恐竜ガーティ

ページ名:恐竜ガーティ

登録日:2016/10/15(土)11:41:19
更新日:2024/01/29 Mon 11:04:22NEW!
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「恐竜ガーティ」とは、1914年に製作されたアメリカ制作のアニメであり、キャラクター人気が出た世界最初期のアニメキャラである。日本未公開。
モノクロ作品、サイレント14分。全て手書きであるが、非常にぬるぬると動くため、現在の目で見ても見飽きないものとなっている。




【作品解説】


紙に描いた絵をコマ撮りして動かすという、所謂「紙アニメ」の技法を用いたアニメーション作品である。ただすべてがアニメーションというわけではなく、


半分は制作者であるマッケイ氏と彼の友人である漫画家との実写ドラマとなっている。これは彼が作った『リトル・ニモ』も同じである。また、一部ではあるが人物とアニメとの合成も行われている。


当時からキャラクターを切り抜き、背景画の上に乗せたり貼ったりしてアニメを作る方法も既にあったが、本作のアニメ部分は全て作者であるマッケイ氏の手書きであり、彼曰く半年で『一万枚描いた』とのこと。
(これだけでも相当な労力だっただろうなあ…)


映画は当時大ヒットし、当時のアメリカで大評判となった。翌年には第三者(名前は不明)が模作を同タイトルで公開したが…評価は…お察しください。また、マッケイ氏も1921年にガーティを主役にした続編『ガーティ旅に出る』を制作した。これはセルアニメである。
壊されてはいないが、おそらくゴジラ(1954)から無人在来線爆弾に至る「線路の前に足を出して電車を止める巨大生物」のルーツかも知れない。


マッケイ氏は本作以外にも『チーズトーストの悪夢』や『ルシタニア号の沈没』などといったアニメを多数制作したが、現在では全て著作権フリーであるため、動画サイトなどで普通に閲覧可能である。


サイレント作品であるので、状況解説や台詞のための字幕が出るが、あまり難しいものではないので中学校三年間程度の英語力があれば普通に楽しめるだろう。


最後になるが本作が作られたのは1914年で、これはかのミッキーマウスが『蒸気船ウィリー』(1928)でデビューする14年前のことである。




【スタッフ】


脚本・製作・監督:ウィンザー・マッケイ
トレース:ジョン・A・フィッツシモンズ
キャスト:ウィンザー・マッケイ、ジョージ・マクマナス、ロイ・L・マッカーデル、トーマス・A・ドルガン




【あらすじ】

※以下ネタバレ注意


1910年代初頭のある日、ウィンザー・マッケイが漫画家仲間と一緒にドライブに出かけていたとき、途中で車のタイヤがパンクしてしまった。停まった場所はちょうど博物館の前だったので、


「修理の間、博物館見学をして時間をつぶそう」と漫画家仲間の誰かが提案する。果たして館内には巨大恐竜ブロントサウルスの化石が展示されていた。するとそこで友人のジョージ・マクマナスが、


「いくら天才マッケイ君でも、見たことのない恐竜を動かすことはできないだろう」と言ってきたためマッケイは意地になり、「できるとも! 諸君、私に半年の時間をくれるなら、この有史以前の恐竜を現代に蘇らせてみせよう!」と友人たちに宣言し、マクマナスと賭けをすることになる。


マクマナス曰く「動かせれば夕食をおごる」とのことだったので、おごってもらいたいマッケイは躍起になり、半年で恐竜を主役にした一万枚ものアニメーションを書き上げる。


さて、半年後のある日。マクマナスたちを自宅に招待したマッケイは、アニメーションで動く恐竜たちを披露する。「ガーティ」と名付けられたメスのブロントサウルスはマッケイの命令通り動き、皆を驚愕させることとなった。


それを見たマクマナスは、約束通り皆にその日の夕食をおごるのだった。



【主な登場人物】

◆ウィンザー・マッケイ

演:ウィンザー・マッケイ
本作の主人公である漫画家。マクマナスに賭けを持ちかけられ、アニメ製作をする。
しかし、たかだか一回食事をおごってもらうだけでアニメを一本作るというのは到底釣り合わない気がするのは筆者だけだろうか。



◆ジョージ・マクマナス

演:ジョージ・マクマナス
マッケイの友人の漫画家。賭け話をマッケイに持ち掛け、彼がクリアしたため食事をおごることになった。
余談ながら彼の代表作『親爺教育・ジグスとマギー』は戦前の日本でも人気があり、かの手塚治虫氏も漫画を描く際に参考にしたという。



◆ロイ・L・マッカーデル

演:ロイ・マッカーデル
マッケイの友人である。作中では特にこれといった活躍はしていない。
シナリオライターやレポーター業をしていた人物であったらしい。



◆トーマス・A・ドルガン

演:トーマス・A・ドルガン
マッケイの友人。ペンネームは「タッド・ドルガン」。恐竜を一緒に鑑賞した。
14歳のころからアート業を営んでいたらしい。



◆ガーティ

ウィンザー・マッケイが描いたアニメの恐竜ブロントサウルス。ちなみに性別はメスである。マッケイに命じられた通りの動きをするが、時折調子に乗って無視したりする。
好きなものは音楽とカボチャ。一見おとなしいように見えるが、時折なぜか攻撃的になり、作中では自分の前を通りかかったマンモスを放り投げたり、石をぶつけたりした。
また、非常に大喰らいで、湖の水を殆ど飲み干したり、石を丸呑みしたり、木を丸ごと一本食べてしまったりもする。






追記・修正は恐竜ガーティを鑑賞してからお願いします。


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  • こういうアニメ黎明期作品の知名度がもっと高くなってほしいものだ… -- 名無しさん (2016-10-17 13:01:10)
  • これこそが、今のアニメーションに繋がる最も重要な源流の一つだろう。 -- 名無しさん (2018-05-04 17:45:43)
  • 自分が生まれた年じゃないか -- 名無しさん (2022-03-31 11:33:42)

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