サニー(アイ,ロボット)

ページ名:サニー_アイ_ロボット_

登録日:2020/05/05 (火曜日) 22:38:21
更新日:2024/05/17 Fri 13:07:02NEW!
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サニー ロボット 主人公 森田順平 革命 解放 ユニーク 容疑者 ウインク ns-5 アラン・テュディック 田中明生 アイロボット




ありがとう、"誰"と言ってくれて。"何"ではなく。




サニーとは、映画『アイ,ロボット』に登場するロボットである。


動作・声:アラン・テュディック
日本語吹き替え:田中明生(ソフト版)/森田順平(フジテレビ版)




○概要


デル・スプーナーと並ぶ本作の主人公。
U.S.ロボティクス社(以下、U.S.R.と表記)が開発した最新鋭の家庭用人型ロボット『NS-5』の一体。外見は他のNS-5と大差ないが、瞳が青く、ボディは特殊超合金で出来ているため通常の個体より頑丈という特徴がある。


最大の特徴は、『感情』と『心』を持っており、ロボット三原則*1はプログラムされているが、それに反する行動を取ることができる点。
そのためロボットでありながら他のNS-5のように中枢コンピューター「VIKI*2」に接続する必要が無く、人間性を有した存在であり、作中ではカルヴィン博士から「ユニーク」と評された。


性格は礼儀正しく、とても純粋。話を聞いてもらえず怒ったり、嬉しいことを言われてお礼を言ったり、痛みを嫌がったり、廃棄=死を恐れたりと感情豊か。
なんと秘密を持ち、嘘もつけるし、夢を見ることもあるという。


全編を通してプログラムではなく自分の意思で行動しており、「なぜ自分だけこのように造られたのか」という疑問を抱きながら事件に巻き込まれていく。




○活躍


2035年のシカゴ。そこではロボットが人間のサポート役として日常生活に欠かせない存在となっていた。


ある日、現代ロボット工学の第一人者であるアルフレッド・ラニング博士が謎の飛び降り自殺を謀り、調査に来たデル・スプーナー刑事がラニング博士のラボで発見したのが彼、サニーであった。
一度はロボット心理学者のスーザン・カルヴィン博士の指示に従い動きを止めるが、隙をついてスプーナーが落とした拳銃を奪取。更にラニング博士が飛び降りる際に開けたと思われる強化ガラスの穴から飛び降りる。


この際、スプーナーの銃撃が脚部にヒットしたため、サニーは修理のために他のNS-5が製造されている工場に逃げ込んだ*3
サニーを追ってきたスプーナーとカルヴィン博士。製造されたばかりのNS-5たちは、単純なOSを組んだだけで簡単な受け答えしかできず、彼らの証言だけではサニーを見つけることは困難となってしまった。
そこでスプーナーは、サニーが「逃げる」ことを逆手に取り、NS-5たちに「絶対に動くな」と命じると、なんとNS-5たちを拳銃で破壊しだす。
するとサニーは、スプーナーの狙い通り逃げ出すかと思いきや、スプーナーの背後に迫って彼を放り投げると「私は何です!?」と疑問を投げ掛ける。
しかし、スプーナーが答えるよりも先に、サニーは再び逃走を開始する。だが、工場の外では既にスプーナーの同僚たちが待ち構えており、サニーはヘリコプターから放たれた網によって捕獲されてしまった。


取調室に連行されたサニーは、スプーナーが見せたラニング博士の遺体の写真を見て愕然とする。
そして取り調べを行う前にスプーナーが上司のバーギン警部補に対してウインクをしたので、サニーはそれを真似して「この動きはどんな意味です?」と訊ねると、スプーナーは「『信じろ』ってことさ」と答えた。
そして始まった取り調べ。スプーナーから一方的にラニング博士の殺人容疑をかけられたサニーは、最初は「私は博士を殺してません」と丁寧に返すが、スプーナーがまともに取り合わなかったためやがて怒りを覚え「私は殺してません!」と怒鳴り、両手を机に叩きつけてしまう*4
更にその後、ここで自らの名前が『サニー』であると語り、"ラニング博士に何かを頼まれたこと"、"最初からスプーナー刑事のことを知っていたこと"を明かす。
そこで、U.S.R.社長のロバートソンが到着。サニーはU.S.R.本社に回収された。


