登録日:2017/12/24 Sun 07:46:16
更新日:2024/02/16 Fri 13:10:44NEW!
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ソードアート・オンライン sao オーディナル・スケール os エイジ ノーチラス 哀しき悪役 チーター ライバル 犠牲者 アニオリ 踏んだり蹴ったり 不幸体質 漢 汚名返上 後沢鋭二 井上芳雄 フルダイブ不適合 加害者になってしまった被害者 主人公になりそこなった男 キリトの影
※この項目は本編内外のネタバレが多分に含まれています。閲覧にはご注意ください。
死の恐怖から解き放たれたオーディナル・スケールこそ、真にリアルなMMOゲームなのです
ここで僕の本当の力を教えてあげますよ
エイジ/後沢鋭二とは、ライトノベル『ソードアート・オンライン』を原作とした劇場アニメ『ソードアート・オンライン - オーディナル・スケール - 』の登場人物。
また今作の前日譚である劇場入場者特典小説『ホープフル・チャント』、後日談となるBD・DVD限定版特典小説『コーディアル・コード』の主人公を務める。
CV.井上芳雄
◆概要
ARMMO《オーディナル・スケール》にて、ランク2位のトッププレイヤー。1位はとある理由でよほどのことがない限り変わらないため、事実上の1位にあたる。
高いランクに違わぬ実力者であり、現実の身体能力がダイレクトに影響するOSにおいて《SAO》第10層のフロアボス《カガチ・ザ・サムライロード》の連続攻撃を難なく躱し、連続技を叩き込むほど。アスナはその動きを「体操の選手」と喩えていた。
また、剣の腕でもアスナやキリトに負けず劣らずの速さ・正確さを持っており、まさに「AR最強の剣士」と言ったところ。
リアルでは東都工業大学の聴講生で、かつてあの茅場晶彦や須郷伸之らをはじめ、作中に登場する数々の天才(とその真の黒幕)達が所属していた《重村ラボ》の生徒の一人。
塾長である重村徹大教授との関係が良好かどうかは不明だが、彼の娘で幼稚園以来の幼馴染である悠那からは「エーくん(SAO内ではノーくん)」と呼ばれており、彼女を通して彼が幼い頃からある程度の親交はあった模様。
◆性格・過去
性格としては、基本的には飄々……というより、いっそ無気力ともいえるような人物像。
普段は世界初のARアイドル・ユナと共に行動しており、プレイヤーがユナをバズーカで誤射しかけた際は砲弾を弾き返して彼女を守っているほか、彼女に《SAO事件記録全集》を読んであげたりするなど、彼女に対しての情が垣間見える。
その一方で元《攻略組》の面々には並々ならぬ憎悪を向けており、全集のプレイヤー一覧を見ながら「こいつら全員に復讐してやる」と述べたり、クライン率いる《風林火山》のメンバーを全員病院送りにするなど、かなり苛烈な行動をとる一面も。
それもそのはず、彼はデスゲームと化したSAOから生還した《SAO帰還者》の一人。彼が攻略組を恨むのも、彼らが自分たちの生存を優先し、《吟唱》スキルのデメリットで大勢のMobに囲まれた悠那/ユナを見捨てたから。
悠那はフィールドダンジョンに囚われた攻略組を命懸けで助けに行ったのに、彼らは悠那を守ろうとしなかったのだ。*1
《SAO》での彼は「ノーチラス」という名前でヒースクリフが率いアスナが副団長を務めていたギルド《血盟騎士団》に所属。
当時から他とは比べ物にならない剣の才覚を見せていたが、不運なことに軽度のFNC――つまり《フルダイブ不適合》であった。
彼の場合ダイブ自体は可能なものの、運動命令をデジタルコードに変換するプロセスに問題があり、本能的に強い恐怖を感じると、「どうするべきか」「どうしたいか」という理性ではなく「それは危険だ」という本能が優先的に出力されてしまうため、
たとえば火事の起きたビルから救護用マットの上に飛び降りようとして、そうしなければ焼け死ぬと頭ではわかっていても、《高所からの落下》という恐怖のせいで足が動かなくなってしまうのだ。
