登録日:2020/11/17 (火) 11:49:38
更新日:2024/05/23 Thu 12:49:38NEW!
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映画 コメディ mr.ビーン 絵画 ローワン・アトキンソン 下剤 洋画 ホイッスラーの母の肖像
ビーン(原題:Bean)とは、1997年にアメリカ・イギリス共同で製作されたコメディ映画である。
イギリスの人気コメディ番組Mr.ビーンの劇場版である。
日本では1998年に公開されている。2007年には続編的立ち位置の『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』が公開されているが、物語上などの繋がりは特にはない。
製作国:アメリカ合衆国、イギリス
製作:ピート・ベネット=ジョーンズ、エリック・フェルナー、ティム・ビーヴァン
監督:メル・スミス
原作:ピーター・ベンチリー
脚本:リチャード・カーティス、ロビン・ドリスコル
音楽:ハワード・グッドール
配給:ポリグラム・フィルムド・エンターテインメント(英国)、ギャガ=ヒューマックス(米国)
公開:1997年8月1日
上映時間:89分
次作:Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!
概要
イギリスのITVで放送され国民的人気を博した人気コメディ番組『Mr.ビーン』の劇場版作品である。
劇場用作品ということでスケールを大きくする意味合いもあり、舞台をアメリカのロサンゼルスに移し、撮影の多くもアメリカで行われている。
基本的にほとんどセリフなどの存在しないビジュアルコメディであったTV版とは異なり、ビーンもよくしゃべり、普通のコメディ映画といった仕上がりになっている。登場人物や設定も原作とは大きく異なる面も多く、映画化というよりはスピンオフ的な立ち位置の方が近いかも知れない。こうした作風の違いには英国内はもとより、日本の原作ファンからも否定的な意見も見られていた。
その一方、原作のギャグシーン(例:マグカップが割れたので口の中にコーヒーの素やお湯を入れて作る)や王室ネタなど原作の要素が引き継がれている部分も多く、原作でおなじみのミニ(愛車)やテディ(ぬいぐるみ)も登場するなど、原作を意識したシーンも多い(これはこれで、使い回しという否定的意見もあるが……)。
とはいえ、作風はやや変わっても、アトキンソン演じる自由で破天荒で、それでいて憎めないビーンの魅力は変わらず、ストーリーも笑いあり、スリルあり、涙ありとなっており、ビーンの新たな魅力にあふれる映画に仕上がっている。
原作シリーズの人気もあり、米英でのヒットはもとより、日本でも演じたアトキンソン氏が来日し「ビーン旋風」が巻き起こるなど、大ヒットを記録している。日本ではMr.ビーンシリーズはそれまでは不定期な放送であったが、このヒットを受けてレギュラー放送が行われている。
あらすじ
Mr.ビーンは美術館(ロンドンのナショナル・ギャラリー)で警備員として働いていたが、居眠り常習犯であることをはじめ様々な問題を起こすトラブルメーカーであり、学芸員達は手を焼いていた。何とか厄介払いしようともくろむものの何故か会長はビーンをえらく気に入っており、それも出来ずにいた。
