登録日:2020/04/10 Fri 22:10:40
更新日:2024/05/17 Fri 11:17:38NEW!
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或人……。夢に向かって、飛べ……!
飛電 其雄とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼロワン』の登場人物である。
主人公・飛電或人の父親、及び同じ名前と姿を持ったヒューマギアで、本項目では主に後者について取り上げる他、彼が変身する仮面ライダー1型についても解説する。
演:山本耕史
概要
或人の父・其雄の名と姿を持った旧世代型ヒューマギア。
幼い或人の育ての親であり、彼が「父さん」と言った場合はこちらを指す。
或人の目標は其雄を笑わせることだったが、AIである其雄は或人のギャグを「面白い」と言いつつも心から笑うことはできず、この点については「何度やっても同じだ」と突き放すような態度だった。
これに対して或人はムキになり、「いつか必ず父さんを笑わせてやる」と心に決め、後にお笑い芸人を目指すきっかけとなる*1。
実は飛電インテリジェンスにおけるヒューマギア絡みのプロジェクトの一員でもあり、飛電是之助の指示を受けて社長秘書型ヒューマギア・ウィルと共に通信衛星アークのプログラム構築を担当していた。
だが、ウィルは何者かがアークにラーニングさせた「人間の悪意」の影響を受けつつあり、
これに伴いヒューマギア用の兵器としてフォースライザーの原型と、アークにアーカイブされた絶滅動物の能力を保存したデータ・アクティベイトデバイス「ゼツメライズキー」、
そして「アタッシュウェポン」などを其雄と共に開発していた。
同時にウィルはヒューマギアの地位向上のため、其雄が飛電の社長になるべきと考えていたが、其雄自身はそれには関心がなく、また或人を通じて「人とヒューマギアが共に笑える世界」の道筋を見出していた。
これに伴い、独自に飛電ゼロワンドライバーと、それを用いたライダーシステム「仮面ライダーゼロワン」を設計・完成させ、是之助のもとにデータを送っている。
そして2007年12月2日、アークの打ち上げに際し、完成していた最初のライダーシステムを用い仮面ライダーに変身。
自身は工場の爆発で生じた余波から或人を庇い、冒頭の遺言を残して機能停止した。
アークを打ち上げる宇宙船の自爆プログラムを起動させており、アークは墜落。
バックアップも消滅したことで再起動不可能となり、飛電家の墓に葬られた。
この「死」と「遺言」は或人の人格形成に大きな影響を及ぼしており、同時にヒューマギアに対する同族意識や、道具ではなく「種族」としての見方を持つことに繋がっている。
そして「夢に向かって飛べ」という遺言は、或人の新しい会社である飛電製作所の社訓として受け継がれている。
TV本編では既に退場済みの過去の人物だが、その人となりなどは2019年冬に公開された映画で描かれることになった。
『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』では
アナザーゼロワンの出現により改変された歴史において、「ある意図」のため暗躍。
改変された2019年の段階ではタイムジャッカーのフィーニスにより、アナザーゼロワンの力を得たウィルが社長である飛電インテリジェンスに属していたが、
現状を受け入れているわけでもなく、独自の立ち位置で動いていた。
不安定な飛電ゼロワンドライバーをウィルに奪われ、変身不能となった或人の前に突如現れ、
夢を忘れずに戦え。
戦わなければ、人類は滅亡する。
そう告げると共にフォースライザーを投げ渡し、姿を消した。
その後、或人はジオウ達と合流し、歴史改変そのものを阻止すべく、タイムマジーンで2007年12月2日に移動。
ヒューマギア製造工場で暴走した素体たちとの乱戦になるが、そこに変身した状態で出現。
001を圧倒し、さらにジオウ、ゲイツ、ウォズをも高速移動で翻弄するというとんでもない強さを見せた。
更にその後、アークの打ち上げ自体を阻止すべく発射施設にやって来た或人だが、そこでウィルと対峙する其雄と遭遇する。
ウィルはいつまで経ってもヒューマギアが人間の道具扱いであり、その位置を脱せないことを不満に思っており、アナザーライダーの力で是之助を抹殺、飛電を乗っ取り、歴史を変えると言い放つ。
私は未来を知った……
アークは打ち上がる……。私が歴史を変えるからな……!
\ZERO-ONE!/
私が飛電インテリジェンスを乗っ取り、ヒューマギアが笑える世界を作る!
