鎧伝サムライトルーパー

ページ名:鎧伝サムライトルーパー

登録日:2022/05/18 Wed 15:20:01
更新日:2024/06/18 Tue 13:51:34NEW!
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俺の心を鎧が走る!




鎧伝サムライトルーパーとは、サンライズ制作のアニメ作品の一つである。


+ 目次-

番組情報

放送期間1988/4/30-1989/3/4
放送局テレビ朝日系列
放送日時毎週土曜17:30-18:00
話数全39話
OP(1-19話)スターダストアイズ
OP(20-39話)サムライハート
ED(1-19話)Far Away
ED(20-39話)BE FREE
前番組宇宙伝説ユリシーズ31
後番組獣神ライガー


概要

1980年代後期、『聖闘士星矢』を始めとするバトルスーツもののブームのさなかに作られた、バトルスーツ作品の中でも代表なものの一つ。
その名の通り、侍の鎧のようなパワードスーツ「鎧擬亜よろいぎあ」を身に纏って戦う5人の少年の物語である。
この少年たちの活躍が特に女性からの支持を集め、担当した声優陣によるユニット「NG5」まで結成されるほどの人気を誇り、声優ブームの火付け役ともなった。
後のサンライズ作品でも度々5人の少年がメインとなっている物がある辺り、その人気の程が窺える。
なお、NG5の名前の由来は「5人がよくNGを出していたから」とのこと。
また、NG5に対抗して四魔将のメンバーで「OK4」というユニットを作りたいという話もあったそうだが、スケジュールの都合などから叶わなかったそうな。


監督は池田成(1部)と浜津守(2部)、シリーズ構成は高橋良輔が担当(ただし1部のみ)。
スポンサーは前々番組の『機甲戦記ドラグナー』まで担当したバンダイに代わり、新たにタカラ(現:タカラトミー)が主導となった。
放送当時は講談社『コミックボンボン』でコミカライズが連載。作者はとや邦行こと『SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語』のほしの竜一。
連載終了後には同作者により4コマ漫画『チョロイ伝チャムライトルーパー』も連載され、
後の『餓狼伝説(ボンボン餓狼)』で有名な細井雄二により『新鎧伝サムライトルーパー』も連載された。


版権収入の面では、かの『機動戦士ガンダム』以来の勢いを見せ、前述の聖闘士星矢と共に美少年アニメブームを牽引するほどだったという。
特に放送が終わった直後からその人気が爆発しており、その点もガンダムと似通っているといえる。
一方、放送中の人気は今ひとつで、当時の玩具に関しては売れ行きは振るわず、大量の在庫の山として特集された事もある。
作品自体の続編なども、OVAが数本製作されるに留まった。
しかし、2000年以降も新規玩具シリーズ「アーマープラス」「超弾可動」などは展開を続けている。
近年では当時の主題歌を担当した森口博子氏、烈火のリョウ役の草尾毅氏によるセルフカバーや、御朱印帳が発行されるなど、今でも公式からの供給は途絶えず、根強い人気がある事がわかる。
ちなみに、その森口氏が担当した「サムライハート〜2022〜」はYouTubeのサンライズ公式チャンネルにてアニメーションMVが公開されている。



あらすじ

はるか一千年の昔、人間界に災いをもたらした邪悪の化身、破壊と殺戮の帝王「阿羅醐アラゴ」が現代に蘇った。*1
侵略を開始した妖邪帝王阿羅醐率いる妖邪たちの前に、我々人間の誇る科学兵器の攻撃は全て力を失った。
だがそこに、伝説の鎧を身に纏い、秘められたその力を振り絞り、妖邪に立ち向かう5人の少年達がいた。
その名を「サムライトルーパー」と言う……
(以上、本編2部ナレーションより)


阿羅醐との戦いを描いた19話までを第一部、新たな力と鎧を狙う敵との戦いを描いた20話以降を第二部として扱っており、主題歌もそのタイミングで変わっている。



鎧擬亜よろいぎあ

作品の根幹をなす、和風の鎧。
鎧は、それぞれ人の心を反映して出来ている。
「武装、○○!」と鎧の名を叫ぶことで花吹雪が舞い、反物が飛び交う中で鎧を纏うことができる。
だが、鎧を纏うのは体力の消耗が激しく、ギリギリまで武装をせずアンダーギアで戦うなど、慎重に扱っていた。
鎧は全部で九つ存在し、トルーパー達が5つ、妖邪界が4つ所有している。
その4つは悪の心に傾いてしまったため、阿羅醐によって四魔将へと与えられた。
その際に鎧の形状も禍々しく変化してしまっている。
当初はその力は「鎧パワー」と呼ばれていたが、後にナスティによって「弾動力」と呼ばれる物である事がわかった。



主な登場人物


◆サムライトルーパーとその協力者達

新宿に突如として現れた、5人の少年たち。
それぞれがかつて名をあげた武将、またはその関係者の血を引いている。
普段はアンダーギアという機械的な装甲を全身に纏っており、その状態でも高い戦闘力を持っている。
主に名前か、「烈火」「天空」などの鎧の名で呼ばれている。


真田遼/烈火のリョウ

CV:草尾毅


それほど見たくば、鎧の力見せてやろう!

