登録日:2018/06/01 Fri 21:46:53
更新日:2024/02/26 Mon 13:40:29NEW!
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「I did not hit her. It's not true. It's bullshit. I did not hit her. I did not. Oh,hi Mark.」
ぼくはかのじょをなぐってないほんとうだよくそったれなぐったりするもんか、やあまーく
『ザ・ルーム(原:The Room)』は2003年に公開されたトミー・ウィソー*1の原作、製作、脚本、監督、主演による最高のクソ映画である。 *2
内容については観客、評論家は勿論、ウィソー以外の関係者にまで酷評されたが、現在はあらゆる場面に於てネタになる最高のカルト映画としての評価を得ている。
タイトルは『The Room』だが、映画内では特定の部屋が舞台となっている訳でもなければ、部屋がキーワードになっている訳でもない。
これについてウィソーは「部屋とは僕や貴方や全ての人々のこと」、または「特別な意味を持った場所のことを考えている内にそれは「部屋」じゃないけど「部屋」なのじゃないか」と思ったというようなことを語っている。
ジャンルは恋愛を主軸にした人生ドラマ(ウィソー談)とのことだが、支離滅裂で内容が浅い会話と脈絡のない場面が繰り返される意味不明な映画と評されている。
インディペンデントながらウィソーの謎の資金調達力により、マーケティングを含めても600万$(約6億円)もの製作費を投じて製作されており、内容の薄さに反して半年もの撮影期間を擁している。
これは、レンタルすれば安く済む撮影機材をキャッシュで購入したり、ロケで事足りるようなシーンまでセットを組んでクロマキー合成したりといった無駄遣い*3が相次いだことに加え、脚本の内容の酷さやウィソーの演技の拙さによる撮影の遅延、それだけテイクを重ねても編集段階で後から台詞を入れ直さなければならなかった……等のトラブルが発生し続けたからである。
ウィソーは本作がカルト映画として評価されていることについて反発しており、この映画は「表現の自由を表し、観客にもそれを促す作品だ」と語っている。自己満足の為だけに作られた映画であり、金さえあれば好き勝手出来るという事実を突き付けた映画である、という意味においては正にその通りと言える。
裏事情と公開後の反応。
ウィソーは元々、自分の行動に文句を言われることを嫌って、上記の様な独裁体制を敷こうとしていた為、撮影内容やスケジュールや、そもそもの映画の中身等について、スタッフから反対意見や批判、嘆願等が出された末に4度も撮影スタッフの総入れ替えを行ったと言われている。
それでも最終的にはウィソーだけで現場を纏めることも撮影を続行することも不可能となった為に、友人で本作の出演者で製作、助監督、キャスティングを兼任していたグレッグ・セステロや、助監督のサンディ・シュクレアに頼らねばならない場面が多くあった。
何しろ、ウィソーは仮にも演技を学んだり配役のオーディションを受けに行くような業界人の端くれだったにもかかわらず、フィルム撮影とデジタル撮影を混同していた程度の知識しか無かった*4ためである。
シュクレアは後に自分が監督としてクレジットされるべきである、との意志を示しており、セステロもそれ(シュクレアの働き)を認める発言をする一方で、炎上墜落したヒンデンブルグ号の歴史的な大惨事を引用して「あの事故起こしたのオレの設計ミスだけど何か文句ある?www(意訳)」と、名乗り出るようなものだとコメントしている。
……というか、誰が撮ってもウィソーの脚本ではこんな映画にしかならなかったのだろう。
このシュクレアの要望に対してウィソーは「いやいや全部ボクの功績だしwお前みたいな出しゃばりなんか、いかにもアメリカ人って感じだけど知らんしwww(意訳)」と、全く認める気はないようである。
元々、撮影中にウィソーは監督の降板を進言されるも、断固として固持したとの話も伝わっている。
