登録日:2011/11/13(日) 23:39:43
更新日:2023/08/07 Mon 13:53:50NEW!
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プロレス プロレス技 脳天砕き ブレーンバスター キラー・カール・コックス ハーリー・レイス ディック・マードック テリーマン ダイナマイト・キッド
- ブレーンバスター
「ブレーンバスター(Brain Buster)」はプロレスの最も代表的な投げ技の一つ。
大の大人が縦方向に重なると云う豪快さから非常にアピール性の高い大技であり、序盤から中盤に於ける痛め技として使用する選手も多い。
日本では最近は使用しない選手も増えたが、日本以上に“見せる”事を重視する米マットでは未だに定番的な技として定着している。
また、プロレスに於ける投げ技(リフト系)の中でも、最も基本的な呼吸、組み方となる技の様で、ここからの派生技も多い。
和名は「脳天砕き」で、英語の「Brain Buster」を直訳した物。
その為、本来は「ブレインバスター」と発音するべきなのだが、日本では「ブレーンバスター」と表記、発音するのが定着している。
因みに、大きく弧を描きながら相手の背中を叩きつける技なのに、何故に脳天砕きと呼ばれているのかについては、以下の解説を参考にしていただきたい。
【概要】
正面から相手の頭を抱え込むと同時に、自らの頭を相手の反対側の脇の下に差し入れ固定。
そして、相手の頭を抱えるのとは逆の腕で相手のタイツを捉えるのがクラッチの基本形。
以下に、投げ方によるバリエーションと分類を記す。
■バーティカル・スープレックス
※大きく弧を描き、後方に叩きつける。
普通「ブレーンバスター」と言えば、この型を指す。
相手を真っ逆様に担ぎ上げてから真後ろに倒れ込むタイプと、大きな弧を描きつつゆっくりと後方に反り投げるタイプがある。
相手を真っ逆様に担ぎ上げてから静止させ、会場のどよめきを受けつつ叩きつける「滞空式」も厳密には同じ技。
海外ではオリジナルの形と区別するためにこの名称を使用する。
開発者はサイクロン・ネグロとされている。
■スナップスープレックス
※小さな弧で一呼吸で投げる。
主にテクニシャン系のレスラーが主流とする型で、日本では「高速(低空)ブレーンバスター」と呼ばれる技の事。
相手を担ぎ上げずに、真後ろに引き込む様に叩きつける。
■ブレーンバスター
※真っ逆様に担ぎ上げた相手を垂直に脳天から尻餅をつくように落とす。
しかし、危険技の割りに見た目が地味であったため、改良に改良を重ね、背中から落とす現在の形へとなった。
海外では、現在でも脳天から落とすタイプ(後述の垂直落下式含む)は“ブレインバスター”として区別されている。
■スーパープレックス
※コーナーポストの相手を捉えてから後方に投げる。
日本では「雪崩式ブレーンバスター」と呼ばれる技で、所謂「雪崩式」と呼ばれる技系統の元祖である。
セカンドロープに足を掛けて投げるのが基本だが、トップロープに両者が乗った状態から投げ捨てる、更に危険なタイプもある。
スーパープレックスは開発者であるスーパー・Dの名前に掛けられたものである。米マットではビッグマッチの定番的な技となっている。
また、日本に持ち込んだのは阿修羅・原である。
■垂直落下式ブレーンバスター
※バーティカル・スープレックスで抱えあげ垂直に落とす原型とバーティカル・スープレックスの中間の様な技ではあるが、バーティカル・スープレックスの派生技である。
相手を真っ逆さまに落とすため受身が取り難く、形も映えるため、フィニッシャーにしているレスラーも多い。
■リバースブレーンバスター
※背面から仕掛けるバーティカル・スープレックス。
相手の背後から首とタイツを捉え、通常型の要領で相手を投げる。
■連続式
※相手をクラッチを外さないままに連続して叩きつける。
