登録日:2020/04/23 Thu 22:50:59
更新日:2024/05/17 Fri 11:23:15NEW!
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bna trigger 中島かずき 諸星すみれ 細谷佳正 獣人 人種差別 20年春アニメ 吉成曜 日本版ズートピア
私は変わる、世界を変える。
「BNA」とは、日本のオリジナルアニメ作品である。
●目次
概要
製作は「TRIGGER」で、2020年4月8日よりフジテレビ系列「+Ultra」枠で放送開始。
また、同年3月21日より、Netflixにて6話まで、5月6日に12話まで先行公開された。
メイン脚本は中島かずき。
となりのヤングジャンプでコミカライズ版が5月29日から連載中
獣人と人間が併存する世界にて、人間から獣人になってしまった主人公の秘密を巡るミステリー冒険劇。
テーマは「人種差別」で、等身大の人間としてのキャラクターが動いたり、クスリと来るような駄洒落などのTRIGGER節は健在ながらも、全体的な雰囲気は殺伐としており、今まで何も知らなかった主人公に厳しい現実が次々に襲い掛かってくる。
その為ファンの中には「日本版ズートピア」という声もある。
Web限定の次回予告があり、殺伐気味の本編とは違いキャラクターのコミカルな掛け合いが繰り広げる。たまに例外もあるが。
タイトルの由来は獣を表す「『B』east」と遺伝子を表す「DNA」を組み合わせた物及び「Brand New Animal」の略と思われる。公式サイトによるとタイトルに込めた意味は色々な囚われているものからの解放が一番大きく、BNAというタイトルにどんな意味があるのかは見た人がそれぞれ感じればいいとのこと。
あらすじ
獣人と人間という二種類の種族が混在する世界。
昔から獣人達は人間達からの差別や迫害に晒されながらも、獣人特区「アニマシティ」の設立にまで漕ぎ着け、そこが獣人達にとって最後の居場所となった。
それから10年。
ある日、突如としてタヌキ獣人になってしまった女子高生「影森みちる」は、命からがらアニマシティに辿り着き、そこで狼獣人の「大神士郎」を始めとした様々な獣人と出会う。
そして、ひょんなことから士郎と共に自分の身に起きた異変について探ることになるが、そんなみちるを待ち受けていたのは、知られざる獣人やアニマシティの真の姿だった。
登場キャラクター
主人公勢
- 影森みちる
CV:諸星すみれ
本作の主人公。
元々はごく普通の人間の女子高生であったが、一年前のある日突然タヌキ獣人になってしまう(本人はアライグマだと思っていた)。
第1話にて、自分の全財産を握りしめて元々暮らしていた町を抜け出し、途中反獣人派の人間達に狩られかけるも、マリー達によって何とかアニマシティに逃げ込んできた。
普段は獣人生活協同組合(通称:獣協)のビルに居候している。
言動や振る舞いはいかにも現代っ子なもので、常に気が強い。
その為、マリーからは「可愛げがない子」と言われたが、直ぐに「可愛げがあったら今まで生きてない」と開き直っている。
但し、倒壊するテレビ台からヤギの老人を助けようとしたり、相手を過剰に痛めつける士郎を止めに入ったりと、所々で心優しい一面を見せる。
また、頼まれたとは言え、孤児達に読み書きを覚える等して甲斐甲斐しく世話を焼いたりと、面倒見も良い。
一方で自分の考えや価値観で物事を決めて、それを相手に押し付ける傾向があり独善的な面もある。また、アニマシティのネットワークが外の世界と繋がらないので、マリーから外の世界のネットにアクセスできる違法SIMカードを勝手に士郎のツケにして入手するなど、他人の罪に厳しく自分の罪に甘い面もある。
当初はアニマシティを「獣人達がシルバニアでファミリーに楽しく暮らしてる場所」と思っていた*1が、自身に起きた異変を探る過程でアニマシティを冒険していく内に、アニマシティや獣人の黒い裏事情の数々を目の当たりにしていく。
