コントロール(カードの使用権)

ページ名:コントロール_カードの使用権_

登録日:2020/01/20 Mon 09:58:50
更新日:2024/05/16 Thu 11:02:11NEW!
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ここでは、TCGにおいてカードの使用権を意味する「コントロール」を解説する。
アーキタイプとしての「コントロール」はこちらを参照のこと。




概要

TCGのゲーム中においてプレイヤーのフィールドにカードがある場合、そのプレイヤーがそのカードの使用権を持っているのが基本である。
多くのTCGでは、この状態を「カードをコントロールしている」と表現する。


そしてTCGの中には、カードの効果として「カードのコントロールの変更」を行うものが存在する。
この場合、カードの元々の所有者は「オーナー」などの別の用語でコントロールを変更されたプレイヤーとは区別して扱われることがほとんどである。


相手のカードのコントロールを自分のものにする


即ち相手のカードを奪う効果である。
相手はカードを1枚を失うのに対してこちらはカードを1枚を獲得できるため、カード消費の観点から見ても多大なアドバンテージを得ることができる。*1
相手の切り札を使って逆にこちらがトドメを刺すということもよくある光景。


そしてTCGによってはカードだけでなく「プレイヤーのコントロールを奪う」なんてものも存在している。


自分のカードのコントロールを相手に渡す


上記とは逆に自分のカードを相手に押し付ける効果も存在する。
弱小カードを渡してサンドバッグにしたり、強烈なデメリットのあるカードを押しつけて相手を苦しめたりと活用法も様々。
しかしコントロールを奪うカードは上記のように単体でも強いが、こちらは何かしらのコンボを組みこまなければ相手を利するだけになってしまう。
そのため構築段階で配慮する必要があり、単純に採用できるようなものはまず無い。


TCGごとのコントロール変更カード


MTG

コントロール変更に関する効果においても元祖。
コントローラー(カードのコントロールを得ているプレイヤー)とオーナー(カードの所有者)の明確な違いを定義したTCGでもある。
2022年現在では永続的なコントロール変更を行うのは青、一時的なコントロール変更を行うのは赤の色の役割となっている。
大昔だと後者も青が担っていたりした。



  • 支配魔法/Control Magic

TCG初のコントロール変更効果を持ったカードで、青のオーラ・エンチャント。英語名がすごくストレートな1枚。
後発の青のコントロール変更カードはこのカードを基本にデザインされている。
その中でもこの能力を内蔵した《誘惑蒔き/Sower of Temptation》はマナコスト据え置きのくせになぜか2/2飛行のクリーチャーがついている。
除去しやすくなっているとは言えインフレの象徴とされることもしばしば。


  • 脅しつけ/Threaten

現在では赤の役割となっている一時的なコントロール変更を行うカードの大元で、赤のソーサリー。
上記の支配魔法と同じく後発のカードはこれをベースにデザインされている。
無論そのまま返す訳もなく、大抵は生け贄コストに充てて借りパクする。通称パクリファイス。


コントロール押し付け効果の代表である、青のソーサリー。
コンボ発見によりカスレアから一転してトーナメントレベルに価値の見直された1枚。


  • 別探索/Side Quest

自分のクリーチャー1体のコントロールを別の試合のプレイヤーに渡す、白のソーサリー。
もちろんジョークカードであり、通常の試合では使用できない。


プレインズウォーカーでは初めてコントロール変更効果を持ったカードである、青黒赤のプレイズウォーカー。
小マイナス能力はボーラス様の威光により相手クリーチャーを屈服させるものとなっている。


一時的なコントロール奪取を持つプレイズウォーカーでは有名な、赤のプレイズウォーカー。
奥義(大マイナス能力)はターン終了時まで全てのクリーチャーのコントロールを奪うという非常に強力なもの。
8マナソーサリーの《暴動/Insurrection》と同じといえば強さがわかる。
この効果を使うまでが苦行すぎるって?それはそう。


