張り子の基地/SITTING DUCK(エースコンバット04)

ページ名:張り子の基地_SITTING DUCK_エースコンバット04_

登録日:2016/05/05 (木) 11:49:38
更新日:2024/01/23 Tue 12:35:12NEW!
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エースコンバット エスコンミッション項目 エースコンバット04 シャッタードスカイ 2004年 伝説の始まり メビウス1 張り子の基地 ユリシーズ 9月19日 9回裏2アウト満塁



' S I T T I N G D U C K '


1405hrs. 19 September 2004



MISSION 01

"「張り子の基地」/2004年9月19日1405時"




小惑星ユリシーズ(1994XF04)の落下から4年後。
もともと隕石を撃ち落す目的で作られたエルジア軍の制圧兵器「ストーンヘンジ」は
対空砲としての真価を発揮し、大陸の空を支配していた。
ISAF(独立国家連合軍)は「ストーンヘンジ」の空爆を試みるが、これに失敗。
逆に大陸の主な拠点を失い東海岸よりノースポイントへ撤退する。
ここで残存兵力の再編成をはじめたISAF総司令部であったが、
すでに大陸のほとんどを手に入れたエルジア軍は
接収したリグレー飛行場に爆撃機を集結し
ノースポイントをその射程にとらえていた…




THE USEA CONTINENT/NORTH POINT/
SEP. 1 9.2004/ 1405h r s/CLOUDY   






DATE > 1405 / 0919 / 2004
AREA > Newfield Is.
OPERATION > UMBRELLA

早速だが出撃任務だ。
先ほど早期警戒レーダーが敵の工作員に破壊され、爆撃機数機が領空に侵入した。
敵は15分後にアレンフォート飛行場上空を通過、それを爆撃したのちノースポイントへ向かうつもりらしい。
我が軍の防空火力は脆弱で、総司令部は張り子の基地も同然だ。
ニューフィールド島を通過する前にすべての爆撃機を撃墜し、爆撃機の侵入を絶対に阻止せよ。
諸君らはノースポイント防衛戦の先陣だ。ISAFの延命に全力を尽くしてもらいたい。





「張り子の基地/SITTING DUCK」は、フライトシューティングゲームACE COMBAT 04 shattered skiesに存在するミッション(ゲームステージ)の1つ。
ミッションナンバーは01。本作のファーストミッションとなる。


「全てが変わる、再び」のキャッチコピー通り、既作品から大きくイメチェンをした『04』とはどんな作品なのか。
それをプレイヤーに理解させるためのチュートリアルステージである。



前史

「小惑星XF04(ユリシーズ)」のユージア大陸落下と、それに続く経済危機。首都に隕石片の直撃を喰らいながら、仲が悪かった他国から難民を押し付けられた大陸西方のエルジア共和国は遂にブチギレ、国際共同事業で作られたはずのユリシーズ迎撃砲・ストーンヘンジを占拠。
ストーンヘンジがある中立国サンサルバシオンを侵略して、事実上大陸の支配に乗り出したエルジアに対し、大陸の諸国は独立国家連合軍(ISAF)を結成して「大陸戦争」を始める。だが、ストーンヘンジの悪魔的パワーの前に航空戦力は機能停止し、地上軍は圧倒的な数の差で追い散らされていった。
とうとうISAF司令部はユージア大陸本土を捨て、北東の島国ノースポイントへ逃げ出す。ミッションのブリーフィング画面では初めにユージア大陸が表示されるが、「張り子の基地」のブリーフィングではISAF勢力圏であることを示す水色の網掛けが一瞬で消滅するアニメーションが挿入され、その無様さが端的に表されている。


いまやISAFに残されたのは大陸東端部の諸島と、大陸北東部の軍港都市、セント・アーク半島のみ。
おまけにノースポイントの防空体制は脆弱で、エルジア軍はセント・アークからのISAF撤退を妨害する傍ら、ノースポイントの目と鼻の先にあるリグリー飛行場に爆撃機を集結させていた。


