バル・シリーズ(電脳戦機バーチャロン)

ページ名:バル_シリーズ_電脳戦機バーチャロン_

登録日:2018/07/27 Fri 00:12:17
更新日:2024/03/21 Thu 12:10:26NEW!
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電脳戦機バーチャロン」シリーズに登場する人型ロボット兵器バーチャロイド(VR)の一種。


名前こそ違うが系列機自体はシリーズ皆勤賞で、どのタイトルでも

  • 両腕の下腕部が人間同様の手ではなく砲になっている、ACで言えば「武器腕」仕様
  • その両腕(場合によっては両脚も)を分離させて遠隔操作攻撃を行う、ガンダムで言えば「オールレンジ攻撃」が得意
  • 脚が無かったり、魚だったり、四脚だったり、二脚でもやたらとヌルヌルとキモい動きをしたりと、とにかく下半身もマトモではない

などなど「俺はテムジンライデンみたいな正統派とは違うかんな!」と全身で主張してくるイロモノキャラであり、デザイナー曰くダルシム(ストリートファイター)枠」


シリーズで共通する主要戦闘スタイルは「設置や分離攻撃を駆使して十字砲火による弾幕を張りつつ、高い空中機動力で逃げ回る」というものだが、特徴的なのはその複雑極まりない操作系。
設置攻撃を有効活用するための位置把握、分離する武器の特殊性に因む様々な専用仕様、専用コマンドで用いる特殊技の数々など、覚えねばならない項目が膨大であり、他機に比べて使いこなすハードルが異様に高い。


この為人口比としては基本どのタイトルでもマイノリティだが、故に使い手の愛は(おおむね)重い。




XBV-13-t11 バル・バス・バウ

- [ 開発経緯 ] -

XBV(eXperimental Battle Virtuaroid)-13-t11ことバル・バス・バウ試作11号機は、第一世代VRの中でも極めて特殊な機体である。


VC9f年末日に起きた「オペレーション・ムーン・ゲート」(初代バーチャロン)において、DN社最高幹部会の一員であるオーバーロード(※)「アンベルIV」と、その手駒ともいうべきDN社第4プラントは、周到な情報戦略の下にDN社からの独立を果たした。


一言で言えば「電脳暦における5人の超お金持ち」のこと。
その資産は現代人にはちょっと想像ができないほどに莫大で、全てが経済原理によって支配される電脳暦ではその権力もまたとてつもないものがあった。


この際にアンベルIVがDN社にしかけた攪乱工作は完璧な効果を発揮したが、しかしちょっと完璧に過ぎてもいた。
アンベルIVは自身が統括部長を務めていた第二次Vプロジェクト(戦闘VRの一斉デビューキャンペーン)の主要9プラントを捨て値で売却し、直後に辞表を提出してDN社を去ったのだが、これが最高幹部会にもたらした混乱は想定を超えていた。
幹部会が「このままでは48時間以内に倒産」という事態に右往左往するばかりなのに反し、それに業を煮やした下部組織はそれぞれ独自の判断で行動し始めたのだ。


特に第4プラントを購入したドランメン社*1はDN社に対し露骨に敵対的な姿勢を示したため、DN社の持つ軍事組織DNAはこれを敵対目標と定め、プラントを武力奪還すべく軍事行動を開始したのである。


DNAのこの行動は関係者の大半にとって想定外であり、防衛の用意などしていなかった第4プラントは大いに慌てふためいた。
幸い第4プラントにはかつての第1次Vプロジェクトに携わっていた旧0プラントの人材が多く在籍していたため、彼らは0プラント時代の実験資材、つまり試作段階のVRを戦闘に転用することを提案した。


しかし結局埋もれていた試作機の中で実戦に使えそうなVRはただ一つであり、しかも通常のVRとは程遠い異形の機体だった。
とは言え見たところ戦闘に使えなくもなさそうだったので、急遽これに戦闘用の改造を施し、DNA部隊に対する時間稼ぎをさせることになったのである。



- [ 機体構造 ] -

試作機、それも非戦闘用機体のそれを強引に戦闘に転用しただけあって、その構造はカオスの一言。
大雑把に分けると、
・試作機の下半身にあたるBBBユニット
・試作機の上半身にあたるVRの腰から上
・戦闘用に改造する際、両腕として急遽取り付けられたE.R.L(Ejectable Remote Launcher)
の3つのパッケージから構成されている、いわばサンコイチのVRである。