仁の心で悪を討つ!烈火のリョウ、見参!


この物語の主人公。
セミロングの黒髪をした小年。
慈愛の心を持つ仁の戦士らしく、誰よりも優しい心を持っているが、そのせいで仲間が傷ついたり、仲間を犠牲に戦う事に躊躇いを覚え、判断を誤ってしまうこともある。
戦国の猛将「真田幸村」が率いる「真田忍軍」の子孫。ちなみに、中の人は後に幸村を演じる事となる。
二振りの刀「烈火剣」を両手で操る。
連結も可能で、その状態から必殺の「双炎斬」を放つ。
何かと体力を消耗しやすく、事あるごとに体力を失って倒れたり仲間に支えられたりしている為、体力がない扱いされる事もある。*2



輝煌帝烈火きこうていれっか

阿羅醐!人の世の心、今ここに見せん!


阿羅醐との戦いで得た、リョウの新たな力。
烈火の赤い鎧から、純白の鎧に変化している。
弾動力を超えた「超弾動」の力を持ち、今までの技の威力が桁違いに上がった。
必殺技も「超弾動双炎斬」と変わっている。
だが、その力に烈火剣の方が耐えきれなくなり、破損してしまう。
後に剣舞卿との戦いを経て、二振りの剛烈剣を手に入れ、新たな必殺技「超弾動閃煌斬」を身につけた。
なお、元の烈火剣も富士山の火口にて修復し、使い続けている。
当初は武装の際には、他の四人の力を吸収していたが、後に全員揃ったままで輝煌帝に武装する事も可能になった。
また、リョウ以外の4人も後に超弾動の力に目覚め、輝煌帝の鎧こそ身につけないが、必殺技がパワーアップした。


その鎧の真の力は、発動した時にこの世は最後を迎えるのだと言われている。
つまり、人間の生み出す心の闇を消し去るには、全てを無に返す事なのだという。


ただでさえ消耗が激しいのに、仲間の思いを汲み取った時にはリョウの意志とは関係なく勝手に武装する事もあるありがた迷惑な鎧。
また、魔将の鎧も吸収できる為、それで妖邪の力を取り込まされた事もある。


羽柴当麻/天空のトウマ

CV:竹村拓


さて、あとは任せてもらおうか。

智の心で悪を討つ!天空のトウマ、見参!


青いバンダナを巻いた、タレ目気味の少年。
見た目は細いが、実はシュウに並ぶ大食漢。
IQ250を誇る天才児だが、普段はどこか天然なところも見られる。
かの有名な三英傑の一人「豊臣秀吉」の家系の子孫。*3
武器は「翔破弓」で、必殺技の「真空波」の強力な一撃で敵を撃つ。
物語序盤で散り散りに飛ばされた際、他のトルーパーが日本各地にいる中、一人だけ宇宙に飛ばされていた。
水平に回転しながらの回し蹴りが得意。



伊達征士/光輪のセイジ

CV:中村大樹


どうやら間に合ったようだな。

礼の心で悪を討つ!光輪のセイジ、見参!


冷静で真面目な性格の少年。
自他共に厳しい性格で、曲がった事は許せない。
妖気に侵され、悪に染まる可能性があるとあれば、自身の鎧でさえ切り裂く強い意志を持つ。
初登場シーンで上記のセリフを言いながら逆さまに降ってきたり、未成年なのに車を運転したりと、はっちゃけた行動も目立つ。*4
金髪で、普段は右眼が髪で隠れているが、鎧を纏う際には両眼とも出てくる。
奥州の独眼竜「伊達政宗」の子孫。普段がメカクレ状態なのは眼帯姿が多い先祖にちなんだためと思われる。
武器の「光輪剣」は、尺のある一振りの長刀
光のエネルギーで敵を切り裂く「雷光斬」が必殺技。
尺八や盆栽など、若いながらに古風な趣味を持っている。



毛利伸/水滸のシン

CV:佐々木望


やけに手間取ってるじゃないか!

信の心で悪を討つ!水滸のシン、見参!


