登録日: 2020/05/18 Mon 20:35:40
更新日:2024/05/17 Fri 13:13:37NEW!
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scp scp foundation djkaktus acs 削除済 2001年09月11日 霊的実体
私のアパートからは世界貿易センターと、まさにそれが消えゆく光景が見えました。彼らがタワーへ突撃したのです。それはアメリカの知恵と力と労働と想像力のシンボルであり、そしてそれは無くなりました。
ですが今の光景がどのようなものかご存知でしょうか?自由の女神です。マンハッタン南からの光景は今では自由の女神像なのです。その光景に勝るものなどありません。
─── ジョン・スチュワート
どれだけ不明瞭だとしても、差し伸べられた救いの手と、救われた命は確かに
SCP-4911はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)の一つである。
現在は削除済で別のオブジェクトにさしかえられている。
オブジェクトクラスはPENDING。このオブジェクトのみに付与されたクラスであり、現在議論中という意味である。
概要
コイツが何かというと、2001年09月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件中に発生した、二体の霊的異常存在である。
前者がSCP-4911-A、後者がSCP-4911-Bと呼称されるが、9.11事件以降発生が確認されていないため、この記事では読み取れる情報を元に、過去形の文を交えて記述する。
この二体は僅かな映像や画像でしか確認できておらず、物理的証拠も発見されていない。しかし当時そこに居合わせた人々(救助者・消防士含む)の多くが彼らと接触、或いは目撃している。
しかしながら、A個体の写真が複数ある一方で、B個体の写真は僅か一枚しか存在しない。詳しくは後述。
SCP-4911-A
SCP-4911-Aは、30代前半の短い金髪女性と思われる存在。見た目は消防士のように見えるが、実体を持つとは考えられていない。
テロの発生中、複数の箇所に、同時に出現し救助者を避難誘導したり、道に迷ったレスキュー隊員たちを救助者の元へ導いたとされる。火災による煙や瓦礫の粉塵の影響は受けなかった模様。
補遺4911.1:インタビュー
[ログ開始]
Agt.パリッシュ: あなたが最近の面談の際に何か普通ではないものについて話したことをジュノー先生が教えてくれました。
S.クインシー: ああ、俺は ─ それが奇妙なことだったかどうかはわからないが、ただ……それが話す価値のあることだとは思ったんだ。
Agt.パリッシュ: あなたが見たことについて教えて頂けますか?
S.クインシー: あー、分かった。俺はただ─ (間) 俺は隊の連中から離れ離れになってさ、知ってるよな、それで俺は確か……81階くらいで止まったんだ、確かな。
俺はそこに誰かがいるのか見ようとして登ったんだが、アンタですら見たことないくらい煙が酷く濃くなった。俺は息すらできなかった。つまりマスクをしてて、そいつが役に立たなかったってことだ。
俺は…… (間) 俺は参っちまって、しかも見ることもできなかった、だから俺はこのオフィスを見つけてそっち側に向かってデスクの下に潜って、それからただ ─ ただ待機した。
Agt.パリッシュ: それから何が起こりましたか?
S.クインシー: そこではこの……わからない、この音が場所全体に鳴ってて、今ならそれがビルが俺の上で歪み始めてる音だってわかるが、俺はその音以外何も聴こえなかった。俺の声すら聞こえなかったんだ。それで気が付いたら俺は新鮮な空気を吸ってて、またもう1回吸っていた。
見上げるとこの金髪の娘が見えて ─ この女だ、デスクの外で俺の前にしゃがんでたんだ。彼女はゴーグルを付けて髪を上に束ねていたのに、道具一式身も手袋も、何もかも身に着けていた。
彼女は「ここは安全じゃないから、こっちに来て」と言って、俺に手を差し伸べてきた。どうやって俺が彼女の声を聞き取れたのかはわからない ─ その、音はそれでも耳が狂うくらいうるさかった、でも俺はその女が話しかけているのが聞こえたんだ。
対象は深く息をつき水を飲む。
S.クインシー: 失礼。なんにしたって俺は残されたくなかったし、煙の中にも戻りたくなかった、でも彼女は自信ありげに見えたしそれに……わからない。俺は彼女を信じた。俺はマジで死にそうなくらい怖がってたんだが、この娘は俺がこうなる必要なんてないとわかってるって俺は信じた。
俺はデスクの下から出て初めて本当にしっかりと彼女のことを見た、そしてそれはどこか……わからない。それはまるで彼女が全くそこにいないようだった、なあ?俺にはわからない、多分煙か熱とか何かだったんだろう。
どちらにせよ、彼女は灰と埃に塗れていて疲れ切っているように見えた。だが俺は彼女に付いて外に出て、彼女は下に降りる階段の方を指差して「下に助けの要る人たちがいる」と言って、それから次の階への階段の方に走り去った。
Agt.パリッシュ: あなたは彼女が奇妙に見えたと言いました ─ それについてはどういう意味で言ったのですか?
