されており「ゲームで省略されている部分で既に何度も詫びを入れていて、その件はもういいからこれ以上謝るなとサクナから咎められている」というフォローが入っている。


当初は「ぼけ侍」と呼んでいたサクナも序盤から絡みが多い事もあってなんだかんだ認めており、とある出来事で彼の内面を深く知ってからは名前呼びに改めた。
また農作業も当初は全くのダメダメだったが、中盤からある程度改善してくれる。(と言ってもサクナの稲作は余り手伝ってくれないし任せたら悲惨な事になるが…)
話し掛ければ稲の成長時期に適した水嵩を教えてくれる他、物語が進展するとサクナの母が残した農書の解読を行い、「稲作会議」を開き天気予報もしてくれるようになる。
素材収集に出すと全てのアイテムを満遍なく取ってきてくれる。稲作に慣れない内は素材収集に出すとアドバイスが聞けなくなるのが痛手。


「田植え」するから田右衛門。
この名は恩師である山賊の頭領から付けられた渾名であり本名は「桂 右衛門尉 瑞月 朝臣高盛」(かつら うえもんのじょうみづき あそんたかもり)という*5。だが父親から勘当同然、ないし死んだ扱いを受けているので本人もこちらの名は捨てたものと考えている。


製作途中のPVでは某サバイバルホラーゲームのパロディで、固定カメラにラジコン操作のサクナが彼の背後に近寄り、ゆっくりと振り返ると同時に米俵がポトリと落ちる無駄に再現度の高いシーンでの製品版とは似ても似つかぬ彼の行いに腹筋崩壊したプレイヤーが続出した。

物語の終盤、飢えてサクナたちの家を訪ねるも不意打ちを仕掛けた石丸を素手で取り押さえる。
彼が刀も握れないなまくら侍である理由は武芸の才能がないのではなく、余りにも他人思いであり殺生を嫌うからであったのかも知れない。
……とはいうものの、このときの石丸は飢えて弱っているし、直後にあっさり抜け出されてかいまるを危険にさらしているので結局強いのかどうかはよく分からないが。


  • ミルテ

CV:久保田ひかり
唯一神を崇めるフォロモス教の宣教師の渡来人女性。出身は海の向こうの国ベンタニア。ヤナト語が若干怪しいのは外国人故ご愛嬌。「ナニか、食べる、デスか?」
争いを好まない明るい性格だが、折に触れて布教しようとするため子供達には疎まれている。
多神教のヤナトの神々に関しては「神」と同じ言葉を使っているが、実際意味しているものは違うものと感じとり受け入れている。


初回こそサクナの獲ってきた肉を焦げた塊にしてしまうが料理と食材の加工を担当する他、医療の知識も持つ。
彼女も大人の女性で基本的に明るくポジティブであるが、実はサクナ達と出会うまでのヤナトではよそ者として迫害されあまり良い思い出はない。心優しい人に出会えたり等、皆無ではないのが救いか。その話の中に「花咲か妖精フリージア」の「ダルカ王国」ネタが有る。
本人とかいまるは大笑いしていたが、迫害の際はどこの国でもウ〇チを投げられたらしい。「国が違うのにそこだけ皆同じ」なのが面白かったらしいが、その話をしたのがよりにもよって飯時だったので他の一同がドン引きしたのは言うまでもない。
とは言え他の面々と生まれた国が違い、世界の人々に自らが培った教えを伝えるという明確な目的を持ってヤナトにめぐり合わせた彼女には、ヒノエ島での暮らしは生涯を通じて達成する夢の通過点として、何れはこの場所を去る事も理解している。


素材収集に出すと食物系アイテムを中心に取ってくる。山葵・大蒜といった防虫効果を併せ持つものや、麦・粟などの非常に採集場所が少ない食材を入手するのにも彼女の手腕が光る。ZO(ゾー)、スゴいです。


「ミール(meal:食事)」の作り手、そこからミルテとネーミングされている。
ストーリー終盤では都との取引素材が増えた事により、夕餉の献立のレパートリーに故郷ベンタニアの料理も加わる事になる。
その中にはビールまであるのだが、流石に専用モデルは用意されていない。そもそもサクナしか飲まなさそうだからね。


ちなみに公式のアレンジCD『実演楽曲集 奏』のブックレット掲載のイラストでは、ゲーム中では拝むことのできない彼女の素の髪形が見る事が出来るので、興味ある方はCDを買ってみよう。


企画段階では「おたき」という名の気風のいい性格のヤナト人女性として設定されていた。
しかしストーリーを構築するにあたって他のキャラに比べて面白くならなかったため、「和風の世界観に異なる文化をぶつけるキャラ」というコンセプトで宣教師になったとのこと。
製作スタッフのこいち氏曰く、所謂聖職者は萌えキャラとして見られがちなので、史実上の宣教師の資料を読み込んで地に足のついた描写を心掛けたそうだ。

これは我が布教の旅の中 異教の神サクナと出会い

共に暮らした日々の記録である

宣教師ミルテ著 "耶那土見聞録"より


エンディングで麓の世に帰った後は、多くの書物を執筆・出版し、更にはフォロモス教新会派を立ち上げ、膠着していた人々に新たな視点や価値観をもらたした事が語られている。
ゲーム発売直前に公開されたローンチトレーラーでは冒頭にて上述の文章が表示され、彼女がサクナと出会い共に暮らした日々を記録として後に記した事が示されており、
ある意味では彼女こそが『天穂のサクナヒメ』と言う作品の語り部的な立ち位置を担ったとも解釈できる。


  • きんた

CV:前田聡馬
戦で村を焼かれ両親を失い、姉とも生き別れた生意気で口が悪く擦れている少年。
かつて引き取られていた寺で坊主達に暴力を振るわれており、そんな者達から説法を説かれる事に耐え切れず寺から逃げ、何も変えられない己の無力さを憂い力を渇望している。
サクナに対してしょっちゅう「本当に神なのか?」「バカ(くそ)サクナ」と口にし、向こうからも「きんたの分際」「きん○ま」*6等と呼ばれており喧嘩も多い。


過去が過去だけに即物的・毒舌家で、学がないながらも現実的で鋭い視点をもつ。子供ながらに石丸の理念・行動にも多少は理解を示した。
冷酷に振る舞う事も多々あるが、根は優しく意外と気が利く性格。一本穴でサクナに助けられた時は素直に怖かったと認め、サクナの強さにも納得して笑うといった風に、案外さっぱりと割り切る面も目立つ。


鍛冶に興味があり、鍛冶場が出来るとサクナの武具を打ってくれる。「なんか作るかや?」
実家が細工屋だったらしいが年齢を考えると異常に器用であり、ゲーム中盤にできる武器の説明文ですでに鍛冶の師であるアシグモを超えたと評されている。
素材を見るだけで強力な武器を思いついたり、明らかにオーパーツな農具も作ってくれるスーパー鍛冶屋。
素材収集に出すと鉱物を中心に採取する。
「金属」を扱うからきんた。