そうした矢先、パリのオルセー美術館に収められているアメリカ出身画家の名画『ホイッスラーの母の肖像』がアメリカロサンゼルスのグリアソン美術館に移ることとなった。この一大イベントのため、アメリカ側はロンドン側に会議の式典で講演が出来るような高名な学者の派遣を依頼する。ナショナルギャラリーの学芸員達は、これ幸いとばかりに絵の知識など皆無なMr.ビーンを「絵画の分野における世界的天才ビーン博士」に仕立て上げ、ロサンゼルスに派遣してしまう。当の本人はアメリカ行きを大喜びするが……。
一方、グリアソン美術館の学芸部長であるデヴィッドは、根っからの絵画好きで仕事熱心であった。しかし、それ故に家庭を省みることが少なくなりつつあり、最近は家族との関係が冷え込みがちであった。『ホイッスラーの母の肖像』招致という一大イベントに美術館職員として情熱をかけるデヴィッドは、「ビーン博士」を自宅に泊めて接待することを決めるが、家族からは案の定反対され、家族関係はますます険悪なものとなってしまう。
いよいよ渡米するビーンだが、アメリカへ向かう機内で吐物をぶちまけたり、到着した空港で騒動を起こしたりと、さっそく警察の厄介になる。どうにかデヴィッドのフォローもあり見逃してもらい、彼の家に厄介になる。しかし、さっそく変人ぶりを発揮するビーンに家族の受けは最悪で、妻は子供達を連れて帰省してしまう。
翌日、ビーンはグリアソン美術館に招かれ、スタッフからは変人ぶりに驚かれつつも、どうにかその場を乗り切る。帰宅後にデヴィッドはビーンを米国の美術館に誘うが、ビーンはアメリカらしく遊園地観光を希望。二人は遊園地を楽しむも、ビーンが勝手にアトラクションを改造するという事件を起こし、再び警察の厄介になってしまう。
どうにか見逃してもらい帰宅するが災難は終わらず、館長であるグリアソン夫妻が突然デヴィッド邸を訪問し、妻不在の中でデヴィッドは料理をふるまわなければならなくなる。仕方なくビーンが料理をするがやはり結果は散々で、七面鳥が大爆発し、呆れた夫妻は帰ってしまう。これまでも薄々怪しいと思っていたデヴィッドだが、ここに来て遂にビーンが博士などではなく、絵画の知識も皆無な本当のただの変人であることを知り絶望する。
そんな中、ついに『ホイッスラーの母の肖像』が美術館に到着する。警備手順の説明のためデヴィッド達は部屋を出て行き、よせば良いのにビーンは1人絵の前に残されたが、うっかり絵画にくしゃみをぶちまけてしまう。何とか汚れた絵画の修復を試みるが、絵は却って悲惨な状態となり、それを見たデヴィッドは絶叫する。何とか絵画をしまってその場をしのいだが、明日の公開の時になれば全てが明るみに出てしまう。すっかり自暴自棄になったデヴィッドはビーンを誘ってバーでしこたま飲んだくれてしまう。2人はべろんべろんになって帰ると、運悪く帰省していたはずの妻に出くわしてしまい、2人の酔っぱらい姿に呆れた妻はデヴィッドに離婚を言い渡す。大好きな絵画の仕事も、家族も失うこととなるであろうデヴィッドを横目に、ビーンはさすがに申し訳なさを感じる。何とか絵画公開イベントを乗り切るため、ビーンはある計画を企てるのであった……。
はたしてビーンは絵画の公開イベントを無事に乗り切り、そして冷え切った家族の絆を取り戻すことは出来るのか!?
