Code:Realize 〜創世の姫君〜

ページ名:Code_Realize _創世の姫君_

登録日:2019/12/22 Sun 01:42:53
更新日:2024/05/16 Thu 10:38:20NEW!
所要時間:約 52分で読めます



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猛毒の少女はを求めた






『Code:Realize 〜創世の姫君〜』は2014年にオトメイトより発売された乙女ゲーム
対応ハードはPlayStation Vita。愛称はコドリア。


舞台は1863年、機鋼都市ロンドン。
所謂スチームパンクものであり蒸気技術に関しては本来の歴史よりも高いという設定。
登場人物たちはアルセーヌ・ルパンやヴァン・ヘルシングなど19世紀を舞台とする作品の登場人物をアレンジしたキャラクターになっている。
有名どころがモチーフになっている者もいれば、かなりマイナーなものがモチーフになっているキャラもいる。
全く別の作品の登場人物たちが設定レベルから絡み合うというスパロボみたいなことになることも。
このような設定から乙女ゲーム版リーグ・オブ・レジェンドとも呼ばれている。


シナリオの特徴としては恋愛よりもストーリー性を重視しているところか。実際13章中共通ルートが8章分になっている。
ストーリーは1章で確実に話が何か進んでいくため、飽きることなく結構楽しく読み進められる。



乙女ゲームの醍醐味ともいえるルートによるストーリーの分岐を最大限に利用し、ルートごとに全く別の物語展開になることは評価が高い。
特に真ルートでその別であったはずの物語がひとつに絡み合う展開は見事。
良くも悪くもストーリー展開を重視しているゲームである。


このような作風から人気は結構高い……というかオトメイトとしてはおそらく『薄桜鬼』以来の大当たり枠。奇しくも時代設定は薄桜鬼と同時期である。
既にファンディスク・移植作が多めに作られており、コンテンツの羅刹化が危惧されている。


そんな恋愛抜きにしても面白いシナリオや魅力的でかわいらしい主人公の存在から男性諸兄でも十分楽しめる作品と言えるだろう。


2017年10月よりアニメ化された。




【あらすじ】


主人公・カルディアは触れたものを融解させるという性質を持つ自らの肉体に絶望し、とある田舎の屋敷に引きこもっていた。


ある日、とある目的から現れた『英国軍』を名乗る男たちによって捕らわれ、連れ出される。


そんな彼女を救いだしたのは泥棒紳士と名乗る青年・アルセーヌ・ルパンであった。
彼の手により彼女は英国軍から【盗み】出されてしまう。


そしてルパンは自身の目的を語る。カルディアの父・アイザックの野望を自分は止めなければならず、そのためにはカルディアが必要だったと。


カルディアは父に会い自分のことを知るために、ルパンは目的のために、それぞれの理由から共に行動をすることになる。



【用語】


◆ホロロギウム
カルディアの胸に埋め込まれた美しい青色の宝石。
高いエネルギーを持ち欠片でも使えば莫大な熱量を生み出す。
何故埋め込まれているのかはカルディアも分かっていない。
実は賢者の石の前段階の物質。



◆機鋼都市ロンドン
本作の舞台。
天才科学者アイザックが開発した巨大都市。入口一帯は数十メートルもある高い壁で覆われている。進撃の巨人って言ったやつ出てこい。
高精度なガス灯やオートモービルなど本来の19世紀よりも高い技術力がある。その反面アイザックの発明は蒸気技術だけだったため電気系統の技術は逆に本来の18世紀よりも低い。
壁に囲まれているという異様な都市ではあるが、内部に住む人間は貧民層から富豪まで多くの種類が存在し、割と普通に暮らしている。
現在都市を治めているのは最も優秀な女王とも言われるアレクサンドリナ・ヴィクトリア。
また都市の中央にはテムズ川が流れている。



◆黄昏
イギリスの諜報機関。ヴァンも一時はここに所属していた。
全員がカラスに似た仮面を身につけている。主な装備はサーベル。そんな凝った仮面つくるくらいなら剣じゃなくて銃持たせろとはみんな思っているはず。
英国軍の裏のエリートとでもいうべき存在であり、特に後ろめたい任務を任されている。場合によっては非合法な活動も平気で行う。そのこともあり一般人には存在を知らされていない。
総帥が本作の黒幕の表向きの黒幕であるフィーニスということもあり、ルパン達とは対峙し続ける存在。要するにモブ敵。



◆アイザック・ベックフォード
カルディアの父であり、天才科学者。
様々な発明からイギリスの科学を数十年進めたと言われている。
現在は行方不明。



◆オートモービル
現代で言うところの自動車。ガソリンではなく蒸気で動いている。
操縦はある程度練習すれば出来るようになるらしく、結構早い段階でカルディアも操縦できるようになっていた。



◆オーソニプター
こちらは飛行船。オートモービル同じく蒸気で動いている。
一般化されているらしく、中盤ではマフィア主催で飛行船レースが行われた。



◆吸血鬼
この世界では亜人と言う扱い。
血を神聖なものとしており常人を超えた力を持っているが、不老不死ではないし太陽をはじめとした弱点は特段存在しない。あと血も飲まない。
数千年の歴史の中で混血が進んでおり、純血はかなり少ない。ただ純血は一般的な吸血鬼を超える力を持つ。
温厚な種族であり人類に進んで干渉はしないが友好的であった。
だが2年前、人類を超えた力を危惧した英国が武力抗争を持ち掛け、吸血鬼戦争と呼ばれる戦いになる。最初こそ吸血鬼側が優位であったが、最終的に新兵器・ジクテリウムを使った英国軍に敗北。現在は一部を除き絶滅状態である。
戦争を起こしたヴィクトリア女王及びフィーニスはそこまで吸血鬼を危惧していなかった。他国にイギリスの戦力を見せつけたいがだけに行った戦争。



◆錬金術
化学を超える化学技術。
本作では中世に流行った錬金術を科学的に見直そうという狙いのものであるとされている。
ホロロギウムやジクテリウムは錬金術によってつくられた。



◆ジクテリウム
ホロロギウムの前段階となる鉱石。
固体・液体であれば無害であるが、気化すると非常に高い毒性を持つ。
この性質は吸血鬼戦争に使用され、英国側を勝利に導いた。



◆ヒドゥン・ストレングス
黄昏でつくられた強化人間の総称。「人間の潜在能力を引き出す」ということをコンセプトにしており、黄昏の人体実験じみたいくつもの非人道的な研究を経て完成した。その研究の成果のためか、彼らは吸血鬼にも匹敵する筋力を持つ。
特筆すべきはコンセプトのひとつが「人間のリミッターが外すのは恐怖・憎悪」となっているため、ヒドゥン・ストレングスたちは薬品や暗示によって強制的に自身のトラウマを思い出させられるということ。本人たちは「常に悪夢にいるような感覚」と表現している。
そのため彼らはほぼ正気を失っており、戦力にはならないと廃棄された。


◆ノーチラス号
ネモが製作した超巨大飛行船。インピールート及びルパンルートに登場する。
ロンドンの姿を隠すほどの巨大さであり、同時に戦力も高く英国の誇る空軍が全勢力をもってしても大敗を喫するほど。
いくら史実よりも高い科学力を有する本作の世界観としても、この大きさの飛行船を空に浮かべることは不可能なはずだが……。
名前の元ネタはジュール・ヴェルヌの小説『海底二万里』のノーチラス号。



【登場人物】


◇メインキャラクター


「悲しくはない。これも私だから」


◆カルディア
CV.早見沙織(アニメ版のみ)
本作の主人公。大体10代後半くらい。人形のような端正な顔立ちの少女。
胸に埋め込まれたホロロギウムという宝石の影響で頭髪以外の全身が触れたものを腐敗・融解させる*1猛毒に満ちている。一部例外を除き彼女の触れた殆どの物質は融解し、人間が触れようものなら肌が爛れ落ちる。彼女の吐息もごく微量だが毒性を持ち密室に数日間いると危険であり、血を飲めばまず助からない。……というように主人公としてはかなり物騒な性質を持つ少女。おかげで彼女は恋人とキスどころか触れ合うことも出来ない。あと枕が溶けるのでうつ伏せで寝られない。
この力のせいで他人を傷つけてしまったことは少なくなく自身のことを「怪物」と自称し、彼女を恐れる者からもそう呼ばれている。そんなこともあり表情は乏しく口数も少ない。父親に「お前は怪物なのだから孤独でなくてはならない」と言われたことと親しかった人間を毒殺してしまったトラウマから人とのかかわりをあまり好んでいない。
また一般常識はあるが世間の事情に疎いところがある。実際序盤では埋め込まれたホロロギウムを見せようと自分から胸をはだけた。そのスチルもあるがカメラさんが上すぎるためせいぜい鎖骨しか見えない。
2年以上前の記憶を失っており、父・アイザックの言いつけでルパンと出会うまでの間ずっと片田舎・ウェールズの屋敷に引きこもっていた。しかし【怪物】として英国軍に捕らわれ連れ出される。だがその道中ルパンによって盗み出され、自身の正体・父親の目的を知るためにルパン達と協力して様々な事件に立ち向かうことになる。
ちなみに結構飲み込みが速く学習能力が高い方。序盤ではルパン達に「生き残るための術は知っておいた方がいい」と言われ様々なことを学んだため、付け焼き刃とはいえ最終的に……