まず最も特異な点でありまた重要なのは、試作機の下半身にあたる「BBBユニット」だろう。
このBBBユニットに関しては説明が長くなるのでこの辺りを参照してほしいが、端的に言えば「月遺跡由来のオーバーテクノロジー(OT)研究の鍵となった、巨大ロボットの頭部」である。
かつての0プラントではその本来の機能を何とか復元しようという試みが度々行われており、おそらくこの試作機自体がその実験用に建造されたものと推定される。
ある意味ですべての戦闘VRの祖とも言えるこのBBBユニットは、いわばその劣化コピーに過ぎない戦闘VRに比べ、遥かに高度なゲート・フィールド制御機構を備えていた。
t11はこのBBBユニットが発生させたゲート・フィールドで慣性を制御することで、脚部による歩行ではなく半浮遊状態での機動を可能としている。


次に試作機の上半身を構成していたVRの上半分だが、これがつまり「XBV-13」と呼ばれたVRの本来の部分であるらしい。
構造的にはXMU計画(限定戦争用巨大ロボット兵器開発計画)の13号機のそれを色濃く踏襲しており、その改良機とみられる。
しかしいつ頃、どういう意図のもとにこのVRが開発されたのかは不明であり、初めから両下腕を持っていなかった理由も定かではない。
ただ下半身を持たないのはBBBユニット接続するために排除したせいであって、本来は人型同様の二足歩行脚部を持っていたらしい。足は飾りじゃありませんよ!


そして最後に両下腕部を構成するE.R.Lだが、これは第4プラントで戦闘VR用の武装として独自に開発されていたもの。
t11が装備する武装は実質的にこれただ1つだが、各種ビーム、フローティングマイン(浮遊機雷)、ビームクローなどを撃ち分けられる多用途武装であり、火力面に関しては非常に充実している。
さらにこの武装の最大の特徴は、本体と分離して遠隔操作が可能なことである。これによってt11は他のVRでは考えられないトリッキーな攻撃を可能としている。
ちなみにこれはXMU計画でS.Uという名前で研究されていたものであり、恐らくは基礎となる技術が0プラント由来で第4プラントに伝えられたものと考えられる。


総じて急造された「間に合わせ」の割には非常に強力な戦闘VRと言えるが、実験機+試作機+試作武器という壮絶な組み合わせは信頼性とは程遠く、実戦では動力系の不安定や武装の不具合などが多発している。



- [ 活躍 ] -

突貫工事で作られたXBV-13t-11は予定通り第4プラントの防衛戦に投入され、十分すぎる活躍を示した。
DNAにとっては自分たち以外の勢力が戦闘VRを持っているということ自体が想定外であり、さらにそのVRが全く未知のそれで、しかし友軍の識別コードなどを発していたことから、事態をつかめずに大混乱に陥ったのである。


さらにE.R.Lを駆使した多角的な攻撃が可能なt11の戦闘性能も、こうした際のゲリラ的防衛戦術に極めて適したもので、歩兵部隊に次いで投入された戦闘VR部隊を翻弄した。


加えてt11が投入されたエリアは、第4プラントが秘匿していた先史文明の遺跡群が存在する地点であり、その中枢に安置された巨大なVクリスタル「アース・クリスタル」による精神侵食波が及ぶエリアだった。
このため戦闘VR部隊(VRパイロットは元々Vクリスタルの精神侵食に強い人間が選抜されている)以外のDNA部隊員は次々と精神失調に陥り、加速度的に戦闘効率が下がっていった。


最終的にt11はその性能と地の利を活かし、ついに所定の時間を稼ぎきることに成功する。
しかし急造がたたったか、あるいはBBBユニットの「本能」が目覚めたか、最後には遠隔制御を受け付けなくなり、暴走して遺跡の奥へと姿を消してしまった。


既にBBBユニットの研究は終わったとみなされていたのか、あるいは消えたエリアが危険地帯だったためか、機体の回収は結局されたなかったらしい。



- [ ゲーム内性能 ] -

その見た目から「ジオング」だの「NT専用機」などと呼ばれていた芸人キャラ。
武装、機動特性、防御性能、勝利モーションなどどこをとっても癖の塊のようなキャラで、他キャラで培った技術が殆ど通用しない。