登場人物
◆Mr.ビーン(演:ローワン・アトキンソン)
ご存じわれらがビーン。原作では職業は不明であることが多かったが、今作では英国の由緒ある美術館の警備員という設定(別記の通りスピンオフ・パラレル的側面もあるため、原作の彼も同じであるかは微妙なところ)。美術館でも真面目に働かずトラブルばかり起こすが、どういうわけか館長にはえらく気に入られており、周囲も彼をクビには出来ずにいた。
基本的には原作通りの自由きままなトラブルメーカーで、アメリカでも様々なトラブルを巻き起こす。一方で、「遊園地のアトラクションをわずかな時間で改造する」「誰にも気づかれずに美術館に潜入し目的を成し遂げる」「銃で撃たれた重症患者の身体から素手で銃弾を摘出し、救命して医師達から絶賛される」など意外な能力を発揮する一面もある。
また単にふざけているだけではなく、デヴィッドがホイッスラーの母誘致に全力を挙げていたことを知り反省した際には、全力で絵画をどうにか元に戻そうと奮闘したり、ジェニファーが意識不明となった際も本気で心配し救命していた。
そんな彼の集大成である感動のスピーチは必見である。
だが原作との最大の違いは、今作の彼は喋るのである。
そう、喋るのである。
原作でも全く喋らない訳ではないが、多くは鼻歌程度のものである。しかし、今作ではかなり長いセンテンスを話すことも多く、上記のスピーチではかなり長いこと喋っている。
原作を知るファンには違和感を感じるものも多く、この点は賛否両論である。
しかし喋らずに動きだけで表現するシーンなども多く、原作を意識した表現は崩してはいないともいえる。
吹き替えは現在視聴がしやすいBD版では江原正士が担当している。その他、どの吹替担当声優もアドリブを入れたり、鼻歌を交えたりなどしてビーンの独特の雰囲気を再現している。
◆デヴィッド・ラングレ(演:ピーター・マクニコル)
グリアソン美術館のスタッフであり、根っからの絵画好きである。仕事熱心な人物だが、それゆえに家庭を疎かにしがちで、近頃は妻や子供達との関係も冷え切っていた。フランスからの『ホイッスラーの母の肖像』誘致という一大イベントに情熱を注ぐが、ビーンの為に散々な目にあうことになる。
しかしそれは図らずも、彼に家族との向き合い方を考えさせられることになる。ある意味今作は彼の成長物語と捉えることもでき、ビーンの相棒ポジションであると同時にもう一人の(あるいは真の)主人公でもある。
BD版における吹き替えは、今は亡き納谷六朗氏が担当している。普段は納谷氏らしい穏やかな様子でありつつ、落胆シーンでの絶望するような演技はさすが声優と感心させられる。
TV放送ではばいきんまんなどでおなじみの中尾隆聖が担当したこともあり、こちらは発狂シーンに定評があるが、現在は視聴が困難なのが残念である。
◆アリソン・ラングレー(演:パメラ・リード)
デヴィッドの妻。仕事ばかりで家庭をあまり顧みない夫との関係は冷え切っている。
変人ビーンを勝手に居候させたことで今までの鬱憤が爆発し、子供を連れて実家に帰省してしまう。
だが、ある出来事をきっかけにデヴィッドとの愛を取り戻し、そのきっかけを作ったビーンとも笑顔で接するようになる。
◆ジェニファー・ラングレー(演:トリシア・ヴェッセイ)
デヴィッドの娘。反抗期真っただ中であり、悪いバイク乗り仲間とつるんでいる。
終盤、友人の運転するバイクの後ろに乗っていた際に交通事故に遭い、意識不明となり入院してしまうが……。母をも超える、今作最大のツンデレ。
◆ケヴィン・ラングレー(演:アンドリュー・ローレンス)
デヴィッドの息子。来て早々に面白い芸を披露してくれたビーンとはすぐに打ち解けるが、やはり家庭を省みたい父へは不満があったようで、母が帰省した際には一緒に出て行っている。
かなりおませで下ネタも平気で話している。彼の部屋にはムフフなポスターがあるらしいが、これがビーンに起死回生のヒントを与えることとなる。
◆ジョージ・グリアソン(演:ハリス・ユーリン)
デヴィッドが勤務するグリアソン美術館の館長。時間に厳しいことで有名で、デヴィッドに「ホイッスラーの母の公開イベントが失敗したらクビだぞ」と平気で言うなど、かなり厳しい人物である模様。
その一方で、ビーンの奇人変人っぷりを見てもスルーするスキルも持ち合わせるなど、意外と大物なのかもしれない。
◆ブルータス警部補(演:リチャード・ガント)
ロスの警察官であり、空港や遊園地で騒動を起こしたビーンを拘束し、取り調べる。しかしあまりにも破天荒すぎる彼には、歴戦の警察官である彼もお手上げであった。
