登録日:2016/07/11 Mon 05:29:47
更新日:2024/01/25 Thu 13:46:35NEW!
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トレーディングカードゲーム(TCG)の世界においては、既に発売されているカードのテキストを版元が公式に改訂する作業のことをエラッタ(errata、erratumの複数形)と呼ぶ。
なお、「エラッタ」という語句は元々「誤植・誤記修正」という意味であるため、書籍の誤植一覧表TRPGやボードゲームのルール記載ミス修正や誤植改訂の事も指す。
これは主にゲームバランスの適正化やルール上の矛盾の解消、古いカードの記述を最新のものに合わせるために行われる。
修正内容や対象のカード次第ではエラッタ後のものに交換対応するケースもあるが、世に出回ったカードを回収・送り直すのは手間なので大抵はカード上のテキストを無視してエラッタ後テキストをそのカードに書いてあるものとして扱う。
黎明期では雑誌やカードショップへの配布物でエラッタ告知を行うなどの手間も生じていたが、インターネットが発達した現代は公式サイト上にエラッタ告知を載せる手段が使えるようになり、エラッタの手間もかからなくなっている。
とはいえ、古いカードを使用する際はエラッタ後のテキストを覚えておかないとトラブルになる可能性もあるので注意すること。
Magic: the Gatheringの場合
MtGの世界ではエラッタはウィザーズ・オブ・ザ・コースト社(MtGの版元 通称ウィザーズ)の手によりオラクル(適正な全カードの最新の文面を含む英語文献 英語なのはそもそもがアメリカ発のため)の更新という形で行われる。
大体は新エキスパンションが出た後、新カードの挙動に合わせて古いカードの近似した挙動部分のオラクルを改訂する場合が多い。
「~は破壊されない→破壊不能」*1みたいに一見変わってないように見えても、内部的には挙動が変わってる場合もあり、それはそれで戦術を見直す事があったりするが。
MtGでのエラッタは主に
- ① 明らかにルールと整合性が取れてない
- ② ミスプリント
- ③ 翻訳ミス
- ④ クリーチャータイプなどサブタイプの変更・統合又は廃止
- ⑤ ルール改定につき印刷した当時の挙動と異なる挙動になった
- ⑥ カードパワーの調整(パワーレベル・エラッタ/Power-Level Errataとも)
あたりに大別される。
①と②については、これがエラッタ本来の趣旨なので理解しやすいだろう。
③は、MtGは多言語間で遊ばれているカードゲームであり、それらの間に整合性を持たせるためにも必要である。
日本語版の誤訳については、「私は軽い」(《闇の天使セレニア》)辺りが有名どころか*2。
あと「英語名は違うが、日本語だと前に印刷したカードと同じ名前の別のカード」を印刷してしまい、片方を修正した事がある。
最近頻繁に「a」とか「each」を翻訳の時に抜かして、プレリリーストーナメント直前にエラッタが出ることが多い。
大丈夫か日本支社。
④は⑤とも関わっており、現在のルールでは廃止されたサブタイプを修正するための物である。
「壁」「レジェンド」「インタラプト」といった単語にピンと来る人はかなりの古参ではなかろうか?(これらはいずれも廃止されたルール用語)
「商人の巻物」とか「オオアゴザウルス」は②なのでこっちじゃない。
またクリーチャー・タイプもかなり大規模に改変が行われており、特に部族をテーマとしたローウィン・ブロックの発売前に行われた大変更が代表的。
これにより殆どの人間クリーチャーに職業タイプが与えられてニートがいなくなり、イシュトヴァーンおじさんやお上品なおば様もいなくなってしまった。残念。
「人間」というクリーチャータイプにいまだに馴染めない古参は筆者だけではない(と思う)。
逆にクリーチャー・タイプ「無し」にされたクリーチャーが居るのだが、このエラッタは正直拍手を送りたい。
④に近いものとして既存能力のキーワード化がある。例えば「到達」「威迫」「生成」あたりがこれ。
概ね分かりやすくするため、長い文章を簡潔にするため、検索しやすくするためのキーワード化であり挙動そのものは変更されないが、キーワードを他カードから参照されたりするなどで影響が出ることもある。
「破壊不能」なんかはキーワード化したことで多少弱体化したりもした。
ちなみに文章削減がどれほどかというと、英語だと「put XXX token onto the battlefield」だったものが「生成/create」の導入で「create XXX token」になった。
なお日本語では「トークンを戦場に出す」が「トークンを生成する」になっただけなのであまり変わらなかった。
少し例外的なパターンだが能力語が追加されることもある。
例えば「上陸」が落葉樹(たまに使うメカニズム)化したことで「上陸を持ってないが上陸と同じ挙動をするカード」に上陸が追加されたことがある。
能力語は(銀枠でもない限り)他カードから参照されないので追加されても挙動に一切変化はない。
⑤について、これが一番の問題点である。
特にこれが多く発生したのは基本セットの第5版から第6版への以降に伴うスタックルールの導入期なのであるが、この時期はテンペスト・ブロックそしてウルザ・ブロックの超強力カードの連発により【MoMa】や【メグリムジャー】といったMtG史上類例ない凶悪コンボデッキが跳梁跋扈した冬の時代でもあった。
結果スタンダードでも禁止カードが連発される事態が発生、ゲームバランスは崩壊の危機に直面していた。
そんな状況下でルール変更により禁止カードがさらに増えたなら訴訟騒ぎにも発展しかねない。そうしたことから行われたのが⑥のパワーレベル・エラッタである。
…が、エラッタには禁止カードとは別の問題もある。カードゲームにおいて、印刷されたカードと実際の挙動が別物というのは宜しくない現象である(一応、公式大会は「オラクルを参照する」で済むが野良試合ではそうもいかない)。
それに「エラッタするのはどうせ禁止カードの枚数減らしのためでしょ?」と白い眼で見られるし、バランス上問題が無くなったからといって「禁止カード解除」で対応する(モダンやレガシーでもよく行われている)こともできない。
そうした事情から、現在のウィザーズは「最後に実際にカードとして印刷されたテキストに近づける」「カードパワー調整のためでしかないエラッタは外す。」という方針に変更している。
(ただし、そのせいで禁止カードが増えた例もある。後述する《Time Vault》や《閃光》など)
直接にはエラッタでは無いが、意図した挙動をしないとしてリメイクを受けたカードが刷られる事もある。
代表例は《忘却の輪》→《払拭の光》。
挙動的には両方共「このカードが出ている間、土地以外のカードを追放。このカードが戦場から離れると追放されたカードが戻ってくる」なのだが、前者のみこの能力が別個の能力となっているため、《忘却の輪》を出して即《解呪》で破壊する。
すると何が起こるか?