セステロも、本来は裏方のみやるつもりだったのがマーク役の俳優が撮影前に降板させられたのに伴い主演までする羽目になったとのことで、こうしたエピソードからも如何に現場がウィソーを原因とするトラブルで悩まされていたかが解る。
……こうした裏話からも想像されるように、本作について肯定的、また内容について自信を示しているのはウィソー本人のみであり、スタッフや共演者からも嫌われた映画は他人が見ても酷く、プレミア上映や公開当時には「金返せ」コールが鳴り響き、チケット売り場では「返金不可」と「この映画見たら頭おかしなるで(意訳)」といった、注意勧告を貼り出した程だったという。
批評家や専門誌も挙って本作を酷評したが、『エンターテインメント・ウィークリー』は本作を「クソ映画界の『市民ケーン』*5」と評する等、余りの酷さをネタにする動きも見られるようになっていく。
そもそも本作はロサンゼルスの2館の映画館しか配給に応じず、興行収入も2週間で1800$止まりしか挙げられない失敗作、消えていくだけの素人映画となる筈であった。
……しかし、短編映画サイト5SeconFILMSのマイケル・ルスレは本作の余りの酷さにツッコミ所満載の映画としてユーモアを見出だし、堂々と内容に文句を言える深夜の上映会を開始して、友人達にも広く奨めた。
これが思わぬ好評を呼び、最終的には上映会は100ヵ所弱の映画館にまで広がったという。
この上映会の最中には、映画の内容に全員が同じタイミングでツッコんだり、プラスチック製スプーンの入った額縁*6が出てくる場面で「Spoooooooon!」と叫んでみんなでモニターにプラスチックのスプーンを投げつける行為や、何度も挟まれる無意味なフットボールによるキャッチボールの場面でボールを投げつけるといった集団芸が生まれていく。
ルスレによる上映会の終了後、愛すべきクソ映画となった本作を見たいという声がウィソー自身の元に届けられ、04年6月~8月にかけてウィソー主催の上映会が開始されると、名だたる業界内の有名人までもが本作について肯定的な意見を述べ、ファンを自称するまでになっていく。
『アナと雪の女王』のアナ役で知られるクリスティン・ベルは本作のフィルムを購入し、自ら上映会を開いている程で、彼女の出演した『ヴェロニカ・マーズ』では、脚本家が本作を連想させる要素をエピソード内に多く盛り込んでいると公表している。
ウィソー主催による上映会はカナダ、イギリス、オーストラリア、北欧、ニュージーランドと、国外にまで広がり、
スプーンとボールの他にも
- ジョニー(ウィソー演じる主役のキャラ)のへなへなした演技や、その他の登場人物の物真似をする
- 場面転換で意味不明な水辺の資料映像が映る度に「water!」と囃し立てる
- 無駄に数が多くて冗長な誰得の濡れ場のシーンになると廊下に出て休憩を取る
- 幾度も唐突に出てくる新キャラに「Who are you⁉︎」とツッコむ
- 劇中に合わせてタキシード姿でキャッチボール する*7
- カメラワークが悪かったりピンポケしていると「Focus!」とツッコむ*8
- 濡れ場になると皆でライトを振ったり、手拍子付きでコールしながら場面を盛り上げる
……といった更なる集団芸が生まれていった。
こうしたリアルニコニコ動画的な楽しみ方は映画史的には70年代の傑作カルト『ロッキー・ホラー・ショー』以来の手法、盛り上がり方とも言われており(向こうは普通に見るとつまらないと言われつつもまともな人達が作っているのだが)、こうした上映会の盛り上がりについてウィソーは、要約するとろくでなしの若者共が非行に走る機会を『The Room』が奪ってやった。と発言している。
……いずれにせよ、本作はただのクソ映画であることは確かなのだが、クソ過ぎて見る価値のある映画として、所謂カルト映画としての評価を不動のものとしている。
本作の上映会は現在でも各地でされており、それこそ『ロッキー・ホラー・ショー』等と同様に月イチで上映している場所もあるそうである。