勿論現実では最終的に飛び降りることを選び実行できるだろうし、エイジ自身も恐怖を圧し殺して立ち向かう強さを持っているのだが、奥底の恐怖を読み取ったナーヴギアが強制的に足を止めさせるのである。*2
…いっそフルダイブすらできないほど重度のFNCであれば、どれほど救いがあっただろう。
フルダイブさえできなければ、悠那が命を落とすその瞬間に目前で足が止まることも、そもそも悠那をSAOに誘うことも無かったというのに。
最初の半年はひたすら己の無力さと浅慮さを憎んだ。でもそれだけでは足りなくて、あの日彼女を見捨てた《攻略組》を恨んだ。…茅場や世界を恨むには、彼らはあまりに遠すぎた。
その後ノーチラス――鋭二は血盟騎士団を脱退し、自殺しようにもナーヴギアによって阻まれ、「HPがゼロになったプレイヤーは別空間でクリアまで待機させられている説」を諦めきれず、死ぬことも生きることもできないまま。
一年後「英雄」がSAOをクリアに導くのを、ただ独りで待つことになる。
◆SAOクリア後の動向
SAOから帰還してすぐ、デスゲーム開始直後に両親が離婚しており、育った家も売り払われ、しかも自分が実は母親の連れ子で、父親との血縁はなく名前の知らない兄がいることを知らされた彼は、完全に生きる気力を失った状態に。
"元"両親からの仕送りで安アパートでの一人暮らしを始めはしたものの、「悠那を見殺しにした奴らがいるかもしれない帰還者学校には行きたくない」と学校には行かず、国のSAO事件被害者救済プログラムによって高校卒業資格を所得。
それでも、既に「生きる目的」を見失った彼は大学を受験する気にはならず、日々を無為に過ごしていた。
しかしそんなある日、重村から《悠那再生計画》を聴かされると、SAO帰還者の記憶から再現されたデジタルゴーストが悠那本人ではないと理解しつつ、計画に一縷の望みを懸け受験勉強を再開。
その一方で、重村から渡された人工筋肉スーツを駆使してOSに参加した他の帰還者達からSAOに関する記憶を集め、YUNA(キリト達が言うところの《黒ユナ》)を守りながら戦っていた。
以降はカガチ・ザ・サムライロード戦でのアスナとの再会に始まり、続く《ザ・ストームグリフィン》戦で風林火山を孤立させての壊滅、その後の《ザ・ストリクトハーミット》戦にてピナに化けた《ドルゼル・ザ・カオスドレイク》を指揮するなど、影に日向に活動。
そうして釣られたシリカを囮にアスナから記憶を奪うと、不完全なデジタルゴーストである白ユナの手引きで真相を追うキリトと対峙。
その後、ランク9に到達した彼を悠那の「沢山の人の前で歌いたい」という夢を叶える舞台…ユナの1stライブに呼び出し、真っ向から対決。
現在のキリトとかつてのエイジを歌ったような『Break Beat Bark!』が流れる中、「所詮最前線で戦うプレイヤーしかみんなの記憶に残らないんだ」「僕や悠那みたいな弱虫は蚊帳の外なんだ」と独白しながらキリトを追い詰めるも、
キリトの得意とする挑発を織り交ぜた戦術に徐々に形勢を逆転されていき、最終的にはスーツの仕掛けを見破られ、敗北。「折角の装備も使いこなせない奴に用はない」と重村に記憶を奪われそうになる。
結局は皮肉にもキリト達がアインクラッド100層でボスを倒し白ユナが消滅したことでそれを免れはしたが、計画が失敗したことを受けて警察に自首した。
風林火山の面々が被害届を取り下げたことで数日と経たず保釈され、行く当てのない彼はこの後の行動を決められず悩んでいたところに、黒ユナからのSOSを受け取ったキリトが現れ一時的に彼と協力。
約3年越しで再びアインクラッドに《ノーチラス》として立ち、かつて悠那が命を落としたのと同じ場所でボスモンスター《フィーラル・ワーダーチーフ》と単独で戦闘に入るも、HPがレッドゾーンに突入するまで追い込まれる。だが、
――――動けええぇぇぇぇッ!!
