登録日:2020/08/09 (日曜日) 03:40:34
更新日:2024/05/20 Mon 13:51:46NEW!
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『STARLIGHT SORROW』とは、一迅社より発売された『スーパーロボット大戦K』のコミックアンソロジー『スーパーロボット大戦K コミックアンソロジー』に掲載された短編漫画。
作者は景山まどか。
スウェンを主役とした『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』の後日談ともいうべき内容で、ブルーコスモスの洗脳教育の後遺症や仲間の死に苦しむ彼と、それを立ち直させようと行動するシンとイザークの姿が描かれている。そのため、わずか12ページながら非常に濃く、静かに熱い。
時系列は『K』第24話「オーバーデビルクライシス・前編」の後だと思われる。
■主要登場人物
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』の主人公の一人。
原作ではもう一人の主人公セレーネ共々生死不明で物語が終了する*1が、『K』ではスパロボ補正により主人公部隊に仲間入りする。
冷静で寡黙な彼だが、本作では内心で洗脳教育の後遺症と仲間の死に苦しんでいたことが明らかになる。
ちなみに、景山氏は本書の作者コメントにてスターゲイザーのスパロボ初参戦を祝っており、『K』の4コマの方ではスウェンをよく描いているため、間違いなく彼がお気に入りだと思われる。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主人公と、ジュール隊の隊長。
スウェンを立ち直させるべく、積極的に彼と友好関係を築こうとする。
- アナ・メダイユ
『OVERMANキングゲイナー』より。精神年齢の高さに定評のある8歳の姫。
上記三名に同行する。彼女にはストライクノワールが黒猫のモビルスーツに見えるらしい。
幼い故か、リオンネッターのオーバースキルが一切効いていなかった。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』より。イザークの相棒とシンの仲間*2。
スウェンの失言に対して率直な感想を述べる。
『ガン×ソード』より。年老いた酔っ払いの勇者たち。
落ち込むスウェンを自分たちの武勇伝語りに付き合わせる……と思いきや、実は「他の誰かが解決してくれる」と見越して彼を見守っていた模様。さすがは先輩ヒーローということか。
- シャムス・コーザ、ミューディー・ホルクロフト
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』より。スウェンの同僚二人。
既に戦死しているが、リオンネッターのオーバースキルにより幻影としてスウェンの前に現れる。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』より。シンが救えなかった女の子と、シンの相棒。
フラグによってはスパロボ補正で生還する二人だが、それは『K』の終盤での出来事であるためこの時点ではまだわからない*3。
シンはスウェンに二人の姿を重ねて見ていた。また、レイは名前のみの登場だが、ステラはリオンネッターのオーバースキルにより幻影としてシンの前に現れる。
『OVERMANキングゲイナー』より。シベリア鉄道の運行部長。
彼が主人公部隊にリオンネッターのオーバースキルを使用した所から、物語は始まる。
■あらすじ
リオンネッターのオーバースキルによってトラウマを刺激されてしまう主人公部隊のパイロットたち。出撃していたスウェンも例外ではなく、テロによる親の死、洗脳教育された過去、更には戦死し血塗れの姿となったシャムス、ミューディーの幻影まで見て錯乱状態に陥ってしまう。
スウェン
「コーディネイターなんかああァァァァ」
その場は何とか切り抜けたものの、『K』ではガンダム作品がSEEDシリーズしか参戦していない上に、現状スウェンが唯一の地球連合側のパイロットという環境では最大級の失言であった。しかも後のイザークの発言によると、この戦闘で錯乱したのは彼だけだったという。
ディアッカ
「いやー、嫌われてると思ってたけどね。普段は静かでおとなしいのにさあ、びっくりだわ」
ルナ
「ホーント! 「コーディネイター死ねェェェェ!!」って一気にシベ鉄の機体7機撃墜ですよ」
「こっちに突っこんでこられなくてよかったあ」
二人の意見ももっともだが、それをシンは「あれは洗脳とか刷り込みのせい」だと声高にフォロー。それにイザークも続き、「まずは我々ZAFTが連合の兵士と友好関係を築かねばな」と意気込む。
アナ
「……大丈夫ですよぉ。皆さん、きっと怒ってませんよ」
スウェン
「…………」
そうして行動に出たシンとイザークが目撃したのは、エルドラチームの酒盛りに付き合わされる……と見せかけてアナに慰められる体育座りのスウェンという異様な光景であった。
一度は硬直した二人だったが、当初の目的を果たすために、イザークがスウェンに対して「とうぶん我々と行動を共にしろ」と指示。スウェンは拒否しようとしたが、二人は強引に話を持っていってしまう。
スウェン
(ぎゃあああ)
イザーク
「いいか!! 我々が理解し合い打ち解けなければ…」
「地球圏に未来はないと思え!!!」
シン
「押忍!!」
更にそこにアナも加わり、四人は偵察にかこつけてストライクノワールで出撃。スウェンが「星を見るのが好きだった気がする」というので天体観測を行うことにする。
『キングゲイナー』『ゾイドジェネシス』『ガン×ソード』からなる"もう一つの地球"の星空は、スウェンたちが産まれた地球よりもずっときれいだった。
その星空を見上げながら、スウェンはシンに対してステラの話題を出す。
スウェン
「ステラ…星の名前だ」
しかし間の悪いことに、同じく偵察に来ていたカシマルの乗るリオンネッターと遭遇してしまう。
再びオーバースキルの餌食になってしまう三人。万事休すと思われたが…、
シンはステラの死に際の光景を見せられたが、スウェンの上記の発言を思い返して正気を取り戻した。
イザークは顔の傷が開いたが、スウェンを正気に戻すべく一喝する。
スウェンはもう少しで、「青き清浄なる世界のために」の言葉のもとに、シャムスとミューディーの幻影がさしのべた手を取ってしまうところであった。
イザーク
「貴様ァ!! それでもストライクの乗り手か!?」
「しっかりしろ!!」
その後、オーバースキル以外の武装が無かったリオンネッターは、正気を取り戻したスウェンの乗るストライクノワールにより一蹴。
騒動の後、イザークは以前の戦争で自分がデュエル、ディアッカがバスター に乗っていたことを明かす。
ミューディーがブルデュエル、シャムスがヴェルデバスターに乗っていたことに対する彼なりの気遣いだったが、それでもスウェンの反応は淡白なものだった。
そんなスウェンの頬を、アナが指で突っつく。
アナ
「もう! うれしいって言葉、知らないんですか?」
「ちょめ!」
スウェン
「ちょっ…ちょめって…」
おしまい。
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*2 この頃はまだ「スパロボではシンとルナは恋人同士扱い」が定着していなかった。
*3 ちなみに、先に生還させることができるハイネは無事に生存ルートを通っており、1コマだけ描かれている。
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