明るい茶髪の穏やかな性格の少年。
自然や動物、平和を愛する優しさを持ち、これを傷つける者は許さない。
水滸の鎧は水中での戦いを得意とするが、彼自身も水泳が得意で、激流の中とはいえ、シャチと泳ぎで勝った事があるほど。*5
水軍を率いていた名将「毛利元就」の子孫。
武器は穂先の両脇に牙のような刃を持つ「二条槍」。
激流の力で敵を貫く「超流破」が必殺技。
なお、トルーパー達は1973年生まれの15歳の中学生だが、彼だけ早生まれの高校生であり、皆の兄的なポジションにいる。
シュウの軽口や食いしん坊さをよくからかう事がある。



秀麗黄シュウレイファン/金剛のシュウ

CV:西村智博


まどろっこしくて見ちゃいられないぜ!

義の心で悪を討つ!金剛のシュウ、見参!


黄色のバンダナを巻いた、体格の良い少年。
直情的な性格で、4人の弟、妹らを持つ兄である事から、明るく面倒見の良い性格。
その一方で、鎧擬亜の秘密にいち早く触れた際には、その力に疑いを持ち迷うという繊細な面も持ちあわせている。
かつて隋から日本に渡来してきた武術家の子孫……と、彼だけ出自がなんかふわっとしている。
そもそも設定自体が変遷しており、源義経が大陸に渡り、チンギス・ハンとなった後の子孫という設定もある。*6
武器の「金剛杖」は普段は鋼鉄の棍棒として扱うが、三節棍や槍としての機能も併せ持っており、パワー一辺倒ではない戦いを見せる。
必殺技は大地の力で敵を打ち砕く「岩鉄砕」。
なお、彼の名で検索すると不人気と出るほどには不遇だが、あくまで他の4人に比べての話であり、彼自身は明るく感情をストレートに出し、食いしん坊という親しみやすいキャラクターから、ファンは決して少なくはない。
ハンバーガーが特に好物。



白炎びゃくえん

リョウのパートナーであるホワイトタイガー。
人の言葉も理解する高い知能を持ち、迦雄須と共に数百年以上生きている神獣ともいえる存在だが、見た目普通の虎なので、新宿に現れた際には周囲は騒然となった。


剣舞卿、黒炎王との戦いの中で、剛烈剣の一振りを奪うものの、その命を落としてしまう。
だが、剣舞卿がリョウを認め、リョウにその意志を継がせた事で、黒炎王の魂が宿り「白炎王」として蘇った。
それから黒炎王の鎧を身に纏って戦うようになるが、その際には黒炎王と同様、全身が黒く染まる。
剛烈剣は普段、その白炎王の鎧に取り付けられている。


山野純

CV:渡辺久美子


正義の心で悪を討つ!烈風の純、見参!……あれっ。


両親と共に過ごしていた、ごく普通の少年。
ひょんな事からリョウと出会った事で、サムライトルーパー達の戦いに巻き込まれていく。
リョウやナスティらをお兄ちゃん、お姉ちゃんと慕い、白炎とも仲良くする人懐っこい性格。
当初は何の力もないただの子供で、よく敵に捕まっては人質となったり攻撃の余波に巻き込まれたりする足手纏い非力な存在だったが、後にその純真な心が「命の勾玉」を発動させるキーマンとなる。
コミカライズ版ではリョウから烈火の鎧を受け継ぎ、最終決戦に駆けつけた。
決して名前を略してはいけない。



ナスティ柳生

CV:日下部かおり


伝説の戦士サムライトルーパー。

この世界を妖邪の世界に変えようとする阿羅醐と戦う5人の勇者よ。


祖父である柳生博士の研究の手伝いをしていた女性。
その知識をもって、トルーパー達を支えている。
作中年齢は17歳であるが、普通に車を運転している。*7
彼女の車は貴重な交通手段となっており、富士山へ行ったり北海道へ行ったりと、彼女なくしてはトルーパー達の戦いは成り立たなくなったとさえ言っても過言ではない。
なお、彼女も剣豪「柳生十兵衛」の血を引いているが、特に力に目覚めたりなどはせず、純と違い最後まで何の力も持たない一般人なので、純ともども足手纏いよく敵に狙われる。
上述の移動手段に加え、「命の勾玉」を見つけ出すという重要な役割を持ってはいるが……
中の人はピアニストが本業であり、声優経験は本作が唯一。



