登録日:2020/02/11 Tue 00:41:02
更新日:2024/05/16 Thu 12:38:26NEW!
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洋楽 酒場 吹奏楽 ラテン 悲恋 鬱展開 コパカバーナ リア充の墓場 恋に落ちてはいけない場所 バリー・マニロウ 歌詞と曲のギャップ 実は鬱曲 吹奏楽部ホイホイ
At the Copa … don’t fall in love.
(コパカバーナで恋に落ちてはいけないよ。)
コパカバーナとは、アメリカの歌手バリー・マニロウの楽曲。1978年に彼とブルース・サスマン、ジャック・フェルドマンの3名によって制作され、同年に発売されたアルバム「Even now(邦題:愛と微笑の世界)」に収録された。
「コパカバーナ」とはリオデジャネイロにある海岸の名前だが、この曲のタイトルはその地にちなんだ名のついたニューヨークの「コパカバーナ」と言うナイトクラブからついている。
軽快なラテン風の音楽で、中高の吹奏楽部で演奏したことがあるかもしれない。
他にも甲子園の応援歌(特に智辯和歌山が有名だろう)や吹奏楽のために編曲されることもあるので、「曲自体」を聞く機会は少なくないだろう。
……ところで、この項目を見ている人達はこの曲の「歌詞」を知っているだろうか?
洋楽でありがちだが、その言語をよく知らない人は曲を聞いてリズム等を気に入り、歌詞の意味などを和訳などを通して調べる人もいるだろう。
このコパカバーナに関しても同様の行為を行う人も多いだろうが、恐らく調べた人の大半は啞然とするだろう。
何故ならこの曲、コパカバーナにまつわる凄惨な悲恋をテーマにした歌なのだ。しかもその悲劇の度合もなまっちょろいレベルの話ではない。
以下、原曲の歌詞とその意訳、それらに対するコメントを書くので、そういったネタバレが嫌いな人、もしくは歌詞を知らない状態で聞きたい人は読まずに聞いてから見ることを推奨する。
1番
原曲(合いの手は省略。)
Her name was Lola, she was a showgirl.
With yellow feathers in her hair and a dress cut down to there.
She would merengue and do the cha-cha.
And while she tried to be a star.
Tony always tended bar.
Across the crowded floor, they worked from 8 til 4.
They were young and they had each other.
Who could ask for more?
At the Copa Copacabana. *1
The hottest spot north of Havana.
At the Copa Copacabana.
Music and passion were always in fashion.
At the Copa.... they fell in love.
意訳
彼女はローラ。踊り子だ。
黄色の羽の髪留めと切れ込みの深いドレスで
メレンゲやチャチャを踊り、
スターになる事を夢見ていた。
そんな彼女にはトニーと言うバーテンダーの彼氏がおり、
混雑したフロアで8時から4時まで働いていた。
若い二人は愛し合っていた。
これ以上何が必要だろうか!
ここはコパカバーナ!
北ハバナ一熱い場所。
ここはコパカバーナ!
音楽と情熱の最先端の場所。
そんな場所で……2人は恋に落ちた。
踊り子のローラとバーテンダーのトニーの恋の様子を描いている。
ここまでに関しては割とありがちな若い男女の恋物語であり、特にコメントらしい内容もない。
しかし事態は2番にて急展開を迎える……
2番
原曲
His name was Rico.
He wore a diamond.
He was escorted to his chair, he saw lola dancing there.
And when she finished,he called her over.
But rico went a bit to far.
Tony sailed across the bar.
And then the punches flew and chairs were smashed in two.
There was blood and a single gun shot.
But just who shot who?
(※)
At the copa... she lost her love.
意訳
男の名はリコ。
ダイヤモンドを見せつける様に身につけている。
席に案内され、ローラの踊りを目にとめた。
踊りの後に彼女を席に呼び寄せたのだが、
ちょっとやりすぎてしまった。
そこに怒り狂ったトニーが来て、
殴り合いが始まって椅子も真っ二つ。
流血をも交えた応酬の中で銃声が1発。
いったい誰が誰を撃ったっていうんだ!?