  • 時間をかければ縄抜け・ピッキングできる怪盗術
  • 油断していれば大男でも手刀一発で気絶させられる格闘術
  • 応急手当や薬品の調合くらいならできる科学知識
  • 多少複雑な機械を取り扱える機械知識
  • ロンドン中の地理・風土などの社会知識

を兼ね備えたスーパーガールが誕生した。特に序盤以降は自身の毒も割と躊躇わず使うようになった上、元の身体能力もかなり高いため喧嘩は結構強い。
守られ系ヒロイン……? 一応言っておくと本作の敵キャラは基本的に人間を辞めているためカルディアが攻略キャラに守られるという構図は成立している。
周囲の人間と交流を重ねていくうちに少しずつ明るくなり、人間らしい表情も見せてくれるようになった。初めて微笑んだ時は周囲に驚かれていた。
なおそれに従って天然の気も見せるようになり、たとえばヴァンに格闘術を教わった時には「このまま格闘家になるのもいい気がしてきた」と真面目な顔で言いだしていた。
乙女ゲームでは珍しい天然クーデレ主人公、トラウマを持つが仲間たちと触れ合う中で少しずつ前向きになり明るい笑顔を見せてくれるというギャルゲのヒロインみたいなキャラクター性から人気が高く、FDの人気投票では第3位を記録した。さらにガールズゲームアワード主人公部門では第1位を獲得した。

実はルパン達と出会う以前に一度だけ屋敷から出たことがあった。出た理由は単なる気まぐれ。外で聞こえる子供たちの声が楽しそうだったから。


屋敷から出たものの人前で偶然毒の力を使ってしまい、迫害を受けるようになってしまう。そんな民衆から逃げ出したカルディアだが、エレインとエティという母子に助けられ居候することになる。


初めて人に触れ、楽しいひと時を過ごしていたカルディア。しかしまた民衆に見つかってしまったことでその生活は終わりを告げる。しかも恐怖が噂に尾ひれをつき、「この村の災厄は全て【怪物】のせい」と呼ばれるまでになってしまった。


エレインはカルディアの味方であったが、問答の結果「エレインと【怪物】を共に13日間洞窟に閉じ込め、【怪物】が本性を現しエレインを殺さなければ無罪放免とする」という賭けをすることになってしまう。


そしてカルディアの毒素は密室中では空気中に溜まってしまう。……エレインはすぐに体調を崩し、助けようとしたカルディアも何もできず亡くなってしまった。なんとか民衆から逃げ出しエティにそのことを伝えに行くも、母を殺したも同然なカルディアを許すはずもなく、あんなに懐いていてくれたにも関わらず「ママの代わりにお前が死ねば良かったのに」と憎悪の叫びをあげた。


エレインという大切な人を自分のせいで失ってしまったこと、エティのようにどんなに仲が良くても自分の本性を知れば見捨てられること。そのことを知ったカルディアはまた屋敷に引きこもり心を閉ざしてしまう。
そしてルパンに盗まれるまでの間眠るように生活していた。

人間ではなく、アイザックによってつくられたホムンクルス。
心臓の音が聞こえなかったり、元引きこもりの少女とは思えないほど体力があったりしたのもそのため。
……正確には心臓が動いていないのではなく、埋め込まれたホロロギウムが心臓の代わりを果たしている。逆に何らかの原因で僅かでもホロロギウムが欠ければカルディアの命が危うくなる。


彼女の設定を聞いて一度は誰もが疑問に思う「トイレどうするの?」問題であるがおそらくホムンクルスであるためそもそも行かないが多分正しい。


なおアイザックがホロロギウムを基にホムンクルスをつくるのにはかなりの苦労があったらしく、彼の地下研究所には665体のカルディアの失敗作が眠っている。腕が4本あったり、皮膚がめくれていたりする上に、顔は全てカルディアであるらしい。……流石にアレだったのか、アニメ版ではグロ要素なしの普通のカルディアが眠っているという描写になっていた。


そしてカルディアは共通ルートの最後でこの事実を知ってしまい、混乱と何より仲間たちから怪物扱いされるかもしれないという恐怖で屋敷から逃げ出してしまう。
ここから物語は個別ルートに入っていく。





「安心しろ。涙も、笑顔も、全部俺が盗り返してやるよ」


◆アルセーヌ・ルパン
CV.前野智昭
本作のメインヒーローである泥棒紳士。所謂真ルート枠であり、他4人を攻略するまでルートが解禁されない。
カルディアを屋敷から盗み出した張本人。フランスで活躍していたが「とある目的」のためにインピーと共にロンドンに訪れた。
世間を騒がしている大泥棒であり、悪人から金品を盗み出しそれを公表するという義賊じみたことをしている。そして手間賃として少々お金を拝借している。
非常に明るく、楽天家にして自信家。言動は常に大胆不敵な男である。また面倒見が良い兄ちゃん気質であり、精神的に不安定になりがちなカルディアの状態を的確に察し、アドバイスをし続けていた。
『泥棒というのは入念な準備と機を待つ忍耐』をモットーとしておりどこぞの三世みたいな用意周到さからへまを踏むことはほぼ無く「失敗する確率は常にゼロ」と自称している。
盗みのテクニックはずば抜けており、作戦立案、逃亡術、声真似、行動力、アドリブ力、手癖の悪さと泥棒としての大体のものが揃っている。「盗む」だけでなく「入れる」技術も一流であり、油断していたとはいえヴァンを出し抜いたこともある。しかしその技術は「黄昏」のものとどこか似ているなど結構謎が多い。
泥棒紳士としては明確なポリシーを持っており、他人のために行うこと、悪人だけをターゲットにすることのふたつを絶対の決まりとしている。自身がどんな危機的な状況に陥ろうともその信念を破ることはない。
また『紳士』であるので暴力はあまり好まない。万が一戦闘になった場合は手持ちのステッキに内蔵された死ぬ程苦しい催涙ガスで相手を無力化するという紳士的な戦いをする。……紳士的? なおヴァンやサンが化け物過ぎるだけであり身体能力は普通に高い。
ちなみに実質的なリーダーということで忘れられがちだが攻略キャラの中では最年少の24歳である。
カルディアには怪盗としての逃亡術を教えた。カルディアが捕縛されても落ち着いて自力で逃げ出し、さらにしっかり痕跡も消してしまうようになってしまったのはコイツのせい*2
元ネタはモーリス・ルブランの小説『怪盗紳士アルセーヌ・ルパン』の主人公であるアルセーヌ・ルパン。

「黄昏」が引き起こそうとしている大型テロ「コード・リアライズ計画」を止めるためにイギリスにやって来た。
元々はフランスで暮らしていた孤児であった。
生きるために盗みをして生計を立てていく生活であったが、ある日とある男につかまってしまう。彼は「筋はいいが技術はない」と言うだけでルパンを警察に突き出そうとはしなかった。
その日からルパンは彼のことを「先生」と呼び泥棒としての技術を学んでいく。
それから月日が流れ、それなりに技術を学んだ14歳のある日ルパンはある真実を知ってしまう。
「先生」はフランスで犯罪組織を作っていた。それもルパンの稼いだ金を使って。
先生に元に戻って欲しい。そう考えたルパンは彼から学んだ知識を総動員して犯罪組織を壊滅させる。
絶望に暮れ「先生」を探すルパンだが、路地裏で彼を見つけた時には拷問を受け虫の息となっていた。ルパンは「先生」の真実を教えられる。
元々「黄昏」という組織にいたこと、アイザックを調べていたこと、そしてアイザックの企てていた「コード・リアライズ計画」に恐れをなして逃げてしまったということを。
「先生」はすぐにこと切れてしまい、ルパンは後を継いでその計画を止めることを決意する。


このルートのカルディアは屋敷から逃げ出した後、故郷ウェールズの屋敷に情報収集に向かっていた、が偶然民衆に見つかってしまいまた迫害される。
トラウマから絶望の淵に沈み、今にも殺されそうというタイミングでルパンに助けられる。
民衆たちに「怪物のせいにして碌に対策を取らなかった結果だ」という正論で民衆を非難した。
このシーンのルパンは本当にかっこいい。