柳生博士

CV:平林尚三


間違いあるまい。彼は、サムライトルーパーじゃ。


各地の伝記について研究していた博士。
妖邪界の襲来をいち早く知り、バラバラに飛ばされたトルーパー達の眠る場所を突き止めるが、妖邪兵の手により命を落とす。



迦雄須カオス

CV:若本規夫


サムライトルーパー達よ、サムライトルーパー達よ。

この試練に打ち勝つのだ。鎧の力を信じろ。

鎧は、お前達の心次第で生きもし、死にもする。


編笠を目深に被った謎の雲水。*8
トルーパー達の前に現れては、彼らの窮地を救ったり言葉で導いたりする。
トルーパー達が幼い頃から阿羅醐の襲来に備え、彼らの両親の夢枕に立ってはその説明をしていた。
その正体はかつて阿羅醐に滅ぼされた一族の長であり、阿羅醐を倒してその鎧から鎧擬亜を作り出した張本人。
阿羅醐城への架け橋を作り、サムライトルーパー達に後を託してその命を使い果たした。



妖邪界

東京上空に突如として暗雲と共に現れた、謎の集団。
人の形をしてはいるが、怨念が集まったような異形の集団であり、人間であるのは四魔将と迦遊羅のみ。
他の妖邪兵などは煙の詰まった存在である。



妖邪帝王阿羅醐アラゴ

CV:笹岡繁蔵


我は阿羅醐なり。

我は闇の世界の主なり。

今こそ、我が帝国がこの世を支配せん。


妖邪界の豪族にして、この物語の大ボス。
普段は薄い紫色の巨大な兜のみの姿で、幻影として姿を見せている。
物語中盤で鎧の力を取り込んだ際には、人間を手で掴めるほどの巨体を現した。
また、その際には鎧の色は黒に近いグレー、面の色は赤に変わっている。
鎧に固執しており、配下の朱天の洗脳が解けた際も、朱天を殺してでも鎧だけは持ち帰るよう命じたほど。
その為、トルーパーと戦って命は狙うものの、鎧まで失われそうになった時には肝を冷やすなどうっかりさんな一面もあった。


元々は彼も人間であった。
1000年前に自然界の力を取り込んで強大な力を得ていたが、迦雄須によって自身の鎧を9つの鎧擬亜に砕かれ、その力を封印される。
トルーパー達や四魔将の鎧に固執するのは、それらを取り込んで自身が復活する為。
鎧の力を取り込んだ際には、その鎧の持つ技を自由に操れるようにもなった。
輝煌帝の力に目覚めたリョウにより一度は倒されるも、再び復活。
輝煌帝の力を手に入れ、人間の世界を妖邪の世界にすることを目論む。
そして、一度はその鎧を取り込む事に成功するが、リョウの仁の心によりその動きを抑えられた。
その隙に、かつてとは逆にリョウが己の身を犠牲としてシン達に攻撃するよう願い、それを聞き届けたシン達の決死の攻撃によって倒された。


鬼魔将・朱天童子シュテンドウジ

CV:梁田清之


我らは闇の支配者阿羅醐様率いる妖邪界が四天王。

俺様はその第一、鬼魔将朱天なり!


阿羅醐の配下である四魔将の一人。
燕脂色の髪をした、前髪ぱっつんのロングヘア。
朱天童子と名乗ってはいるが、基本的に朱天と呼ばれている。
武器は「邪鬼鎌」と呼ばれる鎖鎌で、無数の鎖と共に赤い稲妻を放つ「紅雷閃」が必殺技。
四魔将の鎧の中で最強の力をもっているという。ちなみに彼の鎧のみ、陣羽織を纏っている。
また、当初は兜もつけていたが、トウマによって破壊されてからは素顔で戦っている。*9
名前の由来はそのまま「酒呑童子」より。


真の力持ちとはその力を貴きことに用い、人を災いから助ける

実は彼は1550年ごろに生を受けた、武将の一人であった。
本名は「狛俊忠こま としただ」で、山城の国(京都)の出身。
主人に仕える「忠」の心の戦士。
鎧の本来の名は「貴力」


元は天下を夢見る戦国時代の荒武者の一人であった。
しかし、戦乱の荒波の中で夢が叶わない焦り、苛立ちを阿羅醐につけ込まれて、妖邪の力に手を出してしまった。


物語中盤で阿羅醐の呪縛が弱まり、四魔将でただ一人正気を取り戻す。
その後は迦雄須の意思を継いで、彼と同じ編笠の雲水姿となり、トルーパー達を影から手助けする。
そして、同じく阿羅醐に洗脳された迦遊羅の呪縛を解くため、その命を全うした。


毒魔将・那唖挫ナアザ

CV:二又一成


同じく、毒魔将那唖挫なり!


