死者の原野/Field of the Dead(MtG)

ページ名:死者の原野_Field of the Dead_MtG_

登録日:2020/07/04 (土曜日) 20:23:04
更新日:2024/05/20 Mon 11:10:31NEW!
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mtg マジック・ザ・ギャザリング 禁止カード magic: the gathering 土地 ランプ ゾンビトークン 基本セット2020 死者の原野 ゴロス・ランプ スケープシフト



《死者の原野/Field of the Dead》とはマジック・ザ・ギャザリング基本セット2020に収録された土地カードである。


死者の原野/Field of the Dead
土地
死者の原野はタップ状態で戦場に出る。
(T):(◇)を加える。


死者の原野か他の土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたが名前の異なる土地を7つ以上コントロールしている場合、黒の2/2のゾンビ(Zombie)・クリーチャー・トークンを1体生成する。



概要

条件こそ重めだが、満たせば土地セットだけでトークンが湧き出てくる特殊土地。タップインとはいえマナ能力もある。
過去のカードで言えば《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》に近く、あちらは3点火力を投げるため即死を取りやすく、こちらは2/2クロックを用意できるのでじっくり殴るのに向いている。


最大の強みは終盤は腐るはずの土地や土地サーチもトークン生成カードとして機能するようになる点。
これにより本来ならあまりに多く積むと事故要因になるはずの土地や土地サーチカードを多めに積んでも安定性がますばかりか自然と地力が付いたデッキが仕上がる。
もちろん土地サーチは基本土地以外をサーチできるカードでなら《死者の原野》も対象にできるので、自然とコンセプトも成立するだけでなく複数枚並ぶことになる。
能力が土地枠で完結しており《死者の原野》が複数並べば生成トークン数も増えていく。手を出す手段が限られる土地故に対処が非常に困難な状況下で、土地一枚セットで2/2トークンを3〜4体作り出すことも珍しくない。


それに伸ばした土地からのマナは手つかずなので、《ハイドロイド混成体》や《不屈の巡礼者、ゴロス》等に注ぎ込むことでさらなるアドバンテージを得られる。


総じて相応の手間こそかかるものの、土地カード故に妨害や事故にも強いことから長期戦・消耗戦になればなるほど強くなるタイプのカードであり、このカードをメインに据えたデッキは非常に強力なものとなり、環境でも大きな結果を出した。
助けてっ!結果を出しすぎてコントロールちゃんが息をしてないのっっ!!



活躍

スタンダード

《死者の原野》デッキは登場から禁止まで一貫してスタンダードのトップメタに君臨し続けた。
スタンダード環境では神に匹敵・凌駕する《王冠泥棒、オーコ》を擁する全盛期の食物デッキが二番手に甘んじていたと言えばその凄まじさがわかるだろう*1
ローテーションに伴い【スケープシフト】と【ゴロス・ランプ】という2タイプのデッキが存在する。


  • 【スケープシフト】

風景の変容/Scapeshift (2)(緑)(緑)
ソーサリー
望む数の土地を生け贄に捧げる。あなたのライブラリーから、その数以下の枚数の土地カードを探し、それらをタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。

《風景の変容》による大量土地サーチを利用したコンボデッキ。
モダン(とエクステンデッド)には既に同様のギミックで《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》と山を大量に出して20点以上の火力で即死を取るデッキがあり、そのフィニッシャー枠を《死者の原野》に変えたものが、基本セット2019が落ちるまでの短期間スタンダードでも成立していた。


土地が戦場に8枚あるときに《風景の変容》を唱え、《死者の原野》2枚+名前の異なる土地6枚を戦場に出せば16体のゾンビトークンが生成される。
土地7枚の時に唱えても2/2が7体。ショックランドが環境に存在した関係でこれでもライフを削りきれることもあった。
緑白青のバントカラーが主流で、《時を解す者、テフェリー》の[+1]能力で相手の終了ステップに《風景の変容》を唱える動きが強力。
対戦相手はテフェリーの常在型能力により妨害すらできずにゾンビに蹂躙されることになる。
この【バント・スケープシフト】はグランプリデンバー19で優勝者を含むTop8の半数を占めるほどの活躍を見せた。
プレイデザインチーム「計画通り」*2


しかしその後現れた、《隠された手、ケシス》をキーカードとした【ケシス・コンボ】には、コンボ成立ターンの問題で大幅不利。
ローテーション直前に行われた日本選手権では【ケシス・コンボ】がワンツーフィニッシュを決める一方で、《死者の原野》を使うデッキはトップ16までに1つも存在しなかった。
こうしてスタンダードプレイヤーたちの間では「そういえばそんなカードもあったね」と忘れ去られるカードで終わるかと思われたのだが…



