登録日:2012/02/15 Wed 00:08:02
更新日:2023/08/10 Thu 12:03:42NEW!
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ウルトラマン ウルトラマンタロウ ウルトラシリーズ 特撮 ベムスター ヤプール ウルトラシリーズエピソード項目 ロストヒーローズ シリアス ベロクロン 前後編 逆襲!怪獣軍団 サボテンダー ベムスター復活!タロウ絶体絶命! 田口成光 山本正孝 骨太 大和田獏 真っ二つ作戦 エネルギー爆弾作戦
「ベムスター復活!タロウ絶体絶命!」「逆襲!怪獣軍団」とは、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ『ウルトラマンタロウ』の第29話と第30話のサブタイトルである。
脚本:田口成光/監督:山本正孝
▽目次
【ストーリー】
◆「ベムスター復活!タロウ絶体絶命!」
かつてウルトラマンエースに倒された異次元人 ヤプールが復活した。
ヤプールは地球のエネルギーを根こそぎ奪い尽くさんと、ベムスターを送り込む。
地球では、健一ら子供達が海野八郎という塾の教師と遊びを交えながら交流していた。
そこに通りかかった東光太郎は、ZATステーションNo.1の佐野隊長の息子というトオルという少年と知り合う。
その後、ステーションが消息を絶った。
捜索に出た光太郎と南原はステーションがベムスターに飲み込まれ、全滅するのを目撃してしまう……。
ZATがベムスターの脅威に対策を練る一方、荒垣副隊長と光太郎はトオルと母親に辛い報告をし、ベムスターを倒す決意を固める。
そしてベムスターが遂に襲来。ZATは真っ二つ作戦を実行するが、失敗に終わる。
子供達にもZATへの不信やウルトラマンタロウへの依存が広がる中、海野は人間やれば出来るとしてベムスターに挑んでいく。
海野が絶体絶命のピンチに陥る中、光太郎はタロウに変身した。
海野を助けることは出来たが、次は自分がベムスターの前に絶体絶命のピンチに陥ってしまう……!
◆「逆襲!怪獣軍団」
ベムスターの猛攻にタロウは敗れ、光太郎も重傷を負ってしまった。
ベムスターを取り逃して敗北したZAT、海野、光太郎。しかし彼らは諦めなかった。
ZATは必殺の作戦と兵器を編み出し、海野はトレーニングを重ね、光太郎は怪我を押してリハビリを進める。
そしてベムスターは再度出現した。
海野はベムスターに取り付き目を攻撃、ZATは濃縮エネルギー爆弾をベムスターに飲み込ませる。
苦しみ始めるベムスターを見て、ヤプールはサボテンダーを出現させる。
そこに光太郎も駆けつけタロウに変身、さらにベロクロンまでもが現れ、激戦が始まった。
海野に苦しめられたベムスターとベロクロンはZATにより撃破され、サボテンダーとヤプールの宇宙船もタロウによって倒される。
そして塾には海野の姿を見て一回り成長したトオルら子供達の笑顔があった。
【概要】
本作の第27話から第30話の1ヶ月は「ご存知怪獣・宇宙人登場シリーズ」と銘打ち、第27話では初代『ウルトラマン』からメフィラス星人、第28話は『ウルトラセブン』からエレキングが登場した。
そして本エピソード群は『帰ってきたウルトラマン』からベムスター、『ウルトラマンA』からヤプールや超獣が登場するイベント編となった。
ちなみにこのために書き下ろされたのは本エピソードのみであり、前2話は元々あった脚本の怪獣や宇宙人を変更する形となっている。
『タロウ』本編では唯一他のウルトラマンの客演の無いイベント編であり、物語もシリアスでハードなものになっている。
また、テーマとしてもウルトラマン依存に対する批判、何事にも挑戦する事の大切さを訴えるなど、骨太な作りとなっている。
【登場人物】
◆東光太郎
「これが俺の選んだ仕事だ!一生をかけてやってる仕事なんだよ!」
ご存知我らが主人公。本作ではZATとして、タロウとして戦いに臨む。
◆海野八郎
