登録日:2015/12/26 (土) 20:08:42
更新日:2024/01/16 Tue 13:49:51NEW!
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漫画 角川 魔法少女 90式戦車 災害 陸上自衛隊 トランスフォーマー 異能力バトル ツァラトゥストラはかく語りき 能力バトル 魔法少女ここねはかく語りき 魔法少女パンツァーここね☆ 七六 秋山殿推薦 ゴーレム創生 メカ×魔法少女 これが、理想郷(アヴァロン)!
魔法少女に出会いました。そして、私の物語は始まりました——。
概要
『魔法少女ここねはかく語りき』は月刊ドラゴンエイジで連載していた漫画作品。作者は少女やメカもいける絵師・漫画家の七六氏。全3巻。
タイトルにある通り魔法少女もの。絵柄やキャラデザインは萌え絵寄りで、激しいバトルもある反面、物語の雰囲気は明るい作品となっている。
ジャンルは「美少女×メカ」だが、これは登場する魔法少女がメカメカしいのではなく(若干メカっぽいところもあるが)、少女と機械の共演を指す。
可愛らしいキャラデザに反してメカ表現が細かく、日本が舞台であることから主に陸上自衛隊の兵器が幾つか登場している。
機械兵器との戦闘の他に、魔法少女同士の能力バトルの側面も持ち、多種多様な能力を活かした戦闘が展開される。兵器が多く登場する上、状況説明などもミリタリーチックなのも特徴。
可愛い魔法少女たちに萌えても良いし、軍事的な機械兵器群に燃えても良い。二つの属性のギャップを楽しんでも良いという美味しい作品。
作者によれば、企画を出す際に自分の好きなものをならべて「とりあえず全部」となったのがこの物語なんだとか。
明るい雰囲気の反面、この世界では魔法使いによって関東一帯が消滅していたり、それにより魔法使いは【災害】と認定されて国の軍隊に追われる立場だったりと、設定はやや暗め。
タイトルは哲学者フリードリヒ・ニーチェの著書『ツァラトゥストラはかく語りき』から取られていると思われ、作中でも哲学関連の用語などから取られたものがいくつか登場している。
ちなみに単行本一巻の帯には戦車マニアのキャラで知られる『ガールズ&パンツァー』の登場人物、秋山優花里による応援メッセージが書かれている。
店頭でこれを見て単行本を買った人もいるのではないだろうか。
ストーリー(富士見書房HPより)
「なら私、魔法少女になる。」
戦車に追われながらも自分を守ってくれた魔法少女・星夏憐を救うため、
少女のグリモアを託されたここねは、世界に【災害】と認定された魔法少女になることを決意する。
魔法使い
超常的な力である『魔法』を使う者のこと。関東圏が消滅した『はじまりの魔女事件』からの生き残りの中から突然発生し、一個人で街ひとつ滅ぶ力を持つ者もいたという。
事件以降、日本人は海外への渡航を禁止され、魔法使いへの対応として日本政府は魔法使いが魔法を使った際はそれを「災害」として扱い「特SS級災害対策出動」がかけられることになっている。
魔法使いは主人公のここねを除いて例外なく『グリモアールの欠片(通称グリモア)』を肉体に宿しており、魔法はグリモアによってもたらされている。魔法と一言で言ってもグリモアによってそれぞれ魔法の特性は異なる。
また、魔法使い同士が一定の距離まで近づくとお互いのグリモアの位置を大まかに感じ取れるようになる。
元々は「はじまりの魔女」が創造したと言われる、世界の法則を収めた函『グリモアール』が初動実験の際の爆発事故によって欠片となって散らばり、現在は日本中に存在するとされている。
登場人物
●瑠々色ここね
「この状況、私知ってます!」
cv:阿澄佳奈(テレビCM)
魔法少女オタクの女子中学生。漫画やアニメの魔法少女が大好きなのだが、魔法使いが【災害】認定されている影響で、魔法モノのジャンルが半規制状態になっていることに不満を感じている。