戦で家族を失い、身を寄せた寺では暴力のはけ口になり、徐々にきんたの心は荒んでいった。
村を焼いた隣国の人間も、家族を守れなかった父親も、そして力が無いため守ることも立ち向かうこともできない自分すらも含めて全てが恨めしい。
その鬱屈した暗い感情も刀を鍛えている瞬間だけは忘れることができたので、きんたはヒノエ島に来てからもサクナ達に隠れて刀を作り続けてきた。


ヒノエ島で農具を鍛えて腕を磨いた彼は、ついに会心の出来とも言える一振りを完成させる。
しかし素材に木魄の力を使い、それに対して「誰にも負けない刀になれ」と思いを込めた為、刀は妖刀になってしまい暴走を始める。
手始めに田右衛門の刀を真っ二つにするほどの切れ味を見せ暴れまわるが、真の力を取り戻したタマ爺には敵わなかった。


ある日、天浮橋で和尚と再会する夢を見る。
きんたに暴力を振るっていた坊主たちは、戦火や略奪から寺を守るために和尚が集めた粗暴な連中ということ。そして彼らが有り余る力を陰できんたにぶつけていたのに、まったく気づけずこのような思いをさせて申し訳ないと謝罪。
目を覚ました彼はサクナやタマ爺にこのことを告げた後、タマ爺から和尚がまだ元の世界で存命だと知る。
様々な刀を作りたくなった、どこかで生きているかもしれない身内を探したくなった、和尚が生きているうちに直接言いたいことができた。
3つの目的を得て決意した彼は…。


  • ゆい

CV:古賀葵
一見すると穏やかな少女。
序盤の印象は薄く一同の中で一番の常識人に見えるが、段々と重度のきんたストーカーで基本的にきんた以外に心を開いていないなどの問題や怪しさが見えてくる。
特に空気も読まずに暴れまわるかいまるに対しては非常に厳しい。「こん聞かず!!」(バシィ!!)
ただし根っこは礼儀正しい為か、サクナに対しては「神様だから」という理由で比較的友好的に接してくれ、他メンバーにも段々と心を開き始める。
他、動物や河童、かいまるの言ってることがわかるらしく、彼らの言葉を翻訳してくれる。機織り小屋が出来ると防具を誂えてくれるが、その姿を誰にも見せたがらない。
他にも虫や生の麦を好み鳥肉を全く食べない*7、岩の上で両腕を広げたポーズを取る等、妙な振る舞いを見せるが…。
素材収集では草花を良く取ってくる。
「服を結う」からゆい。

その正体はやっぱり
きんたに懐いているのも罠にかかっていた時に彼に助けられたからで、傍にいたいが故にどう見てもUFOにしかみえない『訪れしもの*8』との契約により人間の姿と声を得るが、
その契約は機を織っている姿を見られると強制的に解約されてしまうものであり、ある日サクナに機を織っている所を強引に覗かれて鶴の姿に戻ってしまう。
その後はサクナが責任を取る形で奔走し、きんたの思いを受け取った『訪れしもの』の計らいでもう一度『ゆい』として人間の姿を得られた。
尤もきんたはかつて罠にかかっていたその鶴を食べるつもりだったというオチが付くが…。*9


ちなみに一見常識的であるものの、実はサクナの見てないところではちゃっかり仕事をサボったり手を抜いたりしていた模様。
だがなんやかんやでそういったサボりぐせは無くなっていき、厳しかったかいまるに対しても優しく接するほどになったとか。


かいまるに妙に厳しかったのも、下記のようにかいまるは動物と心を通わせる能力がある(つまり鶴のゆいにもかいまるの気持ちが伝わっている)ため、
他の人間には「あーい」等ただの幼児言葉にしか聞こえない言葉は、ゆい本人には通常の人語同様に聞こえていたためその発言内容などにフラストレーションが溜まっていたのではないか? とも考察されている。


  • かいまる

CV:桃河りか
「あーい」など幼児言葉しか話さない幼子。田右衛門が世話になっていた山賊の頭領の息子で動物に好かれる体質。うん○大好き。
言動が幼いのは年齢以外にもとある理由があり……。
話し方が幼いだけで理解力はしっかりと備えており、サクナたちの会話もちゃんと聞いている。
基本的に笑顔で常に楽しそうだが、転んだりゆいに怒られるとすぐ泣き出す。
最初は居るだけで何もしないが実は動物と会話が成立しているかの様に心を通わせることができ、犬や猫、鴨や河童など様々な種族を連れてくる。
素材収集に出すと「いてきあーす」と喋る。肝心の素材はう○こ…もとい肥料、そして収集人数を増やす犬を持ってくる。
え?猫は何もしない?かわいいことが仕事なんだよ!
「動物を飼う」とうん○を意味する古語「まる」からかいまる。

彼が言葉を失った理由は、目の前で父親を殺されたからである。また終盤、恐怖を感じると精神と体が別になり誰かの心に入り込む(ミルテ曰く「心が離れた」)という現象が起こり…。


また、ゆいが鶴である事を知っていたと見られる。動物と心を通わせることができるため、それで人間ではなく鶴と見抜いた可能性が高い。
特定の条件を満たした夕餉の会話で、『ういあ…』=『ゆいは…』と言いかけた所で、ゆいに釘を刺される。
もっとも、その話し方故に仮に真相を打ち明けた所で、ゆい以外にそれが伝わったかは疑問だが…


ストーリー終盤では、鴨の小屋の隣に大きな柵を作って欲しいと要求。サクナが疑問に思う中、かいまるが連れてきたのはなんと『牛』であった。
以降は鍬を振り下ろす作業を経由せずとも、牛を歩かせるだけで田起こしを行える様になる。しかしつがいではないので牛乳は搾れない牛肉にも出来ない



■その他の登場人物

  • カムヒツキ(神霊樹尊)

CV:小日向みわ
世界を生み出したとされる創世樹の枝が変じたヤナト神族の主神。このゲームの中毒要素主目的を示した張本人。
ちなみにあくまでこの神名は世襲制の様で、早い段階で「先代のカムヒツキ」という内容も出てくるので基本的にここで解説するのは「作中時代当代のカムヒツキ」という事になる。
腹を空かせて麓の世から乗り込んできた面々とサクナの起こした騒動が原因で貢物の米を貯蔵庫ごと木っ端微塵にぶっ飛ばされ、かねてより目を掛けていたヒノエ島の調査を一同に命じる形で罰を取らせる。
とは言え、米の貯蔵庫はサクナの不注意があったとは言え剥き出しの火種を米俵のすぐ傍に設けていたのは設計の落ち度とも言えるし、
壺を割ったのは田右衛門(しかも不注意などではなく明確に妨害する目的で落下させた)なので、サクナの申し開きは割と真っ当ではあったのだが…


途中から祈祷をすることによって、一定期間の天候を変えて貰える様になり、お礼に木魄こはくを貢ぐ際には良い笑顔を見せる。「よいぞ!」
人間たちにはその威厳的な姿から敬意を払われているが、咎人を罰する事よりその咎人を罰した事で生じる不利益(主に自分の為)を考え、表向きはもっともらしい理由を付けて不問にする等サクナ曰く「意外といい加減な性格」。
米でヤク付けにされかけたのも、ひとえにサクナの米を楽しみにしている事の裏返しであると考えると存外気さくな性格なのは間違いない。
かといって麓の世の人間の行いには自分からは一切関与しない*10など、線引きが非常に硬いのも確か(この考え方は全体の作風にも顕著に表れている)。