当初は自分が思い描いていたのとは余りにもかけ離れた実情から自暴自棄になって、元に戻って帰ることばかり考えていたが、獣人達との交流を繰り返す内に、単なる差別に留まらない無知故の人間と獣人の溝を知り、獣人に寄り添おうとするようになった。
タヌキの特性で身体能力は人間をずっと上回るが、彼女のみの特性として、十字型の光と共に通常の獣人には見られない過剰な変形を行う事ができる。
尻尾を巨大化させてクッションにしたり、両腕をあり得ない長さにまで伸ばして遠くのものをつかんだり、
急激に腕を肥大化させて凄まじいパワーを発揮する、足をチーターのようにして高速移動する、両腕を翼に変えて空を飛ぶなど起こせる事象は様々。
ロゼ市長曰くみちるの体細胞は過剰な速度で細胞分裂しているらしく、それを意図的に操作して変形させているようだ。
しかも、この能力はみちるの経験によって更に幅が広がっており、鳥の目による超視力の獲得、カメレオンの擬態能力といったこれまでに出会った獣人の能力をコピーできるようにまでなった。
のちに獣人化の原因が、メディカルセンターで研究開発されていた獣人から採取された「獣因子試薬」の試薬を、誤って投与されたことによる医療ミスであることが判明した。
この薬は当初は廃棄されるはずだったが、廃棄品2つが誤って廃棄中に漏れてしまい、後述の矢場と三村が横流ししていた薬剤の中に紛れ込み、交通事故で負傷したみちるとなずなに輸血されたのが真相である。
元バスケ部であり、平常時でも身体能力は高い。
- 大神士郎
CV:細谷佳正
もう一人の主人公。
狼獣人の男性。職業は獣協のソーシャルワーカーであり、獣協のビルに暮らしている。
みちるとは第1話でのアニマシティ創立10周年記念祭の中で出会い、以後半ば仕方無しに彼女の面倒を見ることになる。
ぶっきらぼう且つ無愛想な性格で極端なまでもの人間嫌い。
人間に雇われた獣人のことも「獣人の誇りを忘れた『売獣奴』」「獣人の風上にも置けない奴ら」と忌み嫌い、
徹底的に痛めつけたり、時にその獣人にとっての誇りともいえる部分も容赦なく破壊する等、人間が絡むと苛烈且つ獰猛な姿を見せる。
但し、内心では罪の無い獣人を守ることを第一に考える誇り高い獣人であり、祭りの中での活気に満ち溢れた雰囲気に号泣する(みちるからはドン引きされていた)等、決して悪人ではない。
獣人としての戦闘能力は非常に高く、プロのテロリスト数名を同時に相手に取って軽々圧倒する程。その腕っぷしの強さは有名で、裏社会の獣人達からも警戒されている。
また、狼らしく鼻も利き、獣人と人間の臭いを敏感に嗅ぎ分ける。
しかも彼の場合、その場の時間経過を表す「残留香」を辿り、その時間の情勢を予測することも可能で、アニマシティの特例により、その解析は刑事事件に於いて証拠能力を有する。
みちるを庇いながら高層ビルから落下した際もほとんどダメージを受けない不死身とも言える耐久性を有している。
天涯孤独の身らしく、ペットのカラス「クロ」が唯一心を許せる相手。見た目は若いが、どうやら人よりも永い時を生きてきた模様。
因みに獣人の間には「獣人が本当に困ったときに助けに来てくれる『銀狼様』」なる存在が、伝説になっているが、大神の正体はその伝説の銀狼本人で、1000年前のヨーロッパに存在した獣人の街「ニルヴァジール」の唯一の生き残り。
当初はごく普通のオオカミ獣人で、ニルヴァジールが人間の軍隊に滅ぼされた際に一度死亡するも、殺された同胞の血を浴びたことがきっかけで銀狼となり、同時に不老・超回復など強大な力を得た。その力で軍隊を率いていた将軍に復讐しよとして、軍隊の人間を殺して回ったが、将軍を見つけることは出来ず、虚しさだけが残ってしまい、以降は銀狼として多くの獣人たちを救ってきた。
しかし第二次世界大戦末期のヨーロッパのとある国で獣人の人体実験を行っていた収容所を襲撃し、居合わせた人間を皆殺しにして以降は銀狼となることはなかった(ロゼと出会ったのもこの時)。
普段着けている首輪はそんな銀狼としての力を押さえ込む一種のリミッターであり、力を解放する際には、これを外す。