阿羅醐の配下である四魔将の一人。
眉なしで顔色も悪く見える。また、瞼は薄紫に塗られている。
武器は「蛇牙剣じゃがけん」と呼ばれる剣で、全部で6本装備している。
必殺技はそれら6本を駆使した激しい連撃「蛇牙剣・六節大蛇ろくせつおろち」。
毒を操り自然を穢す事から、トルーパーの中では特にシンと因縁が深い。
だが、偽の水滸の鎧を作った時には何故か真っ赤な鎧にしてしまう謎のセンスを持ち合わせている。*10
本人や当のシン曰く「何から何まで同じ」との事だが……
名前の由来は恐らくインド神話の蛇神「ナーガ」より。


毒も薬も表裏一体。如何なる毒も薬に作り変え、人を癒す。

他の魔将と同じく、1550年ごろに生まれた武将。
本名は「山之内直時やまのうち なおとき」で、薩摩の国(鹿児島)の出身。
兄弟を労わる任侠の心を持った「悌」の戦士。
鎧の本来の名は「薬師」


阿羅醐が自身を利用しているだけと知ってからは、悪奴弥守、螺呪羅と共に阿羅醐に立ち向かった。


闇魔将・悪奴弥守アヌビス

CV:松本保典


同じく、闇魔将悪奴弥守なり!


阿羅醐の配下である四魔将の一人。
逆立った青い毛に、左眼にかかる十字傷が特徴。
鎧の手甲に備えられた爪と「黒狼剣」という剣を使い、無数の黒い稲妻を放つ「暗黒跳飛斬り」という必殺技を持つ。
また、夜目の効く山犬を従え、戦わせる事もできる。
トルーパーの中ではセイジと因縁が深く、何度も刃を交える。
名前の由来はエジプト神話の神「アヌビス」より。


真の闇とは恐ろしき物を包み隠し、闇夜は安眠を誘う。

他の魔将と同じく、1550年ごろに生まれた武将。
本名は「佐々木九十郎ささき くじゅうろう」で、陸奥の国(青森)の出身。
親を思う「孝」の戦士。
鎧の本来の名は「漆黒」


鎧の力を取り込まれそうになっても、最後まで阿羅醐を信じ続けていた。


幻魔将・螺呪羅ラジュラ

CV:小杉十郎太


同じく、幻魔将螺呪羅なり!


阿羅醐の配下である四魔将の一人。
白い癖っ毛で左眼(向かって右眼)に眼帯をしている。
鎧の背から6つの鎌のようなものが伸びており、それを合わせた「六足長刀」が武器。
それらを蜘蛛の糸のように操る「投蜘網とうちもう」など多彩な技を持つ。
また、その名の通り幻術を操り、幾度となくシュウを惑わせ苦しめた。
6つの刀を使う事から、名前の由来は恐らく「阿修羅」より。


襲い掛かる恐怖や痛みを夢幻の中で取り除き、幸せな夢を与える。

他の魔将と同じく、1550年ごろに生まれた武将。
本名は「黒田次郎五郎くろだ じろうごろう」で、武蔵の国(東京)の出身。
耐え忍ぶ「忍」の心の戦士。
鎧の本来の名は「夢幻」


裏切った朱天を狙うが、朱天の説得を受け、心が揺らぐ。
それでも最後まで阿羅醐の為に戦い続け、その挙句に利用されているだけと知った時には過ちを認め朱天に詫びた。


沙嵐坊さらんぼう

CV:郷里大輔


阿羅醐に変わって妖邪界にその名の知れた、この沙嵐坊が相手になってやる!


阿羅醐に仕えていないはぐれ妖邪の一人。
阿羅醐を倒すほどの力を持った輝煌帝の鎧に興味を持ち、手に入れんとしている。
自身は宙に浮き、分身を操って戦う戦法を行うため、その分身には攻撃が通用しない。
戦いの中の僅かな邂逅でトルーパーらの性格を見抜き利用するなど、狡猾な面も持つ。
輝煌帝の力を奪うあと一歩のところまで行ったが、仲間の想いに応えて輝煌帝の力を発現したリョウの超弾動双炎斬によって倒された。



剣舞卿けんぶきょう

CV:市川治


妖邪界の剣士剣舞卿!尋常に勝負願いつかまつる!


鎧を纏った漆黒の虎「黒炎王」と共に戦う、妖邪最強を目指す剣士。
かつて阿羅醐に受けた傷の屈辱を晴らすため、阿羅醐を倒したリョウの鎧の力を狙う。
卑怯を褒め言葉とする妖邪にしては珍しく、正々堂々とした武人肌な性格。
黄金の風を巻き起こす「麗蝶剣舞」が必殺技。


阿羅醐から受けた傷により彼の命は長くなく、自身の意志を継ぐものを探していたのだった。
そして、リョウとの戦いを経て、彼にその意志を託す。
元は彼の鎧は阿羅醐の鎧の頭から作られた、10個目の「勇」の心の鎧であり、そのなれ果ての姿である。


迦遊羅カユラ

CV:勝生真沙子


ホホホホホホホホ、ホーホホホホホホホ!