(繰り返し部分)
ここコパカバーナで彼女は恋人を失ってしまった…
羽振りよさげな男、リコがローラに行き過ぎたちょっかいをかけた結果、怒ったトニーとリコの間で銃撃沙汰になるレベルの私闘が起きてしまう。
結末ははっきりと明言されていないが、トニーが死んでしまったという結末は想像に難くない。もしそうでなくとも、少なくともバーテンダーを続けられないレベルの大けがを負っているとみるのが妥当である。
2番の終わりの方で突然女性の悲鳴が上がるのだが、これは恋人が凄惨な目に遭ったローラがショックで叫んだのだろう。
ちなみにトニーが死んだという仮定の下でシナリオを描く場合、「リコが持っていた銃で彼を射殺した」と思いがちだが、歌詞にある通り「誰が誰を撃ったのか」は分からない。
もしかするとトニーの方がリコに撃った可能性もあるし、あるいは事態を重く見た別の客、もしくは騒ぎを聞いてやってきた警官が撃ったのかもしれない。
このあたりの子細は各自が考察してみるのもまた一興だろう。
さて、実ることなく腐り落ちた2人の恋。しかし話はまだ終わっていなかった……
3番
原曲
Her name is Lola, she was a showgirl,
But that was 30 years ago, when they used to have a show
Now it’s a disco, but not for Lola,
Still in dress she used to wear,
Faded feathers in her hair
She sits there so refined,and drinks herself half-blind
She lost her youth and she lost her Tony
Now she’s lost her mind
(※)
At the copa... don’t fall in love
Don’t fall in love
意訳
彼女はローラ。踊り子だ。
だがそれも30年も前の舞台での話。
ディスコと化したこの地に最早彼女の居場所はない。
だが彼女は昔の衣装にしおれたは花飾りを纏い
行儀よく座って半ば酔いつぶれている。
若さも愛する者も失い、
果てには正気すら失ってしまったのだ。
(繰り返し部分)
ここコパカバーナで恋に落ちてはいけないよ。
いいかい?絶対に落ちてはいけない。
ローラが失ったものは恋人だけではなかった。彼女はトニーを失ったショックからか、スターの座への道には行けずに若さを失った。
その後、ディスコへと変わり、踊りを踊るためのステージがないにもかかわらず彼女は踊る為の服を纏ってそこに通い、酔いつぶれている。
恐らくかつてトニーと共に過ごした過去の楽しい記憶が忘れられないのだろう。その事にとらわれた彼女はこれまでに大きなものを2つも失っているにもかかわらず正気ですらもいられなくなってしまっていた……。
最後はそんな彼女の出来事を戒める様にここコパカバーナで恋に落ちてはいけないと教訓の様に話を畳んでいる。
「ここはコパカバーナ。北ハバナで最も熱い場所」という、直前までのシリアスさをヤケクソ気味に払う明るいノリも、見ようによっては…
1番 … 若い男女の熱い恋の場所。
2番 … 頭に血がのぼって熱くなる。
3番 … 何年たっても忘れられない過去の熱。
と言う風に、それぞれ違うベクトルの「熱さ」とも解釈できる。
余談
- 凄惨な出来事をうたったこの曲だが、内容自体は実話ではなくフィクションである。
- 舞台となった「コパカバーナ」だが、数回の移転を経てはいるが、現在もある店なので興味がある方は行ってみるといいかもしれない。
追記・修正は歌詞と曲調のギャップに耐えられる方がお願いします。
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▷ コメント欄
- 盾乙、単なる陽気なラテンミュージックだったら二番の途中(リコがトニーを撃ち殺すところ)に女性の悲鳴がサンプリングされるわけ無いんだよなぁ -- 名無しさん (2020-02-11 07:47:31)
- なんかチコタンの歌に通じる物を感じる -- 名無しさん (2020-02-11 09:28:03)
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