スタナー/カッター(プロレス技)

ページ名:スタナー_カッター_プロレス技_

登録日:2016/05/26 Thu 01:02:01
更新日:2024/01/23 Tue 13:39:01NEW!
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■スタナー
■カッター


「スタナー(Stunner)」「カッター(Cutter)」はプロレス技の一種。
相手の頭を自分の肩口に担ぐようにして、両手、或いは片手で背中越しにロックし、倒れ込む勢いを利用して顔面、或いは顎や首を叩きつける技の総称として使われている。


技の系統としては古典的なプロレス技であるネックブリーカー・ドロップ(首折り落とし)の体勢を反転させた技と言える。
また、同型の技は流行する以前より存在していたともされるが、この技が必殺技として認知されたのは90年代も後半に入ってからの事である。*1
投げ技ではあるが、ダメージの与えかたから打撃技にカテゴライズされる場合もある。


【歴史】
元祖とされるのは、90年代の全日本プロレスを主戦場としていたジョニー・エース(ジョン・ロウリネイティス)で、彼がこの変形顔面砕き、首折りを“エース・クラッシャー”の名前で広めたのが最初。
もっとも、エース自身が使っていた当時は、エースがまだガイジンエースでなかったことや、過激な脳天垂直落下式の技が流行しており、特に全日本プロレスでは「四天王プロレス」が全盛期を迎えていた為か、この“エースクラッシャー”は見映えこそいいものの、あくまでも繋ぎ技としての地位しか獲得出来なかった。


その認識を変えたのは、海外マットであった。
96年頃から当時の米二大マットであるWCWでダイヤモンド・ダラス・ペイジ(DDP)が、WWF(現:WWE)でストーン・コールド・スティーブ・オースチン(ストンコ)が、同型、同系統の技をそれぞれ“ダイヤモンドカッター”と“ストーンコールド・スタナー”の名称で使用を開始。
二人が団体内で出世していくと共に、それぞれの技も大流行を果たすことになる。


米マットではこの二つの技は一撃必殺のフイニッシャーとして定着。
日本でも、その威力と格好よさが改めて評価されるとともに使い手を増やしていった。


【解説】


■スタナー系
同系統の技の内、仕掛ける側が尻餅を付くように着地するとこう呼ばれる。
初期型エースクラッシャーやストーンコールド・スタナーが代表格。
二人分の体重が仕掛けた側に諸にかかる危険がある等、負担もリスクも大きいとされる。
また、ダメージ部位が顔面よりも顎や喉にかかる割合が高く、米国ではプロレスごっこの事故で実際に死人も出してしまっているとの事。
見た目も地味な技だったが、ストンコは前動作として腹部への前蹴りを取り入れたことで躍動感を出すことに成功。
事実上、フイニッシャーとしてはストンコのみの専売特許となっている。


■カッター系
ジョニー・エースが初期型エースクラッシャーの反省から、自分の体を水平方向に流すようにしながら叩きつける方式を改良型エースクラッシャーとして考案。
これを友人であったDDPが直接伝授されてダイヤモンドカッターの名称で使用を開始した事で定着していった。
遅咲きのスターDDPは、この技を一点特価型の技として磨きをかけていき開発者のエースを越えるバリエーションを生み出していった。
カウンター技としても重宝され、ザ・ジャイアント(ビッグ・ショー)を破ったシーンはWCW末期の名場面の一つとして記憶されている。
技の見映えがいい上に仕掛ける側の負担も少なくて済む為か、以降の同系統の技は基本的にダイヤモンドカッターの形が踏襲されていく事になった。


■変形・合体型
バリエーションとして、落下させるまでに持ち上げ形に変化が加えられたりする。
ファイヤーマンズキャリーの形からスイングさせてカッターで落とす技(TKO、スイング式ガンスタン……etc.)は、使い手も多い変形技。
合体技としてはECW、WWE、TNAと幅広く活躍したダッドリーボーイズの3Dが有名。
同技は日本でも天コジらをはじめとして模倣されている合体技の傑作である。


【代表的な使い手】


■ジョニー・エース
同系統の技の創始者とされる。
代名詞のエース・クラッシャーにより、地味とされながら90年代の全日に定着。
前述のように“スタナー”と“カッター”の両方の形を考案。
他にも多くのバリエーションを生み出しているのは特筆すべき所。
カウンター式のリフトアップから決めたメキシカン・エース・クラッシャーは伝説的な大技として記憶されている。