「みんなと一緒に勉強しているようなものですから」
演:大和田獏
寺子屋という塾の教師。
一緒に遊ぶ事を通して成長してもらうために子供達と共に遊んでいる。
子供達にタロウへの依存があったため、それを断ち切るためにベムスターに肉弾戦を挑む。
『タロウ』世界の一般人代表だが、本エピソードの主人公の1人で、テーマの半分以上を担う重要人物。
◆佐野トオル
演:宮田真
寺子屋の子供達の一人。佐野隊長の息子で健一の友人。
第29話では父を亡くし、ZATにも不信感を抱いていたが、第30話では奮戦する光太郎の様子を見たからか、怒りも収まっていた様子だった。
◆ヒロシ、アキラ
寺子屋の子供達の一人。太っている方がヒロシ、眼鏡を掛けた方がアキラ。
ZATを信用しておらずタロウに依存しきっている。その為健一の事もバカにしていたが、彼らが冗談半分で言った言葉が、海野が怪獣退治をするきっかけとなる。
◆トオルの母
演:蓮川久美
文字通り、トオルの母。
荒垣から夫が殉職した事を知らされても恨み言一つこぼさず受け入れたり、重傷を負った光太郎の見舞いに息子と共に訪れたりするなど、芯の強い良識ある母親である。
◆健一
いつも通りの交友関係の広さ。今回ZATの敗北により、つい光太郎にも厳しい言葉をかけてしまう。
【今回のZAT】
本エピソード群のZATは仲間が犠牲になったためか、いつもの明るさはかなり控えめでシリアスである。
今回はZATもまた主役の一角となっており、タロウとの信頼関係や高い戦闘力を見せてくれる。
破られたとはいえ、ウルトラスパークと同等の威力とされる回転鋸を開発する技術力を見せつけた。
本気のZATは強いし、カッコいいのだ。
◆荒垣修平
「おい東。ベムスターは、どうしてもZATがやっつけなければならん」
本エピソード群では最後以外は常にシリアスモード。ステーションの仇を取るために必死に戦う。
◆北島哲也
「腹の中で爆発させればいいんだよ!」
兵器開発を一手に担い、ベムスター対策の最前線に立つ。
彼がいなければベムスターは倒せなかった。
◆南原忠男
「俺はね、まだ見習いの頃よく面倒見てもらってたんだ」
ホエールの改造を行ったりなど、サポート的な役割が目立つ。
佐野隊長には世話になっていたらしい。
◆上野孝
「ベムスターは腹にある口からエネルギー源を吸い込みました!」
あまり活躍しないが、北島が作戦を発案する切っ掛けを作った。
◆森山いずみ
今回は活躍せず。
【今回の怪獣】
◆異次元人 ヤプール
「愚かな人間どもめ!同じ過ちを繰り返すほど、わしの頭は悪くはないぞ!」
相変わらずのしつこさだが、何故か怪獣達に対してちょっと優しい。
今回は新たに杖を携えており、終始宇宙船から指示を出していたが、最終的に怪獣軍団が全滅した事を受けて逃げ出そうとしたところをストリウム光線で宇宙船諸共木っ端微塵にされた。
着ぐるみは『A』のものがそのまま使われているが、今回までの間にアトラクション用としても使い回された結果、劣化してしまっている。
他方、顔がやや不細工になったが、これは劣化ではなく新造とのこと。
◆改造ベムスター
初代とはかなり見た目が変わっており、首が長く、目が赤くなり虚ろになった。
何となく超獣っぽい。
目から光線を出せるようになり、皮膚の強度も上がり、格闘も強い。
しかし、何故か肩書が「宇宙大怪獣」から「宇宙怪獣」に変わっている。タロウが戦っていたのは超獣より強い大怪獣だったはずでは……?
初代は上の口からも食事ができたが、今回は腹の口でしか食事しない。
一度はタロウを敗退させたが、再戦では投げ縄を使って頭に飛び移った海野のナイフ攻撃で両目を潰されて戦闘不能に陥り、ZATのエネルギー爆弾を飲み込んで爆破された。
ウルトラマンには勝ったが、人間に倒されるという最期を遂げた怪獣の一体。
◆改造サボテンダー
雑魚その1。エースに倒されたサボテンダーの改造。
超獣の誇りがあるのか、ベムスターの増援に現れたのにベムスターを突き飛ばした。薄情者!