終盤、市街で起きた強盗事件に立ち向かうが、逆に犯人に撃たれて重傷となり、病院に搬送される。しかし、病院ではひょんなことからビーンが医師と取り違えられてしまっており、彼の手術を担当することになる。意識を取り戻した彼だったが、執刀医がビーンだと気づくと再び意識を失ってしまうそりゃあそうだ。おそらく本作最大の被害者。
「ビーン、あなたは何かドラッグでもやってるのかね?」「(薬はしていないというビーンに)そうか……何か薬が必要みたいだぞ」「(ビーンを相手するくらいなら)武装したギャングを相手にする方がはるかにまし」など名言も多彩。現実世界にビーンがいたらどういう対応になるのかもよく分かる。
◆グリアソン美術館の警備員(演:クレジットなし)
グリアソン美術館の警備員で、絵画公開前の当直警備も任されていたが、そこで彼に大きな不幸が訪れる……。
警部補と並ぶ本作の被害者ツートップ。彼のトイレを求めるシーンは本作屈指の爆笑ポイント。
何気に終盤の病院シーンにも登場している。
余談
- 今作のキーアイテムである「ホイッスラー作 灰色と黒のアレンジメント第1番、画家の母の肖像」は実在する絵画で、現在もフランスのオルセー美術館に収められている。本作が米英合作映画という事で、「ロンドンで活躍したアメリカ人画家」であるホイッスラーの作品が選ばれたものと思われる。
オルセー美術館の関係者がよく許可を出したものだ……。
- 上記の通りTVシリーズとは作風などが大きく異なるため、日本も含む世界中の原作ファンからは、現在に至るまで否定的な意見も少なくなくはない。
一方で「これはこれであり」との意見も多く、笑って泣ける名作コメディ映画としていまだに愛されていることもまた事実である。また本作をきっかけにMr.ビーンの存在を知り、ファンになった者も少なくない。
- DVDやTV放送でカットされたシーンも多く、これらはBD版に特典として収録されている。
追記・修正は下剤入りコーヒーを飲んでからお願いします。
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▷ コメント欄
- ??? コメント欄おかしくない? -- 名無しさん (2020-11-17 12:05:24)
- ジョーズ(映画)の項目のヘッダーフッターをそのままテンプレにしてるでしょ だめだよこういうことしちゃ 特に投票回数までそのまま持ち越しているのはかなり問題です -- 名無しさん (2020-11-17 12:09:18)
- 実現しなかったシーンで、エンドロール後に地震が起きて絵の額縁が破損しポスターだとバレるオチが。 -- 名無しさん (2020-11-17 19:03:57)
- ↑2 消してみたけどいいのかな? Mr.ビーンとしてはTV見てると物足りないけど、映画は映画で忘れられない場面もあるんだよなぁ。 -- 名無しさん (2020-11-17 19:08:59)
- なんか文章の「、」を使うとこが全部「,」になってる…何で? -- 名無しさん (2020-11-17 19:24:09)
- 悪ガキがそのまま大人になったようなビーンのキャラがスポイルされたのが最大の不満だった。 -- 名無しさん (2020-11-17 19:33:22)
- 映画になるとなると、TVのビーン節を知らない人もターゲットにしなきゃならんからなあ。内容的にアメリカだけじゃなくフランスでも公開するかもしれないし -- 名無しさん (2020-11-17 19:52:19)
- ”関係者以外立ち入り禁止” -- 名無しさん (2020-11-17 22:10:31)
- ビーンの正体を知った直後「Yesterday」を歌うのは笑ったよwしかもそこにすら邪魔してきたというw -- 名無しさん (2020-11-17 22:14:33)
- 遊園地のアトラクション暴走、序盤でエチケット袋をパンするシーン、中指立てるのを勘違いするシーンは何回見ても笑っちゃうww -- 名無しさん (2020-11-18 14:56:14)
- ホイッスラーの母の顔が -- 名無しさん (2023-06-30 19:31:13)
- ↑しくった。ホイッスラーの母が「ピノキオのお父ちゃんみたいな」顔になってしまったシーンはかなり笑った記憶がある -- 名無しさん (2023-06-30 19:31:51)
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