【スタナー系】


ストーン・コールド・スティーブ・オースチン
改名前のWWF最後の大エースとなったテキサス産ガラガラ蛇。
必殺の“スタナー”は本人の述懐によれば、現在もWWEのストーリー構成を手掛けている元ファビュラス・フリーバーズのマイケル・ヘイズから教わったとしているが、WCW時代にエースから初期型エースクラッシャーを教わったとする記事も存在する。


サンティーノ・マレラ
元々、回避技として定番化していた前後開脚をスタナーに応用してを繋ぎ技として使用。


ジョン・シナ
一風変わったアレンジの技を取り入れたがるWWEの看板スター。
セカンドロープに飛び付いた後に決める、背面スプリングボード式スタナーを使用。


■スペル・デルフィン
日本を代表するルチャドールの一人。
リバース・ブレーンバスターで着地させてから決める“大阪御堂筋スタナー”を考案。


■ドラゴン・キッド
ドラゴンゲートの神の子。
スプリングボード式の飛び付き式スタナーを使用。


■高木三四郎
DDTプロレスの代表にして文科系レスラーを自称する。
ストンコのファンとして知られ、敬愛の念を込めてスタナーを使用。


■田中将斗
FMWを経て、国内外の団体をメジャー、インディーを問わず渡り歩いた弾丸エルボーの使い手。
コーナーポストから一回転して決める“ダイヤモンドダスト”は海外遠征から持ち帰ったオリジナル技だった。



【カッター系】


■ダイヤモンド・ダラス・ペイジ(DDP)
末期WCWのトップ選手の一人。
ブレイクを果たしたのが40代も中盤に差し掛かってからという苦労人。
改良型エース・クラッシャーを元にしたのは、そもそもが腰痛持ちだったという事情もあったらしい。


■ランディ・オートン
WWEのトップ中のトップの一人であるオートンは、自らの頭文字にも掛けたRKOの名称で使用。
オートンの場合は仕掛ける際のシチュエーションに特に重点を置いて使用しており、数々の名場面を生み出してきた。
なお、オートンは同技の使用にあたってDDP本人からの許可を得たと公言している。


■カール・アンダーソン
08年から15年まで新日本プロレス常連外国人レスラーとして活躍したマシンガン。
必殺のガン・スタンは技の名称から飛び付き式スタナーと紹介されていたが、形としては飛び付き式のカッターであった。
現在はWWEを経てImpact wrestlingに移籍。


■マット・ハーディー
ハーディーズの兄ちゃんの方。
相手の頭を正面から抱えておいてから、自らが反転してカッターで叩きつける“ツイスト・オブ・フェイト”をフィニッシャーとしていた。
弟ジェフや、元カノのリタも同名の技を使用していた事がある。*2


■ババレイ・ダッドリー
米マットに残る名タッグチーム、ダッドリーボーイズ(チーム3D)の大きな方。
ディーボンがフラップジャックで相手を担いだ所にカッターを決める“3D(Dudley Death Drop)”で知られる。


■小島聡
日本人としては逸早く同技“コジコジカッター”として取り入れ使用していた。
使用開始当初はフィニッシャーだったが、基本的には繋ぎ技。
相棒の天山広吉との“天コジカッター”も有名。


■マーク・メロ
旋回式カッターを“TKO”の名称で使用。


■太陽ケア
旋回式スタナー(カッター)の“ハワイアン・スマッシャー”は初期のフィニッシャーであった。




追記修正は相手を飛び付き様にマットに沈めてからお願いします。


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  • ダイヤモンドダストはこの系統じゃないのかな? -- 名無しさん (2016-05-26 19:44:25)
  • ↑同系統。後で追加しとこう。 -- 名無しさん (2016-05-26 20:00:25)
  • カッター使いの中じゃオートンはフォーム、高さ、バリエーション、どれも頭ひとつ抜けてると思うわ -- 名無しさん (2016-09-20 17:01:08)

#comment

*1 メキシカン・チン・クラッシャーの様に古典的な痛め技、裏技として存在していた。
*2 マット以外はリバース式で決める場合が多かった。

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コメント

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