だが其雄はそれを否定し、未来から来た息子を前に語る。
そんな世界では、或人は笑えない。
俺の夢は、俺が笑い……或人が笑う世界だ。
だから力が必要だったんだ。ヒューマギアも人間も守る、“仮面ライダー”の力が。
そう告げると、其雄は仮面ライダー1型に変身し、001に変身した或人と共にアナザーゼロワンと激突する。
しかし、妨害を振り切れず通信衛星アークの打ち上げは成功。
それでも遠隔操作で自爆プログラムを起動しようとするが、達成直前でアナザーゼロワンの攻撃を受けて失敗。
「人間の悪意」による人類絶滅の命令をインストールされ、今度は001に襲い掛かった。
アークの……意志のままに。
俺を越えない限り、お前が夢を見る未来は来ない!
或人はこの直後にアナザー1号の乱入とゲイツの助太刀により2019年に帰還し、ひとまず命を拾っている。
改変された2019年においては飛電インテリジェンスの大株主となっており、飛電インテリジェンスに乗り込んだ或人の前に出現。
或人を社長と認めるか否かの決議において「俺を超えない限り認めない」と宣言、或人とイズ、シェスタが逃走したことで状況が混乱する。
そんな中で階段で対峙した直後、互いに変身すると外に飛び出し、高速移動能力を駆使してのインファイトを繰り広げ、戦闘経験の差なのか001を圧倒する。
だが、壁際に追い込んだところで逆に001に腕を掴まれて足を止められ、
叶えてみせる……!俺の夢を!
父さんを止められるのはただ一人!俺だ!!
奮起した或人により状況を五分に持ち込まれ、ライダーパンチの押し合いで競り負けたところで互いに跳躍、ライダーキックのぶつかり合いに発展。
だが、
もう大丈夫だ……或人……
その呟きと共に力を緩めてキックの激突に打ち負け、変身解除された。
戦いの後、満身創痍の其雄は密かに持ち出していたゼロワンドライバーを或人に渡し、真意を語る。
実は其雄はアークのハッキングの影響を受けておらず、自分の意志で1型として戦っていたのだ。
それでいい、或人……。夢に向かって、飛べ……
父さん、アークにハッキングされたふりなんかを……。何で……?
お前に気付いてほしかった…。お前は、誰の後継者でもない……
お前自身の夢に向かって飛ぶ、“新時代の1号”である事を……
そして、最期に一瞬だけ心からの笑みを浮かべ、機能を停止した。
不思議な……気分だ……
そのやり取りを以て「或人は其雄を超えた」と判断されたのか、シェスタが保留していた新社長の決議案は可決。
或人が飛電の社長として認定され、ゼロワンの力を取り戻した。
遺されたロッキングホッパーゼツメライズキーは再びゼロワンとなった或人がアナザー新1号との戦いに使用し、勝利に大きく貢献。
そして、フィーニスの撃破により歴史が修正された結果、其雄とロッキングホッパーゼツメライズキーも消滅していった。
本編
第44話において、まさかの本編に登場。ただし、登場時の詳細は最終話にて描かれた。
自身に挑んできた仮面ライダーオルトロスバルカンを撃破するが、それでもなお迷い続けていた或人がゼロツープログライズキーに対して「どうすれば良いのか」と問いかけた際、
保存されたゼアの内部領域に接続した或人の前に突如として出現した。
「バックアップデータはデイブレイクで失われた」と語られていたはずなのだが、ゼアが何らかの手段で密かに保存していたのか、もしくはゼアが疑似的に其雄の姿を再現しただけなのかは不明。
しかし、少なくとも或人の近況については把握していたようであり、いきなり現れた父の姿に唖然とする或人に対し、其雄は静かに語りだした。
成長したな、或人。
幼い頃のお前はただ泣くことしかできなかった……。でも今のお前は心に怒りを宿してる。
それは仮面ライダーという力を手に入れ、お前が強くなったからだ。
だが忘れるな。本当の強さとは、力が強い事じゃない。心が強い事だ。
今のお前ならもう、その意味が分かるはずだ。
『本当の強さ』の意味について語り、或人を諭した其雄は、抱えていた飛電ゼロワンドライバーを託して姿を消した。
我に戻って或人が現実に戻ってくると、飛電ゼロツードライバーがビームエクイッパーで新たなゼロワンドライバーとライジングホッパープログライズキーを生成しており、これが最終決戦において新たなゼロワンを呼び起こすこととなった。
仮面ライダー1型
カメンライダー!
変身!
サイクロンライズ!
ロッキングホッパー!
Type One.