わたくしの名は迦遊羅、妖邪界の迦遊羅。

星屑よ鳴け。星麗剣吠えろ。我が必殺の、嵐星斬!


阿羅醐秘蔵の部下である少女。
登場は28話からと遅いが、2部のOPにはずっと登場している。
初登場時には上記の高笑いと選挙演説ばりにしつこい自己紹介を披露しながらリョウとトウマの前に現れ、視聴者に強いインパクトを残した。
設定年齢は12歳だが、とてもそうは見えない。胸とか。*11
阿羅醐には重用されていたが、途中から現れて大きな顔をされていた那唖挫らは不満をこぼしていた。
普段は十二単を纏っているが、戦闘時には髪を束ねている。
トルーパーや四魔将とは違い、タイツとレオタードの上から肩、胸、腰当てのみを纏った軽装の姿をしている。
言葉遣いは丁寧だが、高笑いが特徴の自信家で高飛車な性格。
だが、それに伴う実力を持っており、戦闘では彼女自身に目立ったダメージを受けた描写はなく、双炎斬ですら容易くいなす事ができる。
サイのような2本の剣「星麗剣」を操り、「嵐星斬」という必殺技を放つ。
トルーパーの中では四魔将が足りずに余ってたトウマと関わることが多い。
ちなみに、『ハヤテのごとく!』に登場する「剣野カユラ」の名前の元ネタは彼女である。


彼女は元は迦雄須の一族だったが、阿羅醐によって攫われ、洗脳されていた。
首から下げたプレートがその源であり、戦いの中でそれが傷ついた事と、迦雄須の残した錫杖の力で自分を取り戻し始める。


物語終盤、芭陀悶バダモンに取り憑かれて再び自由を奪われる。
だが、朱天の決死の戦いにより、ようやく心を取り戻した。
本来は真面目な性格であり、自身のために朱天が命を落とした事や、トルーパーと敵対しナスティらを追い詰めた事を悔やんでいた。
最後には朱天の残した「貴力」の鎧と迦雄須の錫杖を受け継いだ。
そして戦いの後、三魔将と共に煩悩郷へと戻り、美しい世界を築く事を誓う。


芭陀悶バダモン

CV:根本嘉也


我ら地霊衆の力をもってすれば、輝煌帝の鎧の力を抑えて使う事、できるのじゃ。


怪しげな術を操る妖邪界の一団「地霊衆じりょうしゅう」の長。
様々な知識を持っており、暗躍する解説役暗黒の司祭。
世界を滅ぼすと言われる輝煌帝の力に目をつけ、それを狙う。
狡猾な性格で、輝煌帝の力を手にするために三魔将さえ利用する。
人間界にて人々を人柱に捧げようとするが、輝煌帝の力によってあっけなく消滅した。



妖邪兵

本作における雑兵、戦闘員ポジションのキャラ。
サムライトルーパーには基本的に歯が立たず、アンダーギアの状態の彼らや白炎にさえ蹴散らされる程度。
あくまで妖邪の兵士であって阿羅醐の私兵ではない為、沙嵐坊の部下としても登場する。



1話の妖邪兵

CV:稲葉実


小賢しき人間どもの、腐れ世の幕引きにこそ相応しいわ!


文字通り1話に登場した妖邪兵。
外見的には他の妖邪兵と特に変わりは見られない。
ならなんでわざわざ分けて書いたのかというと、なんかやたら強いのだ。
初陣とはいえリョウ達5人の攻撃を物ともせず、むしろ逆にリョウ達が雑兵であるかのような圧倒的な力の差を見せつけた。
さらにはナスティらを街頭スクリーンに閉じ込めて、自身へのダメージをリンクさせるなど、不可思議な術まで操る。
最後は怒りに燃えるリョウの双炎斬によって倒された。
「リョウ達が初陣で初登場補正がこちらにかかった」「まだ名前がないだけで実は相当な実力者だった」などの可能性が考えられる。
また、武器の鎖鎌は鬼魔将・朱天のものであった為、「武器補正で強くなっていた」という説もある。