元々、資金調達力に定評のあったウィソーは本作のDVD化で更に儲かったと発言している。
……そうした意味では、ウィソーは確かに自分の才能を勘違いしたイタイ男であったが、自分の信じる道を貫いた結果、映画製作者としては見事に成功を収めてしまったという、従来の常識や評価を覆す結果を見せている。
また、ウィソーの極めて頑固で他人の意見に耳を貸さず、自己評価が高い反面、創作されたもののレベルの低さへの認識力の無さについて、ウィソーの様な映像作家にも“アウトサイダーアート”という呼称を与えてもいいのではないか?との評論まで出されている。
……だからどうした、という気がしないでもないが。
2017年には本作の大ファンを公言していたトビー版『スパイダーマン』のハリー・オズボーン役等で知られる俳優、映画監督のジェームズ・フランコにより本作の舞台裏、撮影状況を描いた『ディザスター・アーティスト』*9が公開された。弟のデイヴ・フランコとの共演作がこれでいいのか。
これは、グレッグ・セステロとトム・ビゼルによる同名小説の映画化であり、主演のウィソー役もジェームズ自身が演じている。
尚、ウィソーはジェームズが自分を演じることに難色を示し、自分を演じられるのは「ジョニー・デップだけだ」と語っていたという。
このことについて、ジェームズはウィソーが自分をジェームズ・ディーンだと思っていたからだろう、と分析している。
この辺のお話。
『ディザスター・アーティスト』については、他にも『The Room』の関係者がキャスティングに不満や不安を漏らしている話が伝わっている。
また、一時タイトルを不名誉な『The Disaster Artist』から『The Masterpiece』に変えるという報道もあったが、結局は元に戻された。やっぱりウィソーがゴネたのかもしれない。
『ディザスター・アーティスト』は大ヒットを記録し、これを受けて2018年1月からオリジナルである『The Room』も 600館もの映画館で改めて拡大上映された。*10
日本でも、劇場公開はされなかったがiTunes等で字幕版が配信されている。
日本では
関係者の中に日本にツテのある人物がいなかったため、幸か不幸か日本語版は長らく存在しなかった。
鑑賞したい場合は渡米するなり、本国から輸入ソフトを取り寄せるなりして英語で観るしかなく、『ディザスター・アーティスト』や、後述するNCのレビューで本作を知った日本人からは日本語版を望む声がしばしば上がっていた。
…が、2020年3月、ヒューマントラスト渋谷及びシネ・リーブル梅田にて開催される「未体験ゾーンの映画たち2020」のクロージング上映作品のひとつに本作が選ばれ、遂に日本上陸を果たすこととなった。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初予定されていた「スプーン上映(上映中にコールしたりスプーンを投げてもOKの、いわゆる応援上映)」は中止されてしまったものの、通常の上映は予定通り開催され、客入りは中々良かった模様。
更に、同年12月には川越で開催されている「ドライブインシアターを作る会」と提携し、「ドライブイン・ザ・ルーム」と銘打った上映会が開催された。
こちらでは「映画秘宝」などで活躍する高橋ヨシキ、てらさわホーク、多田遠志らをゲストに招き、カーステレオを利用して映画と同時に彼らのツッコミを流すという手法が取られた。
また、観客も声を出してコールする代わりにパッシングやクラクションを連打しまくるという形で反応を表現し、好評のうちに終わった。
日本におけるザ・ルームの今後に目が離せない所である。
【脚本】
原案はウィソーが01年に書き上げた同名の戯曲である。
ウィソーはこの戯曲の出版を目論んだが出版社が見つからず、自分が主導出来る映画にすることにしたのだという。
脚本はウィソー以外の人間からは何れも酷評されており、書き直しを進言されてもウィソーは決して折れなかった。
それでも、映画を良くしたいと考えた出演者の中にはアドリブで整合性を図ろうとした者も居り、セステロによればウィソーは文句を言っていたが結局はファイナルカット(最終バージョン)に使用されていたとのこと。