そして運命の9月19日。飛来したエルジア空軍を迎撃するべく、ニューフィールド島近郊の洋上に停泊するISAF空母から、数機の戦闘機が発艦していく。
緒戦の生き残り、あるいは新人たちで構成された寄せ集め部隊だ。オメガ、レイピア、ヴァイパー、ヘイロー……。所属隊を示すコールサイン(戦闘中に使う暗号名)も完全にバラバラ。
その中にはただ一人、「メビウス」の名を持つ機体があった。



ブリーフィングムービー後、ポリゴンのリアルタイムデモムービーが挿入される*1。『04』ではこうしたデモシーンは数少ない。
空母フライトデッキに引き出され、カタパルトに繋がれる群青のF-4Eファントム。機体を舐めるようなカメラアングルは、垂直尾翼に描かれたリボンのエンブレムと[MOBIUS-118]のマーキングを映し出す。
バリアーが上がり、アフターバーナーが点灯。F-4Eは海へ向かって打ち出され、直後に大空へ加速していく……。


Amidst the blue skies A link from past to future
The sheltering wings of the protector



作戦領域:ニューフィールド島

タイトルムービーのロケ地でもある、ユージア大陸北東・ノースポイント諸島の南方約60マイル(約96km)に存在する島。
北部には空軍基地がおかれているアレンフォート飛行場が存在する。その他は西沿岸部に市街地が点々としているくらいで、北国らしく寒々とした光景が広がっている。


このニューフィールド島はストーンヘンジの射程外であり、止めきれなかったユリシーズの破片が落下している。東部中央の沿岸を抉るように穿たれたクレーター「アンダーソン」がその傷跡だ。
タイトルムービーで自由に空を飛ぶF-22ラプターから一転、プレイヤーの目に叩きつけるように映されるクレーターのインパクト。作品サブタイトルである「砕かれた空」が何を意味するのかを端的に表している。


島中央の山脈が防壁となり、アレンフォートを初めとする島の西側はかろうじて生き残ったが、市街地がモロに巻き込まれた東側はかなり悲惨なことになったようだ。
クレーターの南側には調査用らしきクレーンが建てられている。『04』の戦いから暫く後にはクレーターの埋め立てを含む東部復興計画が考えられているようだが、島全域のダメージが大きく、戦中のゴタゴタが抜けきっていないことや、地質学会からの埋め立て反対表明などもあって、あんまり捗っていないらしい。





ミッション攻略

 AWACS 
《こちら管制機スカイアイ。聞こえるか?》

[ SYS      ]            
[ MISSON START ]


 AWACS 
《君のコールサインは「メビウス1」だ。》
《貴機はこちらの管制下に入った。》
《まもなく爆撃機が見える、全機撃墜せよ。》
《今日は俺の誕生日だ。勝利をプレゼントしてくれ!》



作戦開始直後、シリーズ初登場となる「早期警戒管制機(AWACS/エイワックス)」からの挨拶が入る。長距離レーダーを搭載した電子戦機E-767に搭乗して、数百キロ離れた場所から戦況を分析し、友軍を指揮するオペレータ集団だ。プレイヤー達にはそのリーダー格が指示を出す。
『04』のAWACSはコールサイン・スカイアイ。9月19日生まれの男性ということ以外の人物像は不明だが、オペレータの鑑とも言える冷静で固すぎない勤務態度と、時折放つ上手い台詞回しで緊張をほぐしてくれるナイスガイだ。ゲーム全編を通して多くのプレイヤーの支えとなるだろう。
勘違いしやすいが、ブリーフィングを担当しているのは別の人なのでごっちゃにしないように。


同時に、プレイヤーはこのゲーム中で自分が「メビウス1」と呼ばれることを知る。
観察力のあるプレイヤーなら、デモムービー中で映った機体のエンブレムが「メビウスの輪」を模した物なのだと気付くかもしれない。

 AWACS 
《メビウス1、交戦。》


 FRIEND 
《逃がすなよ。戦争が今日終わっちまうぞ!》
 FRIEND 
《こんなところまで敵の戦闘機が来るのか。》
 BOMBER 
《各機、コースを維持しろ。》