ニルヴァジールで暮らしていたころはアビヤッドという名前だった。アビヤッドは白という意味がある。
何故大神士郎という名前に変えたのかは不明。
次回予告でのみちるの発言によるとティッシュをちり紙、手帳を帳面という等、やや言葉遣いが古いらしい。
アニマシティ
- バルバレイ・ロゼ
CV:高島雅羅
ハダカデバネズミ獣人の女性で、スキンヘッドが特徴。
アニマシティの市長を務める。
常に温和且つ落ち着いた物腰で、10年にも渡って獣人達と共に歩んできた為か、住民からの信頼は厚い。
科学者としての一面も持ち、獣人で初めて博士号を取ったという。
士郎とは旧知の仲で、よく仕事を依頼している。
また、みちるのことも対面前から認知しており、彼女を元の姿に戻すべく助力することも約束している。
ハダカデバネズミの特性で老化が極端に遅く、見た目に反して第二次世界大戦の頃から生きている長寿の身。
幼い頃、獣人を生物兵器として研究する施設に囚われていたところを士郎に助けられた過去を持ち、士郎の正体と過去を知る唯一の人物でもある。
本編の前日談であるノベライズ版では主人公を務めており、本名がナタリアであること、かつて士郎と世界中を旅していたことが語られている。
- ジェム・ホーナー
CV:家中宏
鶏獣人の中年男性で、獣協の組合長。
妻と共にアニマシティにやってきた新獣人達にあれこれ指導したり、面倒を見るのが主な仕事。
獣協のビルにみちるや士郎を住まわせている家主でもある。
少しガサツでデリカシーにかける部分もあるが、大らかな獣人。
鶏らしく、朝には鳴き声を上げており、みちるの目覚まし代わりになっている。
- メリッサ・ホーナー
CV:斉藤貴美子
ウォンバット獣人の中年女性で、獣協の副組合長。
ジェムの妻でもあり、彼の大雑把ぶりには苦言を呈すこともあるが、夫婦仲は基本的に良好。
みちるや士郎を温かく見守っている。
「銀狼様」の敬虔な信者でもあり、お祈りを欠かさず、みちるが出かける際には必ずお手製のお守り*2を持たせている。
- クロ
CV:???
士郎の飼っているカラス。
彼が唯一心を許すペットであると同時に、人語を解する高い知能を持ち、彼の命令に忠実に従う右腕的存在。
実はかつてロゼ市長と同じ施設に収容されていた実験動物であり、その影響で通常のカラスを遥かに超える寿命を持っている。
- マリー伊丹
CV:村瀬迪与
(自称)ミンク獣人の女性。
イタチと言われると怒るが、公式サイトでは「イタチに見えるが実はミンクらしい」と曖昧な表記になっており、実際どちらなのかは不明。*3
悪い仲間とつるんで詐欺やスリといった犯罪行為に平然と手を染めていたり、裏社会の獣人ともコネクションがあるなど、儲けの為なら手段を選ばないアウトローで、口調は常に飄々としていて胡散臭い。
但し、活動によって人脈は広く、齎す情報は有益な物ばかり。
みちるの行く先々に現れては助けたり陥れたりして気ままに振り回すトリックスター的存在。
- 立木勇次
CV:家中宏
イヌ(グレート・デーン)獣人の中年男性。
アニマシティ市警の警部であり、士郎にはよく捜査の手伝いを依頼するなど、協力関係にある。
- ルドルフ・フリップ
CV:多田野曜平
イルカ(より厳密にはシロイルカ)獣人の巨漢。
アニマシティの裏社会を牛耳る巨大マフィア「ザ・ファミリー」の元締めで、部下からは「ボス」と呼ばれている。
へまをした部下にはきつい制裁を下し、時には命を奪うことすら辞さないような冷酷で残忍な獣人だが、娘の前ではとんだ親バカと化す。
士郎に負けず劣らずの人間嫌いでもあり、曰く父親は「人間に捕まって醤油で煮しめて食べられた」らしい。
その為、娘が人間界に行ってしまった際には取り返すべく人間に戦争を仕掛けようとした。
なお当初発表されていた名前は「ジュリアーノ・フリップ」だったが、EDのキャスト欄ではルドルフに変更されており、その後公式サイトの紹介文も改訂された。
- ニナ・フリップ
CV:前島亜美
イルカ獣人の少女でルドルフの娘。中学生。
表向きは人間のふりをして動画投稿を行っている。