■デッドリフトブレーンバスター
WWEのセザーロの活躍により広まった、自身がセカンドロープに乗った状態で、エプロンに立っている相手をロープ越しに捉えてリング内に引っこ抜くという、怪力とバランス能力が備わっているからこそ可能な大技。
この他、SSD(スタイナースクリュードライバー)や変形エメラルドフロウジョン、ジャックハマーの様に、ブレーンバスターのクラッチから派生する技も多い。
相手のタイツでは無く、片足を捉えるフィッシャーマンズスープレックスのクラッチも矢張りブレーンバスターの亜種と言えるだろう。
投げる側と投げられる側のクラッチが同じになる事から、互いにどちらが投げるかの攻防を見せるのもプロレス的なお約束の一つ。
【主な使い手】
■キラー・カール・コックス
通称:KKK
大戦直後から活躍していた稀代のヒールレスラーで、ブレーンバスターの元祖。
相棒のサイクロン・ネグロが得意としていた「フロントネック・チャンスリー・ドロップ」をアレンジして「ブレーンバスター」を完成させた。
因みに、コックスのブレーンバスターは相手を垂直に静止させた後に、本当に真っ逆様に脳天から落下させると云う殺人技であり、
若手時代のジャイアント馬場やアントニオ猪木も仕留められている。
■ディック・マードック
ダスティ・ローデスとのコンビでも知られる(本物のマシンガンズ)、80年代を代表する名レスラー。
コックス流のブレーンバスターの唯一の継承者で、日本で行われたコックスとの試合はマニアにより現在まで語られる名勝負中の名勝負。
技を仕掛ける際の「ブレ~ンバスター!!」の掛け声とポーズは未だにオマージュされる程。
■ハーリー・レイス
70年代を代表するNWA世界王者。
バーティカル・スープレックスを流行させた張本人で、ライバルのジャイアント馬場をも完璧に投げ切った。
■ダイナマイト・キッド
初代タイガーマスクのライバルとしても知られる、テクニシャン。
スナップスープレックスの元祖。
■エディ・ゲレロ
2代目ブラックタイガーの時代には垂直落下式も使用していたが、
特に連続式ブレーンバスター(スナップスープレックス)=「スリーアミーゴス」の使い手にして、流行させた存在として知られる。後に、娘のシャール・ゲレロが引き継いだ。
■スーパー・デストロイヤー
通称スーパー・D。
雪崩式ブレーンバスターの開発者である。
■サイクロン・ネグロ
爆風仮面と呼ばれるバーティカル・スープレックスの開発者である。
■セザーロ
2012年よりWWEで活躍して名前が広まった、物凄いハゲ。
自身は長身ながらも100Kg弱という細身の体型ながら、WWEというかプロレス史上で見ても屈指の怪力パフォーマンスを見せる選手で、相手をエプロンからリング内に引っこ抜いて仕掛ける雪崩式ブレーンバスター(デッドリフトブレーンバスター)もその一つ。
■小橋健太
日本人では最大の使い手で、元々は超滞空式の通常型(バーティカルスープレック)を見せ技として使用していたのだが、
ノアへの移籍後に前述のコックスとマードック流のブレーンバスターをアレンジした「リアル・ブレーンバスター」を切り札の一つとする様になった。
(ただし、原型の方がよりエゲツない)
■獣神サンダーライガー
現在、世界的に主流となっている「垂直落下式」を流行技にした張本人であり、
コックスらの「元祖ブレーンバスター」とも違うスライド式の「垂直落下ブレーンバスター」を開発した(原型に比べると受け身が取り易く調整してある)。
現在では滅多に使わないが、トップロープから相手を垂直に落とす「雪崩式垂直落下式ブレーンバスター」の開発者でもある。
■長州力
非常に豪快な通常型(バーティカルスープレックス)の使い手で、炸裂音は他に並ぶ者は居ない。
■橋本真也
破壊王の異名をとった90年代の日本人最強レスラー。