そしてこれも本作で大幅にパワーアップした「リアルタイム混信無線」。ミッション中はランダムで敵味方の無線が流れるのだ。
作戦中に共用周波数で話してんのか…と思うかもしれないが、これはゲーム上の演出であり、作中の敵味方の無線が互いに通じているわけではなく、実際通じていると判断できる場面はない。
作戦ごとに流れる限定無線もあり、世界観を探る一助となるものも多い。本作戦でも自機が市街地やクレーター上空を通過するとその都度報告してくれるのだ。


 AWACS 
《メビウス1、アンダーソンクレーター上空を通過。》
 AWACS 
《メビウス1、まもなくアレンフォート飛行場上空。》


自機が撃墜したり、ロックオンされたりすると、スカイアイや友軍が褒めたり警告してくれる。
この演出が齎す臨場感は半端ではなく、プレイヤーに「フツーに飛んでるだけなのになんか褒められたり怖がられてる」=「なんか上手くなった気がする」という高揚感を持たせることに成功している。


 FRIEND 
《爆撃機すぐそこ!》
 ENEMY 
《進路を変えるな!》
 FRIEND 
《無理に戦闘機を相手にするな。爆撃機を優先しろ。》


作戦成功条件は制限時間(10分)内の全ターゲットの破壊。Sランククリア条件は840ポイント以上の戦績達成。
ターゲットはTu-95爆撃機(ベア)が6機。2機編隊を組み、前後に等間隔をあけて真っ直ぐ北上している。
護衛戦闘機も周囲を飛んでいるが、油断しきっているのか数は多くない。流石に1stミッションということでこちらへの攻撃も控えめだ。


 FRIEND 
《やつら、行きがけの駄賃にアレンフォートを爆撃するつもりだ。》
 BOMBER 
《目標まで5マイル。爆撃航程に入る。爆弾倉開け。》


スタート地点からまっすぐ飛ぶと最後尾の2機が見えてくる。ただまっすぐ飛んでいるだけなので、こいつらを練習台にして操作に慣れておこう。
ただし、難易度HARD以上では後方機銃を撃って反撃してくるので注意。機銃キル縛りプレイをしているのではない限り、とっととミサイルを叩き込んで離脱しよう。
2機を落とせば順次前進して残りのターゲットも補足して以降。可能な限り護衛戦闘機も墜として空戦の練習をしておきたい。


 AWACS 
《ターゲットは市街地を爆撃中。》
 BOMBER 
《総司令部に落とす爆弾を残しておけよ。》
 BOMBER 
《大陸とは違うぞ、落ちたらサメに注意しろ。》


敵軍が壊滅寸前とはいえ、ノースポイントへの進路上にある飛行場、そして市街地をついでに爆撃していく胸糞の悪い光景(爆撃機下の地上ではしっかり爆発している)……。
彼らにとってはそのまま海に落ちた方が救助される可能性があるだけマシかもしれない。市街地に落ちようものなら、気の立った市民達に「サメの餌」に加工されてから海に放り込まれるんじゃなかろうか。

[ SYS     ]            
[ DESTROYED ] 

 BOMBER 
《こちら3番機、やられた、高度がたもてない!脱出する!》
 AWACS 
《ターゲット、残り3。》


また、『04』以降の作品では固有名がついた「ネームド機」と呼ばれる特別な敵機が登場する。『2』では通常のミッション中にも名前付きの機体が登場していたが、本作以降は一度ゲームをクリアしたデータで「2週目」を開始すると、特定のポイントに名前付きの敵機が追加される形になった。これらを撃墜すると特別カラーの自機が購入可能になるのだ。
本作戦ではアレンフォート飛行場からさらに北に進んだところにF-5E[WANG]が飛んでいる。


前述したとおり、ターゲットを全滅させるとミッションクリア。『04』ではクリアランク判定に時間は影響しないため、良心が痛まないならば空中から島の全景を観光してみるのもよいだろう。アンダーソンクレーターは必見。
難易度VERY HARDで全敵を殲滅してノーダメージクリアを達成すれば、中級者卒業試験の第一問合格といったところか。

[ SYS      ]                   
[ MISSON ACCOMPLISHED ]



