猛剣(バキシリーズ)

ページ名:猛剣_バキシリーズ_

登録日:2020/08/06 (木) 00:40:10
更新日:2024/05/20 Mon 13:50:16NEW!
所要時間:約 7 分で読めます



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バキシリーズ 刃牙シリーズ バキ道 関脇 コサックダンス 引き出し 力士 相撲 ベテラン 博士 頭突き 猛剣 相撲博士 ごっつぁん





助かる まだ開けてない「引き出し」がある




猛剣たけつるぎとは、バキシリーズ第五部『バキ道』から登場するキャラクター。


●目次



概要

貴乃花金竜山の挑発による挑戦を受けた大日本相撲協会が送り込んだ力士の一人。
『バキ道』では愚地独歩ライバルキャラとしても位置付けられており、『バキ』以降まともな形式の試合がなかった独歩の久々の試合相手となった。


人物

177cm・161kgという体格。対戦相手となった独歩と比較すると身長は近いが、体重は力士故にこちらの方が重い。
その身体の雰囲気を見た桑田は「デブじゃねえわ………」と評した。


あまり感情を表に出さない寡黙な人物であり、下からせり上がったような
独特の目つき*1も相まって何を考えているのかわからない威圧感がある。
相手の肉体を破壊することに全く抵抗がなく、また自身の耳が千切れたことを確認しても全く動揺することがなかった。
この辺りは同じく地下に選抜された力士の巨鯨とは対照的でもあり、その精神性は刃牙を初めとする地下の格闘士に近い。
闘技者以前に相撲取りとしての強い自覚を胸に秘めた人物であり
数少ない発言の中にも力士としての譲れない矜持がうかがえる。


実力

力士としての地位は関脇であり、地下に選抜された力士の中では
横綱の零鵬や大関の巨鯨よりは格下に当たり、角界でトップという訳ではない。
しかし相撲の技術や技の引き出しを多く持っていることから、「博士」「匠」と呼ばれている。
特に作中の描写を見る限りでは関節技が得意らしく、対戦相手の桑田や独歩の隙を突いて確実な大ダメージを与えた。
独歩戦は力士としては基本的な技を数々使ったが、最終的にはキックを繰り出すなど相撲の範囲からは抜け出したような攻撃まで展開した。


ただし、猛剣の強みは正直評判の高い技の多さというよりは、身体の耐久性の強さの方と言える。
独歩の容赦ない連打攻撃を浴びて身体の各所が破壊される事態に陥っても、ダメージこそ感じて苦しんでいたが一切ダウンしなかった。
心身両面でのこの異様なまでの耐久力の高さは観戦していた刃牙も関心を覚えていたほど。


上述の身体の頑丈さもあってか、猛剣は技を避けるというよりはとりあえず相手の攻撃を受けてからカウンターを仕掛けるという動き方が目立つ。
技巧派なキャラを売りとしているはずなのではあるが、むしろ肉体に任せて根性強く粘って戦うキャラとも言える。


一方で相撲に対する拘りが強いらしく、相撲の動きから外れるような行動には出ない。
このような相撲への拘りは、結果として独歩戦では弱点として働くことになってしまった。


後に第二代野見宿禰に続く古代相撲の力士として登場した第二代当麻蹴速は独歩に圧倒されながら完敗してしまった一方、猛剣は独歩の猛攻を耐え切って勝利寸前まで追い込んでいるなど、明らかに猛剣の方が戦闘力が大きく上と思われる格差も発生している。
そのことから猛剣の実力に対する読者の評価は上がり、第五部に登場した力士の中でもずば抜けて強かったのではないかと見る声も出ている。まあ蹴速が思ったよりも強くなかったと言えばおしまいだが


使用技

  • 関節技

相手の腕を抱えて折ってしまう技。形的には相撲の小手投げらしき技である。
桑田の腕を剥離骨折に追い込む威力を見せ、独歩に使用した際には肘を千切って靭帯断裂を引き起こすという凶悪な芸当を見せた。


蹴り技を繰り出す独歩に対する反撃として使用。相手の足や腕を掴んで怪力で抱えて投げ飛ばす。
独歩が両手正拳突きを地面に繰り出すことで地面への激突の威力を殺したことでダメージは与えられなかった。
独歩の右腕を破壊した直後にも繰り出したが、独歩の攻撃でダメージを蓄積していた影響で相手を軽く転がす程度となってしまった。


