賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編

ページ名:賭博堕天録カイジ ワン_ポーカー編

登録日:2019/12/29 (日) 18:08:58
更新日:2024/05/16 Thu 10:40:28NEW!
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賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編とは、福本伸行による漫画作品。



【概要】

週刊ヤングマガジンにて2013年22・23号から2017年38号まで連載。全16巻。


賭博堕天録カイジ 和也編』の続編。前作から1年以上の休養を経てスタートした。
前作最終回からそのまま話が続いており、本作はタイトル変更による話数リセットも生じていない。
正直単行本の巻数がリセットされただけで、ワン・ポーカー編1巻は実質「和也編11巻」という状態になっている。


作品評価については前作や前々作と同様、賛否両論の議論が収まることはなかった。
理由としては、堕天録以降続くシナリオのスローペース化などが原因として挙げられるだろう。
特に247話~252話に関しては、似たような構図を延々と繰り返したことが衝撃を与えてネタにされた。
一方で、終盤の和也の心情描写などに関しては評価する意見も少なくない。


本作は前作までとは異なって16巻で完結し、続編の『賭博堕天録カイジ 24億脱出編』へと続く。
10巻だった前作は勿論、13巻で終わっていた前々作以前などと比べると微妙に巻数が増えている。
これに関しては和也編が10巻だったため、ワンポーカー編16巻と合計で全26巻(13×2)にしたとの憶測がある。


堕天録シリーズ自体は本作以降も続くが、堕天録の重要人物である和也との決着は付いたため、事実上和也編の完結作となった。


【作風】

ギャンブルに関しては、ポーカーを題材にした『ワン・ポーカー』
一試合ごとにプレイヤーに二枚のカードが配られ、その内から一枚を選び数の強さで勝敗を決める。もし両方が出したのが同じ数字なら引き分けになる。
数の強さは弱い順に2から10、J、Q、K、Aで、2は最弱ながら最強のAに勝つというEカードの奴隷のような扱いになっている。
ただし、このギャンブルではA~8をUP、7~2をDOWNと分類し、互いに相手のカードがUPかDOWNかの情報が伝えられる。
カードを提出した後、(「ポーカー」の名が付く通り)コール・レイズ・ドロップのいずれかを選択する。
コールは、カードを開いて勝負したいときに宣言する。ただし、相手の同意が必要。
レイズは、ライフを吊り上げたいときに宣言する。回数に制限はなく、宣言された側がより多く吊り上げることもできるが、少ない側のライフ数が上限。
ドロップは、その回の勝負を棄権したいときに宣言する。宣言した時点でその回の負けが確定し賭けたライフを失うが、カードは開かれる。


堕天録(17歩編)と同様に1つのギャンブルのプレイに1シリーズ全てを費やす展開となった。
今回のワン・ポーカーに関しては17歩程の専門性はないが、やはり17歩と同様にスローペース気味。


地味にEカード以来のカードゲーム型ギャンブルだったりもする。
そのためEカードと比較されがちな原因でもあり(作中でもEカードの存在を挙げる描写がある)、比較しての批判が出ることも。
シリーズ最高傑作とも呼ばれるEカードと比べるのは、さすがにワン・ポーカーに対して少し酷な話ではあるが…。


【あらすじ】

前作の「救出」ゲームにて、光山に裏切られたチャンとマリオの二人組に7000万円を出して救ったカイジ。


カイジが起こした行動の結末に納得のいかない和也は、打倒カイジを決意する。
一方のカイジは当初は疫病神として追い払ったチャンとマリオを、敵の本拠地でギャンブルをするリスクから仲間として引き連れる事にした。


車でカイジが向かわされた決戦の地は、帝愛グループの倉庫だった。
そこで和也はカイジに決戦で行うギャンブル「ワン・ポーカー」のルール説明を行い、巨大なワン・ポーカーの専用マシン『マザー・ソフィー』が用意される。
そして、カイジの目の前には前代未聞の金額である20億円分のアタッシュケースが展開された。