S.クインシー: それはまるで……まるで彼女が透けて見えるようだった、ほとんどな。彼女の縁も同じように少し変だった。彼女は縁だけがほとんどハイライトされてるように見えた。(間)
まるで彼女が……わからない。彼女をどうやって説明したらいいものか俺にはわからない、だがそれが俺の見たことだ。
Age.パリッシュ: わかりました。それからどうなりましたか?
S.クインシー: 俺は ─ 俺は下に戻った。3階下にファイルキャビネットの下で身動きの取れない男がいて、俺は彼を助け出した。他にももっと上の火が最悪なことになってる階から降りてきた奴がいて、あの女のことを訊いてみたら彼も彼女を見たと言って、あの懐中電灯で人々を煙の外に誘導していたらしい。
俺たち全員が外に出た。それから、あー……(間) それからタワーが崩れた、そのちょっと後に。(間) ああ。タワーが崩れたんだ。
Agt.パリッシュ: 再度その女性を見ることはありましたか?
S.クインシー: いや。俺は……彼女は恐らく……いや、見ていない。
Agt.パリッシュ: ありがとうございます、我々が訊きたいことはそれで全部かと思います。
[ログ終了]
SCP-4911-B
SCP-4911-Bは、ローブのような服装を纏った、黒い長髪女性と思われる存在。目の回りに包帯のような布を巻いていたらしい。
救助活動中に消防士らが目撃した。
B個体の異常性なのだが、彼女がビルに体を向けると、体から光を溢れさせ、ビルから落ちていく人々を安全に地面に降り立たせたらしい。
B個体のデータは以上である。その後、B個体を捜索した隊員たちは全員死亡しまったが、どういうわけか第4世界貿易センタービルに置かれていたゴミ箱に、B個体を撮影したカメラが放り込まれており、後に財団が発見したため確認されることとなった。
補遺4911.3:SCP-4911-Bに関する証言
[ログ開始]
ハリス指揮官: えーえー、司令部──
司令部: こちら司令部。
ハリス指揮官: ここの下に ─ あー、何か奇妙なものがいる。双眼鏡では、世界貿易センタービルの1つの隅に1人の ─ 1人の女性が立って ─ 立っているのが見える。
司令部: 確認する、タワーの上に女性が1人立っていると言ったのか?
ハリス指揮官: (雑音) ──タワーの上に、彼女はその1つの、その、あー、あのビルは何だ?おい、あのビルは何だ?(間) わからないが、この建物は第3ビルだと思われる。我々は彼女に降りるよう声掛けしてみたが、彼女に声が届くとは思えない。
司令部: その女性は何をしている?
ハリス指揮官: 彼女は、あー、彼女ただそこに立っていて、タワーの方向へと両腕を、あー、差し伸べている、まるで祈るか ─ 何かしているようだ。
司令部: 我々は ─ 我々はそちらへ誰かを送る予定だ。その女性を説明できるか?
ハリス指揮官: ああ、彼女は ─ 彼女は、あー ─ 黒い長髪だ。彼女はこんなような、本当に緩い見た目の服を、まるでローブか何かのようなのを着ている。(間) それと彼女は、あー、彼女は目の周りに包帯を巻いている、そう思う。布のようなものを。(雑音)
司令部: もう一度言ってもらえないか?
ハリス指揮官: 彼女は、見ろ、あの女は輝いている、そう思う。私はあれがただの光だと思っていた、だが我々は彼女が─ (雑音) ─煙の中で、だがそれでも彼女は ─ 我々は彼女が見えている。(間) ああ、神よ、落ちている ─ 落ちている奴が1人 ─ 彼が (雑音)
司令部: もう一度言ってくれるか、指揮官?