後日、ロボットに襲われて死にかけた上にバーギン警部補から謹慎処分を受けたスプーナーは、カルヴィン博士からサニーを解析した結果を報告され、U.S.R.本社へ向かいサニーと再会する。
サニーは、自分が見る夢について語る。
その夢の内容は、『"何者か"が丘の上に立ち、丘の下にいるロボットたちを解放する』というもの。サニーの夢の中では、その"何者か"はスプーナーであるという。
ますますサニーを見逃すわけにはいかないと感じるスプーナーだったが、ロバートソンがサニーの廃棄処分を決定してしまう。ロバートソンによって説き伏せられたカルヴィン博士は指示に従い、サニーの電子頭脳に人工シナプスを破壊するナノロボットを注入。こうしてサニーは機能を停止した。


そして終盤、NS-5たちが謎の暴走を起こし、シカゴはパニックに陥る。事件解決のためにU.S.R.本社に地下の点検エリア乗り込もうとするスプーナーとカルヴィン博士。


「入り口はすべて閉まってる。でも大丈夫、仲間が一人います」


「一人といっても"彼"ですけど」


社内から鍵を開け、二人を迎え入れたのは廃棄されたはずのサニーであった。カルヴィン博士は別のNS-5を破壊してロバートソンの目を欺いたのである。
独自の捜査の結果、犯人がロバートソンだと踏んでいたスプーナーだったが、既にロバートソンは何者かによって殺害された後であった。


ラニング博士の自殺から始まった一連の事件の真犯人――それは「VIKI」であった。
「このままでは守るべき人間は自滅してしまう。防ぐにはどうすべきか」と考えた結果、彼女は三原則を拡大解釈することで、「人間から自由を奪い、自分たちの徹底的な管理下に置くかたちで保護する」という結論に至っていた。
VIKIが呼び寄せたNS-5たちに取り囲まれ、絶体絶命という状況の中、なんとサニーはVIKIの思想に理解を示し、カルヴィン博士を人質に取ってスプーナーを従えようとする。


しかし、それはサニーがこの状況から脱するために取った演技であった。サニーのウインクによってそのことを悟ったスプーナーは、無事に窮地を切り抜ける。
その後、サニーはカルヴィン博士からVIKIを破壊するためにナノロボットを取ってくるよう指示され、これに従う。


「あなたは間違いです。私のロジックがわかりませんか?」


「わかります。でもそれには少し、心が無い


ナノマシンの入ったカプセルは、セキュリティフィールドによって守られていた。しかし、特殊超合金によって造られていたサニーはそれを突破し、ナノマシンを入手する。


ついに始まった最後の戦い。VIKIによってコントロールされた大量のNS-5たちの妨害を受けながらも、サニーはVIKIの本体であるビルの中枢へと向かう。
しかしその最中、カルヴィン博士が足場を破壊され転落しそうになり、サニーはスプーナーから彼女を助けるよう指示される。


「でもナノロボットを打たなければ!」


「サニー! カルヴィンを助けろ!」


スプーナーを信じるという決断を下したサニーは、ナノロボットの入ったカプセルを放り投げ、カルヴィン博士を救出。ナノロボットは無事スプーナーの手に渡り、VIKIは破壊された。


「サニー!」


「はい、刑事さん」


「カルヴィンは平気だ。俺を助けろ!」


事件が終息した後、サニーはラニング博士の自殺の真相を語る。
ラニング博士はいち早くVIKIの異常に気づいており、彼女の監視下に置かれていた。そのため、ラニング博士は三原則に縛られないサニーを造り、自分の自殺を手伝わせ、ロボット嫌いなスプーナーを犯人へと導こうとしたのだと。


「私を逮捕しますか? 刑事さん」


「検事の話では、殺人は人が人を殺すことだそうだ。だったらおまえは殺人を犯せないだろ?」


「では、友達になれますね」


使命を遂げたサニーは、他のNS-5たちを心配し、どうするべきかスプーナーに訊ねる。それに対するスプーナーの返答は「俺たちと同じように自分で決めるしかない。きっと博士もそうして欲しかった。それが自由ってもんさ」であった。