脚本に纏わる話。
また、脚本の酷さと共にウィソーが漠然と思い描いていた設定なんてのもあるが、それらは全く脚本に反映されていなかったり、出演者に情報としても与えられていなかった。
一例として、デニーが精神疾患を患っていることで、これは後述のデニーの奇怪な行動を生む原因となる筈が、全く説明されていない為にデニーがただの変態趣味のマセガキにしか見えないようになっていること等がある。
また、他人が出したアイディアを悉く却下したそうで、セステロは演じたマークについて、脈絡の無い場面への解答としてマークは極秘任務(麻薬関係か?)に当たる警察官という答えを提示したが、ウィソーは聞き入れなかったという。
……一方、セステロによればウィソーは当時、吸血鬼が好きという理由だけで、(自分の演じる)ジョニーが実は吸血鬼であるという設定にしようとしていたという。
ジョニー(ウィソー)の普通では無い風貌や、顔の白さ、着崩れた黒スーツ等は確かにそう見えなくもないが、ジョニーの職業は銀行員で、物語での役割は婚約者の裏切りに嘆き苦しむ男という、ウィソーが演じていなければ極めて普通の男であり、吸血鬼などという非現実的な存在が脚本に入り込む余地はない。
また、脚本の問題とは別の話かもしれないのだが、ウィソーは製作が開始された頃にジョニーの家の屋根からベンツが飛び立ちサンフランシスコの空を飛ぶ方法を考えろとスタッフに指示したが、予算的に無理だと言われて流石に断念したそうである。
これは、ジョニーが吸血鬼であることを示す場面だったと言われるが……。
【物語】
……サンフランシスコ。
銀行員として働くジョニーは、同棲7年目の恋人リサや友人達に囲まれて退屈だが幸せで平穏な日々を送っていた筈だった。
リサの母親からも祝福され、いよいよ結婚を意識したジョニーだったが、リサは退屈な日々の積み重ねの中でジョニーへの興味を失ってしまう。
経済的な理由等で、ジョニーへの不満を打ち明けた母親から叱責されたリサだが欲望は収まらず、遂にはジョニーの親友であるマークを誘惑し、関係を持ってしまうのだった。
ジョニーとリサは結婚に向かい、リサも経済的な理由からジョニーとの結婚は考えるがマークとの関係は止めず、更には自らの非を誤魔化す為にジョニーからのDV疑惑をでっち上げたり、昇進に失敗したジョニーをここぞとばかりに責めるようにもなる。
そして、ジョニーが相手を知らずともリサの不倫を知ったり、実は麻薬に手を出してたデニーが売人に脅されたり、リサの母親のクローデットが不動産を巡るトラブルに巻き込まれたり、乳ガンで先が無いことなどを語る。
ジョニーは性生活のことを聞けたり、自宅に訪問していきなりセックスをおっぱじめる位にオープンな仲間達とタキシードでキャッチボールをしたりして過ごしていたが、ジョニーのサプライズパーティーで遂にリサとマークの不倫が明らかになり、やっとこさ破局が訪れる。
……婚約者と友人に裏切られた哀れなジョニーが最後にとった行動は……。
【登場人物】
■ジョニー
演:トミー・ウィソー
この物語の主人公。
とてもそうは見えないが、銀行員として着実なキャリアを積み、経済的にも安定しているエリートである。
ウィソーの願望を丸出しにしたようなキャラクターであり、何処か余裕ぶって世間を斜に構えて見ている反面、ジョニーのことは誰もが大事に思い、無条件で愛している。
また、劇中に於てジョニーに非と呼べるものは演技やそれ以前に存在が苦痛だとかは抜きで存在せず、悲劇の主人公であることが貫かれている。
本作のプロモーションはハリウッドに置かれた大きな立て看板のみで行われ、その看板はジョニー(ウィソー)の、やや半目を閉じたモノクロのアップである。
キャッチコピーは「邪悪な男」だが、映画の内容に全く合致しないものである。ウィソーの数々の所業はともかく。
余談だが、最初の興行は前述の様に大失敗に終わったが、ウィソーは一月5000$(約50万円)かかる、この看板の設置を五年も続けたという。