他のTCGでは類を見ない相手プレイヤーのコントロールを奪う効果を持つカード達。
詳細は各項目を参照。


  • 裏切りの工作員/Agent of Treachery

ETB能力でパーマネント1つのコントロールを永続的に奪う、青のクリーチャー。
土地も含めて何でも選べるが、その分7マナと重く設定してバランスを取った…
つもりだったのかもしれないが、よりにもよってリアニやらなんやらで踏み倒しが最も容易なクリーチャーにしたのが運の尽き。
色んなものをパクり過ぎた結果、公式から「極めて腹立たしい能力」と罵倒されて禁止送りになっってしまった。


  • 召し上げ/Expropriate

全プレイヤーが使ったプレイヤーに追加ターンを与えるか自分のパーマネントを与えるかを選ぶ、青のソーサリー。
多人数戦用のセットで登場したカードであり、実際多人数戦で最も効力を発揮する。
何を与えるかはそれぞれのプレイヤーが選択するため、コントロールを奪えるかは不確定。
だが「ターンが回るのが遅い多人数戦で何ターンも連続で動かれたらゲームが終わる」という理由で大体パーマネントが献上される。
自分は追加ターンを選べば良いので、実質追加1ターン+カード3枚のコントロール奪取になるというトンデモカード。
「対戦相手に選択権があるカードは弱い」はTCGの通例だが、ここまで豪快だと例外となる。




遊戯王OCG

前述の通り、コントロール奪取というものはアドバンテージとしては単なる除去以上の重みを持つ。
コストの概念が希薄でカードアドバンテージを重視する遊戯王OCGでは特にこの傾向が顕著で、強力なコントロール奪取は非常に規制されやすい。
特にシンクロ召喚導入以降はどんなモンスターでもチューナーとレベルさえ合えば素材として使えることで活用法が加速。
「奪ったモンスターの効果を利用した上で各種EXデッキモンスターの素材に利用する」戦術が、広範なデッキにおいて確立した。
9期にはコントロール奪取が戦術に組み込まれた「グレイドル」というカテゴリが登場している。


また、元祖たる《死者蘇生》を筆頭に、相手の墓地のカードを自分のフィールドに蘇生できる手段が割とよくある。
これも「相手がオーナーのカードを自分のコントロール下に置く」という点では同様である。


アニメにおいては特に遊戯王デュエルモンスターズでの活躍が多い。
遊戯の《洗脳−ブレインコントロール》、海馬の《エネミーコントローラー》、城之内の《墓荒らし》などここぞという場面で使用されている。



前者は通常魔法で、表示形式を問わずにターン終了時まで奪取する。
後者は装備魔法で、表側表示限定かつ相手のLPを回復させるデメリットがあるが、付いている限り永続的に奪える。
どちらも遊戯王OCGにおいて制限のないコントロール奪取は強すぎるということの証明であるカード。
どちらも奪ったモンスターの利用に制限はなく、そのまま攻撃したり生け贄召喚の生け贄にすることができた。
いずれも早期に禁止カードに指定された。


が、2023年の改訂で《心変わり》の方が制限カードへと緩和された。
環境のインフレと「先攻では腐りやすいが、先攻制圧に対するメタカード・ミラーマッチ対策になり得る」点が考慮された思われる。
逆に《強奪》の方は装備魔法のサーチやセルフバウンスする手段が増えたため、使い回しの警戒で禁止のままだろうという見方が強い。


  • 洗脳−ブレインコントロール

原作で闇遊戯が頻繁に使用していた通常魔法。原作版ではその効果は《心変わり》と全く同じものだった。
OCG版は《心変わり》の調整版となった。発動に800LPが必要で、奪えるのは表側表示のモンスターに限定さている。
だがそれでも強力だったため、制限カードを経て禁止カードに。


その後長らく禁止カードのままだったが、エラッタを経て緩和された。
エラッタ後は通常召喚可能なモンスターにしか使えなくなり、汎用性は大幅に低下している。
上記の通り後に《心変わり》がそのまま緩和されたことを考えると、色々と早すぎたとしか言えない。