かつてと同じようにFNCによる硬直を味わうものの、英雄らしからぬキリトを唯一英雄足らしめているもの――「自らの不可能を乗り越えんとする心の強さ」を知り、今度は恐怖を押し殺すのではなく乗り越えようと奮起。
遅れて駆けつけたキリトから100層ボス撃破の証である剣を借り受けボスを討伐。コピーしたデータが同時運用されているせいでエラーを蓄積し、アインクラッドで消滅しかかっていたユナを今度こそ救ったのだった。
◆戦闘能力
使用した武器は《Dウェポン タイプS ディセクレイター》という細身の長剣。パワードスーツのカモフラージュのためか、彼のバトルスーツは各部のラインが紫に発光する仕様になっている。
また前述のとおり『コーディアル・コード』において、キリトから彼が紅玉宮で入手した剣を借り受けて使っている。
前述したパワードスーツの他、重村がチューンアップしたオーグマーによって相手の次の行動を計算し予測することが可能。
…これだけ見ると単なるチーターでしかないが、マシンによる補助効果はエイジの高い反射神経と剣の才能があって初めて有効に機能するものであり、少なくとも並のプレイヤーに扱える代物ではない。
当人も「パワードスーツの力ありき」と自嘲してはいるものの、いくらパワードスーツがあっても精確に体を動かす技能がなければ攻撃は当てられないし、どれだけ相手の動きを予測できたところで、それに反応し的確な対処ができなければ無意味なのである(実際キリトは「エイジの能力ならたとえマシンのサポートがなくてもかなりいいとこまで行けた」と称賛しており、FNCを除けば仮想世界適性もかなりのものと思われる)。
…くどいようだが、本当にFNCさえなければ攻略組で上位に食い込むことも、悠那を守ることも出来るだけの才覚はあったのだ。
◆TVアニメ版にて
『アリシゼーション』第1期OP「resolution」にてユナと共に後姿で登場していたが、本人の登場はなかった。
…しかしリズベットがALO内でプレイヤー達に説得を呼びかける中、見慣れない謎の人物が。
後半戦でも後ろ姿しか映っていないものの、軽やかな動きで敵を蹴散らしていくその姿は、まさしくエイジの物だった。
テメェ……何モンだ?
僕は…血盟騎士団の!!
『ノーチラス』だ!!