《忘却の輪》が設置される
↓
「土地以外のカードを追放する」という能力がスタックに乗る
↓
この能力の誘発に対応して《解呪》で《忘却の輪》を破壊する
↓
《忘却の輪》が戦場を離れた事により「このカードによって追放されたカードを戻す」能力がスタックに乗る
↓
逆順(先入れ後出し)で処理されるので、先に追放されたカードを戻す能力が解決される(戻すカードが無いので無視される)
↓
土地以外のカードが追放される
↓
永久に追放したものが戻ってこない
という謎挙動となってしまう。
そのためリメイク後の《払拭の光》では、このテクニックが使えないように、追放と戻す能力がひと続きの物(≒これが戦場を離れるまでそれを追放する)になっている。
代表的なカード
"Time Vault"すなわち『時の櫃』を意味するカード名通り本来は「自分のターンを貯蔵し(=飛ばし)、のちにターンを得る」効果を意図してデザインされた。
……筈なのだが、タップのみでターンを得られるという緩すぎる条件のせいで、実際は様々な無限ターンコンボで悪用されてきた。
そのたびにウィザーズはエラッタで封じてきたのだが、バグデッキが出来たり無限ダメージが出来たりとイタチごっこの様相を呈することに。
総計四回のエラッタを経て流石にウィザーズも嫌気が差した(?)のか元のテキストに戻してしまい、お手軽無限ターンが解禁。
代替として晴れてレガシーで禁止、ヴィンテージで制限と相成った。
悪用方法の詳細は当該項目を参照のこと。
- 《ルフ鳥の卵/Rukh Egg》
初出はアラビアンナイト(ちなみに「ルフ鳥」とは、「シンドバッドの冒険」に出てくる像をも運ぶ巨大な鳥である)。
戦場から墓地に置かれたときにトークンが出る初めてのカードだが、当時のテキストでは戦場以外から墓地に送られたときにも誘発していた。
そのため後攻でわざと手札を一枚も使わずに8枚にしてクリンナップ・ステップで捨ててトークンを出すプレイングが成り立った*3。
黒い人がハンデス撃ったら逆にトークンで攻撃されましたとか悪夢である、悪夢を使う方なのに。
また同ブロックには《Bazaar of Baghdad》という最高の相棒も存在したが、当時は余り注目されていなかった様子。
そのため誘発条件が「{戦場から墓地に置かれたとき(現在のオラクルでは「死亡した時」)」に改訂され、これがMtG史上(多分TCG史上でも)初のエラッタとなった。
今風に考えるなら「マッドネス:0マナ」どころか「あらゆる領域から墓地に置かれた時」と書いてあるような物であり、そりゃどう考えても強すぎである。
- 《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》・《水蓮の谷間/Lotus Vale》
伝説の《Black Lotus》の調整版。元が元であるだけに、前者は手持ちの手札全てを捨てる、後者はアンタップ状態の土地二枚を生贄に捧げると、強烈なデメリットが付与されている。
……が、先述のスタックルール導入に伴い「コスト未払いのパーマネントは起動型能力を使えない」というルールが廃止されたことで、
前者は○○唱えますの宣言をしてからマナを出して手札を捨てる、後者は墓地に行く前にマナを出せたため《Black Lotus》と同等の凶悪なマナ加速と化した。
これは流石に問題があったためエラッタが出され、《ライオンの瞳のダイアモンド》はインスタントが唱えられるときのみ起動可能。《水蓮の谷間》はコストを支払わないと戦場に出ること無く墓地行き。となり、簡単には使えなくなった。
ただ《ライオンの瞳のダイアモンド》は「ドローカードを先に唱えて、その解決前にスタックで起動すると、手札を捨ててからドローになるので、実質フリースペルになる」とか、追放ではないので2マナで墓地から手札に戻せる《オーリオックの廃品回収者》との2枚で無限マナコンボ等の悪用手段があり、ヴィンテージでは制限カードに指定されている。
先述したカードパワー調整エラッタの解除でもこれらのカードは意図的に外されたことが公式で明言されている*4。
1マナ12/12・トランプルという「コスト・パフォーマンス?何それ美味しいの?」なアーティファクト・クリーチャー。
当然ノーデメリットなわけも無く「戦場に出た時パワーの合計が12以上になるようにクリーチャーを生け贄に捧げるor自身を生け贄に捧げる」のだが、日本を代表するコンボ職人が「一瞬でも戦場に出るんだ、戦場に出る時パワー分のダメージを与える《伏魔殿》を事前に出しとけば1マナ12点火力に早変わりする」というコンボデッキ「パンデモノート」を開発、一躍有名になった。
このコンボも《水蓮の谷間》同様、生贄能力を戦場に出すに際して行うことでキチンと生け贄に捧げないと戦場に出ず直接墓地行きとなるエラッタにより封じられていた。
このエラッタ中にも《Illusionary Mask》とのコンボ【ドレッドマスク】*5」で暴れていた実績もあり、無事元に戻されることに。
オラクルが戻ったお陰で生贄能力を《もみ消し》で打ち消し、実質(1)(青)で出す【スタイフルノート】なんてのも可能に*6。
- 《閃光/Flash》
オリジナルデザインは、いわば「クリーチャーへ擬似的に『瞬速』を与える」というもの。
………が、実際には「たった2マナで、どんなクリーチャーでもインスタント・タイミングで戦場に出し、またそれを即座に墓地送りにできるカード」として悪用されることが多い。特に《アカデミーの学長》とのコンボが凶悪でありエラッタを受けたが、その解除で元に戻されることに。
しかしその頃にはさらに相性の良い《変幻の大男》も登場しており、1キルを上回る後手自分のターンが来る前に勝利*7という謎の物体を生み出す【ハルクフラッシュ】*8はレガシーを席巻。一瞬でレガシーで禁止指定、その後ヴィンテージでもサーチ手段の《商人の巻物》も巻き込んで規制され、文字通り「閃光」の如く一瞬で活躍を終えた。
- 《Phyrexian Devourer》
ライブラリーを食べるとパワーとタフネスが成長するアーティファクト・クリーチャー。しかし一定以上にデカくなると自壊してしまうため、単純には使いづらい。
が、スタックルールの導入により「自壊させる能力を誘発・スタックさせる→それを無視してパワーが20以上になるまでライブラリーをモグモグ→自壊する能力を解決する前に《投げ飛ばし》」することにより、致死量の《Phyrexian Devourer》を投げつけることが可能に。
ウルザズ・レガシーで一枚のアーティファクトを餌に任意のアーティファクトをサーチする《修繕》が登場していたことも追い風であり、最速2ターンKillさえ可能だった。やっぱ修繕はダメダメだな!
この日本を代表するコンボ職人(さっきの【パンデモノート】製作者と同じ人)が開発したコンボデッキ(《Phyrexian Devourer》のイラストから【おにぎりシュート】と呼ばれる))は、世界大会での日本勢大躍進に大きく貢献する!…と思われたのだが。
当の大会の前日に《Phyrexian Devourer》に「パワーが一定以上になると自壊する能力が、毎回のライブラリーを食べる能力起動で誘発する」緊急エラッタが出され、このデッキは幻となって消えてしまうのである。
その後このエラッタも元に戻されたが、《修繕》に規制のかかった現状では活躍は望むべくもなく…。
- 《巨大鯨/Great Whale》他フリースペルクリーチャー一同
フリースペルとはウルザ・ブロックで登場したシステムであり、いずれも「その呪文の解決時(クリーチャーならば戦場に出た時)、マナ・コストと同等の土地をアンタップ」する形をとる。
……だが、コスト削減カードや複数マナを生み出す土地と組み合わせればフリー(無料)どころかマナ加速にさえなってしまう。
特にクリーチャーについては「例えば4マナのリアニメイトカードで6マナのフリースペルクリーチャーを蘇生すれば2マナ分浮きマナが出る」と、これらを介さずにもマナを生み出すことが可能だった。
どういうわけかこの直前のテンペスト・ブロックが《繰り返す悪夢》や《死体のダンス》といった何度も利用できる蘇生カードが異様に豊富だったこともあり、各所で無限マナコンボを生み出すことに。
スタンダードで禁止カードになった《時のらせん》と併せて、フリースペルってのはそもそもダメだと印象付けるのに十分な役割を果たした。
その後これらのクリーチャーには「手札からプレイされた場合」という一文が書き加えられたが、こちらものちに元に戻された。
- 《要撃/Waylay》
「待ち伏せ」を意味するカード名通り、本来は1ターン限りのブロッカーを用意するカードであり、攻撃に使うには別途速攻付与手段(《ヤヴィマヤの火》など)が必要。