無邪気で明るく好奇心旺盛な性格。
父親とは対照的に人間界に強い憧れを抱いている。
ひょんなことからみちると出会い、彼女の友達になる。
獣化時は、二本足のままの父とは異なり脚が人魚のようなヒレになる。
- ジャッキー
CV:潘めぐみ
貧民街に住む二頭身の熊獣人。ビジュアルとオイラという一人称で分かりにくいが実は女性。
弱小野球チーム「ベアーズ」のキャッチャーで、卓越した運動能力を持つみちるを半ば無理矢理スカウトした。
常に能天気でマイペースな人物で、色んな意味で馬鹿。
だが、生まれた時からスラム街で暮らしていて、豊かさを望むために八百長に走りかけたこともある。
借金取りに火炙りにされそうになったところをデェス・ルゥブことなずなに助けられて以来彼女を慕っている。
- ダンテ
CV:飛田展男
アイアイ獣人でベアーズの監督。その服装は完全に丹◯段平。
かなりズボラかついい加減な性格で試合中のベンチでも平然と飲酒をしており、裏では野球賭博にも手を染めている。
実は若い頃は獣人初のプロ野球選手として人間の球団に所属して注目されていたが、度重なる獣人差別に耐え兼ねて試合中に暴力沙汰を起こして以降は落ちぶれてしまい、現在に至っている。
賭博のためにベアーズを負けさせるようギャングから圧力をかけられていたが、純粋に野球を楽しむみちるやベアーズを見てかつての気持ちを取り戻し、賭博から足を洗う。
- ピンガ
CV:浪川大輔
ワタリアホウドリ獣人でワタリドリの特性で先祖代々海や陸を越えて移動しており、飛行用ゴーグルと通信用ヘッドセットを身につけている。
しかし獣人に人権が認められた現在では渡りで国境を超える際にはパスポートが必要となっており、無断で国境越えを行おうとすると罪に問われてしまうことを嘆いているが、基本的に飄々とした性格で、ワタリドリであることに誇りを持っている。
実は軍人上がりで、かつては軍隊の獣人部隊に所属し、反獣人の過激派と戦ってきた経歴を持つ。
- 矢場広務
CV:松島昭浩
インドサイ獣人。
シルヴァスタメディカルセンター(通称:メディセン)の所長。
裏でザ・ファミリーと繋がっており、部下の三村と共に薬剤や重要な情報を横流しにして不正に利益を得ていた。
ある時、それがバレそうになった上に横流しした薬剤の中に廃棄されるはずだった「獣因子試薬」が紛れ込み、それを輸血されたみちるとなずなが獣人化したことを知ってしまった為に情報を隠蔽する目的で爆破テロを偽装するも、士郎と立木の捜査で見破られてしまう。
やけを起こして獣化し、士郎に襲い掛かるも歯が立たず、自慢の角を握り潰され敗北し、三村共々逮捕された
その後、留置場でのボリスとの面会後に突然苦しみ出し、漆黒の巨大な怪物に変貌。
理性を失って暴走し、止めようとした士郎を血だるまにし、みちるも握り潰そうとするが、銀狼としての力を解放した士郎に四つ切りにされた。
- 三村文雄
CV:保村真
カメレオン獣人。メディセンの所員で矢場の部下。
矢場と共に横領で利益を得ていたが、その事実が発覚すると獣化してみちるを人質にして逃走用のヘリを要求するも、手を伸ばしたみちるに突き飛ばされ、矢場共々逮捕された。
銀狼教団
- 日渡なずな
CV:長縄まりあ
みちるの友人であるアイドル志望の少女。
ある日突然みちるの目の前で拐われてしまい行方不明になっていたが、後に銀狼を信奉する銀狼教団の教祖「デェス・ルゥヴ」としてアニマシティに現れる。
獣人としての種族はキツネだが、みちると同じく変身能力を持っており、それを利用して「銀狼に変身するオオカミ獣人」として振舞っている。
拐われた先から自分を救い出し、教祖に祭り上げてくれたボリスを心から信用している。
当初みちるとは再会を喜んだが、既に立場を受け入れているにも関わらず、自分を被害者扱いする姿や、不必要に正義感を発揮する姿から距離ができるようになる。
それからも街中で鉢合わせしたり、教団施設の自室をみちるが窓から訪れたりするが、そのたびに教祖を務める事に対しての言い争いになるなど険悪な空気になっていた。