人間の価値を賭けたゲームでもあるというワン・ポーカーによる、1ライフ2億円(一般的なサラリーマンの生涯年収)のギャンブルが始まる…。


【主な登場人物】

◇主要登場人物

CV:萩原聖人
演:藤原竜也
前作でチャンとマリオを7000万円の出費で救い、計算で彼らを仲間に引き入れて和也との勝負に向かう。
ギャンブルジャンキーとしてのイカれた思考回路を発揮して興奮状態に陥り、ワン・ポーカーへ挑戦する。
カイジの他者への甘さが、和也の精神を徐々に狂わせていくことになる。


本作では「命は二番、一番は人生」という「人生は命より重い」カイジの人生観が語られる。
「 [[御身大事リスクを冒さずただグズグズ長生きしても人生が輝かなきゃそんなもんクソだろ!>赤木しげる(天〜天和通りの快男児〜)]]」とのこと。


  • 兵藤和也

CV:山口勝平(パチンコ版)
兵藤和尊の次男。チャンとマリオを救ったカイジの行動に不快感を覚え、カイジを倒す決意を強く固める。
ワン・ポーカーでは、父親から受け継いだかのような強運と賭博師としての才能を発揮し、カイジを追い詰める。
しかし、泣きの延長戦を認める決断や自身の信念に反したイカサマの使用により、逆に自身の首を絞める事態になっていく。
やがて、カイジに本心を見透かされたことで大きく動揺してしまった。


親の七光りだと思われることに嫌悪感を抱いており、可能な限り真剣勝負にこだわる。
自分しか知らない仕組みを用意しながらも、相手側に対しても用意している辺り、公平性は限りなくブラックに近いがグレーゾーンをキープしている。
ただし、それはあくまで自身が勝利することが前提となっている。


和也の人間不信に繋がる根本的な原因が、本作ではついに明かされる。
カイジの存在がその人間不信を微妙に揺るがしていくが、同時に治療困難なレベルの滅茶苦茶な人間不信っぷりを披露する。


  • チャン
  • マリオ

「救出」ゲームにて光山に裏切られるが、カイジの必死の判断で救い出された外国人二人組。
カイジが座るマザー・ソフィーの席の後ろにて、カイジ側のリアクション担当観客役兼説明役的な立場になる。
自身を救ってくれたカイジを救うために二人の下した決断が、絶体絶命のカイジを救った。


チャンはあまりにも壊れたカイジのギャンブル中毒の症状に「犯罪者の考え方と一緒」とドン引きしたりもする。
マリオは「命が一番だろ!どんな大金でも命に比べりゃ紙クズ当然」という、かつての利根川とは真逆の思想*1を言い放つ。


  • 高崎

和也の部下の黒服の一人。物語途中までは和也側の解説役として位置していた。
ギャンブル途中で和也の指示によって倉庫内からの撤退を命じられ、外で待機することになる。
マザー・ソフィーの実態を把握していたが、それ故に違和感をスルーするという結果として判断ミスをしてしまう。


  • 白木

和也の部下の黒服の一人。地味に名前が明かされたのは物語終盤。
倉庫内から撤退後、外での待機中にギャンブルがなかなか終わらない和也の異変に気が付く。
しかし、高崎の判断によって倉庫内に戻ることはなかった。


  • K(キング)

和也の背後に現れた、トランプのK(が描かれた石版のようなもの)たち。
和也の心情を読者にわかりやすく伝えるためのメタ要素と思われる。
カイジはKを出していると煽ったり、のしかかって来たり、歯をカチカチ鳴らしたりして和也を威嚇する。



◇回想での登場人物

  • 和枝

和也が4歳の時期に兵藤家に仕えていた家政婦の中年女性。
過去の事故の際、唯一和也の異変に気が付いて和也を救った。
ソフィーの死後も和也を親身に育てていたようで、ある意味和也の実質的なもう一人の母親である。