そしてロンドンに戻ろうとする中、フィーニスとアイザックはついに「コード・リアライズ計画」を実行し街はテロによって火の海に包まれてしまう。
ルパン達は独自に「黄昏」に立ち向かうも、巨大飛行船ノーチラス号を使われたうえに、フィーニスに一歩出し抜かれカルディアを攫われてしまうという最悪の展開を迎える。


憔悴し、一度は特攻することも考えるもヴァンたちの言葉を受け、仲間たちと共にノーチラス号に乗り込む決意をする。


ノーチラス号に乗りこんだ後は、窮地に陥っていたカルディアをあと一歩のところで救い、さらにアイザックの策を逆利用しカルディアの毒をほぼ無力化するという離れ業を見せた。
そしてカルディアとアイザックの結末を見届けた。


全てが終わり、破壊されたノーチラス号から脱出するため、生き延びることを賭けてふたりで船から飛び降りる。これが最後かもしれないと考え、共に愛の言葉をささやく中、ギリギリのタイミングでインピーのオーソニプターが到着し救出される。


全てが終わった後は普通の女の子になったカルディアと共に結婚式を挙げた。


ノーマルエンドでは逆にインピーたちが間に合わず(というよりもふたりを見つけることができず)、テロ事件は解決したがカルディア達が行方不明になるという結末を迎える。
ヴァンたちはそれぞれの目的で屋敷を去り、サンがふたりを待って屋敷にとどまることになる。





「ある男を探している。何故かだと? 殺すためだ」


◆エイブラハム・ヴァン・ヘルシング
CV.諏訪部順一
吸血鬼戦争の英雄と呼ばれる吸血鬼ハンター。愛称はヴァン。
元は英国軍のエリート中のエリートが揃う諜報機関「黄昏」に所属していたが現在は諸事情で辞めている。ちなみにその時の活躍ぶりから「人間兵器」の異名を持つ。
「黄昏」の長であるフィーニスと因縁があり、彼の命を狙っている。彼を誘き寄せるため最初は「黄昏」の狙う少女・カルディアを攫おうとしていた。しかし利害が一致していることが分かり、戦闘の末ルパン達と手を組むことになる。……こんな経緯であるがすぐにルパン一味に馴染んでいた。
性格はクールな皮肉屋。ルパン達がやらかしたらまずツッコミを入れるのはこの人。もっともヴァンも変なところで抜けているため逆にツッコまれることも多いが。
しかし本質的にはめんどくさいツンデレであり、言葉にはしないが仲間たちのことを気にかけている。特に何かと危なっかしいカルディアのことを目にかけており、彼女が失踪した時には普段通りに振舞いながらも心配のあまり新聞が上下逆になっているという彼らしくない失態を見せた。
趣味は意外にも料理。ルパン一味の食事が予想以上に美味だった時には珍しく機嫌を良くしていた。だが作ったのがインピーだと知ってすぐに手のひらを返していた。実は料理が趣味と公言する割にはカルディアと同じ*3かそれ以上に不器用でロクな料理にならないのだが、それについては本人は気が付いていない。
得物は二丁のショットガン。この時代のショットガンと言えばある程度衝撃が強いはずだが、難なく片手で扱えている。弾丸の中身は基本的には岩塩弾を使っている。当たり所が悪くても骨折する程度という人道的な弾丸。……人道的? ただ飽くまでも基本であり、状況によっては実弾やグレネード弾も取り出してくる。
戦闘能力は本当に高く、エリート中のエリートである黄昏部隊×数十人、人間の数倍の筋力を持つ吸血鬼、ガチで人間を辞めているイデアの使徒といった本作の強キャラ達と互角以上で戦えるだけの力を持つ。間違いなくルパン一味の戦闘の要。
カルディアに格闘術を指南したのはヴァンである。……カルディアがピンチになっても焦ることなく奇襲の術を考える武人気質になったのは大体コイツのせい
元ネタはブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』の登場人物であるエイブラハム・ヴァン・ヘルシング。

吸血鬼戦争時代、最初は吸血鬼族へのスパイとして敵地に向かっていた。
しかし温厚な吸血鬼たちを見て戦争に疑問を持ち、フィーニスに戦争を止めるように進言するも聞き入れられず、あろうことか故郷の母と弟を人質に取られてしまう。
自分の師匠とも言えるドラクロワ一世を殺害し、心の傷を負ったヴァンは「黄昏」を辞め故郷に帰るも、待っていたのは家族の死体だった。状況証拠からフィーニスの仕業だと考えたヴァンは、同じく家族を殺害された恩師・アレスターと共に復讐を決意する。


このルートではヒドゥン・ストレングスがロンドンで傷害・殺人を繰り返すAZOTH事件が起き、そして犯人がヴァンの過去について言及したことから黒幕がフィーニスであると考える。


しかし実際にフィーニスと対面し、衝撃の事実を告げられる。
それはAZOTH事件の首謀者がアレスターであり、さらにヴァンの家族を殺したのも彼だということだった。


自身が事件の中心にいると知り、愛しているカルディアに危険が及ばぬようにと彼女を敢えて拒絶する。それでも自分を追いかけるカルディアに「大切に想うからこそ遠ざけているのに……!! 何なんだお前は――!?」と珍しく自身の心情をストレートに吐露するも、「大切だから、私は貴方のそばにいるの。死ぬことより、貴方と離れて心が通わないことが怖い」というカルディアの言葉には何も言い返せなかった。
このルートのカルディアはやたら勇ましい。


「黄昏」の基地でアレスターと一騎打ちになるも、これまでの彼の全ての行動はヴァンをヒドゥン・ストレングス化させるためのものであったということが明かされる。
吸血鬼を殺させ、さらに家族を殺したのはヒドゥン・ストレングスに必要なトラウマを与えるため。そしてAZOTH事件を起こしたのは様々な被験者に出会わせることでヴァンに自身の過去を思い出させようとしたこと。本来は拷問じみた方法で行う洗脳を、長い時間かけてじっくり行うことで最強のヒドゥン・ストレングスにさせようとしたのだった。
そしてこれだけのためだけにヴァンの人生は狂わされていた。
動揺した隙を突かれ、完全なるヒドゥン・ストレングスとなる暗示により洗脳され「全ての原因はカルディアにある」と思い込まされてしまう。
彼女を殺そうとするも、カルディアに「貴方は誰よりも許されたかったんだ」と心情を言い当てられ僅かだが正気を取り戻す。そしてこれ以上カルディアを傷つけまいと自らにナイフを突き立てる。
……が、カルディアの想いが通じたのか、はたまた傷が浅かったのか奇跡的に生還した。


事件が終わった後はふたりきりになった屋敷で平和に暮らしている。


ノーマルルートではヴァンが死亡する。
残されたカルディアは悲しみに暮れるも、このままでは逆にヴァンを悲しませると考え少しずつ笑顔を見せるようになる。
そしてドラクロワ二世とともにヴァンの故郷に向かった。





「僕は逃げたんだよ。震えて……怯えて……最低なんだ」


◆ヴィクター・フランケンシュタイン
CV.柿原徹也
元英国政府お抱えの研究員。愛称はフラン。白衣を纏った気弱そうな眼鏡の青年。
ある出来事が原因で英国に大量殺人の濡れ衣を着せられており、逃亡中に偶然カルディア達と出会い利害が一致から協力を申し出る。
性格はやや気弱で穏やか。天才的な頭脳を持つにもかかわらずそれを決して鼻にかけることがないという優しい人間である。ただこんな彼が我の強いやつらが固まったルパン一味の中にいるため、振り回されてしまうことが多い。一番マトモそうということから一味の経理を担当しているのだが、ルパン達の杜撰な金の使い方に振り回され財布を空にしてしまった。もっともフランも薬品代にかなり使い込んでいたが。
ただ、怒るときには結構怒る。特に何か過去に因縁があったらしいヴィクトリア女王に対しては彼らしくなく激しい口調で対峙している。
科学や錬金術に関して天才的な頭脳を持っており、カルディアの生活を支えているのはもっぱら彼。彼女が身につける衣服や使用する食器などはすべて彼の手によって加工されており、毒の侵食を受けないようになっている。さらにルパンの怪盗道具の作成、ヴァンの弾薬の調合、インピーの機械道具の補助なども行っておりルパン一味への恩恵は計り知れない。
ちなみに診察のために定期的にカルディアのホロロギウム……というか胸元を覗き込んでいる。しかしフラン自身は割と朴念仁な上にカルディアはカルディアなので両者気にすることなく執り行っている。しかしお互いを意識した後はそれなりに恥ずかしがるようになった。かわいい。
学者肌ということもありあまり身体能力は高くなく、ルパン一味の中では弱い方。戦闘時には「黄昏」の兵士数人を一度に吹き飛ばせる爆薬を使って戦う。……弱い方? 中盤からは閃光玉や煙幕弾などバリエーションが増えた。
元ネタはメアリー・シェリーの小説『フランケンシュタイン』の登場人物であるヴィクター・フランケンシュタイン。