基本的にはLWでマインを巻いて牽制、相手の攻撃はRWでかき消しつつ牽制、壁とかで隠れつつCWで手を飛ばしてダメージを取りに行く。
CWを使ってる間は全ての武装を失うので、いかにダメージソースのCWを使っている間をごまかすかがポイント。


地上機動性はイマイチだが優れたジャンプ性能を持ち、バイパーII同様に空を使うスタイルがたいへん有効。
操作難易度は高いが、「空中漕ぎ」「チョロQ」などの小技を使いこなすことでその空中機動性はすさまじいものとなる。
しかし近接戦能力に不安がある上、武器の殆どが中距離以遠で真価を発揮するため、基本は「弾幕を張りながらジャンプを使って逃げまわる」という防御主体の戦術が主体となる。


そのあまりに特異なキャラからか、あるいは高すぎる操作難易度のせいか、どのゲーセンでも使用率最下位(1桁%)が定番だったイロモノだが、使いこなせる玄人が使うと非常に強力。
プレイヤーが圧倒的に少なく、また武装が多彩なこともあってわからん殺しも得意であり、実は公式全国大会の優勝者の機体でもあった。




XBV-819 バルバドス

- [ 開発経緯 ] -

VCa2年以降に始まったDNAとRNAの抗争は地球圏全土に広がり、限定戦争市場は空前の規模にまで膨れ上がった。
これは関連企業に莫大な興業利益をもたらしたが、しかし急激に拡大した市場だったため、様々な問題を抱え込んでもいた。
特に限定戦争のマネージメントを行う最大手である「国際戦争公司」にとって、DNAとRNAの両陣営における戦闘VRの規格不統一は深刻な問題だった。


戦争マネージメント会社の業務は、当事者間やスポンサーとの交渉仲介、限定戦争に絡む保険業務全般、軍事組織や傭兵の斡旋や契約仲介、レギュレーションの制定、戦場の貸し出しや管理など非常に多岐に渡るが、
「兵器のリースやレンタル、及び運用人員の教育」もまた重要な業務であり、その点で市場を主導する2大組織が別々の規格を用いているのは非常に都合が悪かったのである。


特に問題視されたのは、VRの制御システムであるM.S.B.S(Mind Shift Battle System)だった。
DNAサイドの企業が開発したVR、つまりライデンやボック系は第一世代機と同様にムーン・ゲートから採掘されたムーン・クリスタル質を用いているのに対し、RNAサイドのVRは地球の南米遺跡で採掘されたアース・クリスタル質を用いていた。
このため両社のOSは同じM.S.B.Sの名を冠してはいても、それぞれが別の方向に進化したものとなっていて、互換性が殆どなかった。
だが「物質化されたデータ」で作られている商用VRにとって、OSの違いは単にmacとwindowsのようなソフトウェアの違いにとどまらない。
同じ設計のVRであってもOSが別ならそれは別機体に等しく、ハード面での互換性にも大いに悪影響を及ぼすのである。


この為国際戦争公司は各企業国家に統一OSの開発・及び全面切り替えを依頼。紆余曲折の末、地球圏最大の企業国家となったFR-08(フレッシュ・リフォー)がこれを引き受けることになった。
「効率が悪いので敵味方の規格をそろえよう!」というのもなかなかとんでもない話に思えるが、通常の戦争が「勝利」を目的とするのに対し、限定戦争のそれは「経済的利益」であり、その点全く合理的な行為でもある。


そしてこの際にFR-08が新M.S.B.Sの設計母体として選んだのが、なぜかあのXBV-13だったのである。
だがXBV-13は前述の通りワンオフの試作機に過ぎず、しかもはっきり言って普通のVRとは様々な点でかけ離れた機体である。
どう考えても豊富な運用データが蓄積されているテムジン系やボック系を使った方がいい気がするのだが、どうもこれはFR-08内での派閥抗争に由来する政治的な駆け引きの結果らしい。



- [ 機体構造 ] -

全体的にXBV-13の基礎構造が踏襲されているが、t11ではBBBユニットとの接続の為に廃されていた下半身が復活しており、本来のXBV-13の形、つまり人型のそれになっている。