しかし、なずなが拉致されたと勘違いしたみちるがメディセンに乗り込んだ際にアランが仲裁に入り、2人が獣人化した理由と銀狼教を介してアニマシティ住民の心理的秩序を保つよう依頼していたことをみちるに説明してからは、双方の態度は軟化に向かう。
みちるは「なずながチヤホヤされるためじゃなく、獣人に希望を与えるために教祖を務めていると信じる」としてなずなの手伝いを行い、なずなの方もみちるに散々言われていたボリスに思うところがあったのか、マネージャー業をクビにした上に無許可の自室侵入も禁止にした。やっぱり変態じゃないか
獣人化した経緯が同じなのでみちる同様獣化を超えた変形能力を持ち、背中から翼を生やして飛行する事も出来る。
- クリフ・ボリス
CV:子安武人
銀狼教団の執行長を務める仮面の男。仮面はオオカミを模しているが、獣人としての種族はヘビ。
謎の施設に拐われたなずなを救い、彼女を伴って入信した銀狼教団の実権を握った謎多き男であり、
みちるからはなずなに対するねっとりとした態度などもあって疑惑の目で見られている。
人間
- アラン・シルヴァスタ
CV:石川界人
世界的企業である製薬会社「シルヴァスタ製薬」の若きCEO。
アニマシティ設立に貢献した人物らしく、アニマシティのCMでは、ロゼと共に握手をしていた。
一見すると爽やかな青年だが、その言動の節々からは慇懃無礼さや一種の傲慢さが感じられる胡散臭い人物。
元々は人間界にいたが、第3話ラストにてアニマシティに出向する。
その正体は、嘗てニルヴァジールを壊滅させた人間の軍隊を率いていた将軍「レイモンド・シルヴァスタ」の子孫。
現在は、ニルヴァジールシンドロームによるアニマシティの壊滅を防ぐべく、「獣因子消滅ワクチン」を量産している。
- 白水総理
CV:大塚芳忠
日本の総理大臣。前職が特命係かどうかは不明
アニマシティ設立の関係者であるが、彼自身が獣人をどう思っているのかは定かではなく、10周年記念祭ではロゼにも祝福とも脅しとも取れるような発言をしている。
第10話では、ニルヴァジールシンドロームを食い止めるべく、獣人の日本への引き入れを相談しに来たロゼを軟禁した。
用語
- 獣人
本作に登場する、人間とは似て非なる別種の生物。
体内に「獣性因子」という獣化を司る因子を持つ事から学術的には「獣性人類」と呼称されており、「獣人」はその略称でもある。
基本的には我々がよく知る「動物が二足歩行で服を着ている姿」と考えて差支えは無いが、それとは別に人間としての姿も持っている。
各々が自由に姿を使い分けられるが、後天的に獣人になったためか、みちるは常時獣人の姿をしている。*4
アニマシティでは普段は人間体でいる事が常識であり、特に裏社会では獣人化=臨戦態勢という認識が強い。
元々は自然界に暮らしていて、人前に姿を見せることは少なかったが、環境開発によって住みかを追われ、人間と合いまみえることになった。
モデルになった動物の能力が人間サイズにまで拡大されている為、基本的に身体能力や戦闘能力は人間を数段上回る。*5
またイヌ科獣人は鼻が利き、海洋生物の獣人は水中での呼吸、鳥獣人は飛行が可能であるが、獣人に人間と同等の権利が認められて以降は獣人本来の能力の行使を制限されており、例として渡り鳥系の鳥獣人は国境越えの際にはパスポート提示が必要であり、無断で国境を越えると最悪射殺されることもある。
血液型は人間とは異なるタイプの為人間と獣人との間で輸血は不可能で、その為、学生証等の身分証明書にはその種族が必ず書かれている。
古くから存在していたらしいが、その力を恐れた人間達からはケダモノ呼ばわりされて差別や迫害の対象になってきており、
みちるもアニマシティに着いた際には「もう逃げ回らなくていいんだ」と喜んでいたあたり、人間界では獣人はまともに暮らしていけない模様。
実際、治安を守る警察官の中にすら獣人狩りに肯定的な者がいる。
基本的に心は人間と変わらないが、アニマシティの実情から、乾いた価値観の者が多い。
一方、感情には人間以上に左右されやすい。