得意技のD.D.Tから発展させた技ではあるが、垂直落下式D.D.Tは、言うなればジャンピング式垂直落下式ブレーンバスターであった。
(本人はステップがちがうとして垂直落下式DDTと主張していた)
■川田利明
実は現在の日本人では最初に垂直落下式ブレーンバスターを使用し出した存在。
橋本や小橋の所為で、その事実はあんまり知られて無かったり。
■石井智宏
ヘビー級としては背が低い(公称170cm)事もありジャンピング式垂直落下式ブレーンバスターを使用。
また、落とす前に持ち上げた時点で一度滞空させる事も特徴的であり、
本人の怪力もあって公称156kgのバッドラック・ファレ相手に滞空まで含めて完璧に決める事が出来る能力を持つ。
■菊タロー
日本屈指のお笑いレスラー。
コミカルながら確かな技術を持ち高い評価を得る彼だが
試合終盤に相手選手にこの技をかけ、観客に対して長々とメッセージを送った後に「ブレーンバスター!!」叫んでかけようとするが、逆に相手にかけ返される…というムーブをもつ。
ぶっちゃけ得意技でもなんでもないがお約束。
■稲村愛輝
NOAHの若手有望株。
SNSでも話題のタイヤトレーニングによって得たパワーに偽りはなく、
試合中盤に行う屈伸式ブレーンバスターは一見の価値あり。
■男色ディーノ
DDTのアイコンにしてゲイレスラーの第一人者。
普段は3カウントより相手の唇と股間を狙う彼だが、キラーディーノと呼ばれるシリアスモードでごく稀に垂直落下式を使う。
■東三四郎
小林まことの名作プロレス漫画「1・2の三四郎」シリーズの主人公。
垂直落下式ブレーンバスターをフィニッシュホールドとして愛用し幾人ものライバルを葬った。
■ザ・テリーマン
ザ・魔雲天戦で決着となって以来の得意技。
現在では代表的なフィニッシャーとして扱われる様になった。
力感のあるバーティカル式で、超重量級の相手の体重を利用して打ち砕く威力を持つ。
■大沢木小鉄
『浦安鉄筋家族』の主人公。
この技でライバル達(主に春巻)を葬った。
■島帰りの龍
時代劇『助け人走る』にて宮内洋が演じた若き仕事人。
何故かプロレス技を殺し技にしており、標的を刀に串刺しにしたりしていた。
■カービィ
コピー技「スープレックス」時に使える技。後ろに宙返りして勢いそのままに脳天を地面に叩きつける、本家以上に凶悪なブレーンバスターを披露してくれる。
■オオクワガタ(『ボクの夏休み』シリーズ)
ボク夏最強の昆虫オオクワガタの切り札。炸裂すれば一撃必殺の破壊力を持つが、大抵は使う前に敵がノックアウトするためなかなか拝めない大技。
実際のオオクワガタ?知らん。
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▷ コメント欄
- テリーマンは? -- 名無しさん (2014-05-15 11:05:47)
- 今WWEにいるセザーロって奴の変形バーティカルスープレックスはヤバい。リング内のコーナーからリング外にいる相手を無反動で持ち上げるんだが、それを130kg級の相手にも決める。見た目細いのにあいつどんな背筋してんだよ -- 名無しさん (2014-05-15 12:04:11)
- 東三四郎が赤城に放ったブレーンバスターはシビれた -- 名無しさん (2014-05-15 12:52:42)
- 浦安鉄筋家族だなwwwwwwwwwwwwwwwww -- 名無しさん (2016-01-15 17:31:50)
- 片手でこれを繰り出したストロング・ザ・武道という怪物 -- 名無しさん (2019-01-21 16:54:44)
- みうらじゅんによると知人が失恋レストランの「ねぇマスターねぇマスター」が「ブレーンバスター、ブレーンバスター」に聞こえたらしい。 -- 名無しさん (2021-02-02 00:55:24)
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