基本動作しか必要とされなかった開発初期においては非武装機だったが、FCS関連の機能などに取り掛かった後期には武装が施されるようになった。
メイン武装はt11同様にE.R.Lを採用しているが、旧第4プラントが独自に開発したt11のE.R.Lと直接の関係は無く、それを独自に模倣した新型モデルとなっている。
このためE.R.Lの攻撃のバリエーションは大幅に増大しており、また同時にコントロール可能な基数も2基→4基へと倍増、圧倒的な砲撃火力と多彩な攻撃パターンを実現している。


また本機の大きな特徴の一つが、上半身(バル・ユニットと称される)とは別に下半身をユニット化し、投入される戦場に応じた換装を可能としている点である。
これは本来M.S.B.S開発の為様々な状況下での運用を検証するために設けられた機能だが、後に量産ラインが敷かれた際には完全にシステム化され、本来の二脚型であるtr-brsに加え、海中用の無脚型tm-brsも用意された。
さらにVクリスタル質を用いることで行き来が可能な異次元空間「電脳虚数空間(CIS)」での活動を前提としたts-krsも開発されており、これはかつてのt11が装備していたBBBユニットと同様、高度なゲート・フィールド形成機能を搭載している。



- [ 活躍 ] -

地球圏最大の企業国家FR-08が総力を挙げて開発しただけあり、新世代OS「M.S.B.S ver5」の開発母体としての役を十分に果たした。
完成したM.S.B.Sは両陣営のVRのいずれも問題なく稼働させることができ、また第二世代VRの武装や動作などの劇的な多様化にも支障なく対応できたのである。
また当時のDNA陣営では、ボック系で全地球圏の稼働VRの半数以上を供給するMV-03(ムーニー・バレー)の発言力が高まりつつあったのだが、この統一OSの開発によってFR-08のイニシアティブが再度明確となった。


そして本来はデータ取り用の非商用試作機であったはずのこのVRは、どういう経緯かは不明だがかなりの数が生産されており、限定戦争市場に投入されている。
まあ限定戦争市場において、こうした特異なキャラクター性には一定の需要があるのも事実だが……



- [ ゲーム内性能 ] -

「難解系多機能型試作機体」というキャッチコピーが誇張でもなんでもないバル・バス・バウの後継機。脚がフロートから二脚になったが、はるかにキモくなっている
1キャラ当たりの武装の大幅な増加はオラタンの顕著な特徴の一つだが、それを思いっきり受けたキャラであると言える。


「オールレンジ弾幕を張りつつ逃げ回る」という基本戦闘スタイルは変わってないものの、やれることが洒落にならんほど増えており、使用のハードルがさらにさらに上がった。
特に最大の特徴とも言えるCWのビット(ERLのこと)は仕様自体がハル・バス・バウから大きく変わっているため、他機で学んだことどころか、前作で学んだことすら活かせないというものすごいことに。
殆どのキャラのCWはテムジンみたいにどの攻撃でも性能は違えこそカッター、丸っきり違う例としてライデンのレーザー/クローストリングの2種類でも多いレベルだが、

  • バルカンビット(立ちCW、横ダッシュCW)
  • ハウスレーザー(しゃがみCW)
  • サーチレーザー(ジャンプCW)
  • 護衛バルカン(前ダッシュCW)
  • 弾幕(横スライディングCW)
  • ゴム紐(後スライディングCW)
  • ビームクロー(前スライディングCW)
  • 煙幕(後ダッシュCW)
  • シビレーザー(しゃがみRTCW)
  • チクビーム(LTCW)

と10種類もある。しかも4ERL設置中のみ使えるRTCWが立ちしゃがみジャンプで3種類あるので実質13個。
…普通に覚えられます?


しかし使いこなせたときのリターンもまた上がっており、特に設置系のバリエーションが大幅に増大したことで、弾幕の形成力が段違いに向上している。
速度の大幅な強化によってOMG以上に「回避ゲー」の傾向が強くなったオラタンだが、そんな調整をものともしない程の猛烈なオールレンジ攻撃が可能であり、その壮絶な弾幕は熟練のプレイヤーをして「運ゲー」と言わしめるほど。


ただしバル自体の回避性能は(相対的に)下がってしまったため、今作では自身が逃げ回るためにも一工夫が必要になり、それもまたハードルを上げている。


その秘めたポテンシャルは誰もが認める所だが、しかし操作やパラメータ管理の複雑さがぶっちゃけ人類の限界を越えかけているため、「理論上最強」みたいな扱いをされることが多い。
設置ERLを動かさずに横ダッシュバルカン(CW)を出すクォーターキャンセルや、ERL属性切り替えを絡めたダブル・トリプルリフレはタイミングの習得も含め絶叫物。とくにクォーターキャンセルは