その他

伝説的なエピソードとして、「同じ話を2週連続して放送した」という放送事故がある。
該当するのは1988/9/3の放送回で、放送されたのはその前週の第17話「明かされた鎧伝説」。
元々放送予定だった18話は、その翌週の9/10に放送されている。
スタッフも放送中に気付いたらしいが、途中で切り替えるわけにもいかず、放送終了時と翌週の放送開始時に急遽用意したテロップを入れて対応した。
これには理由があり、ネット局の朝日放送(ABC)テレビが当時『部長刑事』というテレビドラマを19:30に放映しており*12、その関係で本来の放送時間の番組は全国より30分前倒しして放送されていた。そのため制作局の名古屋テレビが朝日放送向けに裏送りして先行放送していた事情があり、その際のテープの取り扱いミスが原因だった。
そのため、元は40話で予定していた放送回数も1話短縮されてしまった*13
なお、まさかの令和4年の2022年、テレビ東京で放送中のドラマシリーズ「絶メシロード」にて、
本来10月10日に再放送する予定だったseason2の第7話とseason1の第7話を誤って放送する事故が発生した際に、SNSで「サムライトルーパー風の放送事故(本家は2週にわたり同じ内容を放送した」「サムライトルーパーの放送事故かな」といったコメントも続出、一時検索ワード上位にも上がったほどで、よっぽど今のテレビでも起こりうるのが稀な事例でもある。


『サンライズ英雄譚』シリーズや、『ブレイブサーガ新章アスタリア』など、サンライズ関連のゲーム作品にも出ているが、本作メインのゲーム作品は存在しない。
2021年にソシャゲ『ラングリッサーモバイル』にてコラボも行われた。


またコトブキヤオンラインショップにてフレームアームズ・ガール「イノセンティア」を、ガール化した烈火のリョウに改造出来るレジンキットも発売されていた。
お値段は何と13,200円(税込)。改造元のイノセンティアも合わせて買うとなると18,150円(税込)。ガンプラのPGすら買えてしまうお値段である。
とても気軽に買える金額ではない。
ただし2022年現在は生産終了しており、入手困難。


前述の通り女性人気が非常に高く、さよなら絶望先生では「腐女子の通過儀礼」として名を上げられるほど。
また、海外では「RONIN WARRIORS」として放送されており、海外の腐女子の心も掴んだと言う。