ジクテリウムを制作したのはフラン自身である。
当時国の高名だった錬金術師であったフランは国家プロジェクトとしての企画である賢者の石の生成の責任者であった。しかし結果生み出せず残ったのは有害なジクテリウムだけ。フランは失敗の責任を問われて解雇されてしまう。
そんな時アイザックに拾われ政府管轄の研究員として雇われる。まだ見捨てられていないことを喜んだフランは、依頼されたジクテリウムの研究を喜んで行っていた。……その裏側も知らずに。
そして吸血鬼戦争時代、フランはある噂を聞く。それはジクテリウムが戦争の新兵器として使われているということだった。
急いで戦地に向かうも、彼が見たのは吸血鬼の民の死体の束だった。それも、どれも苦悶の表情を浮かべて。
自身の行ったことに後悔をしたフランは逃げるように政府から去っていく。


このルートではロンドン中でジクテリウムを使用したテロ事件が起こる。しかもまたもフランが犯人として濡れ衣を着せられていた。
フランたちは考えた末にヴィクトリア女王に掛け合って、容疑を取り消すように交渉に行くことになる。
しかし対面した先でふたつの事実を告げられる。
ひとつめは事件の黒幕がヴィクトリア女王本人であるということ。
そしてふたつめはフィーニスの介入によってカルディアの肉体は変質しており、一定時間後に半径数キロ先まで毒ガスを垂れ流す本物の怪物になってしまうということ。


命からがらルパンの隠れ家のひとつがある貧民街に向かったふたりだったが、運悪くそこでも毒ガステロが起こってしまう。
必死に住民の避難を手伝うふたりだったが、そこで意外なことが起こる。
カルディアは少量ジクテリウムを吸い込んでいたのだが、むしろ体調が良くなっていたのだった。
そしてフランは咄嗟に計算をし、ホロロギウムの毒はジクテリウムによって中和される、ということを突き止める。


喜ぶのもつかの間派手に避難誘導をしたこともあり、黄昏に見つかってしまう。
黄昏は現在女王の命を受けて行動しており、フランにある要求をしに来ていた。
要求は戦争で使われることなく捨てられた膨大なジクテリウムを探すこと。ロンドンのどこかにあるということは分かっていたが、場所までは分からなかった。
そしてそのジクテリウムで最後のテロを起こすつもりだったのだ。


カルディアは人質という形になってしまい、フランはひとりジクテリウムを探しに行くこととなる。
もっともカルディアは縄抜け&窓破壊&飛び降り&傍にいた黄昏兵士瞬殺というコンボで自力で逃げ出したが。しかもこの時の彼女は肉体の変質の影響ですこぶる体調が悪かった。


フランと合流した仲間たちは情報を基に地下施設に眠るジクテリウムを見つけることができたが、不意を突かれたことで女王とレオンハルトに先を越されてしまう。
フランと追いついたカルディアは女王たちを追う。


そして女王を止めるため、フランはレオンハルトと決闘をすることに。近衛騎士長と研究者の戦いということもあり、レオンハルトが勝つはずだった。
しかしフランは敢えて武器を持たずに立ち向かった。レオンハルトを倒すのではなく説得したかった。
その結果、フランの覚悟に折れたレオンハルトが敗北する。


そしてギリギリのタイミングで女王が発動しかけていたジクテリウムの気化を防ぐことに成功した。
後はそのジクテリウムを使いカルディアを無毒化するだけだった。しかし、計算の結果僅かに時間が足りないということが発覚する。


ハッピーエンドではカルディアがフランを信じ、大人しく待っていたことでなんとかホロロギウムの毒が無毒化される。
その後は貧民街の医師をやりつつ、カルディアと共に暮らしている。


バッドエンドではこれ以上フランを傷つけたくなかったカルディアが自害する
最初こそ癒えない傷であったが、夢でカルディアに再会したこと、で自分の時間をもう一度動かすべく政府に戻ることを決めた。





「いつか世界中のみんなが笑える日が来るって、俺は信じてんだ」


◆インピー・バービケーン
CV.森久保祥太郎
一流の機械技師。ルパンと共にとある目的からロンドンにやって来た。
月が大好きであり、「将来月へ行く男」と自称している。
明るい、軽い、お調子者の三拍子が揃った男。ルパン一味のムードメーカーであり賑やかし役。同時にチームの中ではいじられキャラであり、毎回ひどい目に遭っている。インピーが何か調子に乗ったことを言って、それに対して仲間たちが辛辣な言葉を返すのがお約束。仲間になって1日目のヴァンすら便乗した。
子どもの時から機械の仕組みを調べるのが大好きであり、それが高じて技師となった。技師としての技術は高く、ルパンの泥棒道具のギミックから巨大飛行船まで材料さえ整っていれば大体の物は作成可能。運転技術も高くオートモービルからオーソニプターまで大体のものを操縦できる。また技師としてやっていく中で手先も器用になったのかルパン一味の食事を作っているのも彼である。かなり美味らしい。
カルディアのことは曰く「一目惚れ」でありかなり序盤から好意を明確に向けていた。しかし言動がストレートすぎることもあり仲間たちからは白い目で見られている。序盤で放った「カルディアちゃん! もう大丈夫だから! 今夜俺がきちんとなぐさめてあげるからね! もちろんベッドの上で!」はある意味迷言。ちんちん溶けるぞ?
カルディアもインピーのことを嫌ってはいないのだが、本人が基本的に恋愛に疎いため毎回無自覚ながらバッサリ切り捨てている。割とシリアスな場面で「俺の恋人に手を出した罪は……重いぜ!?」→「恋人になった覚え、ない」→「俺の恋人予定に手を出した罪は……重いぜ!?」→「その予定も今の所ない……」→「お、おれの大切な人に手を出した罪は……重いぜ!?」→「その言葉は、すごく嬉しい」という漫才じみたやりとりをしていた。
ルパン以上に暴力が嫌いなため戦闘では基本役に立たない。というか単純な潜入・奇襲であればカルディアの方が役に立つ
ただ身体はやたら頑丈でありヴァンの岩塩弾を真正面から食らったときも一瞬ひるんだだけであった。
機械技師であることからカルディアにはオートモービルの操縦や機械操作技術をレクチャーした。
元ネタはジュール・ヴェルヌの小説『月世界旅行』の主人公であるインピー・バービケーン。
嫌われているわけではないのだが賑やかな三枚目という所謂「恋人にするより友達にしたいキャラ」であるため人気投票では票が毎回伸び悩んでおり、本人は割と気にしている。『白銀の奇跡』ではついにFD攻略キャラ昇格組であるショルメに敗北した。

実は純血種ではないが吸血鬼である。
親が早死しており両親が周囲との折り合いが良くなかったこともあり、孤独に暮らしていた。
そんなある日ふとした偶然で珍しく村に来た機関車を見に行くこととなる。そして機関車の予想以上の迫力に虜になったインピーはその日から仕組みを調べようとする。
しかし子供にそんなものが分かるはずもなく上手くいかない。そこで彼が出会ったのはひとりの初老の男性だった。彼はインピーが機関車に興味を持っていることを知り、仕組みについて教授した。
「じいさん」と呼ばれるその男はインピーと同じく周囲に疎まれていたこともあってすぐ仲良くなった。
そしてじいさんは将来月に行くのが夢だと語り、インピーも協力することを決めた。
ふたりの同盟をインピーは大砲クラブと名付けた。


研究を続けていたある日、じいさんがとんでもないものを発明する。その名も「重力緩和装置」。その名の通り反重力を発生させる代物だった。


そしてこれを実験しようとした次の日、事件が起こる。
吸血鬼の村にジクテリウムの毒ガスが撒かれたのだった。外れに住むインピーは生き残ったが、じいさんは窒息死していた
それ以降じいさんの夢を継ぐべく行動している。……はずだったが途中重力緩和装置を盗まれてしまう。それを探すべくロンドンまでやって来た。


ルートではアイザックの手記に名前があったネモに会いに行ったところ重力緩和装置を奪ったのが彼であると明かされる。
しかも莫大なエネルギーが必要な装置を動かすためにとカルディアはホロロギウムの一部を奪われてしまった。
そしてネモは重力緩和装置を搭載した超巨大飛行船・ノーチラス号を操り、ロンドンを制圧しようとする。
その上ホロロギウムの欠片を奪われたことで、カルディアは徐々にだが身体が弱まっており、数日以内に死んでしまう


……ただ、ホロロギウムが変質したせいで一時的にだがカルディアが無毒化されるという嬉しい誤算もあった。


ノーチラス号の圧倒的戦力を前に英国軍も一時はほぼ敗戦確実という状況まで追い込まれる。
しかしカルディアの一言で「重力緩和装置を暴走させ、ノーチラス号を空に落とす」というアイデアを思いつく。
そのためにはどちらにせよノーチラス号に乗りこまねばならず、ホロロギウムの欠片を取り返さなければならない事情もあり、ふたりは船に乗りこむ。