  • 左右どちらにダッシュするかで使うERLが異なる
  • そのためダッシュCWを入力する前に、残したいERLと飛ばしたいERLを管理する必要がある
  • しかもどのERLを残すかでトリガーを引く手順が全部異なる

という不器用には泣きたい仕様。
ただでさえ武器のゲージ管理が重要なのに、バルには「設置ERLの残弾カウンター」まで存在する上、何故かLWのゲージと設置済み右手ERLの弾数を使う攻撃があったりと頭が混乱するレベルで煩雑。
しかも操作ミスすると*2ゲージだけ使って発射されないなんてものも…。


ちなみにステージに応じて脚部が自動換装されるという特徴を持っており、ステージによっては一部の性能と名前が変化(海中ステージではバル・バロス、CPU戦最終ステージはバル・ケロス)する。
でもバロスになると逆に弱くなるという意見が大半。特にバロスユニットのしっぽと頭の直線部分、明らかになにもないのだが当たり判定がある辺り…。


- [ 系列機 ] -

IDX-10/3000 バル・ルルーン

とあるシリーズとのコラボタイトル「とある魔術の電脳戦機」で登場したインデックス専用のバル。
「インデックスこそがとあるシリーズの正ヒロインである!」と主張して止まぬメインデザイナーの妄執が作り上げた愉快なVRである。
ちなみに小説版では「外装やステータスを改造したバドス」だったのだが、ゲーム版では武装のエフェクトも違うルルーンに変更された。


バル系とは思えないコケティッシュなデザインが与えられており、バドス由来のオネエっぽいキモい動きが一転してキュートに見える。あと弾幕が少し飯テロ。


ちなみにルルーンでないバドスにも乗れる。
武装はオラタン準拠だけど、やっぱり左ターボを没収されたせいでRTRWとRTLWが使用不能。
他の機体と違い、近接+トリガー同時押しでしゃがみ攻撃が使用可能、これがないと足ビットを置けないので仕方ない。
ビットの属性チェンジもあるよ!




XBV-821 バル・シリーズ

- [ 開発経緯 ] -

地球圏全土を舞台として行われた大規模限定戦争「オラトリオ・タングラム」は、最終的にDNAとそのスポンサーであるFR-08の1人勝ちに近い状態となっていた。
だがこの戦役で得られた莫大な利益の配分を巡り、FR-08では上層部の内紛が加速。
創業者一族であるリフォー家の主流派は、「よそ者」である現総帥リリン・プラジナーを露骨に疎んじるようになり、ついには辞任へ追い込んでしまう。


しかしリリンが失脚したことで、彼女の政治力によってかろうじてまとまっていたDNA陣営には大きな亀裂が走った。
これ以降のFR-08は以前にもまして独善的・利己的な態度が目立つようになり、傘下の企業国家への無茶振りも激増した。


そしてそういったFR-08の変化がおもいっきり表出したのが、DNAの次期主力機の選定だった。
前総帥リリンは、次期主力機の柱として第二世代型テムジンを開発したRP-07(リファレンス・ポイント)が提案した新型テムジンの計画案を支持しており、社をあげてこれを支援する姿勢を見せていた。
しかし実権を握ったリフォー家主流派はこれを認めず、FR-08で利益を独占するべく、自社で開発したXBV-820、つまり819を発展させた新型のバルシリーズを採用するよう強要したのである。
この新型バルシリーズは殆ど出来レースに近いコンペティションを経て制式採用が決定されたが、しかしそんなFR-08の貪婪への報いは割と速やかにやってきた。


VCa5年、アダックス(旧MV-03)主導で競合市場として成長しつつあった「火星戦線」への制裁の為に派遣した精鋭部隊「ブルー・フリート」が、現地のアダックスVR部隊に大敗を喫する。
これはブルー・フリートの主力が第二世代VRであり、Vコンバータの活動を阻害する攻性浸食波で満ちた火星圏の環境に対応できず、そのパフォーマンスを発揮できなかったためだった。
さらにその翌年、SM-06(サッチェル・マウス)の首領アイザーマン博士による実験の余波で、火星のそれと同じ攻性浸食波が地球圏にまで波及することになり、旧来のVRが殆ど使用不可能になってしまう。
この為次期主力VRは「火星圏由来の攻勢浸食波に対応できるVR」、つまり第三世代型VRでなければならなくなったのである。