- アニマシティ
本作の舞台。
日本の「獣人特区法」によって創立された特別区域。
日本の領土内にあるが、移動には船を使う必要があり、他の地域とは隔絶されている等実質的にはほぼ別の国となっている。
住民は全員獣人であり、人間界に居場所のない獣人達の唯一の頼みの綱となっている。
しかし、その進行ルートでは武器を持った反獣人派の連中が待ち伏せしており、安全に渡航することはほぼ不可能。
一応マリーが仲間を引き連れてそんな奴らを追い払ってはいるものの、ぼったくり同然の対価を要求される。
また、一見獣人達にとって楽園のように思えるかもしれないが、その真の姿は無法地帯そのもの。
自然界の鉄則とも言える「弱肉強食」の概念が一般人にも例外なく行き渡っており、その場で理不尽な乱闘騒ぎが起こっても、
避難する者こそいれど乱闘そのものを否定する者はおらず、観客気取りで囃し立てる者すらいるほど。
この概念はスポーツの世界でも同じで、アニマシティの野球は乱闘・相手選手を殺害しても問題ない上、裏では野球賭博やそれに伴う八百長が半ば公然のように行われている。
また、ジェム曰く「アニマシティで取られたものが戻ってくることはあり得ない」らしく、日々スリなどの軽犯罪も絶えない。
一応警察は機能しており、市長も獣人身売買や違法賭博などの犯罪の根絶に尽力しているものの、続出する犯罪に対応しきれていないのが現実。
しかも、裏社会ではギャング達がのさばり、獣人身売買のような非人道的な商売が横行するだけでなく、獣人の中には人間に雇われた者すらおり獣人同士の潰し合いまで起こっている。
苛烈な迫害に晒されないという観点で見れば、獣人にとっては人間界よりも非常に快適な事は事実ではあるが、単刀直入に言って都市単体で見た治安の悪さそのものは人間界よりも何倍も酷い。
- シルヴァスタ製薬
ヨーロッパに古くから存在する名門「シルヴァスタ財閥」の系列企業。
CEOであるアランの方針でアニマシティにも多額の資金援助をしており、医療施設と研究所を兼ねたメディカルセンターも運営している。
- 銀狼教団
獣人の守り神とされる銀狼を信仰対象とする教団。元々は穏やかな民間宗教だったが、物語開始の約半年前にボリスが加入して以降は急速にその勢力と影響力を拡大させ、現在では最早カルト教団と化しつつある。
実はアニマシティへの移住が決まる直前に、なずなと教団を訪れたアランとの間で密談の末に協力関係となっており、なずなは銀狼教の信仰でアニマシティの獣人たちに希望を与える役割を担う一方で、アランは獣人病の治療薬の開発を進める事を約束している。
- ニルヴァジール
1000年前のヨーロッパの東の果てに存在したとされる獣人の都市。アニマシティと同様獣人だけの街だったが、突如人間の軍隊に襲撃されて住民は皆殺しにされて滅亡したとされる。
...が、アラン曰く実際には凶暴化した獣人から身を守る為に兵を出し、彼らが到着した頃には、既に獣人達が傷つけあってろくに戦えない状態にまで弱っていたからこそ、飛び道具が無く、重くて扱いづらい武器しかなかった人間が獣人に勝てたのだという。
士郎はこの街の唯一の生き残り。
- ニルヴァジールシンドローム
終盤になって発覚した獣人特有の病気。
元々自分と異なる種類の獣人と生活し慣れていない獣人同士が至近距離にいることで、「縄張りを犯されている」という無意識のストレスが溜まり続けた結果獣因子が暴走し、理性の無い怪物と成り果てるのが症状。
ニルヴァジールが滅んだ理由も、この病気によって獣人達の殺し合いが起こったため。
アランはこの現象によってアニマシティが滅ぶことを予期し、獣因子を体から消す特性ワクチンを開発しているが、人間嫌いの士郎からは激しく反発されており、その開発設備を破壊しかけたことから、指名手配犯となってしまう。
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▷ コメント欄
- 項目作成乙 -- 名無しさん (2020-04-24 08:01:07)