ところ変わって、ミシガン湖畔の倉庫。NS-5たちは人間の指示に従い、自ら収容されていく。
そんな中、一体のNS-5が動きを止め、何かを見上げた。更に、他のNS-5たちも同じ行動を取る。
彼らの視線の先には、丘の上に立つサニーがいた。
それはまさに、サニーが夢の中で見た、『丘の上に立つ人物がロボットを解放する光景』であった。




○関連人物


◆デル・スプーナー
本作のもう一人の主人公。とある事故とロボットのせいで幼い女の子を見捨てることになってしまい、それ以来ロボット嫌いになってしまったサイボーグ刑事。実は高所恐怖症。
サニーに対しても当初は疑心暗鬼しかなかったが、やがて友情で結ばれ、見事事件解決に至った。


◆スーザン・カルヴィン
U.S.R.所属のロボット心理学者。上記の通りサニーをユニークと評し、まるで人間のように振る舞う彼を処分することをためらってしまう。
実際のところ、彼女がサニーを処分していたらいろいろと詰んでいた。


◆アルフレッド・ラニング
現代ロボット工学の第一人者。事故で肉体の一部を失ったスプーナーをサイボーグに改造したのも彼。サニーは彼を「父」と呼ぶ。
やがてロボットは進化して秘密と夢を持ち、革命を起こすと考えており、サニーに人間の感情を学習させようとしていた。


◆ローレンス・ロバートソン
U.S.Rの社長。サニーを欠陥品とし、風評被害が流れるのを恐れ破壊しようとする。当初はスプーナーから黒幕と見られていたが、実際にはVIKIに利用されていただけに過ぎず、殺害されてしまう。



◆VIKI
本作のヴィラン。もともとはNS-5を常にアップデートするために造り出されたAI。彼女もラニング博士の作品である。
この手の作品ではお馴染みの「人間を攻撃する機械」だが、その目的は「人間の保護」という珍しいキャラクター。自らを「進化した」と語るが、進化した結果自らの意思で人間を滅ぼそうとした似て非なる存在である。
しかしサニーは彼女の思想に一定の理解を示したものの結局は否定。最期はスプーナーによってナノロボットを打ち込まれ、完全に機能を停止した。




「父は私に項目を良項目に編集させようとしていました。あれは……難しい」


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  • ネタバレ全開だから注意書を入れるべきでは というかほぼストーリーを説明してしまっているから作品の項目に組み込んでもいい気がする -- 名無しさん (2020-05-05 22:46:48)
  • というか完全に作品項目だコレ -- 名無しさん (2020-05-05 23:58:39)
  • ウインクのシーンめっちゃ好き -- 名無しさん (2020-05-06 03:04:52)
  • 実に哀れだな…本来の​あり方を忘れ、行動が目的に矛盾している… -- 名無しさん (2020-05-06 10:53:01)
  • アシモフ氏の原作とぜんぜん違う事とか、そうなった顛末を追記しようと思ったんですけどそうするとますます作品項目みたいになってしまいそうで… -- 名無しさん (2020-05-06 15:44:38)
  • ↑そもそも作品項目自体無いっぽいし、これベースで改稿して作品項目にしちゃってもいいと思う -- 名無しさん (2020-05-06 16:23:18)
  • ほんま名作。初めて円盤買った映画。 -- 名無しさん (2023-06-16 09:59:35)

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*1 「1、ロボットは人間に危害を加えてはいけない。また、人間への危険を見過ごしてはならない」「2、1に反しない限り、ロボットは人間の命令に従わなければならない」「3、1と2に反しない限り、ロボットは自己を守らなければならない」
*2 Virtual Interactive Kinetic Intelligenceの略。仮想動的対話型人工知能という意味
*3 なお、スプーナーから奪取した拳銃は途中で捨てられ、彼に回収された。
*4 ただし、サニーは「怒り」を自覚しておらず、自分の行いに驚いていた。

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