しかしこの事件より前に開発されたXBV-820は分類的には第二世代VRであり、これに対応する機能を全く持っておらず、全面的な再設計を余儀なくされ、完成のめどが立たなくなってしまった。
これに対しRP-07が提案していた新型テムジンは、コンペに敗れた時点で火星へ亡命していたリリンの協力のもとに火星戦線への販売を企図して再設計を行っていたため、速やかに第三世代仕様への移行が可能だった。
FR-08の面目は丸つぶれとなったが、しかし背に腹は代えられず、次期主力機には新型テムジンを採用せざるを得なくなった。


とまあ結局次期主力機の座を逸してしまった新型バルシリーズだったが、しかしあくまで自分たちの利益に固執するFR-08は、かつてXBV-819で使った手をまた使う。
即ち新型統一OSの開発、並びに全陣営への普及によるソフト面でのイニシアティブの掌握である。


こうして設計に差し戻されたXBV-820を根本的に改修し、新たなる統一規格OSとなる「M.S.B.S ver.7」の開発母体とするべく新型機XBV-821が開発されることになった。



- [ 機体構造 ] -

基本的な構造はXBV-819のそれを色濃く踏襲しているが、第三世代標準に移行したことによって、各種新システムへの対応が見られる。


中でも特徴的なのは、第三世代型に特有の性能であるT.C.L.Sに関する機能だろう。
T.C.L.Sとは「ツインコンバータリンクシステム(Twin Convater Link System)」の略で、二機のVRをペアで運用し、両機のVコンバータを同調動作させることで実存力を共有するという第三世代特有のシステムである。
まあわかりやすく言いかえれば、「1つのライフゲージを2機で共有するシステム」のようなもの。
地球圏から遠く離れた辺境で戦うことが多い第三世代VRでは、その過酷な戦闘に耐えるため、二機で互いに補い合うこのシステムが必要とされたのだった。


だがXBV-821に組み込まれているT.C.L.Sはそうした「実存力の共有」からさらに一歩踏み込み、二機の武装や動作をリンクさせて使うという機能を実現している。
これによって、XBV-821は「同系列のVRでペアを作った時だけ使用できる武装」を多数持つこととなった。


あとなぜか全てのバリエーション機に「雄型」「雌型」の区別がなされており、頭部形状がはっきりと異なるが、この意義はいまのところ不明である。キットはよ



- [ 活躍 ] -

半ば以上FR-08のゴリ押しのような形で開発されたVRだったが、最大の企業国家であるFR-08と、最大の戦争コーディネイターである国際戦争公司が結託すれば、事実上それを止められるものはないに等しかった。
また第三世代戦闘VRへの移行に当たって新たな統一M.S.B.Sが望まれていたこと自体は事実でもあっため、新OS「M.S.B.S Ver7」は順調な普及を見せている。


そして今回は最初から主力機としての量産を考慮していたためか、XBV-819に比べても明らかに生産の規模が大きく、かなり本格的なラインが敷かれているようだ(その割に型式番号は試作機のままだが、これはイメージ戦略かもしれない)。
ただしM.S.B.Sの方はともかく、抱き合わせで売るつもりだったXBV-821系のセールス自体はそれほど伸びているわけでもないらしい。
まあ第三世代機の中でも最後発に近いVRである上、地球圏での第三世代VRへの移行は極めて急速かつ広汎に進められたため、既存のシェアは先んじて開発されたVRにおおよそ固められてしまっていたのだろう。


また政治力を使って関連組織にゴリ押しで採用させようにも、リリンが退陣して以降のFR-08の力は明らかな下降傾向にあり、かつてのような影響力はもはや望めない状態となっていた。
実際、火星圏や木星圏への売り込みの際は「Ver7を統一規格にするのはまあいいけど、こっちで独自に改良とかアップデートをさせてもらうよ?」という条件を飲まされた上に割引までさせられており、その顕著な弱体化がうかがえる。