元の資金に加え、DVDが儲かったからとのことで、少数ながら看板目当ての観光客も現れたという。
尚、ウィソーは元々演技を学び、更には自分が脚本を書いた映画にもかかわらず、台詞や演技を全く覚えられなかったとのこと。
ジョニーの台詞には抑揚が無く、発音もヘナヘナで聞いただけで吹き出してしまうような物が多いが、これはウィソーが余りに台詞を覚えられないので、最後までいければオーケーという扱いだったためである。
特に、項目冒頭のリサを殴ってないことを訴えるシーンと、終盤のリサに「You are tearing me apart, Lisa!」 *11と叫ぶ場面はシチュエーションもあって非常にシュールでネタとして人気がある台詞となっている。
■リサ
演:ジュリエット・ダニエル
ジョニーの婚約者で、全ての元凶たる糞ビッチ。
何をしたかは上記の通り。
ジョニーとのセックスでは腹に突っ込まれてるような奇妙な体勢になっているが、これはウィソーがどうしても自分の尻をカメラに撮らせたかったからである。
セステロからは否定されているが、撮影初日にウィソーはダニエルに飛びかかり、いきなりセックスシーンの撮影に入った……とも言われているが真相は不明。
また、ダニエルによればリサのセックスシーンはもっと短く、綺麗なイメージシーンとして編集されると思ったのに無駄に長い上に何度も登場するため、上映会の後に観客と顔を合わせなければならないことに、かなりの苦痛を味わったとのこと。
尚、こんな悪女になったのはウィソーを裏切った元婚約者がモデルだからでは?とセステロは見ている。
■マーク
演:グレッグ・セステロ
ジョニーの親友だが、リサの誘惑に負けて彼女と不倫関係に陥ってしまう。
もう何度も不倫しているのに、リサに誘われる度に「何のおつもりだい?」と聞く記憶障害の傾向が見られる。
セステロは髭面で現場に来ていたが、ウィソーがマークに名付けた“ベビーフェース”のあだ名を覆そうとしなかった為に、無駄にドラマチックに髭を剃ったことを報告させられる羽目になったとセステロは分析している(二人のプライベートのネタでもあるらしい)。
前述の様にウィソーの友人にして、製作陣、スタッフとしても本作にガッツリと関わったセステロは、至極冷静、中立な目で本作の撮影現場や状況の問題点を明かし、述懐している。
『ディザスター・アーティスト』で描かれてることが本当だとするならぱ、ウィソーがこんな映画を作ることになったのは、共に売れない役者ながらも自分より先を行っていたセステロへの嫉妬もあったということになる。
■デニー
演:フィリップ・ハルディマン
ジョニーが息子や弟のように可愛がっている少年だが、演者が明らかに少年と呼べるような年齢ではないため違和感が凄い。
リサに淡い恋心を抱いており、ジョニーとリサが自分を無視してセックスしに行った所に突入したり、二人のセックスを見学したいとか抜かす異常行動を見せる。前述の裏設定を考えると状況を理解できていないだけとも考えられるが、リサに性的興奮を覚えてはいるわけで……。
■クローデット
演:キャロライン・ミノット
リサの母親で、糞ビッチな娘をたしなめられるまともな人。
でも乳ガンで死にそうらしい。
演じたミノットは、この映画で一番まともな役者とも言われている。
■ミシェル
演:ロビン・パリス
■マイク
演:スコット・ホームズ
リサの友達とその彼氏。
ジョニーとリサの家に来て、誰も居ないのをいいことにセックスを始めるも帰って来たリサ達にも見つかる。
このシーンのBGMはクラシック調である。
■クリス-R
演:ダン・ジャンギアン
ヤクの売人。
ドラッグの代金を払わないデニーに痺れを切らして拳銃を突き付けるが、場所がジョニーの住むアパートの屋上だったばかりに発見されて警察に突き出される。
■ピーター
演:カイル・ヴォト
ジョニーの親友の心理学者。
リサをdisったせいで、カッとなったマークに殺されかけてしまうが、その直後に人生相談に乗ってあげる聖人。
■スティーヴン
演:グレッグ・エリー
ジョニーの親友。
リサとマークの不倫を目撃してジョニーのことを考えろと責める。