納得のいかないことがあると相手を質問責めにすることがあり、これは通称「なぜなに病」と呼ばれ、これをネタに友人からはからかわれている。妹がおり、両親は共働きであるらしい。
ある日、魔法使いである星夏憐と、それを追う自衛隊の戦闘に巻き込まれるが、星が身を挺して守ってくれたことから、軍に拉致された彼女を助けるために魔法少女となる。
魔法使いとしての能力は『無機物の知性化』。杖(槌?)型のグリモアで無機物を押印することで知性を与え、使役することができる。
魔法使いとしての資質は前任者の星よりも優れており、彼女にはできない戦車を知性化することや言語機能を付与することも可能。作者のあとがきによれば、ここねの魔法は「ゴーレムを造る」魔法であるとのこと。
これまでに出た全ての魔法少女モノのデータが頭に入っているらしく、いわゆる「お約束」な状況の打開例を知り尽くしている。
コギーの分析能力も合わさって戦闘時の作戦立案能力も高い。
●コギー
「新たな権利者、瑠々色ここね。甲は己がある限り乙の助けとなろう」
ここねのグリモア。元々は星のグリモアだったが、彼女からここねへと譲渡される。
グリモアの中で唯一独立しており、加えて会話が可能なため、ここねに様々な情報を教える。自分のことを甲(われ)、ここねのことは乙(ここね)と呼称する。
口調は機械的で聞かれたこと以外に多くを語らないが、状況説明は正確であり、ここねの意図も汲んだ柔軟な対応も可能。
魔法以外でも、コギーが収集した情報をここねの目に投影させる「網膜投影」でここねをサポートする。
星はただグリモアールを略して「グリちゃん」と呼んでいたが、ここねは魔法の杖に名前をつけるというお約束に則り、魔法『cogito ergo sum』から「コギー」という愛称を与えた。
●星夏憐
「でも、お姉さんは絶対に助けてみせます。信じられないかもしれませんけど、信じてください」
ここねが出会った最初の魔法少女。心優しく真面目な小学生であり、ここねの思う『魔法少女』を体現したような性格をしている。
日本の軍隊と交戦している最中にここねと出会い、彼女を助けるためにグリモアを譲渡し、軍に身柄を確保された。
魔法はここねと同じく『無機物の知性化』だが、魔法使いとしての資質はここねに劣るため知性化できる無機物にも制限がある。
●丹馬守智恵
「おまえたち、魔法少女アニメは禁止でしょうが――!」
ここねが所属する文芸部の部長で、学年的には先輩に当たる。
実は魔法使いであり、星とは仲間だったが、結果的に彼女を見捨てることになり罪悪感を感じている。
部長として真面目で、仲間のためなら果敢に敵に立ち向かう熱い面も持ち合わせている。とはいえ実際は仲間のために気を張っているだけの、ヒビリで繊細な普通の女の子である。
ここねが星のグリモアを持っているところを目撃した際には敵と早とちりして襲い掛かったが、誤解が解けた後は星を助けるためにここねと行動を共にする。
魔法は触れた物体の硬度を操る『力への意思』。グリモアを発動した際には右腕に籠手が装備される。
智恵自身は地味なこの能力にコンプレックスを持っている節があるが、実際はかなり応用の幅が広い魔法であり、ここねとコギーの戦術と合わせて活躍する。
●リィム=ヒューガノフ(日向理夢)
「星に代わって我々の魔法使いになれ。世界を救う存在になるのだ」
ここねが魔法使いになった翌日に転校してきたスウェーデンからの女子留学生。その正体は国連の調査研究チーム、通称『R&D』の主任研究員である。
人形を思わせる美少女だが、いつも眠そうな雰囲気を出しており、口調も淡々としている。ドーナッツが好物なのか、いつも口にしている。
星と智恵とは魔法の調査という名目で協力関係にあり、面識がある。が、智恵は彼女のことをあまり信用していない様子。
調査の要であった星を失ったため、彼女のグリモアを受け継いだここねに目を付け、星の代わりとしてここねを組織に勧誘する。