ココロワとの会話でサクナが頂の世に一時帰還した際は、自身の枝に巣食う『アブラムシくん』の退治を提示。ミニゲーム『花咲かサクナ』をプレイ出来る。


その言動や容姿はどこか『花咲か妖精シリーズ』の主人公そっくり*11であるが、続編や未来というわけではなくあくまで一種のスターシステム的な物で直接繋がりは無い。

ストーリー最終盤のダンジョンを通じ、サクナはカムヒツキがその地下世界を取り巻く強大な命脈としての力を欲していた事を知る事になる。
ヒノエ島の地下には巨大な創世樹の枝が生えており、その規模はサクナ達のいた都を構成するほどのものであった。
つまり島に鬼が跋扈し、しかも無限に出現する原因は他でもない創世樹の生命力が原因。枝ひとつでも主神と同様の力を持っているが故に彼女を含む歴代カムヒツキではどうしようもできなかったのが実情だった。
御饌殿の爆破と田右衛門たちの狼藉はサクナ本人の罪というわけではないのに妙に彼女に重い責任・刑罰を負わせたのは、この辺りの事情があったと考えると非常に腹黒い面もある人物と言える。
そして結局ヒノエ島をどうしたのかは描写されなかったという投げっぱなしエンド


  • ココロワヒメ(心輪比命)

CV:衣川里佳
サクナの親友…ということになっている絡繰の神。背後には大きな歯車が浮かんでいる*12
温厚だが何処か気弱な性格。
サクナからは気に入られているが度々血筋で煽られており、彼女が島流しされた時には寂しがりながらも内心安堵していた。
不穏な雰囲気を見せるが本人もサクナばりにポンコツで結局は良い意味で同類である。
中盤以降は神、絡繰技師の目線から、田右衛門とは違う観点のアイデアを生み出す。
長らく日陰者だったせいかサクナ以上に褒められ慣れておらず、称賛されると中の人の怪演やそれまでの性格とのギャップもあり、かなり気持ち悪い上擦った様な笑い声を出す。

サクナ一行が作り頂きの世に上納されていた米「天穂(あまほほ)」にゴニョゴニョと細工をし、あわやカムヒツキをヤク付けにしかけた張本人(黒幕は別だが)。
かつてのサクナの言動と振る舞いに対する劣等感(もしくは単純な苛立ち)は確かにあった様で、誰かも分からない存在に焚き付けられて静かな凶行に及んでいた。
その後、詳細を確かめるために頂きの世に一時帰還したサクナに思いの縁をぶつけ、日陰者だった自分がここから積み上げていく地位を崩したくない一心で直接対峙する事に。


…が、サクナが最序盤でやらかしたのと大体同じ流れを今度は彼女がやらかした事で再び大惨事に発展。
カムヒツキからは腹に一物ある計らいで本来極刑(!)である所を特別に不問とされ、サクナからの謝罪もあってようやく蟠りを解く事になる。
本音を打ち明けた時点でサクナがカムヒツキに真相を説明したら対峙する必要なかったんじゃとか言わない。


後にサクナ達の拠点が大破した時は、自暴自棄になったサクナが最初に流れ着いた龍の抜け穴で立ち直り皆の元に戻ろうとした所で
「遊びに来ました」と自分が乗ってきたゴージャスな船でサクナ達が乗ってきた船を盛大に大破させて派手に登場し、一同が家屋を作り直す作業に力を貸していく事に。
以降は頂きの世でのミニゲームをプレイする際の橋渡し役として一行に加わる。夕餉に姿を見せないのが残念だが。


サクナに「都では朧月香子の新作は出ているか?」と聞かれた際、「いつまでも未練がましく続く恋愛譚など今時は流行らないのでは?」と返すも、
サクナがヒノエ島にまで朧月香子を1冊持ってきている事を聞くと「そこまで熱心な読み手がいると分かれば香子もいつかまた筆を執るかも」と言う。
その言葉にサクナが「ならばこれからも好きなものは好きと言い続けていくぞ」といい話で〆られたと思えば、直後「ありがとうございます」と返した。「んっ?」「えっ?」
ド天然か。


  • アシグモ(葦隠)

CV:各務立基
ヒノエ島に原住する日本川獺ニホンカワウソの姿をした神。アシグモは彼の個人名であると共に種族名でもある。
カムヒツキに服わず都の神々と敵対しているが、サクナの父は共に戦った戦友であり戦法を学んだ恩人でもあるため、真相を知らないまま最初のボスとして対峙した娘のサクナにも、かつてサクナの父が使っていた剣であるタマ爺からの願いの元、快く協力してくれる事になる。
とはいえ、協力を仰げばどんなことでも助力してくれる人の好すぎる面はサクナ本人も「頼り倒しておいてなんじゃが、わしらに甘すぎではではないのか…」と漏らすほど。
基本的に1人を愛する種族の為普段から拠点内に姿を見せないが、大工仕事や住民の護衛等は快く引き受けてくれる。
また1人が好きであるが仲間意識が皆無なわけではなく、人間が攫われた時は声を荒げる一面も。


サクナ達に協力してくれる1人を除いたアシグモ族は鬼に追われ、命を落とすか島を捨てて脱出している。
ゲーム中盤以降にはその骸が黄泉神として蘇ったものが敵として登場するが対話は不可能。

天返宮の九十五層でボスとして現れ再戦することになる(おそらく本人ではないが)
ヒットアンドアウェイと遠距離攻撃を多用するので手を出しづらい上、取り巻きがいないので衝突や雑魚撃破による回復も狙えないという難敵。
近距離攻撃主体のサクナと相性が最悪であり、ぶっちゃけ最下層である百層のボスよりも圧倒的に強いという声が多数。


  • 石丸

CV:亀山雄慈
山賊。田右衛門と同じ山賊団に所属し、義賊活動をしていた。田右衛門を「桂」と呼ぶ唯一の間柄。
だがそれだけだと食っていけないと頭領に反乱を起こして乗っ取り、きんた、ゆい、ミルテらを売り捌こうとしていた悪逆な男。
ストーリー初っ端にサクナヒメに文字通り蹴り飛ばされるが、死んだわけではなく…。


モチーフは映画『七人の侍』の菊千代で、武士を憎みつつ武士に憧れる要素が衣装にも表れてる。
大男ながら意外と手細工が得意で、刀や火縄銃の装飾は石丸自身の手によるものとのこと。