なんとまさかの本人がオリジナルキャストで登場。
経緯は不明ではあるものの《ALO》ではインプと思わしきアバターで活動しており、プライペートピクシーとなったユナと共にリズベットの呼びかけに応じるかたちで参戦。
中韓プレイヤー達の猛攻で日本側が壊滅寸前になる中無傷で生き残っており、キリトをアスナ達の目の前で殺そうとしたPoHの前に立ちはだかった。
恐怖を完全に克服したためか、ユナのバフがあったとはいえ剣術と体術を絡めた戦法でPoHと互角に戦い、更には『弱さの象徴』として避けていた『ノーチラス』の姿に心意と思わしき力で変身*3。
結果的に心意技で両腕を斬られて惜敗するものの、本人もただでやられるわけはなく、PoHの首筋を噛み千切って一矢報いるという大健闘を果たした。
敗北はしたものの彼の奮闘により、キリト復活までの時間を稼ぐことに成功した為、『試合に負けて勝負に勝った』というべきか。
黒の剣士の復活に彼は貢献したのであった。
追記・修正は、デスゲームで亡くした幼馴染を取り戻そうとしている方がお願いします。
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▷ コメント欄
- 映画のあの最後に少し納得いかなかったけどBD特典小説で掘り下げてくれたんだよかった -- 名無しさん (2017-12-24 10:38:16)
- バトル中のキリトへの妬み嫉みが混じった暴言は少なからず同意してしまった。 -- 名無しさん (2017-12-24 17:13:07)
- ↑キリトもエイジみたいになってたかもしれないだよなぁ。重村は利用するだけ利用してエイジの記憶を奪おうとしたんじゃ・・・。パワードスーツが使いこなせなかったから負けたわけじゃないから、記憶さえ奪えれば理由なんてどうでも良かったのでは?と思った。 -- 名無し (2017-12-24 20:34:40)
- とはいえクラインを物理的に骨折させて竜に食わせたのは酷すぎ、被害届取り下げなくて牢屋送ったれよ -- 名無しさん (2018-01-30 02:28:42)
- クライン達にも思うところがあったのかもね、自分達もやばいとは言え結果的にユウナを見殺しにしちゃったわけだから -- 名無しさん (2018-02-04 12:06:30)
- チート装備だけど、それを使いこなす超絶技量はエイジの努力の賜物なんだよなぁ 本人の無念さが凄く伺える -- 名無しさん (2018-02-04 14:07:19)
- そういう物語じゃ無いし、今後も無いだろうけど、もし茅場が物語全体のラスボスとして再び立ち塞がったらキリトと共闘してほしい -- 名無しさん (2019-06-19 15:16:29)
- 色々と伏線があったけど、まさかのアニメ本編に登場! -- 名無しさん (2020-08-09 22:56:21)
- すべてを振り切ってSAOの亡霊に単身立ち向かうのはとにかく熱かった -- 名無しさん (2020-08-09 23:02:56)
- ↑わかる、弱さの象徴だったSAOの姿にキリトと同じ心意の力で変身して戦うシーンはすごいと思った。負けてしまったけど、一矢報えたしね。 -- 名無しさん (2020-08-10 00:49:58)
- 劇場版のキャラって基本的に本編では名前くらいしか出てこないから、エイジ出てきたときには驚いた。 -- 名無しさん (2020-08-10 10:22:22)
- 開発者の茅場はFNCとかバグの対策、それが出来ないなら救済措置くらいしろよと -- 名無し (2020-08-11 14:24:10)
- 確か丹羽Pだったかな?「リズベットの演説を聴いたらエイジは絶体に来る」って言ってたの。例えSAOサバイバーの記憶を寄せ集めた人工知能でも、それを「悠那」だと信じていたエイジなら、同じような人工知能達が住む世界が危機にあると知ってなにもしないはずがないんだよね。 -- 名無しさん (2021-08-20 16:11:12)
- ちゃんと救いがあって良かった。 -- 名無しさん (2021-12-16 14:30:02)
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*2 エイジ本人は「自分の弱さを呪ったよ、大切な人が危なくても足がすくんで動けないんだから」と内心を吐露していたが、確かにエイジは「恐怖を圧し殺す強さ」は持っていても「己の弱さを受け入れる強さ」は持っていなかった、そういう意味では弱かったと言える。が、後の『コーディアル・コード』で「死ぬのが怖くて立ち向かえない自分」を受け入れ再び剣を取ったことを考えると、「戦えない人間なんていない。戦うか、戦わないか、その選択があるだけ」という考えのもと何度でも立ち上がるキリトと同種の人間なのだろう。
*3 アミュスフィアでのログインにも関わらず心意による変身ができた理由は不明だが、旧SAOサーバーが起動する描写や作者のツイートからYUNAがSAOサーバーを通じて干渉した可能性が示唆されている。ユナの方もピクシー→アイドルYUNA→ユナ(悠那のアバター)と姿を変えていた。
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