登録日:2012/04/04 Wed 00:37:46
更新日:2024/04/13 Sat 09:24:56NEW!
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名探偵コナン 名探偵コナンエピソード項目 扇澤延男 毛利小五郎 小五郎の本気 カッコイイおっちゃん 小五郎知人喪失シリーズ アニメオリジナル オリジナルエピソード 冤罪 看板 アリバイトリック バッシング 裁くべき被害者 小五郎が起きて解決した事件 名探偵コナンアニメオリジナル項目 自殺阻止 救うべき加害者 毛利小五郎探偵廃業の日 誤認逮捕 クレーム 妃英理 kyな依頼人 小五郎のピンチ
警部殿…毛利です
今日限り…私、看板を下ろします
『毛利小五郎探偵廃業の日』とは、かつて「名探偵コナン」において毛利小五郎が解決した事件のうちの一件。
原作漫画には無いアニメオリジナルエピソードであり、第540・541話として2009年7月11日・18日に放映された。
脚本は扇澤延男氏が担当。
以下、ネタバレにご注意ください。
【あらすじ】
ある日、小五郎ははらいそ金融のオーナーの蒲生良造から自分のアリバイ証人探しの依頼を受け、ふぐ大将の店で待ち合わせをすることになる。
なかなか来ない蒲生だったが、蒲生から来る前に一杯やっていていいと言われていたため、小五郎はお言葉に甘えて酒や食事を楽しむ。
その後蒲生が訪れ、小五郎に警察に疑われている理由などを話し、小五郎は蒲生のアリバイ証人探しの依頼を引き受けた。
だが、アリバイ証人探しの調査は予想外に難航し、調査の6日目に小五郎から見つからないという言葉を受けた蒲生は絶望したと言い残し、
翌日に首を吊って死亡してしまう。
蒲生の遺体確認後、蒲生の自殺した場所が車を1時間走らせた林の中だったことと、明かりもない暗い場所だったことに違和感を感じ、
小五郎は蒲生が自殺ではなく他殺であると推測して捜査を始める。
その後、小五郎の警察学校時代の同期であり5年前に警察を辞めた竹岡と再会して、蒲生の殺人事件について一緒に捜査することになる。
その際に、蒲生を恨んでいて、かつ蒲生が死ぬことで遺産が入るなどして得をする人物の蒲生の甥・新井京介を疑い始めるが、
その新井も小五郎に追求された翌日に自宅で首を吊って死んでいるところを発見される。
小五郎は蒲生殺害の犯人だと追求されたことで逃げられなくなり新井は自殺をしたと言うが、
その後に隣人が新井を蒲生死亡時刻に目撃していたことがわかり、新井は潔白だと判明する。
それと同時に、小五郎は無実だった人間を自殺に追い込んでしまったことになり、マスコミから非難を受けることになる。
これを重く受けとめた小五郎は責任を感じ、目暮に電話をして今日限りで探偵の看板を下ろすと宣言する。
はたして、小五郎の運命は、そして蒲生と新井の事件の真相は――。
【事件関係者】
- 蒲生良造(がもう りょうぞう)
CV:石森達幸
小五郎の依頼人。金融会社「はらいそ金融」のオーナー。70歳。
蒲生は5年前に衣笠栄が闇討ちされた事件において誤認逮捕されたことがあり、今度は同じ被害者の殺人容疑を掛けられている。
事件当時は曙町にいたが、疑われると思い自宅にいたと嘘をついてしまい、小五郎に曙町で蒲生を見かけた人間を探すように依頼してきた。
ふぐ大将の店主を始め、町の人たちにも声を掛けられるほど人徳があったようだが、警察に疑われているためか毎晩小五郎に催促の依頼をかけてきている。
小五郎に調査依頼してから6日目、小五郎からアリバイ証人が見つからないという言葉に絶望したという言葉を残している。
そして、翌日に自宅から車で1時間走らせた林の中で首を吊って死んでいるところを発見されている。
小五郎から事情を聞いて、蒲生は午後8時頃に小五郎に電話して、車で移動してから午後9時頃に林の中で死んだと推測されている。
だが、自宅ではなく、わざわざ車で1時間もかかる暗い林の中まで行って自殺するのは不自然だと思い、小五郎は他殺だと疑っている。
- 新井京介(あらい きょうすけ)