  • 精神操作

《心変わり》の調整版の1つである通常魔法。表示形式を問わず奪えるが、攻撃とリリースはできなくなる。
奪っても縛りが多すぎて使い道が無いと第5期以前は空気カードだったが、縛りを無視できるシンクロ召喚の登場により注目されるようになった。
広範囲で使われ一時期制限カードにまでなったが、現在では無制限に緩和されている。


第10期で更に縛りの緩いリンク召喚が登場し、再び注目される。特に相手のリンクモンスターを奪った時の恩恵が大きい。
現在では環境トップや先攻制圧に対するメタカードやミラーマッチ対策としてサイドデッキに採用されるパターンが多い。


みなさんご存知、墓地のモンスター1体を特殊召喚できる通常魔法。
前述したように相手の墓地からもモンスターを蘇生でき、相手が先に出してきたエースを奪うというのもよくある話だった。
現代ではその強さは陰ってはいるがとにかく汎用的なので、現在でも制限カード


お互いの手札を1枚ずつ交換する通常魔法。
他のコントロール変更カードと違い、手札のカードのコントロールを変更する特異なカードである。
後発では渡すカードをデッキの中から選ぶ《プレゼント交換》なんてものもある。


  • 強制転移

お互いのモンスターを入れ替えるため通常魔法。
カード・アドバンテージでは損をしているが、様々なコンボの可能性を秘めている。
トークンや自己バウンス持ちを送りつければ一方的に攻撃できる。かつてはリクルーターを送りつける光景もよく見られた。


(海馬的な意味で)みんな大好きエネコン。2つの効果を持つ速攻魔法。
第1の効果は表示形式の変更。第2の効果はコストで生け贄が必要なものの、一時的なコントロール奪取。
まさにカード名に違わない。
戦闘を有利にできる速攻魔法という点から、環境トップデッキにも投入された時期があった。


レベル6のシンクロモンスター
2800というレベルの割に高い攻撃力に加え、戦闘破壊したモンスターを守備表示で自陣に蘇生するという強力な効果を持つ。
処理上は死者蘇生と同じ「相手墓地からの蘇生」だが、感覚としてはコントロール奪取に近いと言える。
登場当初はシンクロ素材に制限も無く、シンクロ召喚ができる多くのデッキで使われた。
攻撃力2800未満は不利という「ゴヨウライン」なる指標を作り出す程に環境に大きな影響を与えた。
制限カードに指定後も採用率は衰えず、遂に禁止カードとなってしまった。
禁止入り後、コントロール奪取をテーマにしたシンクロモンスター達であるゴヨウシリーズが新たに誕生したりした。


その後エラッタによって禁止カードから緩和。
効果はそのまま、シンクロ素材が「地属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上」となった。
出せるデッキが減ったのみで「レベル6シンクロでは最高峰」という評価こそ保っているが、環境の変化やカードパワーのインフレもあり目立った活躍はできていない。


ランク2のエクシーズモンスター
自身の効果で無効にしたカードをモンスターカードでなくても奪ってしまう。
カウンター要素を併せ持っているという点では、両方の意味で「コントロール」要素を持つカードと言える。
詳細は項目参照。


相手の場のモンスターをリリースしながら相手フィールドへ召喚/特殊召喚されるモンスター達。
ステータスが高く非常に厄介なカードが相手の場に出ることになるので基本はコンボ要員…
なのだが、昨今はこいつらよりもよっぽど居座られると厄介なカードが多いため、コンボせずに純粋な除去カードとして扱うことも。


  • 洗脳解除、所有者の刻印

モンスターのコントロールを元々の所有者に戻すというコントロール変更効果へのメタカード達。
…なのだが、実際は上記の相手フィールドへ召喚される強力なモンスターを送りつけたうえで取り返すという使い方がほとんど。
実質的にコントロール奪取カードの一種として使用されている。


コントロール奪取に特化した共通効果を持つカテゴリ。
詳細は項目参照。


  • シエンの間者、死のマジック・ボックス

相手へ自分のモンスターのコントロールを渡す手段の代表例。
【転移アメーバ】や【調理師エクゾ】のようなデッキで上記の《強制転移》などと一緒に使用される。


実は遊戯王OCGにおいては、装備カード化やエクシーズ素材化も分類上はコントロール変更として扱われる。
そのため《不意打ち又佐》のようなコントロール変更への耐性があるカードは、これらの効果で取り込むことができない。