最終的にはタロウにボコボコにされ、ストリウム光線で倒された。
着ぐるみがアトラク用なので、ベムスターほどではないが、若干姿が変わっている。
◆改造ベロクロン*1
雑魚その2。エースに倒されたべロクロン二世の改造。
タロウ登場に際して更なる増援として現れたが、ZATに完封され、最期はホエールのレーザーで倒された。
『A』では二度もウルトラマンを苦戦させたが、今回は前後編通してタロウと戦う事なくかませ犬にされてしまった哀しき怪獣。
着ぐるみはベロクロン二世の改修だが、ヤプール同様にアトラクション用として使い回され、劣化してしまっていた。
ちなみに、サボテンダーとベロクロンはギリギリまで登場が確定していなかったのか、脚本では名前が指定されておらず、オープニングクレジットにも名前が無かった。
【余談】
- 本作の特撮場面は炎や爆発の中、怪獣やタロウ、スカイホエールが入り乱れてバトルをする派手で豪華なものとなっている。
そんな特撮を演出したのはシリーズ初期から特技監督で活躍した高野宏一氏であり、『タロウ』では唯一の参加となった。
- 改造ベムスターが登場する際に、「帰ってきたウルトラマンを倒したベムスター」とナレーションされたが、初代べムスターはウルトラマンジャックを撤退させただけなのでこれは誤り。
- 『帰マン』の怪獣と『A』の怪獣(超獣)が共演するのは『A』第7~8話以来である。
- 第30話は肩書は「怪獣軍団」だが、サボテンダーとべロクロンは正確には超獣である(まぁ、べロクロンのベースになったのは宇宙怪獣だが)。
……しかし、こんな名エピソードの今話だが、実はとんでもないツッコミどころのシーンがある。
ZATが改造ベムスター撃退のために過去の映像───即ち『帰マン』でのベムスター戦のVTRを流すのだが。
この時、セブンがジャックにウルトラブレスレットを授けたシーンがはっきりと映し出されているのだ。
つまり、敢えてメタ的な話を抜きにして考えるとセブンとジャックの会話を近くで録音・録画し、それを地球に残した存在がいる事になる。
さらに捕捉すると、当時の地球防衛隊であるMATの宇宙ステーションはこの回でベムスターに破壊されている。
そしてセブンとジャックがいたのは太陽のすぐ近くという危険極まりない環境である。
……誰が撮ったんだ、この映像……
【ゲームでは】
『ロストヒーローズ』では再現シナリオとしてこのエピソードに登場する怪獣軍団が敵とし登場するイベントがある。
ベムスターとベロクロンは雑魚敵キャラとして出てくるのだが、サボテンダーはこのステージが初出なので思いっきり浮いている。
改造べロクロンは設定のみ存在したパワーアップした火炎、ミサイル、ベロクロ液、鼻の角からの光線発射能力が初披露された。
ベムスターに飛び移ってナイフで目を潰せる方は追記・修正をお願いします。
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▷ コメント欄
- ……塾講師、ですよね?元特殊部隊員か何か? -- 名無しさん (2013-09-08 01:22:26)
- イデ「ウルトラマンに頼るな!オレと同じ目に遭うぞ!」 -- 名無しさん (2013-09-08 01:28:35)
- タロウが怪獣3体と同時に戦ってるスチールはあったのに、実際は… -- 名無しさん (2013-12-13 21:25:49)
- 放送当時の雑誌では、ヤプールの敗因について怪獣軍団から「超獣などという古いものを使ったのがいけない」と評されていた。 -- 名無しさん (2014-01-29 23:33:21)
- ↑メビウスでバリバリつかっとたやないか -- 名無しさん (2014-04-30 19:22:46)
- つーか超獣よりもベムスターの方が古いし -- 名無しさん (2014-04-30 19:47:29)
- 初めて見たとき、苦戦してるならウルトラ兄弟が増援に来いよと思ったが、改めてテーマを見返すとタロウ、ZATに海野青年がそれぞれベストを尽くしているからこそストーリーに厚みが出るんだなと思った ウルトラ兄弟来ても絵面がごちゃごちゃしそう -- 名無しさん (2014-05-08 04:36:52)
- 今週の新ウルトラマン列伝でこの回の後編がピックアップされてた、ホント海野さんを始めとするタロウ世界の一般人は強いなww -- 名無しさん (2014-06-26 05:40:30)
- ↑2 いつにもまして人間サイドが頑張ってたので兄弟たちも空気読んで手を出さなかった、と推測した -- 名無しさん (2014-06-26 06:43:10)
- ハムスター復活に見えてハムタロサァン -- 名無しさん (2014-06-26 07:52:16)
- ↑3 やっぱりベムスターVS海野さんやら、良いところなしのベロクロンやら、色々と突っ込まれてたねw -- 名無しさん (2014-06-27 20:21:33)
- タロウは末っ子の甘えん坊とかおふざけZATとかのイメージを持っている人達に見せたい前後編、特にタロウは数話前のテンペラー星人戦から成長しているのが分かるハズ。 -- 名無しさん (2014-07-09 12:17:17)
- そもそもタロウが末っ子の甘えん坊というのはテンペラー星人編で無理矢理当てはめられたものだからな -- 名無しさん (2014-07-09 12:25:38)