CV:遊佐浩二
蒲生の甥。蒲生の唯一の血縁者。42歳。
蒲生に生活費援助をしてもらった絵描きであり、蒲生が殺された時間は週刊誌の連載小説の挿絵を描いていた。
蒲生の死体の確認のために事件現場まで来ており、蒲生を誤認逮捕した警察を恨んでいる様子だった。
色々なところに借金しているようであり、蒲生に借金を申し込んだが断られてしまい、蒲生を恨む動機を持っている。
また、蒲生が死ねば蒲生の遺産が自分のものになり、蒲生死亡時にもアリバイがないことから、小五郎に追求されていた。
だが、翌日に小五郎たちが再び新井のマンションに訪れたが、蒲生と同様に首を吊って死んでいるところを発見されている。
また、死亡後に隣人の女性がベランダから、蒲生死亡時刻に一人部屋で喚いていたところを目撃されていたため、アリバイが成立していた。
その結果、世間やマスコミからは「自らの身の潔白を証明する為に命を絶った悲劇の被害者」として扱われているが、前述の通り、元々新井には蒲生に対する金絡みの逆恨みという動機があり、更には蒲生の死を強引にでも「自殺」で片付けようとマスコミの山根に「小五郎が叔父(蒲生)を自殺に追い込んだ」というタレこみを行った為に、小五郎達に疑われ、詰め寄られてしまうのも当然であった(実際、高木や千葉、コナンですら、死後も自らが蒲生殺しの犯人ではないのかと強く疑い続けていた)。
それらの事実が知れ渡っていれば、世間からも「元々動機がある上に怪しい行動(タレこみ)に出た為に、当然小五郎達から疑われ、それを逆恨みして自殺した」という事になったと思われるので、仮に本当に自殺であったとしても、本来ならば小五郎が批判されてしまう事自体が筋違いだったと言える。
なお、新井が喚いていた理由は、新井が挿絵を担当していた連載中の推理小説のオチがあまりにも酷かったから。
小説内の犯人がアリバイトリックにタイムマシンを使ったというオチであり、コナンも「そりゃ許さねぇわな、読者」と呆れ顔で思っていた。
彼を演じた遊佐氏は後に『恋と推理の剣道大会』等で沖田総司を演じる事になる。
- 竹岡勲(たけおか いさお)
CV:沢木郁也
元城西署刑事。現在は無職。40歳。
小五郎とは警察学校の時の同期であり、本庁と所轄で所属は違ったが捜査で何度もコンビを組んでいたという。
夫婦絡みでも付き合いがあり、蘭とも顔なじみ。蘭は竹岡がお土産というと必ず動物クッキーを買ってくれることを知っていた。
また、かつては演劇サークルで演劇をやっていたようであり、奥さんと出会ったのも演劇サークルがきっかけだった。
5年前の蒲生の冤罪事件を作ってしまったことで責任を取って警察を辞めている。
その後、競馬場で偶然小五郎と偶然再会して、今回の事件について話すために探偵事務所に来ることになる。
そして蒲生の事件を聞いて、蒲生が自殺するような人間じゃないと言って、小五郎に協力することになる。
蒲生の事を恨んでいる人物ではあるが、死亡推定時刻の午後8時半から知人と会って夜中まで一緒だったためアリバイがある。
彼を演じた沢木氏は以前にも『路面電車急停止事件』にて刑事役を担当しており、この事件の後には京都府警の車折刑事を担当する等、何かと刑事役に縁がある。
- 久本完吾(ひさもと かんご)
CV:広瀬正志
警視庁城西警察署刑事。50歳。
蒲生自殺の事件を担当しており、蒲生の5年前に冤罪で捕まった事情を小五郎たちに話している。
そのため、5年前と同じ失敗をしないように、慎重に捜査を進めていた。
- 山根康(やまね やすし)
CV:長嶝高士
東陽スポーツの新聞記者。30歳。
小五郎が事件についてインタビューしようとするマスコミの人間に交じって登場している。
小五郎と蒲生のやり取りの事を何故か知っており、依頼人を死なせた責任をどう考えているか悪意を持つ聞き方をしていた。
なお、蒲生のやり取りのタレこみは新井から手に入れたことが判明しているが、なぜ新井がそんなことをしたのかは不明。
- 土田令二(つちだ れいじ)
CV:加門良
はらいそ金融の雇われ社長。43歳。