…だったのだが、第6版にともなうルール変更により、対戦相手の終了ステップに唱えることでトークンを次の自分のターンまで生存させ、そのまま攻撃に移れるテクニックが可能になってしまった。
1ターン限りとはいえ3マナ6点ものダメージ効率は、「歩く火力」として名高い《ボール・ライトニング》に匹敵する。そのため、このテクニックを特に【ホワイト・ライトニング】とも呼ぶ(白には《栄光の頌歌》等全体強化手段が豊富なため、実際の破壊力は本家を上回る)。
このギミック(を組み込んだ白ウィニー)は当時のアメリカ選手権をも制したが、のちに「戦闘フェイズ中にしか唱えられない」というエラッタが出た。
その後「実存」というルールが生まれ、これを使う文章に変更されて、速攻付与がなければ攻撃出来なくなったため唱えるタイミングは限定されなくなった。
現在では基本ルール変更によって実存も消滅し、文章も「ターン終了時*9」から「クリンナップ・ステップの開始時」に変更されて、確実にそのターンにトークンが消え去るようになった。
この変更以外は原文の形に戻っている。
- 《玉虫色のドレイク/Iridescent Drake》
本来の意図は、壊れやすくてアドバンテージを失いやすいオーラ(当時はエンチャント(クリーチャー)表記)を墓地から拾えるようにとデザインされたカード。
だが、つけたクリーチャーが墓地に送られた時に戻ってくる《支配魔法》の調整版《誘拐》と組み合わせることで「生贄に捧げる」能力を延々と使いまわすことができる。
そこでエンドカードに《狂気の祭壇》を採用した無限ライブラリー破壊コンボデッキ・【玉虫アルター】が生み出された…が、《玉虫色のドレイク》初出のウルザズ・デスティニー登場から僅か一ヶ月でエラッタ(こちらも「手札からプレイされた場合」の一文が書き加えられた)が出され、このデッキも幻のデッキとなった。
のちにこれも元に戻されている。
- 《黄道の龍/Zodiac Dragon》
「ポータル三国志」に収録されたカード。墓地に送られたときに手札に戻ってくる。
原文では「戦場から」墓地に送られたときという制約がなく、異常に凶悪だった。ターンに1回の制限さえないため、かの《ゴブリンの太守スクイー》さえ霞むほどの超ぶっ壊れカードである。
ポータルセット内に限っても手札破壊や打ち消された時でさえ復活してくるため、かなり厄介。
その後ポータル系もエターナルで使用可能になったが、その頃までエラッタが為されていなかったら……と思うと、想像するだに恐ろしい。例えば《野生の雑種犬》や《サイカトグ》でアッサリ無限P/Tになる。
まーポータルはウィザーズにすら「あれはMtGじゃなくてポータルっていうよく似たゲーム」とまで言われてたので、エターナル解禁まで労力を割いてエラッタする必要を感じてなかったのかもしれない。
- 《吠えたける鉱山/Howling Mine》等、黎明期のアーティファクトの一部
作動する条件に「アンタップ状態である場合」の一文が入っているが、これはかつてのルールが「タップ状態のアーティファクトの常在型能力は機能を停止する」というシステムだったため。
現在常在型能力を持つアーティファクトのそれはタップされようが関係なく働くが、旧ルールのシナジーを活かせると判断されたカードに関しては、このルールを再現するために追加された。
代表とした《吠えたける鉱山》もアルファ版から第5版までのカードにはこの1文が入っていない。
この中で特徴的なのは《冬の宝珠》。このルールにのっとりエラッタでアンタップの一文が追加されたが、第6版以降収録を逃したのが原因で、
「最後に印刷したテキストに可能な限り合わせる」というWotCのエラッタ修正方針に巻き込まれる形で一時的に消滅していた。
しかし久しぶりに印刷されたエターナルマスターズにて再エラッタ。《吠えたける鉱山》同様タップでオフにする事が可能になり「相手のターンエンド時に何らかの形でタップすると、自分の土地は全てアンタップするが、相手の土地は1枚しかアンタップしない」というハーフロックコンボが復活することに。
日本語版の印刷カード名は《ファルケンラスの貴族》
が、1個前のエキスパンション「イニストラード」で既にその名前のクリーチャーを出してしまっている。
前にも同じカード名にしてしまうというのはあったが、あまりにも早すぎる再登場に「日本支社なにやってんだ」の声が飛び交った。
さらに新作発売時期にカードの内容を解説する「日本語ガイドブック」ではカード名にエラッタが出てますと警告しながら《ファルケンラスの貴主》とさらにミスする始末。
そのグダグダっぷりから日本では貴族Bという渾名が付けられるなど、ネタにされまくることに。
そしてネタにされまくったせいでこのカードがとんでもないパワーカードであり、後にデッキタイプとして名を残す事になるとは誰も思わなかった。
余談だがギルド門侵犯ではまた名前被りが発生したが、なんと古い方のカードの名前が書き換えられた。
まあこちらは11年前のカードだし、元のカードがあんまりにも弱すぎて誰も使わなかったせいで忘れてられてても仕方ないけど。というか忘れられてたからかぶったんだけど。
モダンホライゾン2でもまたまた名前かぶりが発生し、今度も古い方の名前が書き替えられた。当事者クリーチャーの呪文面の方とはいえスタンダードで現役だったんですけど。
3度目のイニストラード次元のブロックである『イニストラード:真夜中の狩り/真紅の契り』でも《税血の徴収者》が前後編でそれぞれ別に登場しており、もはやお約束と化している。
- 《破滅の伝導者/Conduit of Ruin》
上記貴種の誤植から3年と8ヶ月後、《破滅を導くもの》というカードが刷られた。なぜか2種類。
もちろん絵違い2種類などではなく間違って同じ名前を2種類のクリーチャーに付けてしまったのだ。
しかし今度はよりにもよって同じエキスパンション内のカードである。今回のエルドラージは「~もの」という名前が多いのは確かだがそれにしたってひどい。
すぐに公式アナウンスで片方を《破滅の伝導者》にするというアナウンスが行われたが、プレイヤーからは「翻訳班は同じエキスパンションでカード名被りがないかどうか確認してないのか」等と言われるはめに。
- 《稲妻/Lightning Bolt》などの、多くのプレイヤーを対象にとる火力・《激情の薬瓶砕き/Vial Smasher the Fierce》
近年のエラッタの中で最も大規模に影響を及ぼしたエラッタ。
ドミナリア発売時に「プレイヤーへのダメージはプレインズウォーカーに移し替えることができる」というルールが廃止されたため、それまでに印刷されたプレイヤーを対象にとる火力の多くがプレインズウォーカーを対象に取れるように変更された。
なお、ダメージ量が対象プレイヤーによって変動するカードはこのエラッタの対象外。
《激情の薬瓶砕き》は対象がランダム(=プレイヤーを対象に取らない)にも関わらずエラッタ対象になっているが、これは二人対戦だと実質対象が一人しかおらず対象指定火力と大して挙動が変わらないからだと推測される。
複雑な挙動がこの時代まで残っていたのは、エラッタの枚数があまりにも多すぎる事が原因と思われる。対象を取る部分の変更だけでも1000枚オーバー、これに加えトランプルに書いてある注釈文まで含めると……。
が、これでも時のらせん期に提案されたインスタント関連の改訂よりは遥かに小規模であるし、ゆえに断行できたのだから、MtGのカードプールがいかに膨大かを窺い知れる。
この際、プレイヤー・プレインズウォーカー・クリーチャーのすべてを対象に取れるカードは英語版などでは「any target」と纏めて表記されるようになっている。なお日本語版テキストはより長くなった
そのため、後に新しく「ダメージを与える」という概念を用いるカード「バトル」が登場した際にはほとんどエラッタする必要がなかったという副次効果が生まれた。日本語版カードは逆に大規模エラッタで「一つを対象とする」と表記されるようになりようやくスッキリした。
- 《パララクスの波/Parallax Wave》、《パララクスの潮流/Parallax Tide》、《パララクスのきずな/Parallax Nexus》のパララクス・エンチャント
自身から消散カウンターを取り除くことで、一時的に何かを追放することが可能なエンチャント3種。
本来はこれが残ってる間*10、一時的に除外するカードというコンセプトで作られたが、冒頭部の《忘却の輪》同様の手段で永久追放する事が可能になっている。
コンセプトから逸脱しまくってるのを重く見たウィザーズは「自身が戦場に出ている場合」の1文を入れて、この手段を封じていたが、他のパワーレベル・エラッタ開放とともにこのテクニックも解禁された。
ちなみにパララクスの波の場合、エンチャントをクリーチャー化する《オパール色の輝き》とのコンボがあったためもう少しエラッタが加えられていた。《オパール色の輝き》があると《パララクスの波》自身もエンチャント故にクリーチャー化するので