  • 【ゴロス・ランプ】

不屈の巡礼者、ゴロス/Golos, Tireless Pilgrim (5)
伝説のアーティファクト クリーチャー — スカウト(Scout)
不屈の巡礼者、ゴロスが戦場に出たとき、あなたは「あなたのライブラリーから土地カード1枚を探し、そのカードをタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。
(2)(白)(青)(黒)(赤)(緑):あなたのライブラリーの一番上からカードを3枚追放する。このターン、あなたはそれらをそれらのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。
3/5


むかしむかし/Once Upon a Time (1)(緑)
インスタント
この呪文があなたがこのゲームで唱えた最初の呪文であるなら、あなたはこれを、これのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
あなたのライブラリーの一番上からカードを5枚見る。あなたはその中からクリーチャーか土地であるカード1枚を公開してあなたの手札に加えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。


ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis (X)()()
クリーチャー — ビースト ハイドラ クラゲ
あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたはXの半分の点数のライフを得て、カードをXの半分の枚数引く。それぞれの端数は切り捨てる。
飛行、トランプル
ハイドロイド混成体は、+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。
0/0


《風景の変容》のスタン落ちに伴って出現した【スケープシフト】の後継デッキ。
《不屈の巡礼者、ゴロス》による《死者の原野》のサーチを主軸としている。
エルドレインの王権で新たに土地サーチも兼ねた《むかしむかし》等の強力カードも獲得。
やはりバントカラーが主流だが、《創案の火》を採用した4色タイプ、除去を多めに搭載した黒緑青のスゥルタイタイプも存在する。


【スケープシフト】ほどの爆発力はないが、そちらを越える安定性と長期戦の強さからミッドレンジ、ランプ、コントロールデッキに対し有利をつけ、トップメタとしての立場は揺るがなかった。
ミシックチャンピオンシップロングビーチ19秋ではゴロス採用型の《死者の原野》デッキが全体の3割ちょっとを占めることに。
当然警戒されメインデッキから強烈にメタられるなどトップ8には1人しか残れなかったが、準優勝する結果を残した。
その1週間後にメタゲームを歪めている要因として《死者の原野》は禁止カードに指定されることとなった。
こうしてある一枚のカードを補佐するために生まれた存在は、失敗作としてスタンダードから追放されるのであった。
プレイデザインチーム「ん?まちがったかな?」



パイオニア

【ゴロス・ランプ】をベースに《不屈の巡礼者、ゴロス》の代わりに《約束の刻》を採用したデッキが存在する。

約束の刻/Hour of Promise (4)(緑)
ソーサリー
あなたのライブラリーから土地カードを最大2枚探し、それらをタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。その後、あなたが砂漠(Desert)を3つ以上コントロールしているなら、黒の2/2のゾンビ(Zombie)・クリーチャー・トークンを2体生成する。

基本は【ゴロス・ランプ】と同じだが【スケープシフト】のギミックを仕込むこともでき、マナの注ぎ先も豊富。スタンダードほどではないが大会でも良い結果を残している。
環境のコントロールデッキを抑圧していることを理由に、パイオニアにおいても《死者の原野》が禁止カードに指定された。



モダン

原始のタイタン/Primeval Titan (4)(緑)(緑)
クリーチャー:巨人(Giant)
トランプル
原始のタイタンが戦場に出るか攻撃するたび、あなたはあなたのライブラリーから最大2枚までの土地カードを探し、それらをタップ状態で戦場に出し、その後、あなたのライブラリーを切り直してもよい。
6/6

《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》に近い性質を持つため、お馴染み土地の巨人こと《原始のタイタン》との相性が良く、
【タイタン・シフト】や【アミュレット・タイタン】、【ヴァラクート】等のデッキの追加の勝ち筋として《死者の原野》が採用されている。


テーロス還魂記で登場した《イリーシア木立のドライアド》と組み合わせ、《原始のタイタン》が出るだけで土地が伸びダメージを飛ばしゾンビが出てくると、《原始のタイタン》+《業火のタイタン》+《墓所のタイタン》の3つのタイタンを合わせたような大惨事に。
挙句の果てには「こいつは《ジャンドのタイタン》だ*3」などと言われることとなった。
最終的には原野を採用した【オムナス・ランプ】が環境トップに君臨した結果、モダンでも禁止カードに指定された。