  • 突っ張り

相撲の王道の技。独歩に使用した際には非常に速い速度で繰り出したが、全て軽く封じられてしまった。
ただし、この攻撃の最中に突如とぶちかましに切り替えたことで独歩の不意を突く囮として機能した。
なお、この突っ張りの最中の独歩との攻防は、最大トーナメントにおける本部以蔵と金竜山の試合におけるある場面のセルフオマージュではないかという説がある。


  • ぶちかまし

力士にとって最大の切り札とも言える技。独歩に命中させた際には地下闘技場の柵までぶっ飛ばしてダメージを与えた。
回し蹴りをヒットさせた直後にも独歩の顔に渾身の頭突きを繰り出し、独歩の鼻の軟骨を潰して激痛を感じさせるほどの威力を見せ、ダウンに追い込む大ダメージを与えた。
独歩の顔にぶち込んだ際は寡黙な猛剣が「どすこい!!!」と叫んでおり、この際の作画は力が入っているので必見。


  • 張り手

ブチかましの威力によって棒立ちとなった独歩への追撃として使用。
右から顔面に攻撃→下から顎にアッパーカット気味に攻撃→左から頬に攻撃という三段階の攻撃を見せた。
独歩はこの攻撃を受けて倒れたが、後の反応を見るに有効打になっていた訳ではない模様。


  • 回し蹴り

独歩にわざとらしく当たらない攻撃を続けた末に突如として仕掛けた左足による回し蹴り。
相撲では本来脚を蹴る蹴手繰り以外の蹴り技は反則技であるためか、力士らしくない珍しい攻撃とも言える。
不慣れ故に威力自体は強くないとは思われるが、独歩の負傷した右腕に蹴りこむことでダメージを叩き込んだ。
予想外の攻撃手段と蹴られた箇所の問題から、これには独歩も内心で「その手があったか」という大きな動揺と痛みを感じていた。


  • 四股踏み

頭突きでダウンした独歩に対して使用。刃牙世界の力士が用いる定番のトドメの一撃。
しかし、倒れていた独歩の足払いによって軸足を刈り取られたことで身体のバランスを崩してしまい、相撲に拘る猛剣の敗因を作る結果に終わった。
結局その威力が披露される機会はなかったわけだが、攻撃を与えようとした際の独歩は満身創痍だったので決まっていれば必殺技になっていたとは見られる。


作中の活躍

地下闘技場に挑む為に幕内力士全員が出場を希望する中で、相撲協会から選定された6人の力士の一人として登場。
徳川によって、嵐川理事長や他の力士と共に地下闘技場に案内される。
そして、徳川から送り込まれた総合格闘家ライトヘヴィ級・桑田巧美(184cm・88kg)と激突することに。


左脚にマッハの蹴りと称されるローキックを受けた後、多くの地下格闘士を見た徳川が、組技では世界一と評する技術の持ち主である桑田のハイキックをフェイントにした片足タックルを受けるが、全く動じなかった。
その後右腕に関節技を掛けられるも外し、逆に桑田の腕を抱えて彼の左腕をいきなり折って勝利を収め、桑田は腕がぐちゃぐちゃと化した重度の剥離骨折で全治7か月の怪我を負わせた。


そして組まれた地下戦士VS大日本相撲協会力士代表の試合では、2試合目に独歩との対戦が決定する。
試合開始直後に駆け出した独歩の右正拳を額で迎え撃つが割られてしまい、正拳突き・足先蹴りなど様々な連打攻撃を受けてしまう。
何とか反撃として投げ技を繰り出すがダメージを回避されてしまい、跳び足刀蹴りで左耳を切断されてしまう事態に陥る。


耳を落とされても「ごっつぁん」と平然と言い一切怯えなかった猛剣は反撃を開始し、突っ張りを連打してからのぶちかましや張り手で独歩をダウンさせる。
しかしダウンした独歩への追撃は相撲のルールを元にした考えで行わず、実際にダウンの動作が独歩の罠だったために回避に成功。
その後、独歩から立ち技による決着を誘われるが、自身がまだ開けていない引き出しがあるためにありがたいとして誘いに乗る。


立ち技による決戦が始まると独歩の攻撃を受け続けるが、追撃の右正拳突きを捌いて関節技で右腕をへし折る。
独歩に靭帯断裂の大ダメージを与えることに成功するが、独歩の右掌底の「上げ突き(アッパーカット)」や左上段の「鉤打ち」といった攻撃によるダメージが蓄積していた影響で有効な追撃が出来ずに苦しむ。
それでもダメージが回復すると突っ張りを独歩に連打するが、その不自然な動作は独歩に不信感を抱かせた。
その不信感は当たっており、不意打ち気味に独歩の負傷していた右肘を蹴り上げると、そこから顔面にぶちかましを行ってダウンを奪った。


