モルミルス(魚)

ページ名:モルミルス_魚_

登録日:2018/7/7 (土曜日) 21:59:00
更新日:2024/02/26 Mon 13:53:44NEW!
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モルミルスとはアロワナ目モルミルス科モルミルス亜科に属する魚類の総称である。
すべてアフリカ大陸の河川や湖に棲息しており、形状は違えど発電するという生態は共通している。
モルミルスという名前はあまり聞き慣れないかもしれないが
水族館などでよく見かけるエレファントノーズという名前は聞き覚えがあるかもしれない。
そう、エレファントノーズは実はこのモルミルスの仲間なのである。


概要


魚類の中でも起源が古く原始的な特徴を備えたいわば古代魚に相当する魚にして電気を発する発電魚でもあり、
その特徴的な姿から観賞魚としても人気の魚である。


大きさは平均して10~30㎝程とそれほど大きくない種類だが中には1mを超える大型種も存在する。
エレファントノーズに代表されるように象の鼻のような器官を持つことでも有名で
食事の際にはこれを泥や砂の中に刺して餌を探り、捕食する生態である。
ほとんど退化しているものや逆にストローのような口になった種類もいるなど多様な種類であり、
鼻状の器官がない種類もひっくるめてエレファントノーズと呼ぶこともある。
どの仲間も他の魚とは違った奇妙な姿をしている事で知られているがこれは生息地の環境が理由である。
彼らの生息する河川や湖はどこも濁りやすい環境であり、視覚が意味を持たない状況になることが多い。
そこで彼らは弱い電気を発し、ソナーのように使用する能力を得ることで
濁った水中や夜でも問題なく行動し餌を探すことができるように進化したということだ。


このような特異的な特徴や生態から観賞魚としても人気の魚である一方で
後述する理由から飼育が難しい魚の一つとしても知られている。
というのも彼らは先述したように泥や砂の中にいる虫などを食べる為に特化しているのだがこれが仇となり、
限られた種類の餌しか食べられなくなってしまったのである。
その為多くの種類が人工飼料はほとんど食べることができず、実質的に赤虫やイトミミズ等しか食べることができない。
しかも非常に痩せやすく、一度痩せるとなかなか立ち直れず、そのまま衰弱死してしまう等デリケートな魚でもあるのだ。
また、これは発電魚の多くに共通する特性なのだが異種の発電魚がいるとそれを排除しようと喧嘩する習性があり、
最悪の場合殺し合いにまで発展するのでそうした魚とは飼えない。
そして餌を食べるスピードも遅いので活発で餌食いの早い魚との混泳もあまり向かない。


このように面白い外見と生態の魚でありながらいざ飼育となると
かなり手間がかかるし気も使うのだ。


エジプト神話とモルミルス


さて、このモルミルスだがエジプト神話とは縁が深い魚としても知られている。
同神話には聖なる魚としてオクシリンコスという奇妙な形の魚が登場するが壁画に描かれた姿や
像の形が酷似しており、エレファントノーズのことだろうと言われている。


また一説にはメジェドのモチーフとなっているのではないかと言われていたり、
バラバラにされたオシリス復活する際に一つだけ欠けてしまった体の一部であるチ〇コを
魚に食べられてしまい、完全な力を取り戻せなかったという伝承があるが
それを食べてしまった魚がオクシリンコスだともいわれているのだ。



主な種類



エレファントノーズフィッシュ


モルミルスの仲間の中でもメジャーな代表種ともいえる種類。
真っ黒な体に体の後部に白いラインが通っており、名前の通り象の鼻のような器官をもつが
実はこれは鼻ではなく、下顎が変化した感覚器官であり、
よーく見るとその上におちょぼ口が存在する。
わかりやすく言えばアントニオ猪木のような感じである。


ダブルトランクエレファント


モルミルスの仲間では比較的大きく、30㎝ほどになるやや大きな種類。
灰色か黒い体色の種類が多い中茶色い体色に斑模様を持つというやや珍しい特徴を持っている。
鼻のような器官も健在だがあまり発達しておらず申し訳程度のものである。


モルミルス・カヌメ


の鼻ような器官を持たない種類の一つ。
イルカのような頭部を持っていることからドルフィンモルミルスとも呼ばれており、
繁殖技術も確立している事から現在ではエレファントノーズ以上に出回っている種類である。
エレファントノーズと違い、それほど特殊化した口ではないので砕けば人工飼料も食べられるようだ。



カンピロモルミルス・ヌメニウス


エレファントノーズの中でも飛びぬけて長い鼻のような器官を持つが
こちらは上記のエレファントノーズとは違い両顎が融合しストローのような口になった種類。
アクアリウム業界ではその外見からスーパーロングノーズエレファント、
或いはバードビークとも呼ばれているがあまり入荷されないレアな種類である。


ホエールエレファントノーズ


モルミルス・カヌメと同じくエレファントノーズの仲間でありながら長い鼻を持たない種類。
名前の通り鼻状の器官が全く存在せず、クジラのような頭部をしているのが特徴。


モルミロプス・アングイロイデス


モルミルスの最大種であり、なんと大きなものでは150㎝にも達するほどの超大型種で
ピラルクーか潜水艦を思わせるがっしりとした体型をしているのが特徴。
泥の中のイトミミズや水生昆虫を捕食する他の仲間と異なって魚などを好んで捕食し、
しかも電気を発する魚でなければ興味を示さない他の種と違い、
同種どころか全く異なる種の魚にも攻撃を仕掛けるほどの荒い性格を持つというモルミルス界の異端児。
飼育下では自然下ほど大きくならないようだがそれでも60㎝以上と十分大きくなるし、
先述したように気性も荒いので飼育する際には巨大な水槽をこの魚一匹に割く覚悟が必要である。
学名よりもコニッシュジャックという名前の方がよく知られているかもしれない。




余談


電磁波を感知し、自らも電気を発するように進化した為か
が大きいことでも知られており、比率で言えば脊椎動物の中では最大で人間よりも大きい。
その為ボールを入れたり輪を入れたりするとそれを使って
遊んだり芸を覚えるというほかの魚には見られない行動をとる。


先述の通りエジプトの壁画にも描かれている魚であるが上記の通り古代エジプトにおいては聖なる魚として扱われており、寺院で飼育している様子と思わしき壁画が存在する。
このことから一説には古代中国のヒブナやコイと並ぶ世界最古の観賞魚だったのではないかともいわれているのだ。


フカヒレ目的の乱獲によって大部分のサメの仲間が数を減らしている今、上述したコニッシュジャックの身が
フカヒレに食感が似ていると注目されており、実際に代用する中華料理店も増えているとのこと。



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  • エジプトの壁画から古代中国のヒブナ、コイと並ぶ最古の観賞魚とも考えられている -- 名無しさん (2018-07-07 22:37:13)
  • 『ぽっぺん先生と帰らずの沼』に出てくる鼻長魚ってこれのことなのか?あの本読んだことある人がいたら教えて欲しい -- 名無しさん (2018-07-08 06:28:42)

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