「《パララクスの波》の能力を起動し、追放するクリーチャーを対象に取る→最後の消散カウンターを取り除く際、自身を追放対象にする→自身の追放を解決、《パララクスの波》が戦場を離れたのでそれにより追放されたカード(つまり自分自身)が戻ってくる(もちろんカウンターは元に戻っている)→順序追放するの能力を解決、ただし戻すの方は解決済みなので機能しない」となり、対象に取れるクリーチャーなら全て追放することができる。また「能力を起動、解決する→自分自身を追放する→戦場を離れたので全てのカードが戻ってくる」という順番にすれば何度も戦場を出し入れすることもできるため、ETB(旧称はCIP)能力などを使い放題である。このため「戦場に戻すカードは自身以外のカードのみ」というエラッタがなされていたが、これも解除されたためこのテクニックも解禁された。
- 《金粉のドレイク/Gilded Drake》
3/3飛行をあげる代わりに相手のクリーチャー1体を貰うというコンセプトのクリーチャー。
ただし元のテキストの場合「この能力をスタックに乗せてる間に対象を除去ると、対象不適正なので《金粉のドレイク》を差し上げるの方が無視され、自分で使える」という悪用手段が発覚。
後に1マナ3/2飛行(但し条件付き)とか頭悪いのが出てくるが、2マナ3/3飛行は明らかにオーバースペック、ぶっちゃけ5マナ相当。
一度目のエラッタでこれが出来ないようにされたが、今度は《もみ消し》での踏み倒しですら出来ないテキストになってしまったため、再エラッタで交換するか墓地に行くかという2択を確定させられるようになった。
ちなみに「この能力は、その対象が不正になったとしても解決される」(対象不適正による立ち消えが行われない)という特殊ルールが適用されるのは現時点でこいつのみ。
- 相棒
''前代未聞となるキーワード能力のエラッタ。''そのため厳密にはルールの変更である。
最初の能力は「デッキ構築に制限をかける代わりに1回限りゲームの外部からこれを持つクリーチャーを唱えて良い」という能力だったが、実質的にハンデスされない初期手札も同然なので弱いはずもなく、ほぼ全環境で採用される異常なオーバーパワーメカニズムになった。*11
当初こそ個々のカードが規制されたが、そんなことしても根本的な問題は解決しないため、抜本的に能力そのものが見直された。
現在の能力はソーサリー・タイミングで(3)を支払うことでゲーム外部(サイドデッキ)からこれを持つクリーチャーを手札に加えるという能力に変えられている。
- 《土牢/Oubliette》
上述の《忘却の輪》の先祖みたいなカードで、クリーチャーを牢屋に閉じ込めておくというフレーバーのカード。
最初は「クリーチャー1体を対象とする。それは《Oubiliate》が戦場にある間、カウンターとオーラを付けたままゲームの外部にあるかのように扱い、《Oubiliate》が戦場を離れた時それはタップ状態で戻る」というようなテキストで、その後フェイジングが登場したことで「クリーチャーをフェイズ・アウトさせ、《Oubiliate》が戦場を離れるまでそれはフェイズ・インできず、《Oubiliate》が戦場を離れたときタップ状態でフェイズ・インする」とオラクル変更された。
しかしその後なぜかフレイバー的趣きを残したままフェイジングを用いない形に変更した結果、「カウンターの数を記録してオーラとともに追放し、《Oubiliate》が戦場から離れたとき記録していたカウンターを載せオーラごとクリーチャーをタップ状態で戻す」というオラクルになったが、案の定処理がめんどくさい上にテキストが滅茶苦茶長くなってしまった。
最終的にフェイジングが部分的に復活しつつあることも踏まえ、「ダブルマスターズ」再録時に再びフェイジングを使用するテキストに戻された。一部の挙動が変更されることになったが、処理は非常に楽になっている。
- 《ダブリエルの萎縮》《魂の仲介人、ダブリエル》
MTGアリーナオリジナルのカード。どちらも永久に=領域を移動しても持続するマイナス修整という、DCGならではの能力を持つ。
……のだが、自身が戦場を離れた時にパワー1以下のクリーチャーを墓地から戦場に戻す《夕暮れヒバリ》と組み合わせると、タフネスが0以下になったヒバリが死亡した直後にパワーとタフネスが下がった自身を蘇生させ続けるという無限コンボが成立してしまう。《血の芸術家》などの死亡時や戦場に出た時に誘発する能力と組み合わせることで勝利に直結するため、2021年10月14日付で修整の対象が相手がコントロールする生物のみにエラッタされ、コンボは成立困難になった。
同日の告知では他にも3種のオリジナルカードにパワーレベル・エラッタを行うと宣言されており、デジタルの独自性を感じさせる。
- 《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》
タフネスをパワーに変換する能力の元祖であり、白黒緑の組み合わせを「ドランカラー」と呼ばせたほどに環境を定義したパワーカード。
だが、名前をよくみるとわかるが「塔」(つちへん)を「搭」(てへん)と誤植されてしまっている。
搭乗もとい登場してから15年後に出た「ダブルマスターズ2022」でやっと《包囲の塔、ドラン》と正しい名前にエラッタされた。
番外編
伝説の土地。なんと上記の全てのエラッタを亡き者にしてしまえるオドロキのカード!!
…そんなカードが公式大会で利用できるはずはなく、このカードは銀枠、アンヒンジドのカードである。カード名(「開発部の秘密の部屋」の意)から分かる通り、開発側のお遊びといった感じ。
最初に述べたウィザーズのエラッタ方針の転換により、最近はパワーレベル・エラッタそのものをしなくなり、エラッタされたカードも徐々に元に戻されつつあるので、このカードの名前が挙がることも少なくなってきたのは寂しいところ。
それでも置物になる《オオアゴザウルス》(日本語版、タイプ欄がオオアゴザウルスになっているためクリーチャーですら無くなる)とか、1ターン目にエムラ様降臨が可能な《擬態の仮面》(日本語版、「クリーチャーを1体対象にする」が抜けているため、ライブラリーから何でもクリーチャーを引っ張れる)とか、《破滅のロッド》(フランス語版、なぜか1ダメージが3ダメージに)がめちゃくちゃ痛いなど、結構ネタに出来ることも多い。
またイクサラン期にプレインズウォーカーの扱いについてPWの唯一性ルールがレジェンドルールに統合されたお陰で、神ジェイスを素で4体並べる事も可能となった*12。
《不動のアジャニ》を3体以上並べて全員で-2能力を使うと逆に忠誠度が増えるというネタも。
- 《Look at Me, I'm R&D》
こちらはカードに書いてある指定した数字を1つ増減させるエラッタを作る銀枠カード。しかししょせん数字が1つ変わった程度で及ぼされる影響はたかが知れているし、英語版で数字が書いていないもの*13には効果がない。正直言って地味。
- 『鏡よ、鏡』イベント
MTGアリーナで行われたイベント。当時のヒストリックの禁止カードの大部分*14にパワーレベルエラッタを施したものを使用したヒストリック構築イベント。
まだ強いけどぶっ壊れではないくらいの性能になった《王冠泥棒、オーコ》《死者の原野》、見るも無残に弱体化し使いようがない《荒野の再生》《運命のきずな》、なぜか強化された部分もある《時を解す者、テフェリー》など、弱体の度合いは結構ばらつきがあった。
- アルケミー
MTGアリーナ専用フォーマットで、パワーレベルエラッタが解禁されており、スタンダードで使えるレア以上のカードのうち強力すぎるカードの弱化とあまり使われないカードの強化が行われている。アルケミー専用カードがさらに強すぎる為、前者はともかく後者は結局使われていない。
デュエル・マスターズの場合
基本的に誤植や裁定変更に伴い行われるものでカード性能の弱体化を狙ったエラッタは行われない(裁定変更の結果弱体化する事はあるが)。
「カードの文章がいくつかのバージョンで異なる場合、原則として最新のカード表記を正しいものとする」と公式HPに記載されているため、再録の際にテキストを間違えた場合でも容赦なくそちらに合わせられてしまう。
更に明らかな誤植を裁定変更を行い無理矢理エラッタという事にして誤植と認めない事が多い。
- 《リップ・ウォッピー》
一度目の再録時にテキストミスをしたものの、そのときは旧テキストの方に合わせるという形でエラッタが出たためテキスト変更はなかった。
だがその7年後に再び間違った方のテキストで再録され、今度はそちらのテキストが正しいということになった。エラッタがエラッタによって覆されてしまったのである。
- 《父なる大地》