蒲生から業務を全て任されており、顧客から理不尽な恨みを買うときがあっても自分が恨まれるため、蒲生が恨まれることはないと話している。
- 床前小百合(とこまえ さゆり)
CV:くじら
小五郎の依頼人と現れたケバイ女性。40歳。
目立つ宝石とかを付けており、毎朝の小百合のジョギング中のボディーガードの依頼する。
小五郎はとりあえず宝石を外して逃げることをお勧めするが、小百合自身は見せびらかしたいから外さないという。
なお、小五郎は死んだ旦那に似ていて、小五郎の事を気にっているらしいが、結局小五郎から断られている。
その際に、小百合は小五郎にコブラツイストを喰らわせており、ボディーガードいらないんじゃないかとコナンに思われていた。
【レギュラー陣】
- 江戸川コナン
ご存知主人公。
前編では目立った活躍はしていないが、後編では蒲生と新井を殺害した真犯人探しを行う。
その際、小五郎自身に事件を解決させて立ち直らせようと考えていたが、先に小五郎は立ち直り、コナンと同じ推理を行っていたため、小五郎に協力をしている。
また、真犯人の前で小五郎が告発するのをためらっている時に、時計型麻酔銃を使おうとも考えたが、小五郎の事を信じて見守っていた。
- 毛利蘭
ご存知蘭姉ちゃん。
看板を下ろすと決めた小五郎を心配し一生懸命説得している。
- 毛利小五郎
ご存知おっちゃん。今回の主役。
小百合の依頼を断り、蒲生の依頼を引き受けてアリバイ証人を探すが、一向にアリバイ証人を見つけることができなかった。
その後、蒲生が死亡するが、自殺ではなく他殺だと見抜いたことで手柄を立てて調子に乗り始めている。
だが、犯人だと疑っていた新井が自殺してしまい、その新井もアリバイがあったことから無罪だと判明して、無実の人間を追い詰めて自殺に追い込んでしまった。
そのことからマスコミに非難を受けて、目暮に看板を下ろすことを伝えている。
後編ではショックで一時は腑抜けた状態になるが、病院で蒲生が健康診断を受けていた話を聞いて、事件を解決させるために再び動き出す。
- 妃英理
ご存知法曹界のクイーン。
小五郎が手柄を立てたことで蘭から連絡が来るが、調子に乗ると落とし穴に落ちると蘭に忠告するように伝え、東陽スポーツ新聞の見出しを見て不安そうにしていた。
小五郎の落ち込んでいる時に、蘭から連絡を受けて慰めに来る。
いい雰囲気になったが、直後に小百合が乱入して小五郎を強引に連れていき、それを目撃すると小五郎はああいう趣味になったのだと怒りながら、竹岡の持ってきた動物クッキーを食べて出ていってしまった。
- 目暮十三
ご存知警部殿。
蒲生が握りしめていた紙に小五郎の事務所の番号が書かれていたため、事情を聞くために小五郎を呼びだした。
- 高木渉
ご存知高木君。
- 千葉和伸
ご存知千葉君。
【その他】
- 衣笠栄(きぬがさ さかえ)
月見町の古美術店の店主。56歳。
半月前に何者かに刺殺されており、過去に大金を騙し取ったことから蒲生が疑われることになる。
なお、蒲生が自殺した次の日に犯人は逮捕されており、犯人や動機など語られていない。
5年前に衣笠が闇討ちされた事件もあり大怪我を負ったことがあり、その時は蒲生が逮捕されている。
- 由紀
CV:百々麻子
新井のマンションの隣人。
蒲生の死亡時刻付近で、新井の部屋で喚き散らす声がうるさく、ベランダから注意しようとしたところで新井の姿を目撃している。
だが、すぐに新井が静かになったため、何も言わなかったと証言している。
- 竹岡奈津子(たけおか なつこ)
CV:麻美順子
竹岡の妻。大学時代に演劇サークルで知り合い結婚している。
5年前の衣笠の闇討ち事件の目撃者となっており、犯人は蒲生だと証言していた。
なお、竹岡がお土産で動物クッキーを買うのは奥さんが好物だからだと、英理の話で判明している。
- 黒い男たち
床前の宝石を狙う男3人組。
小五郎にあっさり倒されるが、この件は警察から過剰防衛とみなされてしまった。
【以下、事件の真相…さらなるネタバレに注意】
死なせねぇ!
生きて…償わせてやる!死なせねぇからよ、竹岡!