ダウンした独歩に対してトドメの四股踏みを当てようとするが、これが不運にも独歩の好む展開であり、逆に蹴りを受けて軸足を刈り取られてしまう。
身体のバランスを完全に崩す猛剣だったが、力士の癖として土には倒れたくないという意地が発生し、ギリギリ踏ん張ろうとする。
この動作を繰り返し続けた末にコサックダンスを連想させるような意味不明な姿が完成し、独歩もこれに対して「……」と眺め続けるというシュールな光景が完成した。いいんスか これ


コサックダンスを展開する猛剣に対し、独歩は介錯というべき決着の一撃として後頭部に前蹴り上げを当てる。
この一撃を受けた猛剣は、己の顔の形の不気味な魂が抜け出るかのような演出が行われるとともに気絶。
猛剣は敗北が決定したが、独歩からは情けとして土に沈もうとした瞬間を支えられ、切断された耳も回収された。


敗北が決まった後に意識を取り戻すと、独歩の「土付かず」にした気遣いに感謝の念を示す。
千切れた耳を持ち帰ろうとする猛剣は外科医を独歩に紹介されるが、「敗けは敗け」と言い出した直後にいきなり転がり始める。



敗けは敗けです

きれいなままじゃ帰れない



背中に地下戦士達の歯が混ざった土をあえて背中に大量に擦り付け、綺麗なままでは帰れないと言い残しながら退場していった。
闘技場から去っていく猛剣の背中に刃牙達が気を取られる中、独歩は余計なおせっかいだったとして猛剣の言い分に同意するのだった。


試合後は同じく試合を終えた他の仲間と観戦をしており、宿禰の四股の様子に驚く様子を見せた。


余談

  • 猛剣の元ネタとなったモデルは元大相撲力士の大関・旭國斗雄ではないかと考えられる。旭國は「相撲博士」という異名を持っていた。

  • 猛剣という印象に残る名前だが、実は四股名において「剣」という単語は様々な事情から使用が避けられる傾向にあったりする。
    ただし、あくまでも避けられる傾向にあるというだけで、実在の力士で「剣翔」がいるなど使われていないという訳ではないので、猛剣という名前は現実的な視点で見て特に違和感がある設定ではない。




ハハ…なんでそんな質問を… (追記・修正を)止める理由が見つからん


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  • バキ道は相撲を通してルールの中での強さ、負けても強く感じさせる試合を描こうとしているように思うが、こいつの試合が一番それっぽい。相撲ルールでは独歩でも勝てそうにないし、喧嘩だと独歩の方が強いんだろうけど、それでも決して弱くないのが伝わってくる感じ。 -- 名無しさん (2020-08-06 01:05:33)
  • 仮に切り落とされたのが耳じゃなくてまわしだった場合この人は負けを認めたんだろうか(不浄負け) -- 名無しさん (2020-08-06 09:49:41)
  • 剣を四股名に使うと言えば、かつて剣晃って力士がいたよなぁ -- 名無しさん (2020-08-06 16:16:39)
  • ↑3 渋川じいちゃんもだけど、試合に勝って勝負に負けたってか痛み分け感がすごい -- 名無しさん (2020-08-06 22:22:22)
  • 互いにリスペクトをしていて終わり方が爽やかな感じなのは相撲編の数少ないいいとこ。スクネは知らね -- 名無しさん (2020-08-07 01:02:46)
  • 相撲って短期決戦だし、使わず仕舞いの引き出しを持て余してたんだろうな。そういう意味では使い道の見つからない古い武術をずっと磨いてきた本部に近い憂いがある -- 名無しさん (2020-08-08 07:17:22)
  • 相撲ルールを守って戦う潔さの巨鯨と博士の流れをぶち壊して何がしたいんだろうか作者は -- 名無しさん (2020-09-03 16:14:50)
  • 猛剣カッコいい力士だったな… -- 名無しさん (2020-11-02 18:34:25)
  • 独歩ちゃんメチャクチャ苦戦したけどもしかしてゆうえんちで闘り合った龍金剛と同等以上の強さだったのかな -- 名無しさん (2020-12-13 10:48:30)
  • 関節技って地味だけどエゲツないな -- 名無しさん (2020-12-13 11:49:00)

#comment(striction)

*1 顔のパターン的には板垣版「餓狼伝」の君川京一に近い

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