- お疲れ様 -- 名無しさん (2020-04-24 20:50:16)
- そんな治安の悪さと獣人の粗暴さを描いておきながら、差別はよくないと主張するのは間違っているような…せめてどちらかを一方的な加害者にして最後に円満解決すれば良い題材になると思うんだけどな… -- 名無しさん (2020-04-24 23:08:00)
- プロメアと同時期に企画が進行していたのかテーマとかはプロメアと似ているよな。 -- 名無しさん (2020-04-25 06:34:06)
- 端から見るとアニマシティが10年も都市の機能を維持出来たのは不思議である。 -- 名無しさん (2020-04-25 10:05:26)
- 3↑まあ士郎の嗅覚をみるに獣人たち個々の能力は十人十色だろうから、力をもて余した奴なんてゴロゴロいるだろうし。端から見たら野蛮(これもレッテル貼りだけど)でもその文化にとっては日常的なんてことは現実でもよくある。 -- 名無しさん (2020-04-25 11:06:41)
- 現実ではよくあるて、でもそれじゃあ差別問題を描くことはできても、差別はよくないと主張する作品にはならないような…… -- 名無しさん (2020-04-25 16:31:33)
- どうでもいいことだけど日下部とか矢場辺りの連中に下の名前まで設定されてるのって何でだろ。あと獣人の名前って日本人っぽいのと外国人っぽいのが分かれてるのが気になる。 -- 名無しさん (2020-04-25 17:58:14)
- こんな変な風刺とか現実に起きうる話とか入れるから、ズートピアみたいに差別を題材にしておきながら勧善懲悪が出来ないじゃん……子供を対象にしていない大人向けアニメかな? -- 名無しさん (2020-04-25 18:18:50)
- トリガーはダメダメが多いからな。メイン脚本で不安感しかない。 -- 名無しさん (2020-04-25 20:37:07)
- 野球会は面白かった 現状それだけ -- 名無しさん (2020-04-28 21:41:57)
- ↑2 作り手が勧善懲悪に飽きてるんだろう、よくある話 -- 名無しさん (2020-05-09 16:08:27)
- 愚痴コメが多いようならコメ欄リセットや撤去もありうるのでほどほどにな -- 名無しさん (2020-05-09 16:10:26)
- ルドルフ・フリップはマーベルのキングピン オマージュ? -- 名無しさん (2020-05-09 17:40:52)
- ゴリラの腕、アホウドリの翼、カメレオンの保護色…なんかは「動物の遺伝子の特性」を引き出したものだとは分かるんだけど、未だに「伸びる腕」がなんの動物の特性なのかが分からない…テナガザルでもあんなにゴムゴムみたいに伸びないし -- 名無しさん (2020-06-15 15:20:55)
- ↑多分だけど特定の動物モチーフじゃなくて、単に体細胞を組み替えて伸ばしてるだけだと思う。あるいはタヌキはタヌキでも化け狸のイメージ? -- 名無しさん (2020-06-15 15:24:45)
- 核心に触れる事が大体キャラの説明だけで済ませちゃってたからちょっとあっさりだったかなぁ。プロメアの熱量が凄くて期待してただけにちょっと肩透かしだった。 -- 名無しさん (2020-06-26 18:21:51)
#comment(striction)
*2 葉っぱにジャーキーを包んだもの。厳密に言えば、お守りというよりは銀狼様に助けてもらった際にお礼として渡すお供え物である。
*3 ちなみにイタチとミンクはどちらともイタチ亜科の動物であり見た目はよく似ている。
*4 後に能力で人間に化ける事はできるようになったが、本人曰く「ヒールを履いている」ような違和感があるため以降も獣人の姿でいる事が多い。
*5 勿論本人の気質や技量も関係してくる為、必ずしも人間と優位に立ち回れる訳では無いが
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