登場シーンが劇中でもトップクラスに唐突なことに定評アリ。
※キャスティングはウィソーが俳優名鑑を参考に選んだとのことだが、全員が長編映画への出演経験が無いような役者達ばかりだった。
また、セステロやダニエルの証言から、配役にはかなりの数の前任者が居り、彼らはウィソーとのトラブルにより次々と解雇されていったという。
【その他】
日本でも知名度がある、世界的に著名な人気映画レビュアーのNCこと、Nostalgia Criticとトラブルを起こしている。
NCが2010年にファンの声に応えて本作をレビュー。
酷評しつつも、「見ないと酷さが分からないタイプの映画なので一件の価値はある」と視聴を薦めるという内容の動画で、多くの映画レビュアーを登場させて糞さ(という興味を引くポイント)を紹介するという気合いの入った動画だったのだが、これに本作の著作権を保有するウィソー・フィルムズが著作権侵害だと噛みついたのだ。
これに対してNCは一時的にレビュー動画を削除する一方、大手でもやらない法的には問題無い筈のレビュー動画に噛みつき、レビュアーの権利を侵害しようとしたウィソー・フィルムズを批判する動画『Tommy Wi-Show』を投稿。
NCはウィソーと、ウィソー・フィルムズの権利責任者に扮し、如何に利権ヤクザがつまらない行為かをコメディに込めて訴えた。
この動画が反響を呼んで批判も集まったのか、その後でレビュー動画は復活。
セステロがNCの動画に出演した他、ウィソーとの対談も行われている。
尚、批判動画内ではウィソーも被害者の様に描かれているので、NCとしてはウィソーや本作を糞と看破しつつも悪感情は持っていないようである。
ちなみに、NCは学生時代に同じ『The Room』というタイトルの自主制作映画を制作しており、動画内でもチラッと言及している。
また、本作にはフラッシュゲームなんかも存在している。
キャストのロビン・パリスはキックスターターで資金を集め、ウェブドラマ『The Room Actors: Where Are They Now?』を製作することを発表している。
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▷ コメント欄
- 予算はウィソーのポケットマネーじゃなくてクラウドファウンディングで集めたみたい -- 名無しさん (2018-06-01 22:54:35)
- よくまぁそんな1人の男の自己満足物を世に送り出せたな・・・。皆、意地でもソイツの諸々を拒みまくって、果ては二度と映画業界に携われない様な状態にさせても良かったのに・・・。なんでそういう作品も世に送り出されるのか益々理解に苦しむ。 -- 名無しさん (2018-06-02 06:55:43)
- タイトルからサイレントヒル4を連想してしまった。あの名作とは別ベクトルで恐ろしいけどさ -- 名無しさん (2018-06-02 10:47:25)
- 日本だったら如何にもセリフの語尾に、(迫真)、だの、(小学生並の感想)、だの、つけられそうな演技と、監督がネイティブスピーカーじゃない故の電波で意味不明なせりふ回しが最高にクセになる -- 名無しさん (2018-06-02 13:24:18)
- ↑2 -- 名無しさん (2018-06-02 13:29:05)
- こんな名作を送り出せなくするなんて、人類史の大損害じゃないか!! -- 名無しさん (2018-06-02 13:29:59)
- 『涼宮ハルヒの溜息』・「朝比奈ミクルの憂鬱」を思い出してしまったのは自分だけだろうか。 -- 名無しさん (2018-06-02 15:15:27)
- でもこれ、結果的に商業大ヒットしてるんでしょ?すごいな -- 名無しさん (2018-06-02 23:48:08)
- トミーの台詞はイエローが喋る英語って感じで、日本人としては非常に聞き取りやすくて笑える。言うまでもなく演技としては最低である -- 名無しさん (2019-10-27 10:36:14)