やっぱり生きていた。それどころか蹴り落とされた場所が場所だったので今でいうタイムスリップの様な現象でサクナ達が来る前のヒノエ島に飛ばされ、ヒノエ島の活発になった鬼の頭領のようになっていた。
彼もとある存在と手を組んだ事により鬼の力を手に入れており、戦闘時は大剣と大筒を構えた虎のような姿へと変貌し図体に似合わぬ敏捷性で襲ってくる。
戦乱により家族を失った身ではあるものの、考えはきんた以上にシビアであり、「強いか弱いかがあるだけ」として生きるため=強い者になる為であればなんでもする男である。
それは一応の部下である鬼に対しても変わらず、策略のために弱い鬼を利用し、用事が終われば切り捨てるような事すら行った。
また戦う際も、銃を回収、補充する兎鬼以外はつれてこず、基本的にほぼタイマン勝負である。
だが同時に自らが平穏の中で過ごせるとは思っていないらしく、ある日田右衛門に出された飯を「美味い」と言いつつも直後、地面に投げ捨てた
精魂込めた米を捨てるこの行動で、田右衛門も(そしてプレイヤーも)相それる事のできない関係だと嫌でもわかるだろう。
最後まで意地で自分以外を頼らなかった彼も、鬼を使って虐殺したアシグモの霊に襲われる。
強気な態度を見せるものの多勢に無勢で果ててしまい、無残な最期を遂げ、その後破壊と殺戮しか考えられない動く躯となって復活する。
だがそれでもサクナには勝てず遂に斃れる。そこに策略のために使った鬼…もとい「鬼を捨てたうさぎ」が現れる。
そのうさぎに「(策略に使ったことを)許される」という情けを受けたことで、彼の魂は天へと昇っていくのであった…。


戦乱のせいですべてを失い力を求めたというのはきんたと同様だが、彼らの違いは「そのとき近くで支えてくれる人がいたか否か」程度であり、
ゆいがいなければきんたがこのような人間になっていた可能性もあり、逆に石丸が山賊に堕ちる前に救い上げてくれる友がいれば――とも言える。



  • オオミズチ(大龍)

CV:中村大志
ヒノエ島を根城にする鬼たちの真の首魁である悪神にして、本ゲームのラスボス。
三つの首を持った巨大な龍で、その実態は「麓の世」の住人の「怨嗟の念」が結集した存在。
サクナとの直接対決に際しては「全ての人と神に仇を成すもの」オオマガツオオミズチ(大禍大龍)を名乗って襲い掛かってくる。
このように自らが「悪しき神」という事を自覚しているが、意外と潔い一面も持っている。
最終的に討伐された際には、サクナのもたらした豊穣が人の世の戦乱を終わらせ、自身を産み出す程の禍がもう現れないであろうことを言い遺し、
彼女の事を「この大龍の恨み雪ぎし、偉大なる人の神」と評した。


モチーフはヤマタノオロチ


  • トヨハナヒメ

CV:小日向みわ
サクナの母親。元は人間だったが、人身御供にされた所を逃げ出して「頂の世」に辿り着き、タケリビと出会って長く過ごすうちに正式に豊穣神の資格を得た身。
サクナ達が作中で米作りの参考とする「農書」は彼女が記したものである。
夫のタケリビ共々、オオミズチに食われて死亡したが、その魂は腹の中に留まっており、サクナによってオオミズチが討伐された事で解放。
羽衣の正当な所有者として、タケリビ共々サクナの死を肩代わりする形となり、娘を生還させた。


モチーフは日本神話のクシナダ。


  • タケリビ

CV:各務立基
サクナの父親。武と戦を司る炎神で、悪神・大龍を討伐するために赴いたヒノエ島での戦いの中で「兵書」を書き記した。


モチーフは日本神話のスサノオ


  • 「サクナ」

クリア後ダンジョンである天返宮の百層ボスであり、カラーリングこそ違うもののその姿はサクナそのもの。
登場理由は謎だが、主人公の方のサクナは「最後の敵は自分自身」とある種の「お約束」と納得していた。
撃破するとちょっとしたイベントが発生する。


使用する技もサクナと同じ。
実のところ手数で押してくるので一撃のダメージが低く、弾きもいれやすいと隠しボスとしてはあまり強くなかったりする。
もっとも一部の技は食らうと即死クラスのダメージを受けるので、あまりゴリ押ししてるとあっという間に事故死するが。



【ゲームシステム】

本作は「稲作」と「戦闘」の2つの要素で構成されている。
どちらも最初は最低限の操作だけ教えられ、コツや要素はストーリーの進行や「農書」「兵書」を手に入れないと知ることが出来ないため、プレイヤーもサクナと同じく、0から試行錯誤しながら成長していくことになる。


時間経過と昼夜の概念が存在し、1季節3日、12日で1年が巡る構成となっており、チュートリアルを終えればどちらのパートも自由に行えるようになる。
稲作を行うとサクナの能力上昇や武技習得など恩恵があり、戦闘では堆肥の素材が手に入るなど互いに補完し合っており、どちらか一方のみに注力したプレイは困難。
どちらを進めていても共通の時間が経過するため「戦闘を早く切り上げて雑草を抜きに帰らないといけない」「田植えをしていたら日が暮れて狩りに出かけられない」と言った事態が頻出し、とても忙しくなる。


一般的なアクションRPGと異なり敵を倒しても直接経験値の類いは得られず、収穫・脱穀・精米までを済ませてその年の新米が完成することでサクナのステータスとレベルが上昇する。
お米には味や香・粘などのパラメータもありサクナの能力と連動するため、狙えば特化育成も可能。
なお、米作りの難しさが話題になったがレベルは積み重ね式なのでどんなに失敗しても去年より少しは強くなる。
アクションが苦手でも米を作ってステータスでゴリ押すことができるので、ゲームクリアが難しいわけではない。



■戦闘

ヒノエ島各地の探索地を攻略していく2Dアクション要素。
探索地毎に「踏破・採掘地点の発見・特定の敵を一定数倒す」など複数の小目標が設定されており、それらを達成していくことで新たな探索地や採取地点が解放される。


また昼夜で敵の強さが変わり、夜間の敵は大幅に強化されるが、夜にしか取れない素材も存在する。
夜間は稲があまり成長しない=放置してもあまり問題ないため、慣れてくると昼は田んぼの世話・夕餉を食べたら素材を求めて探索というスケジュールになりやすい。


  • ステータス

大きな特徴として稲のステータスとサクナヒメのステータスが連動している。
稲のステータスは稲作中どんどん伸びて行き、新米完成となった時はじめて、サクナヒメのステータスに反映される。
つまりサクナヒメの格(レベル)は一年に一度しか上がらない。
装備や食事で底上げは出来るが、サクナ自体のステータスを上げる手段はほぼ米作りのみ。


ステータス項目に関しては直感的にわかるものばかりだが、わかりにくいステータスとして「神気」と「運」がある。
神気は一部の術属性武技の威力に関わり、運は必殺(クリティカルヒット)が出やすくなったりする。
技を習得するためには特定ステータスが一定のパラメータまで伸びなければいけないため、突出した成長をしていると中々有用な技を習得しないことも。


  • 装備

武器にも防具にも、それぞれステータスや採取率上昇など固有の能力が備わっており、特定の条件を満たしたり木魄こはくを消費することで真価を解放し効果を高められる。
枝魂しこんという付け替え自由な能力も存在し、空きスロットのある装備になら自由に取り付けられる。こちらも真価解放できる。


武器は片手武器と両手武器が存在し、弱攻撃と強攻撃で使い分けが可能。
それぞれの武器に『斬・打・突・術』の属性があり、ダメージ表示の数字色がオレンジ、もしくは赤だと弱点を衝いた有効な攻撃。
青だと耐性の有る攻撃となっているので、倒し難いと感じたら装備や攻撃方法を変えてみると良い。
装備している武器の属性を変える枝魂もあるので「効きは悪いけどこれ以外の武器は火力が…」といった問題も解決する。