 ALLENFT 
《スカイアイへ、こちらアレンフォート。爆撃機の撃墜を確認。》
《撃墜したエースは誰だ?礼を言っといてくれ。》


 FRIEND 
《よし、お仕事はおしまいだ。お家に帰ろう!》




だが、これで危機が去ったわけではない。今回墜としたのは尖兵に過ぎないからだ。
いまだ脅威は残存している。




諸君らの活躍により、爆撃機の進入は阻止された。

この勝利を無駄にしないためには、次の行動が必要である。





SIDE STORY #2

戦争は瞬く間に進んだ
いつの間のことだったのだろう 西から来た軍隊に 町が占領されたのは
私は そんなことにも構わず 来る日も空を見上げ あの『黄色の13』を 見つけようとしていた


気がつけば 全てが変わっていた
学校で習う言葉… 呑気な町の巡査は 姿を消し 外国の憲兵が代わって立った
はじめのうち人々は パラボラアンテナを掲げ ノースポイントからの放送を 見ようとしていたが
やがて 衛星が破壊されたのか 何も映らなくなった
軍事用以外のすべての コンピューター・ネットワークは 遮断され 占領下の市民へのガソリン供給は滞った
21世紀のこの世が 鉱石ラジオと 荷馬車の時代に 逆戻りした


私は 町中に住む叔父の家に 身を寄せていた
ガソリン無きタクシー運転手である 叔父は 仕事も無く ひたすら酒に溺れていた
私は 近所の酒場で 得意の ただひとつ得意であるところの ハモニカを吹いて
意地悪な占領兵の施すチップを得ては 叔父の家計を 助けねばならなかった
叔父は敵兵相手に商売する 酒場の親父の陰口をたたきながら しかし 私の持ち帰る 日々の実入りを 拒むことは けっしてなかった
私は――といえば 実のところ 少しばかり年上の 酒場のひとり娘に 心奪われていた


『黄色の13』を記した戦闘機は 今日もこの町の空に現れない





「黄色の13」が撃墜した戦闘機が自宅に墜落し、家族を失った幼き日の「私」の目を通して、占領下の町の日常が語られる。
「私」が暮らすのが、後にメビウス1も訪れることになるサンサルバシオンの旧市街であることがわかるのは、幾分先の話となる。
メビウス1もこの時点では存在すら知られていない。「私」にとっての戦争は、開戦前とは違う意味で遥か遠い国の出来事なのだ。








メビウス1、追記・修正はクレーター観光を終えてから頼む。



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  • スカイアイの管制は男性なのかぁ……。女の子のほうがいいなぁ(遠い目 -- 名無しさん (2016-05-05 12:16:08)
  • ネームド機の概念自体は2からあったわけだけども。 -- 名無しさん (2016-05-05 12:40:56)
  • これとエスコートのミッションはいまだによく覚えてるわ -- 名無しさん (2016-05-05 16:19:08)
  • おっと、ストーンヘンジとかじゃなくてこっちが来たか。それはそうとノースポイントとニューフィールドの距離おかしくない?これだとノースポイントの南とか言う話じゃない気が……(苦笑 ↑ 3だと実質なかったし、2自体もはや昔だからねぇ -- 名無しさん (2016-05-05 18:16:02)
  • 書き違えていた>距離   ある意味では最も04に相応しいミッションではないかと思う。最初の発進デモからの流れが最高。 -- 名無しさん (2016-05-05 18:24:34)
  • どこで見たか忘れたけど、敵側などの無線はプレイヤー(メビウス1ではない)にだけ聞こえてると聞いた気がする -- 名無しさん (2016-05-05 21:19:24)
  • 最初のミッションでファントムを選ばされるのはこれとXの「Skies of Deception」だけだっけ? -- 名無しさん (2016-05-05 21:30:39)
  • 愛溢れる項目だな -- 名無しさん (2017-03-08 22:34:18)
  • ↑2 あれ? 2もF-4選べなかったっけ? 最初のミッションで -- 名無しさん (2018-10-07 11:05:01)

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*1 下記の「F-4Eファントム」に搭乗した時にのみ挿入されるムービーとなっている

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