- [ ゲーム内性能 ] -

相も変らぬ芸人機体だが、今回はさらに四脚タイプが増えて本格的に某ロボゲーのごとくなってきた。
バリエーションはバウと同じ無脚型・バドス直系の二脚型・新登場の四脚型の3種類、またそれぞれに雄・雌があるため×2で合計6種類と一気に増大している。
オラタンではステージに合わせて脚部が変わるだけだったが、今回はそれぞれが完全に別機体となっており、武装も異なる。動きはどれも絶妙にキモい。


系列内での性能差は割と大きめな方。
「弾幕で事故を狙いつつ逃げ気味に戦う」というスタイルはおおむね共通しているが、一見同じように見える武装の性質は各キャラで大きく異なるので、必要とされるやりこみ度は前作同様高め。


どの機体も高めの回避力、そこそこの援護性能があるのでフォースの2on2にはそれなりに対応できてる方だが、オラタンから露骨に手数が減ってるのがちと痛い。
特に右手左手のターボショットが実質没収(アサインが旧LT系のERL設置になっているため)されているというのが果てしなくしんどい。
また一部の特殊武装は「相方がバルシリーズである時のみ」使用可能になっているため、誰とでも組める機体ではあるが、可能ならバル同士で組むと戦力大幅アップとなる。



- [ 系列機 ] -

XBV-821m-N バル・ディ・メオラ

XBV-821f-S バル・メ・リーノ

XBV-821系列の基幹機種となる無脚型
下半身はかつてのt11を思わせる巨大な浮遊ユニットになっているが、当然BBBユニットではなく新規開発されたブースター・ユニットである。
ちなみにこの場合のブースターとは「推進器」の意味ではなく、Vコンバータの「増強機」の意味であり、無脚ユニットの浮遊自体はt11同様にゲート・フィールドによる慣性制御で行っている。


新型M.S.B.Sの開発用に最初に作られたモデルであり、下半身に搭載したコンバータブースターによって強引に攻性浸食波をはねのけているのが特徴。


(ゲーム内性能)


先祖返りしてフロート脚になった新型バルで、デフォルト機体でもある。しかし性能傾向としてはあまり面影は無く、どちらかというとオラタンバルの影響が濃い。
バル系列の中では最も機動性が高く、それでいて装甲もそこそこあるので生残性はとても高い。
相殺性の高いリングレーザー、近距離のけん制に有効なマインと迎撃向きの武装がそろっており、「撃ちながら逃げ回る」ことに関しては系列一の性能を持つ。


しかし若干援護火力が控えめで、あてやすさとダメージを両立した武装が少ない。タイマンで硬直に差し込める武装も少なく、総じて火力面ではかなり不安が残る。
相手と大きく腕の差があったり、モーションの長い特殊技を使うための壁が少ないステージなどの場合は放置されてしまうこともあり、なかなかプレイヤースキルを要求されるキャラ。


だが同じバル系と組むと、火力不足・放置されやすさと言った欠点がほぼ解消されるため、一気に強くなる。


メオラとリーノの差は装甲と機動性(雄のメオラは遅くて硬い、雌のリーノはその逆)、そしてCW(メオラは手数型、リーノは一撃型)など。
総合的にはCWの大マインが優秀なリーノの方が人気が高め。



XBV-821m-A バル・バ・チスタ

XBV-821f-C バル・ミ・ランダ

819同様の二脚型の下半身ユニットを持つモデル。
無脚型の821m-NでM.S.B.Sの基礎開発が進められたのち、戦闘VRの一般的なフォーマットである二脚型への対応のために開発された。
武装が最初に施されたのは821m-Nではなくこちらの821m-Aであり、この時新型E.R.Lのテストも併せて行われている。


その後開発された雌型の821f-Cは火星で現地試験を行った最初のモデルだが、現地ではFR-08のノウハウ不足から不具合が相次ぎ、アダックスからの技術提供を受けてようやく完成にこぎつけた。
しかしこの件でアダックスに借りを作ってしまったことで、肝心のM.S.B.Sの販売条件については相当に妥協せざるを得なくなってしまっており、目的と手段が逆転してしまっているFR-08の迷走ぶりがうかがえる。


(ゲーム内性能)


一見バドスそっくりだが、よく見るとシルエットから細部のディティールに至るまで結構違うことがわかる二脚タイプ。


バル系では珍しい前ビっぽいDRW、硬直取りに優秀なLW(流星)をはじめ、全体的に硬直をとれる武装が大きく増えており、向かい合った状態でダメージを稼ぐ性能が大きく向上している。
相手に粘着するCWのバルカンビットも援護武装として極めて優秀であり、総じて攻撃性能面では無脚型を大きく上回っている。
武装の性質上割と普通な戦い方も出来るので、根本的に上級者向けなバル系の中ではもっとも初心者に扱いやすいキャラでもある。