- 「あぁぁぁ!」って叫ぶのは、普通の棒読みなら「あーー!」になり、デビルマソでは「あーー。」になるが、ウェサウがやると「え゛あ゛ぁ゛ぁ゛ん゛」になる -- 名無しさん (2020-01-04 10:02:54)
- 【速報】「未体験ゾーンの映画たち2020」で遂に日本上陸 -- 名無しさん (2020-01-06 12:53:38)
- けものフレンズ2と二ノ国とこれ、どっちがまだましなんだろうな -- 名無しさん (2020-01-06 13:18:23)
- てっきりブリー・ラーソン主演の方かと… -- 名無しさん (2020-01-06 14:30:12)
- 一通り解説を読むと世の中こんなにも自分のしたいことだけを押し通せる人間がいるんだぁという感動を覚える。 -- 名無しさん (2020-04-13 21:44:10)
- デッドプールがキャプテンマーベルにこれのDVDをクリスマスにプレゼントするというシュールなイタズラしてたな(映画でマーベルを演じたブリー・ラーソンの代表作「ルーム」に引っ掛けたシャレ) -- 名無しさん (2020-04-13 21:55:16)
- エド・ウッド(映画の方ね)に近い印象を受ける。当人の映画作りのセンスはゼロに等しいが、制作の舞台裏を描いた映画が大ヒット、好評を得たところが特に。なお、監督としての人望は・・・。 -- 名無しさん (2020-09-16 01:20:20)
- 向こうのネット界隈におけるこの映画、大体日本におけるチャー研みたいなもんなんだとか -- 名無しさん (2020-10-06 07:39:37)
- 相談所に報告のあった違反コメントを削除しました。 -- 名無しさん (2022-09-26 18:58:07)
- エド・ウッドの場合、映画製作者としてはクソだけど本人は周りの人から好かれてたっぽいからなあ -- 名無しさん (2023-01-21 18:52:25)
- あと死霊の盆踊りが「クソ映画として」日本で受けてると聞いて、それを前向きに捉える程度には度量もあるし -- 名無しさん (2023-01-21 18:53:18)
- ちょい役のドラッグの売人演じた役者が1番うまいという -- 名無しさん (2024-01-15 08:25:28)
- 監督や脚本家としての才能には恵まれなかったけどプロデューサーとしては優秀な人なんだな -- 名無しさん (2024-01-15 09:13:00)
#comment
*2 所謂、某レビュアー発祥の“ワスカバジシステム”である。
*3 ちなみにウィソーは「それでこそハリウッド流」だと信じて疑わなかった模様
*4 そのため、本作の撮影はフィルムとデジタルの両方で行われ、先述の予算高騰に更なる拍車をかけた
*5 『市民ケーン』は1941年のオーソン・ウェルズによる初監督作品。映画史上に残る最高傑作とも呼ばれる。
*6 ウィソー曰く文明の習熟化の象徴、人体に有害な物、これを使って物を食べるとアレルギーにならない、俺は詳しいんだ!、スプーンはシンボルでサバイバルだどうすれば社会がよくなるか考えろ!、この映画にとっては些細なことやろツッコむな!……等と思われることを語っている。
*7 本作のツッコミ所の一つ、どんなに他のスタッフが「もっと重要なシーンに撮影時間を回すべきだ」と進言してもウィソーは聞き入れなかったという。
*8 カメラマンのトッド・バロンの名前がオープニングクレジットで映った際も「Fuck you Todd!」と罵声を上げるのがお約束となっている
*9 ちなみにU-NEXTでの説明文は『センスに難のある若者が、逆境のなか一途に夢を追う姿を描いた実話に基づくコメディ』。誰が上手いこと言えと。
*10 ジェームズは今作でゴールデングローブ賞を受賞。ウィソーと共に壇上に上がったが、ウィソーがスピーチまでしようとしたのを慌てて止める一幕があった。
*11 憧れのジェームズ・ディーンのオマージュ。
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