ネモには既に策を読まれていた……と見せかけそれすらも読んでいたインピーの奇策により、ノーチラス号を無力化させることに成功する。


だが自棄になったネモはノーチラス号を暴走させ、ロンドンに船を落とそうとする。もちろんこの巨大質量が街に落ちれば参事は免れない。
インピーはカルディアにふたりで脱出するための飛行艇を探させ、自分は船を制御する方法を探すことを提案する。
……しかしこれは彼女を安心させるための嘘であり、カルディアだけを逃し自分は命をかけて船をテムズ川に落とすつもりだった。


ハッピーエンドではカルディアはこの真意に気が付き、一緒に残ろうとする。それにより「自分はカルディアと共に生き残らなければならない」と考えたインピーは生き残りかつ、テムズ川に落とすことに成功する。


1年半後、屋敷に残ったふたりは共に月に行くための研究を続けている。


ノーマルエンドではインピーの真意に気が付けず、カルディアはひとり脱出してしまう。
その後インピーはテムズ川に特攻し、行方不明に。
それから1年半後。カルディアはインピーの夢を継ぐため、「大砲クラブ」を名乗り研究のためにアメリカへ向かう。
仲間たちはカルディアを笑顔で見送り、カルディア自身も前向きに生きようとしているというインピーが行方不明という一点を除けばかなり明るいエンディング。





「私が信じられませんか? 構いません、私も同意見ですから」


◆サン・ジェルマン
CV.平川大輔
ルパン達が居を構える屋敷の所有者である貴族。所謂糸目キャラ。
物腰は柔らかく、常に丁寧な態度を崩さない青年。チームの中では最も穏やかで良識のある人物であり、多分ルパン以上に「紳士」という言葉が似合う男。そのためもっぱら我が強く熱くなりやすいルパン達のストッパーを務めることが多い。
同時に面白いことが大好きであり、根無し草でロンドンまでやって来たルパンとインピーに屋敷を貸し様々な支援をしているのは単に「面白そうだから」という理由からである。そのため一部キャラからは変人扱いされている。ただ、合計6人を居候させても金に困らない程度には富豪であるらしい。
ただし援助といっても一線を引いており、ルパン達が資金難に陥った時には「無駄遣いまで助ける気はない」とにべもなく断った。まあ最終的に一時的という約束でお金を与えはしたが。
趣味は骨董品集め。屋敷のあちこちに置かれている謎の品はサンのものである。本人はかなり思い入れがあるらしく、資金難からインピーが売ろうとしたときには珍しくキレかけた。
貴族だけあり社会状況に詳しい。その関係でカルディアにはロンドンの土地や風土について散歩しながら教えた。散歩も好きであるらしい。特に「最も変化が大きく、最も活気がある」という理由で貧民街を好む。
穏やかな物腰からは想像もつかないが、ルパン一味の中ではトップクラスに戦闘能力が高い。仕込み刀を使った戦いを得意としており、人間離れした身体能力で冷酷に見えるほど淡々と敵を切り捨てていく。正面からの戦いも得意だが最も得意なのは暗殺であるらしい。
自身の過去を一切話さず、ルパン一味の中でもどこか一歩引いているような言動から攻略キャラの中でも特に謎の多い人物。また自身のことを「年寄り」と自称しており、実際20代の青年とは思えないほど達観した発言も多い。まあ元ネタからして謎しかないが。
元ネタは18世紀から20世紀初頭まで200年間出没していた実在の人物であるサンジェルマン伯爵

本当に数千年生きている。そしてその正体はイデアの使徒のひとり。
イデアの使徒とは総帥であるオイデニプスが予知する「正しい歴史」に人類を導こうとする存在のこと。それぞれが不老不死であり高い戦闘能力を有する。
そして現在のサンの使命は、現代のプロメテウスと呼ばれ人類の化学をオイデニプスの予知よりも数十年早く進めてしまったアイザックの発明品……つまりはカルディアを殺害すること


吸血鬼を亜人一族、錬金術を科学の一部というように設定を出来る限りスチームパンクの枠に落とし込んでいる本作の中では、正真正銘のファンタジー要素ということで話の中ではかなり異端な存在。


中世に「黒死病を防ぐためにある村の人間を全て殺害しろ」という任務を受けた際に、情の移ってしまった少年をどうしても殺すことができず、結果的に黒死病で三分の一が死亡したという過去を持つ。
そのため「任務を決して破ってはいけない」というトラウマじみた考え方を持つ。


ルートでは屋敷から逃げ出そうとしたカルディアを騙し、とある森の奥にあるもうひとつの屋敷に彼女を監禁しそこで殺してしまおうとする。ただ特殊な麻酔薬を塗り痛みを感じないナイフを使用するなどある程度思うところはあったところである。
しかし彼女を殺すことに躊躇し猶予時間を与えてしまったこと、その上その時間に我らがチートヒロインカルディアちゃんが縄抜け&ピッキング×2を自力で行ってしまったため逃亡を許してしまう。


そのためイデアに見放され任務は鎧の追跡者・ギネヴィアに移される。だが殺されそうとなるカルディアを見捨てられず、咄嗟にギネヴィアと対峙してしまう。


この行為はオイデニプスの怒りにふれ、不老不死の力を失ってしまう。
最後のチャンスとしてカルディア殺害のチャンスを与えられるの結局執り行えず、彼が選んだのはイデアの使徒を全員殺害するという反逆の道だった。


使徒は12人存在する上に不老不死ではなくなったサンに勝ち目があるはずない。
サンを助けたい、そう考えたカルディアはイデアの総帥であるオイデニプスの元に向かう。
カルディアにはひとつだけ交渉材料があった。このルートではフィーニスのペンダント(フランルートでカルディアの毒が暴走した原因)を持っていたのである。
もしもサンを見逃さないのなら自分は正真正銘の怪物になる、という交渉という名の脅迫をするつもりであった。


これに対するオイデニプスの返答は「もしもサンがギネヴィアに勝ち、カルディアが死ぬのなら提案を飲む」というものだった。彼女の予知ではサンは絶対に勝てない。もしも勝てたのならば自分の予知も外れることがあると認め、カルディアの可能性に賭けようというものだった。


結末はここまでのカルディアの選択によって変わる。


トゥルーエンドではギネヴィアに勝利し、サンは見逃されることとなる。しかしカルディアが死ぬという選択はサンに受け入れられるものではなく、必死で反論する。結果的にはふたりに思うところがあったギネヴィアの言葉により、ふたりとも見逃されることとなる。


その後カルディアはサンと共に毒を無害化させるために世界中を旅することとなった。
不老不死の力は失われ寿命は残り人並となったが気にしておらず、むしろ再生の力は残ったことで仲間たちで唯一カルディアに触れられることを喜んでいる。


ノーマルエンドではギネヴィアを倒すが、サンは死亡という相打ちに終わる。
サンに笑えるようになってほしいと言われ、カルディアは笑えるようになるまでは死にたくないという想いが芽生え、オイデニプスの提案として彼女がイデアの使徒となるということになる。
それからカルディアはギネヴィアの片腕として行動し、心の底まで笑えるまで生きるべく戦い続ける。



◇サブキャラクター


◆シシィ
ルパン一味に飼われている飼い犬。
拾ってきたのはインピー。拾われた当初は悪意ある人間の手により左前脚を失っていた。その後インピーが機械義手を作ったため現在はある程度自由に動ける。しかしこんな経緯の割にはインピーには一切懐こうとしない。
その割にカルディアにはすぐに懐いた。カルディアの地肌に触れないよう器用に彼女のベッドに入り込んで眠っている。
名前はオーストリア皇后の愛称からインピーが名付けた。だがオスである。



「愚かなる人間ども、恐怖せよ!」
◆ドラクロワ2世
CV.石上美帆
若き純血の吸血鬼。愛称はドラちゃん。ショタ枠。厳めしく古臭い口調を意図的に使っている。
吸血鬼戦争の生き残りであり、同胞を滅ぼした人類のことを嫌っている。特に吸血鬼を裏切り、自身の父親を殺害したヴァンのことを特に恨んでいる。
奪われた吸血鬼の遺産を人間から取り返す中で仇であるヴァンと再会し、一騎打ちをするも敗北する。その後「全てが片付いたら私を殺せ」とヴァンと約束をし、「孤独」という状況にシンパシーを感じたカルディアに連れられ、ルパン達の屋敷の居候となった。
屋敷では塞ぎこんだ生活をしていたが、唯一シシィとは仲良くなる。シシィを傷つけた人間に憤りを覚えるも、「でもシシィを助けたのも人間」というカルディアの言葉に少しずつだが人間に心を開いていくようになる。
まだ子供であるが吸血鬼であるために戦闘力は十分高い。少なくともチンピラが数十人束になっても敵わない腕力を持つ。だが飽くまで筋力頼りであるためきちんと戦闘訓練を積んだヴァンのような人間には負ける。
子どもっぽくあざとらしいかわいさから全国に多くのショタコンを生み出した。しかしルートはない……。