CV:津嘉山正種
演:佐藤慶(実写映画版)
シリーズラスボス。本作では回想のみ登場するが、過去の時代(65歳の時期)の姿も描かれる。
65歳の時は現在よりはマシな人格だったようで、黒ひげ危機一発を残虐な玩具と認識して教育上の悪影響を危険視する一面もある。
一方で幼い子供に滅茶苦茶を言い出してソフィーにガチギレされるなど、今よりかなりマシな過去の時期でも既に怪しい傾向はあった。
現在でも和也と和貴を溺愛している事が示唆される回想があるが、和也は和貴への劣等感を拗らせてその愛情を信じていない。


  • ソフィー

和也の母親であり、和尊の妻の外国人女性。和尊とは20歳以上年齢差がある年の差婚でもある。
和也が7歳の時にスポーツカーで電柱に激突する交通事故により、43歳の若さで急逝した。
家事は家政婦任せで自分で行わない上に馬鹿そうな雰囲気を出しているが、息子達はかなり溺愛している。
また、滅茶苦茶を言い出す夫を強く叱りつけるなど、馬鹿そうと言われる雰囲気に反して人間としての良識は持っていた。
和也が4歳の時のクルージング事故の際、あまりにも不運な和也の勘違いによって、和也のトラウマとなってしまう。


  • 兵藤和貴

唐突に回想にて新登場した和也の兄。和也の3歳年上で、子供の時から少しキザ気味な表情をしていた。
外見が悪い兵藤の息子とは思えない一条を思わせるイケメンであり、和也とも髪はともかく顔は全く似ていない。
有望な男とのことで父親に激しく溺愛されており、クルージング事故の際の勘違いも重なって、和也にとっては苦々しい存在に。








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  • まぁカイジは現在進行形で死ぬより辛い人生送ってるんだし、悲惨な人生をダラダラ先延ばしにするよりはとっとと生き急ぎ死に急ぎたいという気持ちになるのも分かる気がする… -- 名無しさん (2019-12-29 20:58:11)
  • ここで勝っても逃亡生活送ってるのを見ると、やっぱワンポーカーなんてせずそのまま4億で生きてた方が幸せだったよなあ……。 -- 名無しさん (2019-12-30 11:04:42)
  • ワンポーカーの説明欲しいな -- 名無しさん (2019-12-30 18:46:54)
  • 和也は確かに可哀想な出来事だけどそれまでに色々ありすぎて結局和也自身の問題に思えてしまうわ -- 名無しさん (2019-12-30 19:11:41)
  • そもそも両親は普通に愛情を注いでるからな。不幸な行き違いがあってもそれを信じられないのはやっぱり和也自身のコンプレックスのせいだろ -- 名無しさん (2020-01-03 09:28:12)
  • まさかこの話がマシに見える今があるとは -- 名無しさん (2020-01-05 12:02:41)
  • とんでもなく牛歩展開だったけど明確な勝利条件あって、そこに向かって進んでたのは分かるからな。今の逃亡編はどうすればゴールに着くのかすら分からん -- 名無しさん (2021-01-11 17:45:06)
  • なんとなく勝負の流れみたいなのを書いたほうがいいかな?最後の方はぼかして -- 名無しさん (2021-03-12 20:12:30)
  • この次の、24億逃走編が異様な長さになってるんだけどシリーズ最長巻って……なのにストーリーの濃さがスカスカすぎる -- 名無しさん (2023-01-07 15:19:51)
  • 白木は逃亡編でも登場するけど名前が西嶋に変わってる。まあ福本漫画では多々あること。 -- 名無しさん (2023-06-03 00:13:35)
  • 24億逃走編、ついに休載 福本センセはちょっと休んだほうが良い気がするから丁度良さそう -- 名無しさん (2023-06-06 13:10:50)
  • ↑5 黙示録編の一番最初で遠藤が言ってた「届かないゴールを目指してる」のくだりが、24億編の現状そのものになってたということかな? -- 名無しさん (2023-07-02 12:56:23)

#comment

*1 利根川の金は命より重い発言は鉄骨渡りの参加者を煽るための台詞でもあり、完全な本心だったかどうかは微妙な部分はあるが…

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