追記修正は剣をかざして稲妻集めてからお願いします。


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  • 女性オタク界隈では「男にとってのセーラームーン」と言われる根強い人気があるとかなんとか -- 名無しさん (2022-05-18 15:56:43)
  • 双炎斬の二刀を連結させてていうモーションがほんと好きだった… -- 名無しさん (2022-05-18 23:03:39)
  • トウマの弓が全然カユラに当たらなかった -- 名無しさん (2022-05-19 00:31:58)
  • OVAでは黒の輝煌帝も登場してたな -- 名無しさん (2022-05-19 13:41:49)
  • 記事が無かったのが意外だw 「力あるアーマーと意志ある自分、『本体』はどっちだ?」というテーマはアイアンマンにも通じる所があった。 -- 名無しさん (2022-05-19 19:27:32)
  • 総監督が池田成氏であることからガンダムWも当初はG版トルーパーと言われてたものだが前半で降板という点まで同じとはな -- 名無しさん (2022-05-19 19:39:16)
  • オモチャの輝煌帝はあまり出来が良いものではなかった -- 名無しさん (2022-05-19 20:56:44)
  • 個人的には「タカラ版聖闘士星矢」だったなあ。放映時期とかかぶってるし。戦隊だとターボレンジャーからジェットマンのあたりだったか。 -- 名無しさん (2022-05-19 21:50:08)
  • 1988年ならライブマンやトランスフォーマー・超神マスターフォースの頃だね -- 名無しさん (2022-05-19 23:05:13)
  • バトルスーツものって言い方があるんだ。当時は鎧ものと言ってたな。聖闘士星矢とこれと天空戦記シュラトで三大鎧もの。 -- 名無しさん (2022-05-19 23:30:55)
  • 和風の鎧でバトルするって今でもウケそうだよな。反物舞ってたのはうっすら覚えてる。 -- 名無しさん (2022-05-19 23:50:34)
  • なお海外で放送された際は年齢が引き上げられ、全員成人している設定。「未成年が戦うなんてとんでもねえ!」という理由。 -- 名無しさん (2022-05-19 23:54:28)
  • リョウ役の草尾さんによると「放送事故のおかげで全国紙に載り、それが起爆剤になったことで、後のブームに繋がった」と言っていた。 -- 名無しさん (2022-05-20 01:21:06)
  • 今なら女オタへの売り出し方 -- 名無しさん (2022-05-20 10:40:45)
  • ↑ つづき のノウハウもあるけど、当時はアニメは子供のものって価値観だったし上手くいかなかったんだなあ。 -- 名無しさん (2022-05-20 10:41:56)
  • 天皇陛下の妹君であられる黒田清子さまもご鑑賞あそばれていた皇室御用達アニメ -- 名無しさん (2022-05-20 18:14:03)
  • そもそも本来は打倒バンダイ聖闘士聖衣体系のタカラ男玩の本命のはずだったのだがな -- 名無しさん (2022-05-20 18:29:52)
  • ↑でも今なら女性人気がでるとそっちの商品展開もするでしょ? -- 名無しさん (2022-05-20 19:16:01)
  • ↑3 調べてみたら同人誌までお作りになられてて草。ロイヤルアニメじゃん。 -- 名無しさん (2022-05-20 19:29:47)
  • ムカラが輝煌帝を装着するシーンでサンバカーニバルみたいなBGMが流れたのが印象に残った -- 名無しさん (2022-05-21 10:05:48)
  • 「侍と(ウーパー)ルーパー」と勘違いしたお母さま方もいらっしゃったとかそうでないとか…… -- 名無しさん (2022-05-21 11:37:29)
  • しかしナスティって、英語では「汚らわしい、不快」といったヒドい意味なんだそうだが、英語がより膾炙あるいはネットが普及してたらナトーラ艦長と同じ目に遭ってたろうな -- 名無しさん (2022-05-25 21:28:05)
  • 貴力、薬師、漆黒、夢幻の形状はアラゴがアレンジしたもので、本来のデザインは未だに不明だとか。 -- 名無しさん (2022-11-15 17:26:39)
  • 小説版では阿羅醐の哀しき過去……が明かされるので必読です。 -- 名無しさん (2023-09-11 00:05:29)
  • サンライズラジオでリスナーから「初めに集まって登場したのに、すぐにバラバラになったのは?」という質問があって、出演していた当時を知るスタッフが「そうしないと話がつくれないんです」という苦労話を明かしてた。 -- 名無しさん (2023-09-11 06:11:04)
  • トウマ・セイジ・シン・カユラの中の人がガンダムXで共演してたな -- 名無しさん (2024-03-24 17:49:44)
  • サムライトルーパーとシュラトのコラボとかエイプリルフールで終わらせて欲しくないネタすぎる -- 名無しさん (2024-04-01 14:42:49)
  • ガンダムwでは量の中の人が外道なOZ兵士を演じてたな。監督が同じなのに。 -- 名無しさん (2024-06-10 23:35:45)
  • 量→リョウ -- 名無しさん (2024-06-10 23:36:37)

#comment(striction)

*1 この場合の現代は、放送当時と同じ、1988年。
*2 鎧の力が強大だったり、戦闘が長引いたり、輝煌帝の力も消耗が凄まじい為なので、リョウがどうこうというより鎧のせいではあるのだが。
*3 かつて「羽柴秀吉」と名乗っていた事もあり、そこから苗字が取られている。また、秀吉の息子秀頼も大坂夏の陣にて亡くなった為、秀吉の直系の子孫ではない。
*4 この逆さま登場はファンの中でも相当なインパクトを持って受け入れられており、サムライトルーパーのLINEスタンプでも採用されている。
*5 ちなみに、シャチの最高速度は時速50kmを超えるほどであるという。
*6 一見突拍子もなく、時系列的にも噛み合わないトンデモ話ではあるが、そういう説自体は存在する。詳しくはチンギス・ハンの項目を参照。
*7 1970年5月28日生まれであり、物語の開始日時が放送開始と同じ1988年4月30日頃と仮定した場合の話。日仏ハーフのフランス帰りなので、そちらで免許を取った可能性が高い。
*8 旅する僧侶のようなもの。
*9 別に直せないとかではなく、その後も兜は存在してるのだが、終盤では武装の直後に消えた。
*10 シンのキャラ名でも示されている通り、水滸の鎧は明るい水色である。
*11 阿羅醐により12歳まで育てられていた、との事なので、その後成長した可能性もある。
*12 ABCが旧大阪テレビ時代、TBS系だった頃から放映されていた刑事ドラマ。形を変えつつ2002年まで40年以上放送されていた。スポンサーの大阪ガスとの関係もあり、キー局からの放送時間変更や番組終了の要請も頑なに断ってきたため、ABCの土曜夜の編成はこの番組の枠を始めとする全国ネットの番組の放送時間帯に代々影響が出ていた。ただし、さすがに最末期は1時間繰り上げたため、影響は最小限に抑えられた
*13 これは本来放送される1989年1月7日に昭和天皇が崩御されたため、特別編成で休止せざるを得なかった事情もある

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