「全ての物事は繋がっている。それが悪であろうと、善であろうと」
◆エルロック・ショルメ
CV.村上和也
スコットランドヤードの要請を受けた探偵。
冷静沈着でありどこか掴めない人柄である独特の人物。
探偵を名乗るだけあり推理力は高く、物事を一瞥しただけで論理的にその裏側にあるものを推理するという能力を持つ。なかなかチートでありルパン一味を何度も窮地に陥れた。
ルパンからは本気で嫌われている。自身の策を毎回速攻で対策してくる上に、煽っても涼しい顔で煽り返してくるような男なので当たり前といえば当たり前だが……。ただショルメはルパンのことをそこまで嫌っていない。
フラン逮捕のために英国側の戦力として加入する。フランが冤罪ということは早い段階から理解していたが、「たとえ悪法であっても、遵守されることで社会の規律が守られる」というポリシーから英国に従い続けた。またルパンの義賊行為に対しても「彼の行為を許し多くの者が模倣すれば、社会に混沌が生まれることになる」という正論で糾弾している。まあ悪政者が国の上に立てばそれはそれで社会の混沌が生じる可能性があるのでルパンもショルメも言っていることはどっちもどっちだが。
自分のポリシーを持ちそれを絶対のものと信じているという点では立場違えどルパンと同じであり、カルディアにどこか似ている存在と評された。
ただし法の味方でいるのは飽くまで仕事中だけであり、フランの濡れ衣が晴らされた際は、ルパン達の屋敷に遊びに行き、場所を英国に伝えることなく言いたいことだけ言って去って行った。ルパンはキレた。
元ネタはご存じコナン・ドイル著『シャーロック・ホームズシリーズ』の主人公であるシャーロック・ホームズ……のパロディ(という名目による姑息な版権無視)であるモーリス・ルブランの小説『ルパンVSホームズ』に登場する探偵エルロック・ショルメ。アナグラムである。
「もうひとりのルパン」とでも言うべきキャラクター性から結構人気が高く、FDの『祝福の未来』では専用ルートが用意され、攻略キャラに昇格した。

本名はシャーロック・ホームズ
過去にロンドンで活躍していた探偵である。
過去にとある滝で「犯罪界のナポレオン」と呼ばれる男と戦い、そして相手共々滝に落下し命からがらに生き延びるも表向きは死亡扱いとなった。
しかし自身が生きているということは相手も生きている可能性があると考え、「エルロック・ショルメ」と名前を変えてロンドンに潜入していた。
ルパンルート終盤にノーチラス号で彼と再会。
もしかしたら互いに最高の理解者だったのかもしれない、犯罪抜きにすれば知恵比べは楽しかったとまるで旧友のように話し合い、抵抗する気のなかった彼を銃殺した。




「姉さん。逃がさないよ。絶対にね」
◆フィーニス
CV.梶裕貴
「黄昏」の長である少年。
一見無邪気な口調の少年であるが、実際は自己中心的で傍若無人な悪漢。恐怖で相手を従わせることを好んでいる。
また外見こそ少年であるが、一切の経歴が不明である上に「殺されても生き返る」という噂があるために不老不死ではないかと疑われている
カルディアのことを「姉さん」と呼んでおり、彼女の身柄を狙っている。プロローグで英国軍を使ってカルディアを攫おうとしたのも彼の仕業であり、その後も「黄昏」を使ってルパン一味から引きはがそうと画作している。
基本的に他人には冷たくそもそも興味がほとんどないが例外的にカルディア、そして父であるアイザックのことはある程度の情を見せる。特に父のことは敬愛しているらしく、彼の行動原理は父の計画を成功させるためであるらしい。逆にカルディアに対しては言葉の端々で強い怒りを見せている。
本作の表向きの黒幕である存在。

いつも見せている少年の姿は端末でしかない。
本当の姿は黄昏の基地奥深くに置かれた天球儀のようなコンピューター。
不死身と言うのは端末が殺されるたびに新たな端末を使うという無限コンテニュー方式で生き返るという仕掛けであった。
つまりカルディアと同じくホムンクルス。


逆に言えば中枢、もしくは端末全てを殺せれば完全な死を与えられるということであり、ルートによってはサンは前者、アレスターは後者の方法を用いてフィーニスにとどめを刺した。


ルパンルートでは黒幕のひとりとして登場。カルディアを攫うためだけにノーチラス号を駆りイギリスを火の海にした。
そしてついにコード・リアライズ計画を実行しようとする。


カルディアを嫌っているのは同じホムンクルスであるにもかかわらず、カルディアは愛され自身は誰にも愛されることがなかったから。
コード・リアライズ計画を成功させようと躍起になっていたのも、結局は父の計画を実現すれば今度こそ愛してもらえるかもしれないという淡い期待を抱いたから。
どこまでもただの子どもであったと言える。



「気をつけたまえよ。人はいとも容易く死ぬものだ」
◆ジミー・A・アレスター
CV.小山力也
「黄昏」のNO.2であり実働部隊の指揮を担っている初老の男性。
物騒な組織にいる割には決して声を荒げることなく常に穏やかな物腰である紳士。
表の顔はロンドンの大学の教授であり、名物教授として愛されているらしい。
ヴァンの師匠であり盟友と言える存在。ヴァンを「黄昏」にスカウトしたのは彼であり、共に戦っていく中でかけがえのない友となった。また貧乏故に学のなかったヴァンに勉強を教えていた。
ヴァンと同じくフィーニスには個人的な恨みがあり、「黄昏」を内部から崩壊させようとしている。

ヴァンルートのラスボスでありAZOTH事件の首謀者
彼の家族が殺されたのは事実だが、実際はヴァンを仲間にするために自分で殺していた。
終盤計画の邪魔となるフィーニスを殺害し、ヴァンに自身の正体を明かす。
その後はロンドン中のヒドゥン・ストレングスを覚醒させ、実質的なテロを起こした。


そして最終決戦ではすべてはヴァンをヒドゥン・ストレングスにするためのものであると明かす。
ヒドゥン・ストレングスに必要な心的外傷を吸血鬼戦争で与え、さらにAZOTH事件を起こしヴァンを過去に触れさせようとした。それだけのためにヴァンの人生を狂わせたということになる。
それもただ、完成された芸術品が欲しいと言うだけのものだったらしい。


最後はヴァンのヒドゥン・ストレングス化を見届け、自害した。

本名はジェームス・モリアーティ。ショルメのライバルであった「犯罪界のナポレオン」である。
ショルメとの最終決戦後、生き延びて地位と名前を変えて「黄昏」の幹部になっていた*4
ヴァンルートでの行動原理も結局のところ、「自分と同じ理解者が欲しかった」というだけであった。


しかしルパンルートでのヴァンはAZOTH事件が起きていないこともあり、真実を聞いても「このまま怒りに任せてアレスターを殺せば仲間たちの元に戻れなくなる」と判断したことで敢えてアレスターを見逃す。
ヴァンは理解者になれなかったという事実に失望しあてもなく彷徨う中ショルメと再会。彼こそが最も理解者に近かったのかもしれないと考えながら射殺された。



「羨ましいわね。何も知らなければ、怯える必要さえないのだから」
◆アレクサンドリナ・ヴィクトリア
CV.飯田奈保美
英国の女王。フランやアイザックとも面識がある。というかフランを指名手配にした張本人。
愛国心の強い優れた為政者であり、常に国の強化・発展を考えている。その姿勢から多くの英国民に愛されている。
間違いなく有能な女王であるのだが、思想がやや過激であり発展のためであれば犠牲をいとわないという面もある。

このルートではジクテリウムによるテロがロンドン中で頻発するが、その事件の黒幕である。
目的はイギリスと諸外国で戦争を起こすことだった。
アイザックの働きによりイギリスは他国よりも科学が数十年進んだ国となった。しかし時代が進めば他国も追いつき、イギリスの敵になるかもしれない。追いついてしまう前に先に戦争をふっかけようという魂胆だった。
そのためにロンドンでのテロを諸外国がやったと噂を流し、逆に他国ではロンドンがやったという情報を流す。それによって戦争を起こすという計画である。
ちなみに最終段階では本人も死ぬつもりである。国民に敬愛される女王が死ねば、戦争への強い動機になるから。


この考え方についてはサンに「イギリス視点で見れば理があるかもしれないが、世界全体からすれば一国がワガママを言っているに過ぎない」と切り捨てられた。
もっとも女王はそれも踏まえたうえでこの作戦を実行しているのだが。


