偽史山人伝

ページ名:偽史山人伝

登録日:2020/010/09(金) 00:10:00
更新日:2024/05/23 Thu 10:36:02NEW!
所要時間:約 19 分で読めます



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「偽史とはまがいものの歴史のことである。しかし山人は存在していた」



概要



偽史山人伝とは、チラシノウラ氏による歴史書籍である。
現在では知る人も少ないであろう山人をテーマとして扱っている。
多くの取材にも拘わらず不明点は多いが忘れられた歴史とその生き物に向き合ったと言えるだろう。



山人やまびと*1


●目次


山人とは


人間に極めて酷似した生物でヒト科ヒト属ホモ・グイーモンテに分類されている。
外観やヒトという名前とは裏腹に原始人はおろか類人猿ですらなく、人間の姿によく似た肉食動物と言ったところで後述のように一切コミュニケーションが取れない。
以下、解説していく。


身体的特徴

歯の本数は42本と、人の本数よりも10本多い。
基本的に知能は低く、熊や犬程度であり言葉を発したと言う記録は一切ない。
雑食性ではあるが基本的には兎のような草食動物を食料としていたようだ。
その身体能力は極めて高く10mもの跳躍能力や鉄の檻をも引き裂くと言う驚異的な力を持つ。
嗅覚も犬に近く、80メートル離れた人を追ったともいわれている。
二足歩行も可能である。
基本的に群れは作らず単独で行動し、せいぜいつがいとその子供と行動する位であったと言う。


生息地

名前の通り山に多く生息していた。
書籍では岩手県での証言が多く記録されている。


人間との関係

人間に危害をもたらす存在である存在であり、山に入った人間が襲われた例は枚挙に暇がない。
熊のように味を占めると人里に出現することがあり、定期的な駆除が行われることもあったという。


このように極めて危険な生き物であるが、その肌で作られた皮はかつては高値で取引されていた。
肉食動物全般に言えることだが、臭みがあり固く食用には向かないとされている。


上記の理由や、人間と酷似したその姿から積極的な駆除の対象とはなっておらず信仰の対象になることすらあったという。
駆除に成功した後は山人塚や首塚と呼ばれ何らかの弔いが行われていたという。


飼育

その凶暴性の為、ほとんど成功していない。
大学施設や動物園で幾度か研究の為飼育を試みているがいずれも衰弱死したり事故が発生して生きた山人の研究はほとんど進まなかった。


……アニヲタ諸氏の中には、人間の姿をしているからセックスできるんじゃね?
と思った人もいるかもしれない。


ゆるされぬことでもしてしまうのが人間と言うもので、史実でも愛玩動物として飼育を試みるものはいた。


結果、飼い主を殺して逃亡した山人が近隣住民を13名殺し、警官隊に駆除される事件が起きている。
当然のことながら山人の飼育は禁止されるようになった。


ガラ


岩手県沼淵村に居た人を襲わない極めて珍しい山人。
「ビッコ」とも呼ばれかすれ声で足を引きずっているのが特徴でありあったという。
ほかの山人と違い十の音で逃げるなど大人しい性格も相まって駆除の対象にもならなかった。


+ 山人なのに人を襲わないのはおかしい?-

その正体は人間。*2
DNA鑑定の結果、おそらく山人になろうとした人間であると推察されており
彼女は村医者との間に子をなした。山人博物館館長九里信夫氏の先祖にあたり、山人保存のターニングポイントとなった存在である。
なぜ人間である彼女が本物の山人に襲われなかったのか不明。


現在

山人が禁止用語になっていることからわかるように現在でもタブー扱いされてることが多く、かつては展示されていた標本なども現在では一切公開されていない。
それだけにこの書籍は山人を扱った極めて貴重な本と言えるだろう。



……そして、山人の報告は1999年七月に岩手県で事故死した個体を最後に途絶えた。
現在環境省のレッドリストでは山人は絶滅種に指定されている。



  • しかし世界のどこを捜しても山人はもうどこにもいない-

新都新書『偽史山人伝』より引用。




山人を発見した人は追記・修正お願いします



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本当は詩野うら氏(以前は無果汁500mlと言う名義であった)の描いた表題作及び『偽史山人伝』作品集である。
元々は著者が自身のサイト「チラシのウラ漫画」で公開していたものを書籍化したもので『存在集』は書下ろし。
書籍として出版されたものとしては『有害無罪玩具』に続いて二作目の作品にあたる。


日常に挿入される非日常な風景をテーマにしており、ファンタジーやSF(すこしふしぎ)の要素もある。
いずれも非常に視覚的なイメージが強く、一度見ると強い印象を残すことになるだろう。


『日曜は水の町に』


水たまりの中の自分と顔を交換した人の話。
もし水たまりの中にもう一人の自分がいて、しかも顔を交換できたら…?
異世界や思考実験の強い作品である。


『人魚川の点景』


ゴミ山にいたフラスコの中の人魚の話。
今ではめっきり見かけなくなった人魚を見つけてしまうお話。
もし日常の中に人魚を見かけたら貴方はどうするだろうか?


『人間のように立つ』


穴の開いた人の話。
胸の中にぽっかりと(物理的に)穴が開いた友人は、それを気にし居ているふうでもなく。
人によっては百合を感じるかもしれない。
カバーを飾っている。


『姉の顔の猫』


死んだ姉の顔を持つ猫の話。
姉を看取ったあと、そのかをもって日常に住み着いてしまった猫のとの暮らしについて。
一部グロあり。


『現代路上神話』


現代の路上にいる神の話。
下半身は一つなのに上半身は幾つもの体を持つ道の神、全身がガラスできたガラスの神など
神々があたりまえにいる日常のを描いた物語。実写パートあり。


『存在集』(描き下ろし)


表題作『偽史山人伝』は山人という架空の害獣をテーマにした伝奇的な内容であり、その伝記的な内容は「遠野物語」や三毛別羆事件などがモデルになっていると思われる。
事実、作者によれば一部は一部は事実を脚色している部分もあるとコメントで返信していた。
非常に綿密に練られた設定でドキュメンタリーを見ている気分を味わえるだろう。
タイトルは架空の歴史としての「偽史」と作中世界での扱いを含めてダブルみーみんぐとなっている。


書籍風になっているのは作者が新書などが好きらしく、他にもヤーコプ・フォン・ユクスキュルの『生物から見た世界』も参考にしていると言う。


上記の言葉はあとがきから取られたもの。
フェイクモキュメンタリーらしくあとがきも凝っており、(作中世界では)山人をタブー扱いして触れようとしない世間への重いなど触れられており、意味を考えるとなかなか考えさせられるものとなっている。


可愛い絵柄に反して人間が捕食されたり山人を解体する場面などグロテスクな場面もあるので注意*3
作者曰く参考に獣害の写真を視るのはきつかったとのこと。


現在は書籍化に伴い最初の部分のみ見ることができるので興味があれば呼んでいる事をお勧めする。




追記・修正は山人を発見後にお願いします



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*1 遠野物語の山人(サンジン)とは性質が異なるためこう呼ばれている。
*2 絵では他の山人が白目が地に描かれているのに対して、人間と同じように黒目がちに描かれている。
*3 そのため一部では検索してはいけない言葉扱いされてもいた

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