元々はテキストの前半部分が任意効果だったのだが、再録の際に強制効果にされてしまった。
公式HPにテキスト変更に対する謝罪文が載せられているため意図的なテキスト変更でなく間違いである可能性が高い。
- 《ムテキ・バトラゴン》
種族がメガ・コマンド・ドラゴンからガイアール・コマンド・ドラゴンに変更された。
メガ・コマンド・ドラゴンの命名ルール(中点で繋がれたカタカナ名)に従う一方、ガイアール・コマンド・ドラゴンの命名ルール(名前に「熱血」が入る)からは大きく外れてしまっており、間違えたのをエラッタ扱いにして誤魔化したのは明白である。
種族サポートはガイアール(ryの方が多いため、間違えられた結果カードとしては強くなったという皮肉な結果になってしまっている。
…後からメガ・コマンド・ドラゴンのサポートも出てくるかもしれないけどね。
- 《勝利のガイアール・カイザー》
元々のテキストは
「このクリーチャーは、バトルゾーンに出したターン、アンタップされているクリーチャーを攻撃できる。」だったのがDMX-25での再録時に
「このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、そのターン、アンタップされているクリーチャーを攻撃できる。」
に変更されている。
どこが違うの?と思われるプレイヤーも多いかもしれないが、実はこれ効果の処理が全然別物になってしまっているのだ。
少々複雑な話になるので簡単に説明すると前者のテキストだと状況起因処理によるもの、つまり常在型能力なのに対して後者のテキストだと出た時効果、所謂cipとして処理される。
これがどういう差を生むかというと後者のテキストだと今まで引っ掛からなかった《ワルド・ブラッキオ》のようなcipメタに引っ掛かるようになってしまい、実質弱体化している。
ドラゴン・サーガ時の再録は前者のままでDMX-25発売直前に登場した《ガイアール:Re》も前者のテキストなためテキストミスをエラッタ扱いにして誤魔化したのではないかと疑われている。
- 《ネオ・ブレイン》
「カードを2枚まで引く。」
元々は《サイバー・ブレイン》の調整版として、引ける枚数を0~2枚で選べるという特徴を持っていたのだが、《遣宮使 ネオンクス/ネオ・ブレイン》の呪文面が「カードを2枚引く。」であったため、そちらに合わせて本家《ネオ・ブレイン》の方も「カードを2枚引く。」と強制的に2枚引くようにエラッタを受けた。理不尽だ
なおこのエラッタが正式発表されたのが2020年2月26日のため(ネオンクス登場は2018年6月23日)、「謎BBPの《蓮根の槌》等の誤植を誤魔化すためでは?」と邪推される事に。
もちろんテキストミスではなく意図してエラッタが出されたカードも中には存在する。
- 《騒音機装DJアフロ・スピーカー》
「破壊される時、変わりに手札のグレートメカオーを捨てる」……これだけなら別に問題は無いのだが、「このカードで《機械提督サウンドシューター》を出そう!」のデザイナーズコンボに影響を与えたが故に「破壊される時手札のグレートメカオーを捨て、そうした場合とどまる」にエラッタされる。
原因は、旧テキストでは『捨てる』と『留まる』が1つの置換効果になっていたためである。
(旧テキストでは「サウンドシューターを捨てる『代わりにバトルゾーンに出す』代わりに留まる」と置換効果を連鎖させる事になってしまったため、元のテキストではこのコンボがそもそも成立しない。)
公式HPでのエラッタに留まり現在再録されていないため、新テキストを持つカードの流通は行われていない。
- 《凶食虫スティンガーワーム》
登場時に味方1体を犠牲にするパラサイトワーム。その際に自分自身を選んで自爆させることも可能。
だが、最初に収録された際のテキストは「このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、バトルゾーンにある自分の他のクリーチャー1体を自分の墓地に置く。そうしなければ、このクリーチャーを自分の墓地に置く」というものであり、自身の破壊を任意で選ぶことができなかった。
ちなみに同じくDM-01出身の《怒りの影ブラック・フェザー》は再録経験がないためテキストが直っておらず、他のクリーチャーを優先して破壊しなければならない。
山札から呪文かクロスギアをプレイする能力を持つのだが、元々は山札を見てから呪文を唱えるかクロスギアを出すかを選ぶことができた。
だが、山札を見る前に呪文を唱えるかクロスギアを出すかを選択しないといけなくなり、選んだ種類のカードが山札になかった時などに能力が不発になるようになってしまった。
旧テキストは誤訳で元々再録時のテキストとして作られたカードなのではないかと考えるプレイヤーがいる一方、強すぎるから弱体化させた(⑥のパターン)のではないかという説もあり意見が分かれている。
どちらが本当の理由なのかは製作者にしか分からないが、最終的にこのカードはプレミアム殿堂となり使えなくなってしまった。
- 《プロジェクト・ゴッド》
山札から5枚を墓地に置き、その中からバトルゾーンにあるゴッドとG・リンク可能なゴッドを全て墓地からバトルゾーンに出せるカード。
このカードを使えば、例えば3体神のうち《左神》または《右神》を先に出しておくことで、《中央神》と残った1体を同時に踏み倒してトライ・G・リンクを完成させることが出来る。
しかし、元々は1枚しか踏み倒すことが出来なかった。
団長やバイクを筆頭とした高速環境への過渡期のエラッタであり、ゴッドデッキがそれに対抗出来るようにするための配慮と考えられる。
遊戯王オフィシャルカードゲームの場合
多くは最新の収録カードの記述に同名カード全てが従う(誤植の修正などを除く)。
エラッタが行われたカードはエラッタ前のものを使う場合もエラッタ後の効果に読み替えなければいけない。
黎明期のあやふやなテキストを整理したものから、性能自体の変更を施されたものまで存在する。
プロモーションカードのうち、漫画単行本に付属するカードはこれまで一度たりともエラッタ対象、禁止カードになったことがない。
集英社が権利を持つヴァリアブルブックやVジャンプなどの雑誌と違い、権利が各漫画家にもあるため、印税に影響を及ぼすのを避けているためと推測される。
なお、再録に関してもほぼ全てが同様の扱い。数少ない例外の一つが《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》である。
ただし、単行本の多くが2023年現在も絶版ではなく購入可能。
- テキストの整理
「決められたモンスターとモンスターを融合させる」
→「自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する」
のように、黎明期に多い曖昧なテキストをカードゲームらしいシステマティックなものに変更する。
ルール上の処理は特に変わらず、大半は処理をカードから読み取れるのでエラッタ前のカードを愛用するプレイヤーも多い。
主に3年毎の期日で更新されることが多いが、特に第8期→第9期はカード全体のテキストが大幅に整備され、それまで公式に問い合わせるしか効果を判別できなかったカードの処理がテキストを読むだけでも判別しやすくなった。
- エラッタによる性能変更
古くは《クリッター》と《黒き森のウィッチ》をフィールドから墓地に送られた場合のみ効果発揮できるように変更したのが発端。
それまでは手札から墓地に送った場合もカードをサーチでき、エクゾディアを一瞬で揃えることができた。
2014年に《ダーク・ダイブ・ボンバー》を大幅に弱体化させることで制限解除したのをきっかけに、禁止カードにエラッタをかけて制限解除する流れが登場。
多くは度を過ぎたエラッタで見るも無残な姿になってしまっているが、なんだかんだで居場所を得た《混沌帝龍-終焉の使者-》や、エラッタをかけた上でもパワーカードには変わらず制限カードに踏みとどまった《破壊輪》なども存在する。
さらには、エラッタ後も制圧力に歯止めがかからず再び禁止カードにブチ込まれた《王宮の勅命》なんて例も。
なお前述の《クリッター》と《黒き森のウィッチ》はこれらのエラッタも行われて禁止から復帰しており、遊戯王でも珍しい二度のデチューンエラッタを受けたカードとなっている。
また同じく2014年には「エンドフェイズ時まで効果が持続する」効果を持つカード279枚が「ターン終了時まで効果が持続する」ようエラッタされた。
いくらなんでもこの規模のエラッタを記憶するのは不可能に近いが、処理としては一部コンボ時に動作が変わる程度なので、エンドフェイズ関連のカードを使う前に対象になっていないかをあらかじめ調べておこう。