防具は着物・笠・面があり、直接的に一定量の防御力を上げるものではなく、一般的なRPGで言うところのアクセサリー的な要素が強い。
具体的に言うと、特定の状況下・特定の敵からのダメージを軽減したり、アイテムドロップ率の増加、お宝のサーチ能力と言った具合。
特に面は「被ダメージが増大する代わりに攻撃力上昇」「鉱物の入手確率が上がるが繊維・染料の入手確率が低下」などデメリットを併せ持つ癖の強いものが多い。


  • 基本操作

ジャンプ、ダッシュ、弱攻撃、強攻撃、羽衣、武技が基本となる。


攻撃はそれぞれ弱攻撃が片手武器、強攻撃が両手武器を使用しての攻撃。
基本的には隙の少ない弱攻撃がおすすめだが、属性を考慮した武器の使い分けを考えると攻略が楽になる。
仕様として、追加入力での攻撃は方向キー/スティックを逆方向に入力しても振り向かずに同じ方向に攻撃する*13ために
同一威力の単体連打コンボ(特に追加入力ごとに攻撃回数が増える地上弱攻撃コンボ)はレスポンスが非常に悪い。
前/上入力や羽衣移動などと組み合わせて上手く立ち回ろう。


羽衣は8方向に伸ばして地形や敵に引っ掛け移動に使う、いわゆるワイヤーアクション*14
羽衣技を習得すれば敵を弱体化させたり敵に張り付かせたままジップキック突撃したり掴んで放り投げたりも出来る。
出も早く、移動の際には無敵時間もあるのでボス戦でも大活躍する。溶岩の滝を無傷で突破出来る羽衣マジすげぇ。
ただし、ジャンプから着地までの間は2回しか伸ばせない制限がある。


武技はいわゆる必殺技。技ゲージを消費して高威力の攻撃を叩き込む。
武技によって片手武器を使うのか両手武器を使うのか決められており、ベースの攻撃力はそれぞれの武器を参照する。一部の技は『術』の属性を持つ。
成長効果として『熟練度』が設けられ、武技を敵に当てる(使うだけではダメ)事で経験値を溜めて熟練度を上げていく事で性能の向上、追加入力解禁、通常攻撃では不可能なダウン追撃性能が添付など、様々な恩恵を得られる。
特に重要な武技として『胴貫打ち』と『飛燕』があり、胴貫打ちは敵や岩を飛ばして一部の壁を破壊可能(単純に大量の敵を巻き込んで撃破出来る点も強い技)。
飛燕は空中でも使える長距離ダッシュ攻撃で、羽衣だけでは届かない高所にあるお宝を取りに行くことが出来る。毒に覆われたフィールドを短時間で踏破する際にも大活躍。
武器には殆ど存在しない『術』属性は、豚、猪など大方のステージに登場するものやスッポン、熊などの中盤から後半にかけて登場する大型の猛獣の弱点となっているため、優先的に装備しておくと攻略が楽になる。
術属性自体が一度で連続ヒットするものが多く熟練度が上がりやすいため、術武技ゲー化しやすいのはある程度仕方ない事だが…


敵の攻撃が当たる直前で敵側に向けて横入力で発動する『弾き』は、敵をよろめかせて少しの間無防備な体制を作り出す。
敵が多い乱戦では狙って発動させるのは難しく単体相手に使うシステムではあるが、発動させた所で敵に生じる隙はわずかなので無理に狙いに行くものでもない。
天井や壁に羽衣が届かない間合いで戦うボス戦ではとっさの防御手段にもなる。
入力から成立までの受付時間が思いの外長いため、狙っていない場面で暴発する事もしばしば。


ダッシュは進行方向に素早く2回入力して一定距離を素早く踏み込む移動システム。
移動距離は長くも無く短くも無く…といった具合で単純な移動システムとしてそれ単体では目立った特徴はないが、
(前ジャンプ→斜め下に羽衣を出して着地→着地硬直をダッシュでキャンセル→前ジャンプ…)の繰り返しで非常に速い動きが可能。
入力自体は同一方向でなくても受け付けているため、左→右もしくは右→左と素早く入力すれば2度目の入力に応じた何れかの方向にダッシュする形となる。
スティックでプレイする場合はこちらの入力の方がダッシュに適している。むしろ暴発も多々あるが。


  • 敵の挙動など

敵毎に怯み・打ち上げ耐性の体勢値が存在。飛行するものは低く、大柄だったり四足歩行のもの程高い傾向がある。
ボスや一部の遠距離攻撃を除き敵の攻撃は敵に当たらないが、サクナが吹き飛ばした敵を別の敵にぶつけることは出来る。
ダウンから起き上がりまでの間は攻撃を受け付けなくなる(車輪断のみダウンした状態の敵にもダメージが入る)が羽衣は通用するので、攻撃と羽衣技を上手く切り替えることで気持ちよく戦える。
また打ち上げ中は完全に無防備に出来る。



■米作り

3Dマップでの稲作要素。


制作陣が「もっと狭い世界を深~く掘り下げた方が面白いのでは?」というコンセプトから「身近だけどよく知らない距離感」があるとして稲作が選ばれた。
そして食育教材の「バケツ稲づくりセット」にて実際に稲作を簡易的に行ってみたり、稲作に関する論文を国会図書館で借りて読んだりと、
かなりこだわった結果、現実の稲作のノウハウがそのまま攻略知識に引用できると話題になる程に細かく作り込まれている。


実際に農林水産省公式HPの稲作関連ページ*15やクボタなどの農工系資料は参考になり、話題から全農もパンフレットを宣伝していた。大丈夫!全農の攻略本だよ!
それぞれ専門用語などの「深度」*16が違うため、ゲームプレイの経過に応じて資料を変えていくことを推奨する。
農水省のページは専門用語が続出するため結構難しいので、入り口としてはクボタの入門ページなどが良いかも。


なお、プレイするだけなら本編できちんとヒントや大まかな対処法が出てくるので読まなくとも進めていくのには問題ない。
公式サイドも「農水省のHPに関して(そこまで細かく作っているわけでもないため)軽く確認してみた限りでは一部有効」
「差し当たってはゲーム中で手に入る農書読む方が良いと思います」と語っている。


また時代設定や世界設定の関係もあり、農具等もかなり古めであるため、某実況動画にてごはんソムリエの資格を持つ森崎博之氏が解説していた際には「自分の知識でもギリギリ」と評していた。
ただし、アップデートで変更や追加が入るケースも有るのでアップデート要素はサクナヒメ公式サイトやえーでるわいすのアップデート情報を参照する事。


  • 気候など条件

季節・日照度・気温・水温・水嵩・土壌など多岐に及び要素が存在し、作業を開始する時期や、稲の成長段階に合わせ適切に対応することで米の評価を決める。


土壌は肥料を使用することで調整可能。肥料は養分と共に、農薬の概念も兼ねている。


最初に肥と基礎材を投入することで、葉肥(窒素)・根肥(カリウム)・穂肥(リン酸)を決定する。
高ければ高い程いいと言うわけではなく、時期に合わせた調整が必要。
無論、稲以外の植物にとっても養分となるため雑草の発生にも影響が及ぶ。