身長:200cm
体重:98.3kg
パンチ力:14.2t
キック力:60.6t
ジャンプ力:ひと跳び68.4m
走力:100mを2.8秒
生物モチーフ:ロッキートビバッタ
スーツアクター:高岩成二
其雄が「サイクロンライザー」と「ロッキングホッパーゼツメライズキー」を用いて変身する、『ゼロワン』の世界における始まりのライダー。
ライダーシステムの原型であると共に、「ゼツメライズキーで変身するヒューマギア」という意味でマギアの原型でもある。
基本形態であるロッキングホッパーが唯一のフォームとなる。
全てのライダーシステムのプロトタイプであるためか、「ゼツメライズキーを基本フォームとするライダーはフォーム名を持たない」という法則から外れている。
ターコイズブルーの装甲に桃色の複眼、襟元に刻まれた赤いマフラー状のディテール「サイクレッドマフラー」など、原初の仮面ライダーたる仮面ライダー1号……とりわけ旧1号を髣髴とさせ、
戦闘スタイルも徒手空拳のみと非常にシンプルで、サイクレッドマフラー放出される強化粒子により、高速移動を可能としている。
専用の武器なども特に無いが、其雄自身のセンスの高さと実力により、プロトタイプとは思えぬ圧倒的な戦闘力を持つ。
また、暴走したヒューマギアを鎮静化させる機能も搭載されている。
滅亡迅雷.netのライダー達と変身シークエンスが似ており、竜巻に包まれた後、ロストモデルを突き破ってアーマーを展開・拘束して変身完了する。
劇場版限定ライダーだが、シルエットはTV本編でも登場している。
◇装備
- サイクロンライザー
1型の変身ベルト。
ライダーシステムの原型と思しきドライバーで、滅亡迅雷フォースライザーは恐らくこれのデータを基にした改造型*2。
構造はフォースライザーと変わらず、起動したゼツメライズキーをセットし、強制展開する「サイクロンライズ」によって変身する。
カラーリングは銀と赤であり、1号のベルトであるタイフーンに加え、ゼツメライザーとも共通するため、こちらの基礎であるとも考えられる(待機音はゼツメライザーのものに近い)。
待機音の最初には初代『仮面ライダー』のオープニングテーマ『レッツゴー!!ライダーキック』冒頭に酷似した効果音が流れるが、待機音がループしてもこの音は最初だけとなる。
「サイクロンライズ!」の音声はフォースライザーと違って少し遅れるため、鳴ってすぐにプログライズキーの音声が流れる(サイクロンライズの次の短い効果音とキー側の音声が被ってしまう)。
プレミアムバンダイ限定で受注販売されたDX玩具版はDX滅亡迅雷フォースライザーの仕様変更品で、キー側音声発動用のピンが延長されたことにより、必殺技の誤作動が無くなっている。
- ロッキングホッパーゼツメライズキー
バッタの絶滅種であるロッキートビバッタのデータイメージを保存したゼツメライズキー。
ゼツメライズキーではあるが、仕様的にはプログライズキーに近いため、恐らくプログライズキーの原型であるとも考えられる。
また、アビリティはプレートに書かれているのは「TYPE:ZETSUMETSU」だが、音声は「ロッキングホッパーズアビリティ!」となっている。
ロストモデルの描かれた部分は赤色。起動音声は「カメンライダー」。
なお、「Type One.」の音声は変身完了後にこちら側から流れる。
上記のサイクロンライザーとセットでプレミアムバンダイ限定で受注販売されたDX玩具版では、飛電ゼロワンドライバーに装填すると、
「The sole hero of ju ju ju justice! ロッキングホッパー! Kamen Rider will fight to protect humanity. Type One.」の音声が流れる*3。
変身音声の英語を翻訳すれば「正義のヒーローはただ一人」・「仮面ライダーは人類を守る為に戦う」といったところか。
◇必殺技
- ロッキングスパーク
サイクロンライザーのレバーを1回操作して発動。高速移動モードを発動する。
この状態になるとサイクレッドマフラーの光が残像となり、さながら赤いマフラーを棚引かせて走っているかのように見える。
- ロッキングジ・エンド
レバーを2回操作して発動。右足にエネルギーを漲らせ、渾身のライダーキックを叩き込む。
滅亡迅雷ライダーの原型でもあるためか、発動時には
鋼
終 焉
蝗
のカットインが入る。
- ゴゴゴゴーイングジ・エンド
ゲーム『仮面ライダーバトル ガンバライジング』で使用。
仮面ライダーゴースト オレ魂のデータイメージを保存した「ゴゴゴゴーイングゴーストプログライズキー」を起動、
ゴーストを投影してオメガドライブ オレをラーニングし、ダブルライダーキックを放つ。
発動時には
魂
開 眼
大
のカットインが入る。
ゴーストと1型、というより或人・其雄との共通点は
という点で共通しているだろう。
ちなみにこのカードが登場したバーストライズ4弾のみならず、その一つ前のバーストライズ3弾でもキャンペーンカードとして登場。
何気に『ガンバライジング』では優遇されている仮面ライダーだったりする。
項目を追記・修正しない限り、アニヲタ民が夢を見る未来は来ない!