珍しいところでは、2017年にLINK VRAINS PACKに再録された《水精鱗-ディニクアビス》が突然テキストのタイミングが書き換えられたことで処理が大きく変わっている。
ミスではなくれっきとした裁定変更。ほんとかなあ……。
なお強すぎるカードの弱体化エラッタは公式で告知することが多いが、逆に弱いカードの強化エラッタはテキスト整理のついでに行われ、告知も特に無い事が多い。
実際に強化エラッタを行われたカードには《トゥーン・ワールド》や《Y-ドラゴン・ヘッド》などがある。
弱いカードを別物レベルに強化するようなエラッタは行われていない。
どこぞのヲーのような人気と性能が釣り合わないカードなどはたびたび強化を嘆願されるが、こういう場合はそのカードそのものではなく別カードで強化する(またはリメイクを出す)形で対応される事が大半。
- フレーバーテキストの変更
《青眼の白龍》《千年の盾》などで発生したケース。
《青眼の白龍》や《真紅眼の黒竜》・《デーモンの召喚》はテキストに「レアカード」と書かれていたが、全てエラッタされている。カードの雰囲気や背景設定を記述する部分にレアリティ(メタ的な表現)を持ち込むのが問題視されたとみられる。
《千年の盾》は「千年アイテムのひとつ」と書かれていたのだが、これでは原作における描写と矛盾するため、エラッタにより「古代エジプト王家に伝わる盾」と書き直されている。
- 誤植の修正
《バージェストマ・ディノミスクス》のように(日本語版の)初収録時に間違ったテキストで収録されてしまったカードが存在する。
そのようなカードは再録時に正しいテキストに修正される。
バトルスピリッツの場合
例によって最新のカードテキストが優先される。
これによって処理が変わるカードも当然多いのだが、その中でも特に影響が大きいエラッタを記載する。
なお、カード番号を振り直して全く違う効果でリリースする「リバイバル」はエラッタとしては扱わない。
同名カードであるため合計3枚までしか入れられず、制限カードならばどちらか1枚、禁止カードならばどれも入れることはできない。
《バイ・パイソン》などはリバイバル版は場に2枚以上存在すると効果を発揮できず、リバイバル前も強力な効果を持っているためリバイバル版を1枚、リバイバル前を2枚という構築も見受けられた。
他にもリバイバルしたことで使い勝手が悪くなり、後の再録時にもリバイバル前が収録されてしまう悲しいリバイバル版も割といる。
- 《ヤン・オーガ》
Lv1で破壊されれば1個、Lv2なら2個、Lv3ならば3個のコアブーストを行うスピリット。
単純に使うと高レベルで破壊することで蜂王フォン・ニード級のコアブを狙えるが、これらの効果は独立して存在するためそれぞれ効果の処理後に【不死】の効果を挟んでレベルを変えることで、Lv1・2・3効果全てを発揮して6コアブーストを行うコンボが存在した。
しかしヤン・オーガの再録時に唐突にこの効果が「Lvと同じ数だけコアブーストする」に書き換えられ、このコンボは消滅することとなった。
- 『合体アタック時』の廃止
2015年まではスピリットまたはアルティメットがブレイヴと合体した状態でアタックした時に発揮できる効果を『合体アタック時』効果と呼称していたのだが、テキスト上は同時に【合体時】という合体している場合の発揮を意味するテキストも記載されているため記述が二重になっていた。
そのため全ての『合体アタック時』を一律で【合体時】『アタック時』に統一し、通常の『アタック時』効果に対する効果も受けられるように変更された。
動作自体は特に変わらないのだが、これによって6枚存在した『合体アタック時』効果を指定するカードは存在しない効果を指定するため効果を発揮できないという斜め上の裁定を食らった挙句に何故かこれら6枚へのエラッタは無く、ひたすら悲しみを背負うこととなる。
- 『バトル時』→『アタック/ブロック時』への統一
こちらは2016年に行われたエラッタ。
『このスピリットのバトル時』効果は『このスピリットのアタック時』『このスピリットのブロック時』と同じタイミングで発揮する効果だったが、テキストのくくりとしては別物だった。それを修正したもの。
前年の『合体アタック時』と似ているが、昨年の変更が物議を醸したためか、こちらは再録時のみエラッタを行うとされ、再録されていないカードは『バトル時』のままとなる。
防ぎづらかった『バトル時』からメタの多い『アタック時』への変更のため基本的には弱体化。
それも再録の機会がある人気カードほど弱体化されやすいという不思議な状況になっている。
なお『バトル時』を指定する効果はすべて『アタック時』か『ブロック時』も指定しているため、『合体アタック時』のように悲しいことにはならなかった。
- 《華の女王カトレア》
バウンスへの耐性と、相手スピリットの『アタック時』効果を無効化するスピリット。
このカード自身はこれまで一度もエラッタされたことがないが、エラッタの影響がとてつもなく大きいカード。
というのも、前述の『アタック時』絡みのエラッタによって、それまで対象に取れなかった『合体アタック時』『バトル時』が『アタック時』になり、このスピリット効果の対象に変わったのである。
前述のように『合体アタック時』は一律で変更されたが『バトル時』は再録の際にのみ変更という裁定になっているため、再録のたびにカトレアの範囲は広がっていく。
例えば《黒皇機獣ダークネス・グリフォン》は『召喚時』のバウンスと『バトル時』のコアシュートを持つスピリットだが、再録によって『バトル時』が『アタック/ブロック時』に書き換わり、バウンス体制を持ちアタック時効果を無効化するカトレアを除去できなくなっている。
- 《紫炎獅子》
厳密にはカードのエラッタではなく裁定変更。
強力な制限カードであり、また同時期に類似効果が登場した際に公式ホームページにてエラッタ告知が大々的に行われた。
端的にいうと相手プレイヤーがこれまで強制で行わなければならなかった行為を任意にしたもの。
もっとも紫煙獅子の制限の理由となった凶悪な要素のうちの1つがほんの少し弱くなった程度なので採用への影響は薄いが。
- 《煌刃皇セブンソードタイガー》
こちらはエラッタを受けたカードではなく、エラッタを受けなかったカード。
一般パックへの収録前にバトスピMAXの入場者プレゼントとして特別仕様のものが配布されたのだが、ミスでLv2BPが製品版よりも2000低くなってしまっている。
通常ならエラッタで製品版に対応するところだが、製品版よりも先に世に出てしまっていることや大会配布品という特殊な存在であること、あまり気にするようなカードでもなければ気にするようなポイントでもないことなどから配布版と製品版は同じカードだが別の性能のカードとして扱うという扱いをされた。
ものとしてはリバイバルに近い。
デジモンシリーズとのコラボ商品。
デジモンはどういうわけか古くから誤植やミスが異様に多いことで有名なのだが、バトスピとのコラボ時も凄まじい量の誤植をやらかし、公式サイトにわざわざ全ての誤植を載せてエラッタを告知していた。
その中にはイラストのミスやフレーバーテキストのミスの他、効果テキストの書き間違えも幾つか存在しており、中でも《ホエーモン》は全体除去を自分の好きな時に発揮できるという記述になっていたのが、全体除去は相手に除去された時限定という形に修正されてしまい、悲しみを背負った。
Z/Xの場合
Z/Xは基本的に『使用できないカードがある』ということを忌避する傾向にあり、禁止カードである封神指定も2016年4月まで存在しなかった*15。
それでもカードプールの増加によって、カードの組み合わせによってとんでもないシナジーを発揮してしまう場合がある。
公式の声明では『カードやキャラクターに思い入れを持って、楽しく遊べるカードゲーム』を方針としているため、そういう場合に多少のテキスト変更でどうにかなる場合はエラッタをし、そうでない場合は一度封神指定に送ることで改めて調整するという形で対応している。
また、公式でフリーカード配布を行っているため発売前に配布したカードでぶっ壊れコンボが発覚し、後日修正して製品版も修正版に合わせるといったこともある。
ある種最大の特徴として、上記のエラッタや他のTCGのように『強すぎるカードをナーフするためのエラッタ』ではなく『弱くなってしまったカードに対する救済措置』として能力を強化するリビルド(再構築)というエラッタが存在する。
これも『かつての相棒だったカードと再び戦って欲しい』というキャラクター重視路線のZ/Xならではの措置と言える。
基本的には元々持っていた能力はそのままに、コストが下がったり追加で能力を得たりなどで使い勝手が向上している。
基本的にはカードに書いてあることに従う方針のため最新版に合わせるといったことはないが、エラッタ・リビルドカードのみ同名同種のカード全てにエラッタ後のテキストが適用されるようになっている。