ただ本質的には非常に憶病で気弱な人物
父をはじめとして国のために数え切れないだけの人々を犠牲にしたこと必要なことと思いながらも心の奥底では悲しんでいる。テロの最終段階で死のうと考えているのも、「女王の重荷を下ろしたい」という部分が大きい。


最終的には信念を曲げなかったフラン、そして自らの過ちに気が付いたレオンハルトによって計画を止められる。
責任を取るために殺してほしいとレオンハルトに懇願するも、これからも女王は英国に必要な人材であり何より死ぬことは責任を取ることにはならないと優しく諭され、生きる道を選んだ。


その後は真にイギリス帝国のために国の政治をしている。



「全ては女王陛下のために!」
◆ランパール・レオンハルト
CV.上田燿司
エリート中のエリートである王室近衛騎士長である英国軍人。ちょび髭ダンディ。
プロローグで部下を率いてカルディアをロンドンに連れていこうとした人物である。
真面目で正義感が強く、イギリスのためヴィクトリアのため、粉骨砕身で日々職務をこなしている。
……のだがやたらと声が大きかったり、ルパンに何度も出し抜かれ彼に明らかな私怨を抱いていたりなど作中ではネタキャラ的な扱いをされている。あと「ルパアアアアアアン! 逮捕だ!」とか「騙されるな! そいつがルパンだ!」とかどっかで見たことのあるやり取りをしたりした。あとルパンには「レオンのおっさん」というどっかで聞いたことのある呼ばれ方をされている。
……全体的にかわいそうなくらい踏んだり蹴ったりな目に遭っている人。
しかし本質的には真面目な正義の男。実際プロローグでカルディアの能力に部下が怯える中「レディに銃を向けてはならない」と窘め、彼女に敵対の意思がないことを推理したうえで、紳士的に同行を願うという有能っぷりを見せつけた。
また王室近衛騎士長の肩書は伊達ではなく、剣の腕についてはヴァンが冷や汗をかいて警戒した数少ない人物である。

元は病気の妹を持つ貧しいコソ泥であったが、女王にスリをしかけようとしたところ逆に恩をかけられたことで忠義に目覚めた。


このルートでは女王が敵対するため、必然的に彼も敵となる。
と言っても根が真面目なので悪人になり切ることはできず、プロローグでカルディアを攫おうとした件についてわざわざ謝りに来たりフランにそれとなく助言をかけたり相変わらずいい人。


女王のテロ計画について思うところはありながらも騎士として付き添い続けていた。
しかし最終決戦でフランと対峙し、「真のナイトであれば戻れない道を行こうとしている彼女を止めるべきだ」と一喝されたところを怯み戦意を失ってしまう。
そして女王にカルディアごとフランを斬るように命令されるも「レディに剣を向けて何が正義なのですか」と強く反抗した。
その後はフランがジクテリウムを止めることに成功するも、自棄になった女王に刺されてしまう。しかしそれでも怒ることなく、むしろ優しい笑みを浮かべて女王を気絶させ安全な場所まで運んだ。


目覚めた女王にもう死にたいこと、そして過去にレオンハルトを助けたのはただの国民の人気取りに過ぎなかったことを話されるも「それでも自分が救われ、妹が幸せな生を全う出来たのは事実だ」と穏やかに告げた。
そして死ぬべきではなく、これからもイギリスを救い続けなければならないと進言。
それで女王がいつか地獄に落ちるのであれば、地獄の底まで付き添い続けると忠義を貫き通した。


このルートのレオンハルトはマジでかっこいいので必見。


その後はまたルパンを追いながらも、女王の片腕として働き続けている。


なおルパンルートでの端々の言動から自覚はないが女王と相思相愛なのではないかとされている。



「真の天才はァあああ! このワタシ、ただひとぉぉぉり!!」
◆ネモ
CV. 四宮豪
カルディア達が飛行船レースで出会った科学者。
インピーと同レベルの天才であるのだが、いつも奇声をあげるような喋り方をする変態であり、出会った人間の大半に敬遠されている。変な喋り方だったためにカルディアには「ネーモーさん?」と間違えられた。唯一インピーとは同じ天才として分かり合っている。
自らの崇高な研究のためなら、他の全てを犠牲にしても構わないという異常な倫理観の持ち主でもある。
また、いくら殺し・怪我ありのレギュレーションとはいえ、飛行船レースに出場したときには自分の機体に、尋常ではない数の大砲を積むなど異常性も見える。
何故かアイザックの研究資料に名前が載っているなど謎が多い。
元ネタはジュール・ヴェルヌの小説『海底二万里』の登場人物であるネモ船長。

重力緩和装置を盗み出した張本人。
理由は最強の飛行船ともいえるノーチラス号で革命を起こし、みんなに認めてほしかったから。


元々はイギリスに植民地化された国の王族だった。科学によって国を滅ぼされたことで、精神に異常をきたしたのか、科学を崇拝の対象として見てしまう。
そしてイギリスにわたり科学者として芽を出し、アイザックにも認められる。しかし「力を求めるためなら何をしてもいい」と考えるようになったために学会を追い出され、その内アイザックも彼の元を去ってしまう。


ノーチラス号に乗り警告だけのために貧民街を爆破するなどやりたい放題をするが、奇策を用いたインピーによってカルディア共々船に乗りこまれてしまう。
インピーの計画を先読みし妨害するつもりだったが、さらに先読みされたために結局ノーチラス号を無力化されてしまう。
最後はインピーに「圧倒的な力とか言っているが結局は周りに認めてほしい子供だ」と看破され敗北した。


しかしそれで終わるネモでもなく、暴走しノーチラス号を自爆させようとする。
その最中に瓦礫に巻き込まれあっけなく死亡した。



「……私は、ただあなたを殺すだけ」
◆追跡者
CV.赤堀可乃子
大柄な鎧をまとった謎の人物。カルディアの命を狙っている。
鎧の耐久力は非常に高く、ヴァンのグレネード弾にも多少よろけるだけであった。

イデアの使徒のひとり。
本名はギネヴィア。アーサー王伝説に出てくるギネヴィア本人である。
本作では伝説通りアーサーのことを嫌いではないが高潔すぎる故に裏切り、ランスロットに惹かれてしまい、それが戦争を起こし全てを失ったという設定。
全てに絶望していたところをサンに出会い、イデアの使徒にスカウトされる。
その後は騎士たちに囲まれていたということもあり筋は良く、最強の使徒のひとりとなった。


サンルートではイデアを裏切ったサンと敵対する。
しかし過去に自身も悲恋を経験したためか、サンとカルディアに思うところがあるようで時々自身の使命について考えているようなシーンがある。
実際ハッピーエンドでカルディアを見逃すようにと最終的に進言したのは彼女であった。
またノーマルエンドではイデアの使徒になったカルディアの心境を案じているところがある。



「いらっしゃい。あたたかい紅茶でもいかが?」
◆オムニブス
CV.和田みちる
車いすに乗った温和な老女。『イデア』の総帥でもある。
リリスという飼い犬がいる。
人間の深層心理の世界に入り込んだり、瞬間移動をしたりなど異能の力を持つ。

カルディアの深層心理の世界の中で初登場。
態度こそ温和であるが、実際は狡猾な人物であり「カルディアが死ななければサンが死ぬ」と実質的な脅しをかけるという言動を取っていた。
また非常に我が強く、自身の考えを決して曲げることはない。カルディアのサンを見逃してほしいという提案も、彼女が脅しをかけ返すことでやっと成立した。


だが心のどこかでは予言が外れてほしいと思っている節がある。


本人も数えきれないほどの大昔、ヒトには許されていない禁断の果実を口にしてしまったことがある。それは彼女に神の知恵の一部をもたらし、それ以来ヒトの歩む歴史が見えてしまっている。


このことと、彼女含むイデアの使徒がよく『原罪』について口にすることから、正体は『旧約聖書』に登場するイヴ本人だと思われる。
……飼い犬にわざわざ『リリス』と名付けた彼女の心境や如何に。


ルパンルートではフィーニスのテロを見て人間の歴史に初めて登場する。
歴史を予知通りにするため英国軍に防御魔法を与えるなどサポートをした。
……しかし、ノーチラス号の最終決戦で、ドサクサに紛れてカルディアを暗殺しようとするなどやっぱり老獪。


【コード・リアライズ計画】

アイザック・ベックフォードの考案した計画。
その正体は『完全に管理された世界戦争を永久的に続けていくことで、文明の進歩を強制的に早める』というもの。
抽象的だとは本編でもいわれた。


いつの時代も技術力を上げたのは戦争だというアイザック博士の考えが根幹となっている。


そのために必要であるのは戦争を永久に管理するため不老不死になるための『賢者の石』、そして石の力を受け入れられるだけの器だった。


このためにアイザックがつくったのがふたりのホムンクルス。
肉体と繋がっていなければ力を失ってしまうホロロギウムを身体に宿したカルディア。
そして端末を使うことで何度も蘇ることができるフィーニス。


ふたりはそのためだけにつくられたホムンクルスであった。
ルパン、フラン、サンのルートではフィーニスのペンダントによってカルディアが広範囲に毒を放出する怪物になりかけたが、
それは副産物でありホロロギウムを賢者の石に覚醒させるのが本来の目的。毒はついでにすぎない。
ちなみに賢者の石として覚醒したカルディアは銀髪になる。



……なおアイザックの本当の目的は、戦争によって技術を上げ家族をよみがえらせるだけの力を手に入れること。
元々アイザックは天才と呼ばれながらも、一線を退き田舎のウェールズで家族の妻、双子のカルディアとフィーニスと共に暮らしていた。


その頭脳を持って村人たちにも親しまれていた。
しかしある年、村の飢饉問題を解決できなかったことから村人たちは『アイザックは今まで悪魔の技で土壌を育ててきた。その天罰が今年の飢饉である』とうわさを流した。
やっぱりウェールズ民ってクズでは?