- 話数的にこっちのが先じゃない? -- 名無しさん (2014-07-09 12:37:01)
- ↑書いた者ですが調べてみたらそうでした、ごめんなさい。 -- 名無しさん (2014-07-09 13:35:13)
- 決戦の一番の感想は「それでいいのかミサイル超獣」 -- 名無しさん (2014-07-09 13:38:32)
- 個人的にこの回のベムスターが歴代ベムスターの中で一番強いと思う。ウルトラ戦士を真っ向から倒したベムスターは確かコイツだけのはず。ジャックの時は一時的な撤退に留まってたし。 -- ??隊員 (2014-07-29 23:26:33)
- 実際、ウルトラスパークと同威力の回転カッターが通じなかったもんな -- 名無しさん (2014-07-29 23:31:15)
- 30話で怪獣紹介のテロップがベムスターとヤプールだけなのは決定稿の時点でもサボテンダーとベロクロンが出ることが決まってなかったかららしい。 -- ??隊長 (2014-09-10 22:52:31)
- スパークドールズ達にも言われてたな「タロウさんのお友達は怪獣に生身で挑むの好きですね」って -- 名無しさん (2014-10-20 10:37:00)
- セル版単巻DVDがようやく手に入ったので改めて見てますが、やはり面白い。あと、73年にして「弱点」でなく「ウィークポイント」なんて単語を使っちゃう副隊長がオサレですね。 -- 名無しさん (2015-01-14 12:42:22)
- リュウ「ダメだ!地球はウルトラマンに守ってもらえばいい、そんな事考えてるガキにこの翼は触らせねえ!!」 -- 名無しさん (2015-01-14 12:49:36)
- 最強人類、海野 -- 名無しさん (2015-02-04 17:38:50)
- タロウ出てきて欲しさに町をぶち壊す怪獣を応援するなんて、親御さんはどういう教育をしているんだ!? -- 名無しさん (2015-02-04 19:25:27)
- 海野さんマジで超一般人 -- 名無しさん (2015-03-11 15:59:06)
- 京極真「是非ボクにもご協力を!!」 -- 名無しさん (2015-03-11 16:47:05)
- ベムスター、45mだったのが80mに巨大化してるのに、なぜか異名が「宇宙大怪獣」から「宇宙怪獣」に格下げになってんだよな。 -- 名無しさん (2015-03-12 17:43:11)
- もう24話に『宇宙大怪獣ムルロア』が出て流石にかぶるのはマズイと思ったんでしょうね。ベムスターが先なのに・・・ -- 名無し (2015-07-23 22:01:33)
- どっかで、進撃の巨人もビックリとか言われてた海野さんw -- 名無しさん (2015-10-19 12:06:57)
- べムスターがやけに強かったな。タロウがあそこまで歯が立たなかったのは珍しい。 -- 名無しさん (2015-11-29 15:10:28)
- 地球人最強の海野さん「気円斬!!」 -- 名無しさん (2015-11-30 20:53:08)
- 資料提供:ウルトラの星> セブンとジャックの会話を近くで録音・録画しそれを地球に残した存在 -- 名無しさん (2016-07-29 12:20:39)
- ↑4というか、作者の趣味的に立体機動装置の元ネタなんじゃないかと睨んでいるんだが -- 名無しさん (2016-08-30 21:21:47)
- ヤプールは改造ベムスターの件で -- 名無しさん (2017-06-04 16:33:58)
- 続き)人間の強さを学んでおけばメビウスやギンガ ビクトリーに勝てたんじゃないだろうか -- 名無しさん (2017-06-04 16:34:58)
- ↑あの人、強さじゃなくて人間の弱さしか学んでないからなぁw -- 名無しさん (2018-05-22 10:40:00)
- 追記・修正の条件が困難すぎる・・・塾講師でもなきゃ無理だ -- 名無しさん (2018-05-22 10:51:42)
- 幼児雑誌にドラえもんとかと一緒に何故かタロウのOPが聞けるビデオの付録があったんだけど、バックの映像が怪獣軍団だったなぁ。曲の長さの都合で、タロウとサボテンダーのプロレス→横でちょっと暴れてるベロクロンとベムスターをZATが倒す→なんか飛んできた宇宙船をタロウが撃墜っていう短い戦いだったけどw -- 名無しさん (2018-07-26 14:38:14)
- ↑あったあったwドラえもんが地球作るやつね -- 名無しさん (2019-03-09 18:29:40)
- ↑2 -- 名無しさん (2019-12-04 23:19:26)
- 違反コメントを削除しました。 -- 名無しさん (2020-06-28 01:11:23)
- 改造ベムスターの説明の「恥ずかしい最後」はなんか違くね? -- 名無しさん (2021-03-22 16:29:02)
- 項目名が「絶対絶命」で間違ってるんだけど、修正ってできるの? -- 名無しさん (2021-07-09 20:45:09)
- 人類及びその手で作った兵器や作戦でヤプールの超獣や改造された怪獣を倒した…この時点で、既にTACを超えているのが明らかだ! -- 名無しさん (2023-01-31 12:40:04)
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