そのため、非エラッタでテキストのデザイン変更により旧カードと新カードで挙動が異なる場合が存在する。
また、ごくまれにテキストデザインが同じで新旧のテキストが異なる場合があるが、基本的に挙動が同じなのでエラッタはされない*16。
以下ちょっと特別なエラッタ。
- 「紅い牙ルビーハウル」(P08-28)
- 「蒸発機械エヴァポレイション」(P08-34)
- 「驕傲の神祖ルシファー」(B21-113)
この3種の該当コレクター番号はカード名がそれぞれ「赤い牙ルビーハウル」「蒸発機械エヴェポレイション」「傲慢の神祖ルシファー」と誤植されている。
Z/Xは同名のカードを4枚までデッキに入れられるルールのため、誤植のままだと実質8枚積みが可能になるためカード名にエラッタがかけられたレアケース。まぁルシファーはともかく今時ルビーハウルやエヴァポレイションを8積みすることなんてまずないが。
- 「コード・ピルルク」
WIXOSSとの相互コラボカードで、Z/Xではプレイヤー「各務原あづみ」として、WIXOSSではルリグ《コード・ピルルク》として使えるという珍しいカード。
しかし当初はテキストに『このカードは「各務原あづみ」としても使うことができる』と書いていたため、「Aウィルスハザードのアクターレ」のような名称書き換え能力の影響を無視してあづみとして使用できるという本家の上位互換カードとなっていた。
そのため『このカードが「コード・ピルルク」の場合』という名称書き換えが行われていないことが前提となる一文が加えられた。
- 「Vジャンプ一の軍師カネマール」
Vジャンプ編集部をモチーフにしたカードだが、プレイヤーが「Vジャンプを統べる者イヨク」だった場合、イヨクを除外してカネマール自身がプレイヤーカードになるという唯一無二の能力を持っている。
当初は単なるジョークカードだったが、その後プレイヤーとゼクスが合体するイグニッション・オーバーブーストというシステムが実装されたことで状況が一変。
『オーバーブーストしたプレイヤーは持っていた能力をすべて失う』という裁定のため、カネマールがオーバーブーストし、その後ゼクスとして破壊された場合はカネマールがゼクスに戻り、プレイヤーのイヨクが除外されたままになるという問題が発生。
結果としてイヨクを除外する効果が強制から任意になり、カネマールがプレイヤー化した場合でもそのゲーム中オーバーブーストできないというエラッタがなされた。
- 「宵の魔人クレプス」(B02-075 ホロ仕様)
原因は不明だがカード名、コスト、色アイコン、パワーといった金箔捺し部分が青の「総司令官マイトネリウム」と入れ替わるという珍事異常事態に。
ちなみにマイトネリウムの方もホロ仕様のパワーが何故か9500と本来より500低く印刷されていた。
カードの交換が行われたが、エラッタが適用されているので別段そのままでも使えなくはない。誰が呼んだか「総司令官クレプス」
- 「聖獣オーラコマイヌ」(B02-042 通常)
フレーバーテキストの弓弦羽ミサキとなるべき部分が白主人公2となっている。
第2弾の追加主人公は名前を公募したという歴史があり、決定稿の前に仮で名前を入れられていたことが窺える。
元々は同名のカードもトラッシュから蘇生可能だったが、カードプールの増加に伴いというかローレンアニムスループが原因で処理が複雑になることや、能力の条件達成が容易になったことで開発においての影響力が高くなり蘇生対象を同名以外とする一文が追加された。
テキストの意図をわかりやすくするなど以外で初めて能力そのものにメスを入れ、公式が声明を出したある意味で転換点といえるエラッタ。
- 「覇王竜カーディナルブレード」
- 「鋼機竜ドライブピニオン」
- 「天界竜ホーリースカイ」
- 「滅獄竜デスティニーベイン」
- 「草華竜アイヴィーウイング」
リビルドの第一弾に抜擢されたB03収録のドラゴン五種。
カーディナルブレード以外は元々の能力に加えドラゴンLvの自動能力を追加されている。
例外のカーディナルブレードは『ゼクス1枚に8000ダメージを与える』という基幹部分はそのままに条件付きでチャージの除外を追加、コストを赤3から手札1枚に変更し、ドラゴンLvとターンに2回までの制限が付いた。
- 「透徹なるネフライト」
- 「隠し持つゾンネンシュターン」
リビルドの中でも特級の例外として能力が完全な別物に変わっている二種。
2017年に初版が刷られた当時は天ノ川衣奈と東雲纏がプレイヤーとして未実装だったこともあり汎用型として設計されていたが、パートナーの実装と名称主軸でのデッキ構築が可能になったため名称カテゴリーの方針に合わせたものと思われる。
ポケモンカードゲームの場合
エラッタではなくルール変更で対応されることがほとんどのため、直接エラッタされたカードはさほど多くない。同じ名前のカードであれば後に印刷されたものの内容が優先される。
- エネルギーリムーブ、超エネルギーリムーブ
相手のポケモンのエネルギーカードを1枚はがして捨てるトレーナーカード。超~は自分のポケモンからも1枚はがして捨てることで相手のポケモンからは2枚はがして捨てる。
いわゆる土地破壊に該当するのだが、1ターンに1枚しかエネルギーカードを付けられずポケモン一体一体に個別につけていくポケモンカードゲームにおいて、ノーコストでそれを妨害するのはあまりにも強すぎ、結果として必要なエネルギーが多く特殊能力も持たないポケモンの立場をなくしていた。
「リムーブ禁止ジム」なる非常にわかりやすいメタカードも作られたものの効果的とはいえず、最終的に発動に際してコイントスの成功が要求されるようになった。
- 特殊悪エネルギー、特殊鋼エネルギー
ポケモンカードneoにおいて新たに登場した悪タイプ、鋼タイプであるが、そのエネルギーは基本エネルギーカードではなく特殊エネルギーカードとして作られ、強烈なメリットとデメリットを備えているが対応するタイプのポケモンであればデメリットが無効化される、という効果であった。
しかしたった4枚しかデッキに入れられない特殊エネルギーカードでは悪・鋼タイプのポケモンを安定して運用するのは難しく、ましてや単色デッキの構築など不可能であった。そのためこれらのカードは「強烈なメリットとデメリットを備えた無色エネルギーカード」として使われるようになった。そしてその用法で結果を残したために殿堂入りすることになり、本来の使い手である悪・鋼タイプのポケモンはますます使われなくなった。
この事態を受け「対応するタイプのポケモンに付けられたときにのみ追加効果が発生するエネルギーカード」という効果にエラッタがなされ、その後基本の悪・鋼エネルギーカードも作られた。
- タケシのキュウコン
特殊能力「ばける」で1ターンに1度手札にある進化ポケモンになれるポケモン。任意に元のキュウコンに戻ることもできる。
全てのポケモンの進化を封じるプテラ、トレーナーカードの発動を封じるわるいラフレシア、トラッシュからポケモンカードを回収するわるいヤドランを併用することによって相手の行動を封じるパーミッションデッキ「タケキュウ」のキーカードとなった。
対策手段はプテラか特殊能力を封じる特殊能力を持つベトベトンを先に出すしかなく、その上カードの性質上カードプールが広がる程にさらなるコンボを生み出しかねない代物であった。
その為、エラッタにより化けた先の特殊能力は機能しないようになった。
Lyceeの場合
2014年に一度終わったが、最近復活したカードゲーム。
Lyceeは所謂キャラゲーものであるためか、環境を破壊するような壊れカードに対して禁止・制限等ではなく、エラッタでバランスを調整するという措置を行っていた。
…まあ実際は書いてあることと実際の挙動が違うカードが大量に発生したり、テストプレイが甘すぎて発売当日にエラッタという事態もザラだったので、褒められるものではなかったが。
ぶっちゃけ上述の作品達と比べるとかなりマイナーなのだが、とある1枚の雑すぎるエラッタのせいで、この手の話題では外せない作品である。それがこれ。
- 《奇跡》
(エラッタ前)
自分のゴミ箱のカード全てを持ち主のデッキの一番下に置く。
デッキをシャッフルする。
このターン終了時、自分はゲームに敗北する。
開発側としては最後の足掻きで使う、MtGの《最後の賭け/Final Fortune》的なカードとして作ったのだろう。
だが実際はコンボパーツを再利用しまくって奇跡どころかほぼ100%1キルするためのカードとして悪用されていった。カードの効果に「1ターンに1回まで」等の制限がない辺りで察しろ。
まあ流石に運営側がこれを見過ごすはずもなく、《奇跡》に対してエラッタを敢行。これがその衝撃のエラッタ。
[[「奇跡は起きます、起こしてみせます」>トップをねらえ!]]