ヒストリック

ほぼMTGアリーナ専用フォーマットのヒストリックにおいて、スタンダードでの禁止指定にともないサスペンド(暫定的な使用禁止)されるが、《幽霊街》などの対策カードの収録とともに一度は解禁される。
解禁後はスタンダードほどではないが死者の原野を使ったデッキが高Tierの一角として存在し続けており、やはり長期戦において圧倒的な強さを誇っていた。
その後カードプールに《耕作》や《探検》といった強力な土地加速カードが追加される度に大幅に強化されていき、ついにはパイオニアでも大暴れした《約束の刻》までもが加わったことで文句なしの最強カードと化してしまう。
もはやメタゲームが健全さを取り戻すのは不可能と判断され、2020年8月24日付で《死者の原野》はヒストリックの禁止カードに指定された。




禁止後のスタンダード

2019年10月21日(11月18日の予定から繰り上げ)の禁止改定にて《死者の原野》はスタンダードの禁止カードに指定された。
《死者の原野》だけが。
これにより一切のダメージを受けなかった環境二番手、《王冠泥棒、オーコ》を擁する食物デッキがトップメタへ駆けあがり、環境を席捲。
オーコの秋が訪れることになるのはまた別の昔話。





あなたが名前の異なる土地を7つ以上コントロールしている場合、黒の2/2の追記・修整・トークンを1体生成する。


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  • 3枚も禁止出した基本セットって2020だけかな流石に… -- 名無しさん (2020-07-04 21:29:32)
  • 大会ではそこまで圧倒的一強という訳でもなかったけど、どのプレイヤーもマジで同じようなプレーしかしないのが問題視されたカード。マナ加速してPW添えて土地ぽんぽん置くだけである程度勝ててしまうから -- 名無しさん (2020-07-04 22:09:32)
  • 土地だから対策がほぼ不可能で、しかもプレイングを拘束しないのがヤバかった -- 名無しさん (2020-07-05 03:44:11)
  • ヒストリックの状況を見る限り特殊地形対策さえあれば正常な強さを発揮できるのだが如何せんWotCが土地破壊カードを環境から根絶したのが悪かった -- 名無しさん (2020-07-05 14:02:29)
  • 全ての特殊地形を生まれる前に山にしてしまいたくなる -- 名無しさん (2020-07-05 15:49:42)
  • 山にするのは可愛そうだから、すべての特殊地形がタップしなくなるようにしたい。モダンで -- 名無しさん (2020-07-06 10:12:44)
  • デッキレシピ見てると「名前が異なる土地7つ」って条件が緩すぎたんだろうなって思うわ。ヴァラクートが山絡めて2色でやりくりしてる横でそこら辺の制限がないわけだし -- 名無しさん (2020-07-06 10:38:14)
  • 特殊土地対策があんまり簡単だと多色デッキが死ぬし、土地破壊が安いとアグロと土地破壊デッキ以外が全滅するぞ -- 名無しさん (2020-07-06 15:05:00)
  • ただでさえショックランド+占術ランドで多色化が容易な環境なんだから、多色対策兼ねて簡単な特殊土地対策は必須だったと思うぞ -- 名無しさん (2020-07-06 15:52:39)
  • モダンの抑止力だったバントコンが大幅弱体化してまたこの土地を見る日も増えそう -- 名無しさん (2020-07-15 09:55:37)
  • ジャンドタイタンに限った話でなく、フェッチ置いて切ったら2/2が2体出るってだけで大概おかしい性能してた -- 名無しさん (2021-02-17 21:21:41)
  • スタンの頃の一番の問題は、ローテ後。イクサラン、M19が落ちてからまともな特殊地形対策カードが全く無かったこと。だから原野置かれたらもうどうしようもなかった。廃墟の血、血染めの太陽、高山の月といった対策カードが使えなくなったんだからな。テーロス還魂記で廃墟の血は返ってきたが同時にウーロという化け物も追加されたから対策あってもどうしようもなかっただろうがね。 -- 名無しさん (2021-05-24 13:58:33)

#comment(striction)

*1 相性の悪い高速アグロが食物デッキにより抑制→結果として理想の仮想敵でありミッドレンジよりの食物デッキが相対する場面が増えていたことも大きい
*2 《死者の原野》は再録されたものの空気だった《風景の変容》を活躍させるためにデザインされたカードである
*3 ジャンドは緑赤黒の色の組み合わせ

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