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この項目が面白かったなら……\カメンライダー!/
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▷ コメント欄
- ゴーストとは父と子の絆繋がり -- 名無しさん (2020-04-10 22:16:18)
- ホントロックングスパークの真紅のラインがマフラーに見える演出カッコ良すぎるのよ 理想的な新時代を戦う1号ライダーってイメージまんまで好き -- 名無しさん (2020-04-10 22:18:21)
- 1型の洗練されてない大型のアーマー本当好き高速移動で首元のパーツをマフラーに見立てるセンスは最高 -- 名無しさん (2020-04-10 22:19:57)
- 暴走したヒューマギアを復旧させる機能…息子にも受け継がれる要素 -- 名無しさん (2020-04-10 22:21:18)
- モデルとなった本物の其雄ってどんな人物だったんだろう・・・イカン、ライダーで父親ってとんでもない連中ばかりだ -- 名無しさん (2020-04-10 23:28:22)
- ↑続き でも或人からしたら冷たい機械の体でも熱い闘志を持ったヒューマギア其雄こそが自分の知っている父親なんだろうな -- 名無しさん (2020-04-10 23:30:22)
- 青と赤だと目がチカチカするので、青部分を緑にすることを提案します -- 名無しさん (2020-04-10 23:31:33)
- 平成生まれの令和ライダー -- 名無しさん (2020-04-11 07:26:41)
- OPに001らしき姿もちらっと映ってるんだから1型も何かしらの形で本編に来ないかな…2代目変身者がイズとかさ -- 名無しさん (2020-04-11 09:06:05)
- ↑ 001って確か雷に改造されなかったっけ? -- 名無しさん (2020-04-11 10:06:29)
- ↑最近だと元に戻せる様な改造する事多いみたいだしまだ希望はある(はず) -- 名無しさん (2020-04-11 10:28:56)
- プリキュア映画に続いてライダー映画にもご出演で、山本さんファンの身内が大歓喜。1型もかなりいかしたデザインだし、また何かの機会に再登場してほしい。 -- 名無しさん (2020-04-11 20:44:14)
- 其雄パパ、あんた最高の漢やで・・・・・(泣) -- 名無しさん (2020-04-11 22:29:36)
- ロボとーちゃんキャラにハズレはいないな......いないよな? -- 名無しさん (2020-04-11 22:31:45)
- 1型のテーマも最高にカッコいいんだよなぁ -- 名無しさん (2020-04-11 23:58:34)
- ↑2 蛮野は?意識はどうあれハードはメカだろあいつ -- 名無しさん (2020-04-12 04:31:10)
- ↑ いい父ちゃんではないけど、いろいろな意味で敵キャラとしてはよくできていた。 親の仇かってくらいのヘイトの稼ぎっぷりと、最期の待つんだGOの流れが完璧。 -- 名無しさん (2020-04-12 04:36:27)
- 親の仇というか仇が親父というか…あの辺は少年漫画で憎らしい悪役を数多く輩出した三条さんの面目躍如という印象 -- 名無しさん (2020-04-12 04:50:36)
- 「夢に向かって飛べ」は息子の会社の社訓になりました。 -- 名無しさん (2020-04-12 21:17:50)
- 専用BGMも戦闘スタイルもデザインも立ち位置もカッコいいよね -- 名無しさん (2020-04-14 06:52:58)
- 1型の高速移動演出はライダーというより009の加速装置思い出した -- 名無しさん (2020-07-24 01:45:55)
- まさかの登場とは -- 名無しさん (2020-08-23 12:21:04)
- まさかの再登場に加えて其雄のデータを基にした滅の新しい姿に1型のリデコ…何と言う因縁か -- 名無しさん (2020-08-23 14:16:38)
- 成長したなおじさん -- 名無しさん (2020-09-07 21:53:40)
- サイクレッドマフラーの演出考えた人、神っすわ -- 名無しさん (2021-08-24 12:01:52)
#comment
*2 玩具的にはこちらがフォースライザーのリデコ品である。
*3 「Type One.」の部分がDXゼロワンドライバーでも流れる事は宣伝画像には示されていなかった。
*4 ただし、『ゼロワン』の方は後の本編でも大きく関わってくる一方で、『ゴースト』の方は本編と繋がらないという違いはあるが。
*5 トウサン魂とロッキングカバンストラッシュ。
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