(エラッタ後)
自分のゴミ箱のカード全てを持ち主のデッキの一番下に置く。
デッキをシャッフルする。
自分はゲームに敗北する。
あら不思議。10文字足らずを消しただけで自分が負けるだけのカードに早変わり。
[[「起きないから、奇跡って言うんですよ」>美坂栞]]
デジタルカードゲームの場合
印刷されるTCGと違い、カード自体はコンピュータ上で管理するDCGではエラッタが非常に容易である。
環境に変化をもたらすため、弱すぎるカードを上方修正することを「ビーフアップ(Beef UP)」、反対に強すぎるカードを下方修正することを「ナーフ(Nerf)」とも呼ぶ。
大半のDCGには手持ちのカードを分解/合成してゲーム内通貨を得られる機能があるので、ナーフ実施の際にはしばらくの間対象カードの分解で得られるゲーム内通貨を合成時のコストと同じ額にされることが多い。これはそのカード目当てで購入したプレイヤーへの補填の意味が込められている。
アーケードカードゲームの場合
TCGのようにカード自体は筐体から排出されるが、カードデータの管理自体はDCGと同じくコンピュータ上で行うタイプのゲーム。
こちらもコンピュータ上のデータさえ直してしまえばいいので、エラッタは容易。
そのため、排出されたカードのテキストやアイコンなどと、実際に動作するカードの性能が異なるということも多い。
また、2枚以上の同じカードを使用するゲームが少ないため制限カードや禁止カードを規定する必要性が薄く、環境の調整はエラッタで行うことが大半となる。
項目の文章の追記・修正をお願いします。
【エラッタの施行】《エラッタ(TCG)》のテキスト変更について
ブースターパック『アニヲタWiki(仮)』に収録されております《エラッタ(TCG)》のテキスト変更についてお知らせ致します。
【旧テキスト】項目の文章の追記・修正をお願いします。
【新テキスト】項目の文章の追記・修正をしなければならない。
新テキストは&today(j)より適用されます。
適用日より新しいテキストに読み替えて使用して頂きますようお願い致します。
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▷ コメント欄
- 元は他のTCG項目みたく「エラッタ(TCG)」として建てる予定だったけど、他はあんまり詳しくないから断念。でもMtGだけで十分なボリュームになった…。代表例として挙げたカードのいくつかは個別ページも建てるかも。 -- 建て主 (2016-07-11 05:35:15)
- お疲れ様です。破滅を導くものとか加えていいですかね? -- 名無しさん (2016-07-11 09:48:17)
- Black Lotusのページにリメイクについての記述を増やしたので、そちらにLEDの記述を一部移しました。↑どうぞどうぞ。内容がコンボ集なのは、建て主がそれしか知らないだけだし…。 -- 名無しさん (2016-07-11 10:44:36)
- 伝道者かきました。パララクス関係とかインタラプトとかは難しいのでとりあえずパスします -- 名無しさん (2016-07-11 14:04:16)
- マナバーン前提に調整されたカードってエラッタ出してくれてもいい気がするんだけどやっぱダメなのかなぁ。対抗呪文が不憫でならない -- 名無しさん (2016-07-12 20:12:07)
- うーん、波のエラッタの文章が難しい… -- 名無しさん (2016-07-14 15:26:38)
- マナバーン廃止の影響は強化・弱体両方とも多数あるから、それを全部エラッタというのは現実的ではないと思う。 -- 名無しさん (2016-07-14 16:09:56)
- 他TCGの内容も載せたいとのことなのでデュエマを追記。非ログインユーザーゆえ記事名を変えられないので誰か(TCG)に変えておいて下さい -- 名無しさん (2016-07-22 22:46:35)
- ↑正直MtGだけで結構分量あるし追記してくれた分もボリュームあるからエラッタ(DM)で項目分けてもいいと思うんだけど。(さすがにこれ以外のTCGの内容が入ると量が増えすぎるし) -- 名無しさん (2016-07-30 16:22:54)
- 遊戯王のエラッタ釈放とかバトスピのエラッタでのコンボ非成立とか書けないこともないよな -- 名無しさん (2016-08-17 16:27:51)
- ↑↑亀レスだけどみだりに項目を分割するのはいけない(消される項目例 参照)らしいしエラッタ(TCG)のまま内容を減らす方がよくない? -- 名無しさん (2016-09-07 22:55:23)
- 内容を減らすのは基本推奨されてないよ まず他のTCG項目程長いわけじゃないし追記した方がいいくらい -- 名無しさん (2016-09-08 10:07:14)
- エラッタと言えばlyceeだなぁ。インフレカードを紙クズに変えるイメージデカイし、実際その通りだし。奇跡とか -- 名無しさん (2016-09-09 00:09:22)
- エラッタとオラクル更新の違いが分からない -- 名無しさん (2016-10-16 02:53:35)
- SCP‐682(ボソッ -- 名無しさん (2017-02-10 14:35:37)
- 何故ドデビルが載ってない -- 名無しさん (2019-04-09 20:00:24)
- おにぎりシュート製作者はそれで勝つつもりでそのデッキだけ持って参加(海外)したらエラッタ食らって当日会場で店出してるバイヤーからカード買ってデッキでっち上げて挑んだとか言う話 -- 名無しさん (2019-07-10 23:04:49)
- 旧ガンダム・ウォーはエラッタではなくルール改正で(大量の巻き添えとともに)デザイナーズデッキを潰したりしてたな -- 名無しさん (2019-09-24 12:36:31)
- MTGにおいてパワーバランスを理由にしたルール変更が発生…したものの、対象のキーワード能力は全て注釈文がついているため実質エラッタ。でもルール改定だから便宜上はエラッタではない。それでいいのかWotC -- 名無しさん (2020-06-12 10:55:11)
- 項目を立てるまでもないかも知れんが、ポケモンカードにも多少ある -- 名無しさん (2020-08-14 12:00:51)
- ポケモンカードでも初期に少数ながらあった。ぶっちゃけ壊れ性能だったプラスパワーとかエネルギーリムーブ(超も)とか。 -- 名無しさん (2021-05-04 23:38:13)
- mtgのおにぎりシュートの手順が間違ってるな、投げ飛ばしで生け贄に捧げるのは追加コストなので、先におにぎりのパワー20にしてから唱えないといけない -- 名無しさん (2021-10-14 11:41:39)
#comment
*2 ちなみにこのエラッタ、全言語含めフレーバーテキストに対しエラッタが出てる唯一の例だったりする。
*3 似たようなことは当時のリアニメイトや現レガシーのドレッジ(発掘デッキ)でも行われることがある
*4 ウィザーズ曰く「無理に戻して禁止・制限するよりそのままの方がいいでしょ?」と
*5 《Illusionary Mask》の効果で裏向きに出し、あとで表向きに戻すと、元から戦場に出ていた出た扱いになり生贄能力は誘発せず、そのまま12/12トランプルで登場する。
*6 エラッタ中はもみ消す前に墓地直行だった
*7 通称0キル。
*8 動きは複雑なのでMtG:Wikiの当該ページを参照。
*9 現行のルールだと「終了ステップの開始時に」に相当する。
*10 唱えた時に一定数の消散カウンターが置かれ、ターン開始ごとに消散カウンターが取り除かれ、マイナスになるとこれ自体が墓地に行くので、カウンターを補充する手段が無いと時限式となる。
*11 スタンダードでもバランス自体は取れていたが、それも「相棒を入れることが大前提」という形だったので「歪んでいる」ことに代わりはなかった。
*12 破滅の時までプレインズウォーカー・カードには「伝説の」と書いてないので、複数枚並べても対消滅しなくなる。
*13 例えば「カードを1枚引く」は「draw a card」なので1を指定しても対象にならない
*14 カードプールにないも同然のミスティカルアーカイブ0日禁止組と禁止から日の浅い《タッサの神託者》《時間のねじれ》を除く
*15 ちなみにZ/Xの製品版が発売されたのは2012年7月なので4年越しということになる。
*16 『カードを1枚まで選ぶ』と『カードを1枚選んでよい』など。
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