その後、追加素材を投入することで稲の各品質への影響と農薬効果を付加できる。
品質を高めようとすると、害虫が湧き易くなる。農薬効果を高めようとすると毒性が出てくるなど一長一短。
表面上毒性を打ち消す素材もあるのだが、塩分は消えることなく土壌に蓄積し塩害に繋がることもある。


素材は基礎材(木魄+獣の糞/獣の蹄/落ち葉の何れか)を含め、最大10種類選択可能。
選択した素材は1種類毎の投入数の制限がないため、序盤の内はあれこれ少ない数の素材をどうにか選択する形となるが、
慣れてきたら大量の同じ素材を1種類として贅沢に注ぎ込んで他で補うなど、プレイヤーの選択次第で肥料のバリエーションは無限にある。


堆肥であるため食事の影響も受ける……と言われていたが、有志の調査によると影響は全くないとのこと。*17


気温や天候など自然任せな神のみぞ知る要素は、物語が進むと神に木魄を貢ぐことで調整してもらえるようになる。


水温は気温の影響を受けるが、水嵩を変えることである程度調整できる。



  • 米作りの主な流れ

作業工程は、種籾選別→育苗→田起こし→田植え→稲の成長→収穫→天日干し→脱穀→籾擦りの流れ。


1年目は田植え、2年目は田起こしからと出来る作業は段々と増えていく。
物語が進むと、動物が現れたり農具が開発されたり作業内容が変化するものもある。


田植えは一本一本手植えと、時間と手間がかかる作業が多いが、サクナが成長することで農技を習得し緩和されるなどゲーム性も存在。
この時修得した農技へのサクナの一言が色々と微笑ましい。雑草を抜くのが早過ぎて傍目には転んでいる様にしか見えないとか。
また工程の中には田右衛門(いない時はきんたや河童)に任せられる物もありカット可能だが、サクナがやるよりも品質は下がる。



作業結果の数値が高ければ高いほど良いとも限らず、味が上がる代わりに量が減る、その逆もあるなど、数値ごとに品質への影響が異なる。
特に最後の工程の籾摺りは、「玄米」「分搗米」「白米」から選ぶ形となり、それぞれに夕餉で上昇する一時的なパラメータと永続で上昇する基礎パラメータ、さらに都での取引に必要な米の数に大きな変動を伴う。


・玄米/夕餉時のパラメータ上昇率が高く、都との取引時の米は1換算
・分搗米/2つの中間、都との取引時の米は2換算
・白米/基礎パラメータ上昇率が高く、都との取引時の米は3換算


…といった感じで、序盤やボスが控える場面では玄米でパラメータ増強、中盤からは白米で自身の増強&都との取引時の効率アップとしていけば大体間違いない。
白米にこだわるのもそれはそれで縛りプレイという。


なおサクナはサボりたがりであり、推理小説で言うところの信頼できない語り手である。
彼女が「もう十分」「こんなもんじゃろ」「完璧」などと言い出しても、あまり信用しないほうがよろしい。
ただあながち間違っていない事もあるが、田起こしは完全に怠け。具体的には四隅から耕すと分かりやすいがL字に耕した時点で「もう十分」表記が出る。



  • 稲の生育段階

稲の生育段階は、苗→一次分けつ→二次分けつ→三次分けつ→出穂に分かれている。
先述の通り、各段階で適切な養分・水嵩などが異なり細かな管理が必要。



  • 害虫、雑草

害虫は稲苞虫イネツトムシ*18椿虫カメムシ浮塵子ウンカイナゴ
雑草は青味泥アオミドロ田犬稗タイヌビエ子水葱コナギ黒慈姑クログワイ水蚊帳吊ミズガヤツリが存在。
見ての通り結構バリエーション豊富。


肥料の農薬効果や、合鴨あいがも農法、田螺タニシ蜘蛛クモ・蛙など益虫を田に放つことで対策出来るが、農薬は益虫も殺し、あまり効果がない害虫も存在。
合鴨が蜘蛛を喰う上に喰わない害虫もいるなど一筋縄ではいかない。


生えた後の雑草は基本的に物理的に引っこ抜くことで対処出来るが、水を抜いて枯らす必要の有る物も存在する。また生えている時点でもう害が発生している証拠である。


雑草や害虫同士も「青味泥が多いと田犬稗が生え難い」「田犬稗が多いと浮塵子が増える」など互いに影響しあっている。



■その他要素

  • 夕餉ゆうげ

米や探索で手に入れた食材を消費し夕食を取る事*19で、一時的なパラメータ増強効果を得られる。
行うと強制的に夜になり、その後はそのまま夜から続けるか朝まで進めるか選べる。
朝まで進めた場合は敵の強さが跳ね上がる夜をスキップできるのでボス戦でのパラメータブーストを最大限活用できる。
反面、夜の田んぼの時間経過での作業が一気に纏めて精算されるために朝イチが非常に忙しくなる。
また、食事/肥料に兼用出来る素材が痛むまでの猶予も一気に進めてしまう事や、稲作会議での天候操作を行わなかった場合は天候次第で稲作の見積もりが崩れるので双方一長一短。
夕餉を食べる→朝まで進める→農作業を進めるよう指示が出る→夕餉で得たパラメータブーストを犠牲にして泣く泣く稲作を行う…というのは誰もが通る道だろう。


サクナの能力を一時的に高める他に特殊能力を付加できる料理も存在。
本作には戦闘中に使用できる回復アイテムが存在しない(ごく一部の武器や枝魂に添付される効果に留まる)ため、非戦闘時に自動回復する「自然治癒」の効果は特に重要となる。
先述の通り堆肥の性能に関わるなど、戦闘のみならず稲作にも影響する。


この夕餉の献立もやたらとレパートリーに富んでおり、動物を狩って入手する肉・魚だけでも丼/炙り焼き/塩焼き/白干し/燻製/鮨*20/煮凝/味噌汁/鍋etc、植物は汁物/浸し物/塩茹で/糠漬け/素揚げなど、網羅するだけでも一苦労。
特に鍋ものに関しては調味料が揃っていれば肉の種類が同じものは全て「〇〇鍋」と表示されるため、素材次第で表示される項目が全て同じ鍋になり、初見ではバグと勘違いする人も。
米は通常のご飯/強飯/焼飯/赤飯/粥/雑炊/茶漬けetc、飲み物に関しては特殊能力の添付に重きが置かれたものが多く冷水/茶/酒/口噛み酒/〇〇の水/秘薬etc…割とメシテロゲーでもある。
どこかにある料理書を入手すればレパートリーが増え、酒類や雑煮に味噌、醤油、さらにミルテの故郷の料理であるパンネクックやヒュッツポット*21、ビール等を作れるようになる。
耐火効果があるからってビール飲んで夜に採取に行くサクナさんをリアルで見習わないように。


ちなみに献立は一見「主食」や「菜」といった項目ごとに決めていくように見えるが、実は同じ料理を重ねることもでき、五品とも同じ料理という豪快な食事も可能。
特に入手性の良い玄米を用いた「玄米飯×5」は補正が極めて優秀でありネタにとどまらない実用性を誇る。「米は力」ってこういう意味だっけ?