バトルスピリッツ

スピリットには場に維持するためにコアを乗せておく必要がある。
コントロール変更を行うとこのコアも移動してしまうことから処理が非常に煩雑になる。
そのため、初期に1枚出て以降はフィールドの移動を伴うタイプのスピリットのコントロールを変更するカードは出ていない。
おかげでSkype対戦はしやすい。



  • 冥犬ケルル・ベロス

第2弾に出たバトスピ唯一のスピリットのコントロールを奪えるカード。
前述のコアの扱いの問題もあってかブレイヴや《煌臨》など新システムが出るたびにテキストからは読み取れない独自裁定が増えていく。
このスピリットのQ&Aを読めば今後バトスピにはコントロール変更を行うカードは出ないのだろうと察しが付く。
2020年11月に禁止カードに指定されたのだが、「あまりに複雑かつ特殊な裁定が多く、そのすべてをプレイヤーへ周知するのが困難なため」という他のTCGではまず見られない理由によるものであった。


  • 戌の十二神皇グリードッグ

スピリットのコントロール変更は前述のとおりできなくても、使いきりのマジックカードなら大丈夫だろうということでデザインされたスピリット。
専用能力【強奪】で、相手の手札を見て、その中のマジックカード1枚を破棄しつつ、その効果を即座に発揮できる。つまり相手のマジックを奪いながらピーピングハンデスする能力を持つ。


  • 創界神アプロディーテ

相手スピリットで相手プレイヤーを攻撃させる効果を持つ。
フィールドの移動をさせなければコアの問題は起こらない、というバトスピにおけるコントロール変更の問題を解決した1枚。




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  • コントロール(TCG)より独立しました -- 名無しさん (2020-01-20 10:02:59)
  • アプロディーテがあるならヴァンガードの「支配」も入れろよ -- 名無しさん (2020-01-20 10:46:21)
  • ポケモンカードだと、コロコロ付録のジャンボカードに「相手のベンチポケモンを奪う」技や映画の効果に合わせて「伝説の三鳥を奪う」ジラルダンがあったな。通常サイズだと、トレーナーカードを奪えることもある「錯乱ジム」があった。 -- 名無しさん (2020-01-20 11:26:11)
  • これだと、コントロール(TCG)の方の項目名に違和感があるな。「コントロール戦略(TCG)」と「コントロール奪取(TCG)」みたいに変えた方がわかりやすいかもしれない。 -- 名無しさん (2020-01-20 12:42:30)
  • 遊戯王の超融合は? -- 名無しさん (2020-01-20 14:11:55)
  • 死者蘇生等はリアニメイト(TCG)の項にのみ記載するのが適切かと思います。 -- 名無しさん (2020-01-20 15:16:42)
  • 珍しいところではドミニオンの支配なんかも一例か -- 名無しさん (2020-01-20 19:46:15)
  • ↑3 アーキタイプのコントロールはあくまでもコントロールであるべきかと。でないとアグロやコンボデッキと揃いませんし。それにこちらは奪取以外のコントロール権全般を解説しています。結局、どちらも今のままが一番項目名として適切と言えます。 -- 名無しさん (2020-01-20 23:03:16)
  • 霊使いは? -- 名無しさん (2020-01-21 21:03:08)
  • ↑2 ならそっちは(アーキタイプ)にして、ここはコントロール権(TCG)ないしコントロール変更(TCG)とかでよくね? -- 名無しさん (2020-01-21 21:11:03)
  • 訂正 正確にはアグロとかの方もまとめて(アーキタイプ)に統一したらってことね -- 名無しさん (2020-01-21 21:19:41)
  • カルドセプトシリーズのハウントとか言う「操作をAIにやらせる」アレなカード -- 名無しさん (2020-01-22 14:30:27)

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*1 AがBのカードを奪う場合、Aはカードを1枚消費してBのカードを1枚獲得し、Bはカードを1枚失う。そのためAのカード総数は±0に対し、Bの総数は-1となる。

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