バトラクスキャット

ページ名:バトラクスキャット

登録日:2020/08/01 (土曜日) 2:20:00
更新日:2024/05/20 Mon 13:34:48NEW!
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当項目を見ているアニヲタ諸兄は南米の怪魚と言われて何を思い浮かべるだろうか?


ある人は人食い魚として知られるピラニアカンディル、ある人は世界一巨大な淡水魚ピラルクー
ある人は放電魚デンキウナギ…そう答えるだろう。


だがこれらの魚は人間にとっても危険だったり、
とてつもなく巨大になるので膨大な資金や設備が必要となったりで
結局は一般家庭の飼育には向かず、水族館で見るにとどめておくべきである。


しかし!


そんな南米の怪魚の中にはそれほど巨大な水槽や特殊な設備を用意せずとも飼育できてしまえる怪魚がいる。



それがこのバトラクスキャットである。


概要と生態

学名はAsterophysus batrachusであり、バトラクスキャットという名前はこの学名から付けられている。


存在自体はマニアの間でかなり前から知られていたが日本のアクアリウム業界に
初上陸したのは2002年頃であり、なんと当時は200万というとんでもない値段であった。
理由は当時の輸送技術が進んでおらず、死着が多かったのと深い水域にいることから
あまり纏まった数が捕獲できなかった為で正に幻のナマズだったのだ。
現在は輸送技術も進んだことや生息環境もある程度把握されていることから
まとまった数が捕獲・入荷されるようになり、
成魚は1万近くいくこともあるが幼魚であれば1万もいかないことの方が多く、
高額であることに変わりはないものの昔に比べれば比較的手頃な値段で買えるともいえるだろう。
とはいえ、珍しい種類のナマズであることに変わりはないので熱帯魚屋でも
そうした方面の種類に強い本格的なところじゃないと入荷しないが…


コリドラスの仲間やプレコの仲間と同じく南米に生息するナマズの大グループの一つ、
アウケニプテルス科に属するナマズの仲間であるが特徴的なその外見から一見すると同じ仲間とは思えない。
その見た目から一見するとかなり大きいナマズに見えるが実際は最大でも25㎝程度と
アウケニプテルス科では大型種だがナマズ全体の中では中型種に相当する。
アマゾン川やネグロ川でもかなり深いところに生息しており、
小さい目と後述する頭部のほとんどを占めた巨大な裂けた口とまるで深海魚のような特徴を備えているのが特徴。
その巨大な口に反して小さい目、まん丸な腹部という見た目もあってマスコットのような可愛い印象を抱くかもしれない…




…のだがこのバトラクスキャット、生息環境の関係からか大食いかつ極めて貪欲な性格であり、
自分より小さい魚は勿論、自分と同じ大きさの魚、時には自分より大きな魚をも飲み込んでしまう。
これは彼らの生息している環境が浅い水域に比べて餌に乏しい為。
彼らに限った話ではないが淡水、海水問わず餌に乏しい深い水域では
餌のえり好みをしては生きていけず、一度逃せばいつ餌にありつけるかもわからない。
そこで見つけた魚は自分より一回り大きい程度なら手当たり次第にでも
飲み込もうという習性が身に付いたというわけである。
後述する通りその習性の関係で混泳はまず不可能。


学名から付けられたバトラクスキャットの他にその大口から
gulper catfish(ヒゲクジラナマズ)、中国語では大嘴鯨とも呼ばれている。




飼育

生の魚さえ確保できれば後は簡単。普通の熱帯魚を飼育する感覚で飼育できる。
慣らせばピンセントどころか直接手からも食べさせられるようになる。
しかしながら何度も述べた通り生息環境の関係で餌に関して非常に貪欲であり、
魚の体型や柔らかさにもよるが大抵の場合自分より一回り大きな魚でも折り曲げて無理やりにでも丸呑みにしてしまう。
正に生きたブラックホールである。


彼らにとって他の魚は単なる餌に過ぎず、同族以外との混泳は不可能といっても過言ではない。
事実、20cm程度のバトラクスキャットが30㎝のシルバーアロワナの幼魚や同じく30㎝程のブラックゴーストを
飲み込んだという事例すら存在する。
慣らせば人工飼料も食べるようになるが口の形の関係で沈んだ餌は食べ辛いので浮上性の人工飼料に餌付かせるのがオススメ。


時折フグのように膨らんだり、かと思えば病気でもないのに腹を上にして寝たり
他のナマズでは見られない奇妙な行動をとることがあり、これもバトラクスキャットを飼う時の楽しみの一つかもしれない。
後者はかなり焦るけど。



ちなみに食べるのを見るのが楽しいからと大量にあげると嘔吐して水質を急激に悪化させる原因になる。
あまりに大きすぎる魚を食べさせた場合は消化不良を起こして体調を崩したり
最悪窒息して共倒れになるので注意。
勿論プレコやコリドラスも混泳させてはいけない。
何故なら、丸呑みにしたはいいが体内で背ビレや胸ビレをつっかえ棒のようにされて
飲み込もうにも呑み込めず、かといって吐き出そうにも吐き出せず…という状況が続いて
これまた共倒れの恐れがある為だ。


また、皮膚が弱いためか白点病になりやすいので病気を防ぐために水温を高めにしておき、
それでもなってしまったらごく薄い塩水にして様子を見ること。




近縁種

アウケニプテルス科の種類では比較的メジャーな小型種のタティアや
中型種のウッドキャットとジャガーキャットが存在する。
こちらはバトラクスキャットよりも手頃なことが多いので手に入れやすいか。




追記・修正は大きな魚を丸呑みしてからお願いします。


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  • パラドクスキャット? -- 名無しさん (2020-08-01 13:49:07)

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コメント

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