穀物以外の料理素材は消費期限が存在しており、放置すると痛んで腐ってしまう。
痛んだものも肥料には使える(しかも全パラメータを+1するという効果。ただし防虫効果がマイナス1されてしまうが)ために使い道がないわけではないが、本来の使い道を満たせなかったものとしての側面の方が大きい。
なので採取した食材で夕餉で使わなかったものは、ミルテが加工品として作ってくれる「白干し」「燻製」「鮨」などの保存食や「出汁」などの調味料などに加工しておくのが基本。
ただし「白干し」「燻製」「鮨」として加工すると、自然治癒効果がもれなく添付される代わりに素材の種類別に関係なくパラメータ増強の具合は共通となる。
肥料としての増強効果が低い魚の大半も、夕餉時のパラメータ上昇値の高い雑炊に使う出汁の原料として重宝する。
また、冬頃にある場所で採掘するか、都との取引で手に入る「氷」があれば消費期限を遅らせることができる。
氷自体も痛むので過信せず、素材を長持ちさせるなら1日おきに都で氷を貰っておこう。

肥溜めに突っ込むというもの


肥料を使わず捨てると投入した素材が戻る仕様によるものだが、このとき新規入手扱いになるため消費期限がリセットされる。
ついでに悪用すれば〇〇を〇回入手系の真価解放条件も楽に満たせてしまう。
とはいえ、一度ウンコに突っ込んだ食料を食うことになるので利用するには心理的なハードルがデカい。


このことは制作の想定外だったらしく、後のアップデートで入手回数が稼げる仕様は修正され、鮮度のリセットもリリースから実に半年後に修正される事となった。


夕餉自体はパラメータ増強効果&時間帯を夜へと進める一連行動であり、逆に言えばこの行動を行わずともゲームを進行させ続ける事は出来る。序盤の内はそこそこ断食プレイをする事もあるかもしれない。
しかし、上に挙げた効果以外にも夕餉時の会話イベントが豊富に取り揃えられているので、ゲームを楽しむ上で積極的に活用していくとよりキャラクターに感情移入出来る事だろう。
各人の過去やヒノエ島の成り立ちの他、タマ爺が語るサクナの両親の馴れ初めについては、そこに至る前のサクナの父の武勇談については男性陣が興味深く聞く一方で女性陣はつまらなさそうな様子を見せ、二人の仲が深まっていく下りになると恋バナ好きの女性陣が盛り上がる一方で冷めた対応の男性陣といった比較があるのも面白い所。


忘れがちだが、調理を担当するミルテが採取に出て拠点を開けている間は当然ながら夕餉に移行出来ない。
その場合は採取が終わる夜になるまで待つ事になる。


  • 採取

かいまるが拾ってくる犬が鬼の気配を察知し避けて移動できることから犬一匹につき住人を一人、採取地に派遣して食材や素材を集められるようになる。採取地は戦闘で探索度を上げると増えていく。
イベントの発生により採取中の対象でも強制的に戻ってくることもあるので、終了後は再度採取に向かわせるのを忘れないようにしよう。
住人毎に傾向があり取れる物は異なり、詳細はゆいが教えてくれる。また、夜になると採取には出せなくなるので、以降の採取は翌日までお預けとなる。
拠点である我が家に帰らない限り採取も終了しないため、朝から夜通し採取に向かわせて翌日まで帰らせない鬼畜プレイも出来る。
採取に向かわせた時間が長ければそれだけ採取量も増えるため、中盤からはむしろ推奨される。


かいまるが連れてきた犬の数次第だが、朝イチで数人を採取に出し、同時に稲作作業をする事で稲作完了&拠点の我が家にいるので採取自動完了という状況を作り出せる。
この直前にセーブしていれば、採取の結果がイマイチだった場合に直前からロードしてやり直せるので、ある程度採取結果を任意で選ぶ事も出来る。
これを繰り返せば希少価値の高い松茸も労せず入手する事も可能。松茸ガチャのリセマラ



【余談】

米作りパートはゲームに落とし込む際に簡略化されてはいるが、それでも稲作の工程を一から体感する事になる為、
現役農家プレイヤーからは「なんで稲作が終わった後にゲームでまたしないといけないんだ!」と悲鳴を上げたり、「刈り取りとかの前に試したけど疲労が凄まじいことになるんだよな……」と機械化された現代農法の恩恵を再確認したり、逆に「ゴミを捨てられたり、車が落ちてこない」、「近隣とのトラブルがない」、「迷惑な撮り鉄が侵入して三脚を立てたり、勝手に水を張られたりしない」等、現代農家ならではの悩み事がないゆえの感嘆の声が上がったりしている。
ゲーム内での稲作が凄く現実に忠実な証拠といえよう。


また農家ではない一般のプレイヤーからは、「ニュースで見たときは(上述した内容の)被害の大きさがいまいち理解できていなかったが、このゲームをやってみてどれだけの被害が起きるのかよくわかった」という意見も出ている。
田んぼの水位、水温は天候に左右され、米の品質にも影響することにより「台風時の水際は危険だと知りながらも田んぼの様子を見に行ってしまう農家の気持ちが分かった」と言う意見も……。


初心者が米作りパートでやりがちな主な失敗の通称

  • トライフォース農法:「よくわからんがとりあえずステータス上げりゃええんじゃないか?」と三種類の肥料の数値をMAXにする失敗。
    行うと稲が養分を吸収しきれなくなり余った養分を糧に雑草や害虫が大発生、結果として病気が蔓延して畑が壊滅する。
    3つの値をMAXにすると画面上のグラフが『ゼルダの伝説』のトライフォースよろしく綺麗な三角形になることから。

  • カルタゴ農法:雑草、害虫、病気のどれにも効く『塩』をありったけぶち込んでしまう失敗。
    無論重篤な塩害が起こる。塩を入れると「毒性」パラメータが上昇するのだが、これを打ち消す素材が割と序盤に手に入る一方、塩害は毒性とは別のマスクパラメータであるという2重の罠もある。
    名称の由来はローマがアフリカ北部の強国カルタゴを滅ぼした際、二度とカルタゴが復活しないよう都市周囲の畑に塩を混ぜたとの伝説から*22
    ただ塩の効果自体は実際強力なので少量使う程度なら有用。また、アップデートで水を抜く、またはかけ流しにすることで塩害を減らすことができるようになった。
    そしてRTAでは水を常時かけ流しにするのが主流なため、塩を大量にぶち込むのが最適解というまさかの珍プレイが誕生してしまった。
    なお、後述の小説版でもサクナの過去の失敗談として「田んぼに塩をぶち込んで稲を駄目にしかけた」ことが語られている。