そして飢饉を解決するためロンドンへ行き、戻ってきたアイザックが見たのは惨状だった。
明らかに村人の手により家族たちは大けがを負わされていた
せめて治療すれば助かるかもしれない、と村人に助けを求めようとしたが、誰も手を差し伸べる者はおらずそのうち家族はみなこと切れた。
その日から彼は『科学が進歩してもそれを使う人間が愚かならばどうしようもない。こんな世界一度作り直さなければならない』と考えるようになる。


なお、なんとなく察した方も多いだろうが、カルディアとフィーニスはアイザックの子どもをベースに作られたホムンクルスである
回想シーンを見るにオリジナルのカルディアは明るく無邪気な少女であったらしい。



【派生作品】


◆Code:Realize 〜祝福の未来〜(PSVita:2016年11月24日発売)
ファンディスクその1。
内容は

  • 前作のエンディング後を描く『After Story White Rose』
  • 新規のショルメルートを描いた『Extra Story Herlock Sholmes』
  • 新規のフィーニスルートを描いた『Extra Story Finis』
  • 前作の合間にあったマフィアとの交流を描く『After Story Rupin the Gang』
  • ドラちゃんの日常生活を描く『ドラちゃんのお部屋』

の5つになっている。



◆Code:Realize 〜彩虹の花束〜(PS4:2017年8月24日発売)
本編とファンディスクをひとつにまとめた移植作品。



◆Code:Realize 〜白銀の奇跡〜(PS4/PSVita:2017年12月21日発売)
クリスマスをテーマにしたファンディスクその2。
内容は

  • 攻略対象ふたりを選びデートができる『Triangle date』
  • ショルメルートのエンディング後を描く『After Story -Sholmès-』
  • フィーニスルートのエンディング後を描く『After Story -Finis-』
  • 本編の合間に出会った『カンタレラ』という少女との交流を描く『Another Story -Cantarella-』
  • 誰とも結ばれなかったIFの世界で初めてのクリスマスを楽しむ『If Story -First Christmas-』

の5つになっている。特にカンタレラのストーリーは評価が高い。



◆Code:Realize 〜彩虹の花束〜 for Nintendo Switch(Switch:2018年5月10日)
『彩虹の花束』の移植版。



◆戦刻ナイトブラッド 神牙を駆ける泥棒一味の冒険譚(ソーシャルゲーム:2018年5月25日)
オトメイト開発のソーシャルゲーム『戦刻ナイトブラッド』との自社コラボ。ナイトブラッド側の世界にルパン一味が転移してしまうという内容。
一部の地の文のモノローグがナイトブラッドの主人公である結月ではなくカルディアになるなどかなり優遇されている。



移植作品のさらなる移植というよくわからないことが起きているがオトメイトではよくあること。
流石にアクションゲームとか学パロとかは出さないと思いたい。



【アニメ版】


2017年10月より放送開始した。
カルディア役の早見沙織はイメージ通りとして好評を得ている。
キャラデザは流石にゲームよりは簡略化したが、というか登場人物の衣装がアニメーター泣かせすぎるアップではそこそこ書き込まれているなどオトメイトのアニメにしては頑張っている方。


シナリオは6話までは共通ルート、7話から最終話までの内容はルパンルートとなっている。
また原作でのサブタイトルはアルファベット表記だったが、アニメ版ではカタカナになっている。
何かとファンサービスが多く同時期に発売した『白銀の奇跡』のスチルや新規衣装をシレっと登場させていたりする。
ストーリーはやはり尺が足りなかったのか、全体的に駆け足気味。例えばフランは物語開始時からすでに仲間になっていた。
場合によっては、未プレイ組はやや分かりにくいところも。
特にルパンルートでカルディアがウェールズの村人にまた糾弾される話と、回想としてカルディアが怪物として恐れられるようになるまでの過去をほぼ同時並行でやったのは、正直かなり分かりにくい。



オープニングはMia REGINAの「kalmia」。最近の乙女ゲーム原作アニメにしては珍しく、ボーカルが原作に関係ない人物である*5。割と世界観に合った歌である。
6話までは本編流用+新規映像でそれ以降は完全新規映像。前期映像は先生の亡骸の前に佇む少年ルパン、全滅した吸血鬼たちの前で絶望するフラン、大砲クラブとして活動する少年インピーとやたらネタバレが多いことに定評がある。


エンディングは早見沙織の「twinkle」だがクレジットではカルディア名義であるので、実質的にキャラソンと言えるかもしれない。
キャラソンを持つ乙女ゲーム主人公は『薄桜鬼』の雪村千鶴、『うたの☆プリンスさまっ♪』の七海春歌、『明治東亰恋伽』の綾月芽衣などいることはいるがまだ珍しい方。
少しずつ人間らしい感情を取り戻していくカルディアの心を歌った良曲。










出典:Code:Realize 〜創世の姫君〜 アイデアファクトリー オトメイト 2014年11月27日発売


追記・修正はカルディアを抱きしめてからお願いします。

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  • アニメ面白かったなあ。時間があれば原作もやりたい。 -- 名無しさん (2019-12-22 04:31:10)
  • 面白そう。ちょっとポチってくるわ。 -- 名無しさん (2019-12-22 12:06:29)
  • PS4版が何故か投げ売りされてる悲劇の良作。 -- 名無しさん (2019-12-22 12:21:21)
  • これswitch版買うのが一番良さそうね。ていうか最近switch乙女ゲーが参入頑張ってるなあ。 -- 名無しさん (2019-12-22 12:34:05)
  • ありがとう 最高のwiki -- 名無しさん (2019-12-22 13:16:31)
  • 何か見たことある名前だなぁ、と思ったらあれだ。ジェネレーションエクスのシリーズ名と同じなんだ。 -- 名無しさん (2019-12-22 21:08:59)
  • 乙女ゲーはそこまで興味無いが読んでたら面白そうと思ってしまった………これ諸悪の根源はウェールズ民なのでは? -- 名無しさん (2019-12-23 02:09:07)
  • 乙女ゲー興味ないけど普通に話面白そうだな -- 名無しさん (2019-12-23 10:48:16)
  • ↑2 もうジェネレーションエクスシリーズは、オペレーションアビスとオペレーションバベルになっちまっただよ…。この設定で男女逆転させてギャルゲ作ってほしい。カルディアが男前すぎるから男でも違和感ないと思う。 -- 名無しさん (2019-12-23 23:28:50)
  • アニメでちょっと出てたヴァンの家族って母親と弟だったんか・・・(てっきり奥方と息子かと -- 名無しさん (2019-12-24 00:06:58)
  • アニメから入ってゲーム版は知らなかったのでてっきり「最後はバービケーンがカルディアをロケットで宇宙へ逃がす」んだとばかり思っていた。ルパンは浮気者(ルブラン原作)だからカルディアは色々苦労するぞ… -- 名無しさん (2020-05-01 21:56:46)
  • 一番美化されたのはヴィクトリア女王陛下(だって本物はあのワトスンに「球体に近い体形」なんて言われてるんだぜ)。 -- 名無しさん (2020-05-02 15:11:40)
  • コード繋がりでダイナミックコードと比較されたりサンがたぁけぇしぃと呼ばれたりした -- 名無しさん (2020-05-14 23:21:09)
  • めっちゃ売れたよなあ -- 名無しさん (2020-12-15 12:58:10)

#comment

*1 ある特殊な工程でつくられた布は例外であり、彼女のドレスはこれでつくられている
*2 少なくとも作中でカルディアは精神的に疲弊している時を除けば大体自力で逃げ出している
*3 もっともカルディアは耐毒手袋を常につけていなければならないというハンデがあるが
*4 ただ作中の描写を見るにモリアーティとアレスターの役割を交互に行っていたという可能性もある
*5 原作主題歌のボーカルはMAO

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