しかし機動性の悪化や各種硬直の増大によって回避性能が低下しており、装甲も系列中最薄。
タイマンでの迎撃は得意な方だが、ダブルアタックには露骨に弱くなっている。
火力も無脚型よりはマシとはいえ高い方ではないので、ダメージレースにもそこまで強くなく、勝つためには繊細な扱いと高い回避技能が要求される。


雄型のチスタと雌型のランダがあるがあまり性能差はなく、一部のパラメータが異なる程度。
全体的にチスタは装甲と速度で勝り、ランダは火力と運動性で勝るといった感じになっている。
だが微妙な性能の違いに反し、なぜかモーションははっきりと異なっているのがおもしろい。ミランダ姐さんから90年代初期のお笑い臭がする。


ちなみに初期配布機体ではないにも関わらずなぜかバル系の顔として扱われており、公式ページのトップや記録カードのアバターもこちらのチスタが務めている。



XBV-821m-F バル・バ・ティグラ

XBV-821f-E バル・セ・リムゾ

これまでのバルシリーズには見られなかった、四脚型の下半身を搭載したモデル。
821系の中でも最後発に当たる機体で、821f-C同様火星圏向けに開発された。


本来火星圏向けには821f-Cの開発が進められていたのだが、前述の通り技術不足でその開発は一時停止してしまった。
しかしソフトウェア面からの挽回を狙うFR-08にとって新型M.S.B.Sの開発は急務であり、このため821f-Cと並行して、よりインフラが未整備な火星の環境に適応した四脚型の開発が進められることになったのである。


雌型である821f-Cの派生型として開発されたため、821系列の他機と異なり雌型の821f-E が先に開発されている。
雄型の821m-Fはそのノウハウを反映して作られた821系の最後発機で、優れた操安性から数々のテストに使用され、十分な成果を上げた。


(ゲーム内性能)


四脚タイプだが、バル系らしく倒れるようにダッシュするので動き的にはむしろイカっぽい。
バル系の中では最重量級にあたり、機動性は若干悪いが装甲は厚く、またレスポンスや硬直と言った運動性面では十分な性能を持っている。


武装はRWにマイン、LWに流星と二脚・四脚を足して割ったようになっているが、CWがライデンを彷彿させる二連レーザーになっており、バル系には珍しい速攻系ダメージソースとして機能する。
事故ヒットではなく積極的にダメージをとっていく性能に関してはバル系の中でも最強といってよく、引きタイマンには滅法強い。それでいて援護力も決して悪くない。


しかし「前方向へのダッシュがやたらと遅い」という重大な欠点がそうした長所のいくつかを相殺してしまっている。
援護武装は基本的に有効射程が短いものが多く、武装の多くが直線的なのもあって、距離を放されると一気に援護性能が低下してしまうのだ。
この為バル系の中では圧倒的に放置されやすいキャラになっており、また自身もそこまでダブルアタックに強くもないので(特にティグラ)、相方を若干選ぶ。
例によってバル系同士で組めれば最高なので、是非ともバルバルコンビで行きたいところ。


雄と雌の性能差はそこまで大きくないが、戦法の根幹にかかわってくる部分に差があるため、戦い方はティグラとリムゾでだいぶ異なる。
大雑把に言ってティグラは攻めるのに強く、リムゾは守るのに強い感じ。





ムーンゲートの覚醒は目前に


博士は追記を我々に


私は最適の修正を人々に


項目は劇的、且つ雄大に…




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  • 作成乙。初代からの使用機体だったのでMARZやとあるでのバリエーション削除が…(涙 -- 名無しさん (2018-07-27 00:52:22)
  • ここまでキモイ(最大級の賛辞)機体もなかなかいないよな -- 名無しさん (2018-07-27 06:32:44)
  • 一見イロモノで実際イロモノ以外の何物でもないんだけど、次に何をしてくるか予測するのが難しい、油断ならぬ相手だった。 -- 名無しさん (2018-07-27 11:26:40)

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*1 アンベルIVのペーパーカンパニー
*2 クォーターキャンセルを利用した全キャンセル。ゲージを使って踊るだけ。

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