  • ルイセンコ農法:主に、冬に種をまいてしまうことによる失敗。
    種は当然寒さに弱い。またいくら冬にまこうが寒さに強くなるよう都合よく進化するはずもない。そのつもりがない場合でも、実は種籾選抜を実行した時点で育苗が始まり、その後の成長スケジュールが固定されてしまうという罠がある。
    なので田植えを遅らせようが水や肥料をどうしようが稲の成長を遅らせることはできない。田植えを遅らせると分けつ期がスキップされてすぐに出穂し、いうまでもなくステータスの伸びは非常に悪くなる。
    ソ連の科学者ルイセンコが「極寒期に麦を蒔くと収量が数倍になる」*23「後天的形質も遺伝する」*24等のトンデモ理論を主張してスターリンやフルシチョフに取り入り、革命でボロボロになったソ連の農村で大いに振興されたが、その一環として雪の上に種をまくといった愚行を犯したため当然失敗したという故事による*25
    なんでこのトンデモ農法実在するんだよ。
    ちなみに過密な作付けにより生産量を増やせるという主張もしており*26、サクナヒメでは過密どころか1点にすべての苗を植える通称ガイル農法すら可能である一方、こちらは「密植」と判定されるだけなのでそこまで大きなデメリットはない。


【メディアミックス】

集英社のJUMP j BOOKSのレーベルより小説作品『天穂のサクナヒメ ココロワ稲作日誌』が2021年10月4日に発売。
著者は安藤敬而。作家であると同時に水稲用除草剤の研究者でもあるという、ある意味本作に最適の人選となった。
物語はゲーム本編の後日談で、副題の通りココロワが主役を務めており、彼女の視点から物語が紡がれる。
ゲーム本編だけでは語り切れなかったココロワの詳細なパーソナルや、彼女の「作家・朧月香子」としてのメンタリティーなどが大きく掘り下げられており、
本編を楽しめたプレイヤーなら楽しめる事間違いなしの一冊である。


WEBサイト「コミプレ」にて、漫画作品『天穂のサクナヒメ 戦だたらの神々』が2021年11月から2022年11月にかけて一年間連載された。作者はジジ&ピンチ。
こちらも『ココロワ稲作日誌』同様にゲーム本編の後日談となっており、詳細のネタバレは避けるが、
登場人物たちの状況から時系列的には『ココロワ稲作日誌』よりは後の話であるとうかがえる。
単行本は既刊1巻。



【コラボレーション】

2021年7月16日に『サクナヒメ』を題材としたスピリッツイベント「米は力だ! 天穂のサクナヒメ」が開催。
サクナ、タマ爺、ココロワがスピリッツという形でスマブラ参戦を果たすこととなった。


2021年9月15日発売のゲーム作品(Switch/Steam)。販売元はCREST、開発はStudio HG。
日本神話モチーフの『サクナヒメ』と遠未来SFの今作では世界観が正反対だが、どちらも大空直美氏が主人公のCVを務めているという繋がりで、2022年3月31日にコラボDLC「米とコア」が実装された。
内容としては主人公ロナにサクナモチーフの装備が追加され、また隠しボスとして鹿鬼大将・玄影をメカ化させた敵が登場する。
普段から濁声やギャン泣き当たり前のおひいさまと、基本涼やかで落ち着いた声色で話すロナとではかなり演技の落差が大きく、公式発表されるまで気付かなかったというプレイヤーも多し。




「追記・修正?もうよいのではないか?」(まだよくない)
「こんなもんじゃろ。あ~、疲れたわい」(こんなもんではない)


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*1 実際にはある内容から「再開拓」と言った方が正しいのだが
*2 と言ってもゲーム上で食品アイテムの消費が増えたりはしない
*3 飢饉に見舞われている麓の世では寺の坊主ですらも言い訳をしつつ肉を食べおり、単に真面目なだけでなくよほど裕福であったこともうかがえる
*4 刀については「自分には使えないから」という理由から。しかし、石丸のとある言葉には珍しく声を荒らげる描写もある。
*5 これは官位や姓(かばね)と呼ばれる役職名を加えた武家としてのフルネームで、名前を現代風に呼ぶなら「桂高盛」となる
*6 作中では「きんた〇」表記。「きんた」まではボイスが流れ、それ以降は金物を叩いた様な自主規制音が被さる。ボイス無しで「きん○ま」呼ばわりすることもある。
*7 鳥肉系統を出してもゆいの分だけ皿すらなく、初めて鳥肉料理を夕餉に食べる際は専用のイベントもある。
*8 ちなみにこちらは『アスタブリード』ネタである。興味がある人は『アスタブリード』をプレイしてみよう。
*9 ゆいには幸い知られなかったが、真実を知ったサクナからは「ゆいの前でそれを言ったら殺す」と釘を刺されている。
*10 ストーリー最終盤で催される祭りにも頂きの世の神々が沢山訪れている中で全く姿を見せないため、どちらかと言うと『創生樹』として頂きの世から動く事が出来ないと言った方が正しいかもしれない。
*11 ミニゲームの『花咲かサクナ』自体も『花咲か妖精 ウルトラアンコール』のゲーム内容とほぼ同じである。
*12 モチーフは五円玉で、サクナ(=稲穂)と揃って同じ面にある。ちなみに五円玉の図案は稲穂・歯車・水面で農業・工業・水産の3つを表している
*13 前入力攻撃が存在するため、振り向く仕様であればそれはそれで前入力攻撃が暴発する原因になるからと思われる。
*14 製作者曰く『ゼルダの伝説』シリーズを意識しているとのこと
*15 「攻略Wiki」と若いネットユーザーから俗称されニュースサイト等でも取り上げられていたが、そもそも「Wiki」とは一般参加者が手持ちの知識で追記修正するサイトのことを指すので、農水省が公式に出しているサイトは当然ながら単なる「攻略に参照できる情報のある無関係なサイト」と呼ぶべきである。
*16 簡単に書かれた資料は知識が無くても読みやすいが情報の質と量が少なく、専門的なところまで深く踏み込んだ資料は質量ともに潤沢だが事前知識が無いと理解できない、というふうに一長一短ある。
*17 「塩分の多い食事で塩害が発生した」というのは塩水選による影響という説が有力。
*18 イチモンジセセリという蝶の幼虫
*19 ちなみに朝餉あさげ(朝食)や昼餉ひるげ(昼食)はシステム上存在しないが三食必要な人間キャラ達は恐らく自分達だけで朝餉や昼餉を取っていると思われる。
*20 現代でメジャーなにぎり寿司ではなく、発酵食品であるなれ鮨に近いものと見られる
*21 実在するオランダ料理
*22 と言っても実際に塩害で耕作できないようになるために広大な農地に莫大な量を撒くのは到底不可能(さらに言えば当時の塩は貴重な資源でもある)なので、後世の伝説である。何故ここまで苛烈だった(と思われている)かは、ローマにカルタゴとの共存派が存在した中ですら何度も「それでもカルタゴは滅ぶべし」と言われたくらいに大・大苦戦したことからお察ししてくれ
*23 植物は種類によっては一定期間の低温に置かれると発芽や開花が促される(春化処理)のだが、劇的な収量増加には至らない。
*24 どういうことかというと、極寒期に撒き増加した生産能力は遺伝し継承され、それをまた極寒期に撒くと収量増加の効果は増幅される、とルイセンコは主張した。「努力によって後天的に才能を加えられ、それが継承される」という点が社会主義革命の価値観的に大いにウケた。
*25 どうしてこうなったのか、なぜ止める人がいなかったのか等はゲームに関係ないのでリンク先の「ルイセンコ主義」を参照
*26 この部分がクローズアップされ、のちに北朝鮮でやはり甚大な被害を出すのが主体(チュチェ)農法である。

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