ハリス指揮官: あの女は、彼女はタワーへと向いていて、彼女が何をしているのかわからない、だが人々が炎から ─ 飛び降りていて、彼らは落ちている、それから激突して (数秒間の間) 彼らが地面に激突する前にどうにも ─ 光っている、少しの間だけ。そして彼らがそうなっているとき、あの女はまるで─ (傍らに向かって) ああ、クソが俺だってわかってる、見ろ ─ 見ろ!(ラジオへ向かって) 彼女が光り始めた、そして点滅して、それで─ (雑音) ─彼らは地面に激突してる。わからない……無事なんだと─ (雑音) 感じるんだ、俺たちは無事なんだ、彼女は─ (雑音) ─慈悲だ、そんなふうに感じるんだ、それでそれは ─ それはとても良い、私は─ (雑音)
司令部: 聴こえないぞ、指揮官、壊れているのか。
ハリス指揮官: (雑音) ─一団が彼女を降ろしに登る、我々はあの中へ向かう必要が─ (雑音) 他の人物が─ (雑音) ─もちろん彼女は大丈夫だ。我々が向かっている。
[ログ終了]
最後に
さて、肝心なことを繰り返すが、この二つの異常存在は9.11以降全く姿を見せていない。あくまであのテロ現場にしか出現していないのである。理由は一切不明であり、記載されている情報も当時そこに居合わせた隊員や救助者のものがほとんどなのである。
しかしながら、彼女たち二人に共通する点がある。
それは、彼女たちがあの日あの場所に居合わせた人々を一人でも多く救ったということである。
どれだけ不明瞭な存在だとしても、彼女たちによって救われた命が存在していることは、紛れもない事実なのである。
........もしニューヨークが、また未曾有の危機に陥った時、その時彼女たち二人がまた現れるかもしれない........
SCP-4911
2001年9月11日
あの悲劇を忘れないためにも、追記・修正お願いします。
▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示
SCP-4911 - 2001年9月11日
by djkaktushttp://www.scp-wiki.net/scp-4911
http://scp-jp.wikidot.com/deleted:scp-4911(翻訳)
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- 最初期のSCPっぽい感じで悪くない。シンプルで普通の都市伝説と変わりない感じ。 -- 名無しさん (2020-05-18 21:30:06)
- ところどころ構文がおかしいけどもしかして未完成? -- 名無しさん (2020-05-18 21:53:01)
- 修正しました -- ortor (2020-05-18 22:51:16)
- ↑それでも違和感が強かったから手直ししたよ。 -- 名無しさん (2020-05-18 23:04:56)
- ほぼそっくりそのまま転載で考察とかもないし、難解なSCPを解説してるわけでもないし、いまいちこっちに建てる意義があるのかわからんというか転載部抜いたら立項基準満たさない気が -- 名無しさん (2020-05-18 23:48:50)
- 番号はfor 9.11ってことね -- 名無しさん (2020-05-19 18:26:02)
- Aは自由の女神(懐中電灯を掲げて人々を脱出させたのはドラクロワの民衆を導く自由の女神のイメージだろう)。Bは裁判所などによく像がある正義の女神。ただ飛び降りた人を物理的に救ったかどうかは疑問。 -- 名無しさん (2020-05-20 11:29:09)
- 現実の事件に幽霊が助けに来てくれたってだけだしあんまり面白味は感じなかった -- 名無しさん (2020-05-29 01:09:55)
- ↑2それ、解説として載せたほうが面白そう -- 名無しさん (2020-06-19 16:58:21)
- 「they hit the ground.」と言ってるから飛び降りた人は確かにそのまま地面に激突している。ただし「alright」だと感じられ、それを「mercy」だと思っている。天国に行けるように罪を清めているとか、自殺ではないと赦しを与えているかなんじゃないだろうか。 -- 名無しさん (2020-07-30 17:46:26)
- 要するに、本部版SCP-1983-JPな訳だ。これは俺たちにピンと来なくても仕方がない。 -- 名無しさん (2020-11-16 15:05:56)
- 当時からアメリカ在住だけどピンとこないのは同じ。それこそ親戚とかを当時件失った人とかでもなければ微妙に感じるんじゃないだろうか -- 名無しさん (2021-06-05 03:02:47)
- どうやら現在削除されて(作者の自主削除っぽい?)別の記事に変わっている模様。 -- 名無しさん (2021-07-16 04:17:59)
- http://scp-jp.wikidot.com/deleted:scp-4911 -- 名無しさん (2021-09-10 08:45:40)
- 項目名、リンク修正済です。 -- 名無しさん (2021-10-25 16:08:59)
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