も、毛利・・・
- 竹岡勲
今回の事件の真犯人。
衣笠が殺されたことを新聞で知り、蒲生を自殺に見せかけて殺害し、その殺人容疑を被せたうえで新井を殺害する計画だった。
また、競馬場でも小五郎と再会したのも、小五郎を利用しようとして偶然を装って再会していたのである。
事件は半月前から準備されており、小五郎に依頼してきた蒲生は実は変装した竹岡の姿だったのである。
竹岡は蒲生に扮して「ふぐ大将」の店主を始めとした、町内の住民と交流を持って、蒲生という存在に印象を付ける。
そして、小五郎に依頼した日は、先に飲み食いしていていいからと言ってわざと遅れていき、小五郎を酔わせて注意力を鈍らせて、自分の変装だと気づかせないようにしていた。
また、蒲生として依頼した内容も全てデタラメであり、小五郎が曙町で蒲生を見かけたという証人が見つからないのもそのためである。
その後、通話記録からボロが出ないように、蒲生が風呂を入った時を見計らって、蒲生の家付近で密かに増設した子機を使って、毎晩小五郎に電話をしていたのである。
蒲生殺害時当日は、午後7時に蒲生を現場の雑木林に連れ出してから殺害。
その後、蒲生の家の近くにある空き倉庫に自分の車を隠し、午後8時に蒲生を装って小五郎に電話した。
そして、蒲生の車で一旦家を出て、空き倉庫に入ってから自分の車の乗り換えてから移動、午後8時半に友人と深夜まで会っていた。
友人と別れた後に、再び空き倉庫まで戻り、蒲生の車を雑木林に移動させたのである。
こうすることによって、午後8時に小五郎が蒲生から電話を受けたという証言もあり、蒲生が死んだのは午後9時以降となるため、自分のアリバイは完璧になったのである。
今回、小五郎が確信したのは、蒲生が依頼に来た次の日に健康診断でバリウム検査を行っていたことを聞いたため。
小五郎に依頼した日にフグ料理を食べていたのに対して、前日から飲食は禁止されているバリウム検査で異常がないことを聞いて疑問を覚えた。
そして、「ふぐ大将」の店主をはじめとした町の人達から話を聞くと、蒲生と知り合ったのが半月ほど前だと聞くことになる。
そのため、小五郎は自分が会った蒲生は別人ではないかと推測するが、自分が会った蒲生が別人であるという証拠がなかった。
そこで、本物の蒲生の声が入ったものを捜索したが、竹岡の妨害によって留守電の声が消去され、唯一肉声の入ったビデオテープも竹岡に襲われて奪い取られてしまう。
だが、蒲生はそれ以外にニコニコパン株式会社にクレームの電話を入れており、その電話の声が録音されていたため、今回のトリックの決定的証拠となった。
今回の殺害の動機は5年前の冤罪事件の事。
冤罪事件から3年後に妻・奈津子が病気になり、2年間の闘病生活の果てに先月亡くしていたのである。
その際、奈津子は自分の目撃証言のために、竹岡を辞職させてしまったことを後悔しており、詫びながら死んでいったという。
そんな時に5年前の被害者だった衣笠が殺された事件を知り、奈津子の葬儀後に蒲生に電話をして衣笠の件を責めた。
だが、蒲生は電話で「今度は私じゃない」と、5年前は自分が犯人だったとあっさり白状した。
竹岡は、5年前の事件の蒲生のアリバイ証人も蒲生が金で雇った人間だと推測をしており、
真実を話しながら信じてもらえず、竹岡に詫びながら亡くなった奈津子の無念を晴らすために、蒲生と共犯の新井を殺害することを決意したのである。
小五郎が自分の推理を竹岡に話した後、竹岡は言い逃れすることをせずに自白をした。
そして、小五郎にもう一度英理とやり直すように伝えてその場を逃走、崖の上から飛び降りて自殺を図ろうとした。
飛び降りた竹岡に、コナンはサッカーボールを竹岡に蹴り当て、一瞬だけ浮いたところを小五郎は竹岡の腕をつかみ助かっている。
そして、小五郎は竹岡に生きて償えと叫び、竹岡も小五郎の言葉を聞いて、生きて罪を償おうと考えた表情をしていた。
その後、竹岡がどうなったかは不明だが、小五郎に言われた通り生きて償うために警察に自首をしたと思われる。
- 蒲生良造
- 新井京介
5年前に衣笠に闇討ちを仕掛けた犯人。蒲生が実行犯で、新井は逃走時の車を用意する共犯だった。
詳細は不明であるが、5年前に衣笠に金を騙し取られたことを恨んでの犯行だったようだ。
その際、偽の証人などを用意して誤認逮捕となったが、5年後に衣笠殺害を竹岡に問われた際に「今度は私じゃない」と自白してしまいボロを出してしまう。
- 竹岡奈津子
5年前に衣笠が闇討ちされた事件の目撃者となるが、蒲生の連れてきた偽のアリバイ証人のせいで偽証したことになってしまう。
そのことで、蒲生を誤認逮捕した竹岡が責任を取って警察を辞めてしまったことを後悔していた。
その後、2年の闘病の末に先月亡くなっており、5年前の事件で竹岡を警察を辞めることになってしまったことを謝罪していた。
- 毛利小五郎
事件を解決後、コナンや蘭に止められながらも、小五郎は宣言通り毛利探偵事務所の看板を下ろしていた。
だが、下した看板の裏には新しい毛利探偵事務所の看板が……そう、小五郎は看板を下ろすと言っただけで、探偵を辞めるとは一言も言っていなかったのである。
その後、小五郎は探偵とは誤解されやすい孤独な生き物だと笑いながら話しており、いつも通りの小五郎に戻っていたのであった。
追記・修正はアリバイ証人を探してからお願いします。
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