ここねに協力する姿勢をみせてはいるが、自衛隊に追われている星を即断で切り捨てる発言もしており、ぶっちゃけ胡散臭さバリバリである。
●90式戦車
「拙者もこの国を、人を護るために造られし者。同胞も少女も救う道を模索しよう」
ここねによって知性化された自衛隊の90式戦車。知性化されたことで言葉を話し、形態も人型に変形している。
一巻の表紙をここねと共に飾っており、この作品のメカ枠の代表的な存在。
武士口調で話し、自身が国を守る自衛の兵器であることに誇りを持ちつつも、魔法少女であるここねに対する忠義も両立する漢である。
最初の戦闘では星を救うために戦い抜くも履帯が破損。再会を約束してここねを逃がした。所属不明ヘリとの戦闘では再び登場し、ここね達の危機を救った。
とりあえずプラモをはよ。
●亀杜亜樹
「どんな攻撃も、どんな小細工だって、あたしたちには届かない」
コギーを狙う魔法少女トリオのリーダー。勝気な性格で他人に対し挑発的な発言も多いが、ここねの推測によればツンキャラで根は真面目。
個人的な恨みもあって星とコギーを狙い、最終的に自衛隊をけしかけて星が捕まる原因を作った。
コギーがここねの手に渡ったことを知り、コギーの奪取のためにここねに接触する。
魔法は、杖のグリモアで接触した物体(自身を含む)に斥力を付与する『無限のパラドクス』。物や人を斥力で浮かせたり飛ばせる他、自身に付与した場合はあらゆる物体は彼女に触れられなくなる。
その防御性能はかなりのもので、対魔法使い用に大口径化したAH-64アパッチの30×178mm焼夷榴弾の一斉放射やミサイルでさえも一発たりとも届かせなかった。
ただし自身に斥力を付与している間は地面から浮いてしまうため、場所によっては移動には制限が付く。
●鳥鴉美香留
「ラング・パロールの断撃(ボソ」
魔法少女トリオの一人。通称える。トリオの参謀役で、戦術立案能力の高さから亜樹のパートナーとして常にそばにいる。小学生離れした身長とナイスバディの持ち主。
基本的に物静かで口数は多くないが、大人びた雰囲気を持ち、熱くなりがちな亜樹をなだめることもある。
魔法は巨刃のグリモアで触れた物体を二つに分断できる『ラング・パロールの断撃』。生物・無機物問わず有効であり、おそらく防御無視。
分断された物体は切断したわけではなく、別れたそれぞれが個別の物体として機能が維持される。手を分断しても落ちた手は変わらず動き、機械が分断されればパーツそれぞれが普通に動く。
●獅子舞春
「おねえさん、あそぼうよ」
魔法少女トリオの一人。通称ぱる。元気っ子でありトリオのムードメーカー。
ここね達に出会って早々に戦闘を仕掛けるなど好戦的な面があるが、人懐っこいため危機を救ってくれたここねに即ときめいたりもする。
魔法は手でつかめる程度の範囲の元素・空気・水などの位置と形状を空間に固定・解除できる『万物不変の理』。
空中の元素を固定して足場を作り、某マリオの様な空中移動が可能。固定したものを利用し、防御や相手を閉じ込める檻を作るといった芸当もできる。
用語
□はじまりの魔女事件
本編から一年前に当たる2014年6月29日に起こった日本最大最悪の事故。突如発生した爆発によって関東が半径140kmの円型に消滅。4000万人の死者を出した。
そして、その生存者の多くから超常的な力を行使する「魔法使い」が発生し、後に事故も魔法使いの暴走が原因だと判明する。
この『はじまりの魔女事件』と、作中でコギーがここねに語ったことがある『グリモアールの初動実験時の爆発事故』との関連性は今のところ不明だが、おそらく同一の出来事。
事故の後、消滅した関東圏に巨大な樹木を発生させた魔法使いが出現したらしいが、こちらは詳細不明。
□R&D
リィムが主任を務める組織。正式名は国連平和維持特使安全保障省超常科学(パラノーマル)調査研究チームというらしい。ながい……。
R&Dとは、研究(リサーチ)&開発(デベロップメント)をさし、魔法の研究と調査を目的としている。他にも同じような組織はある模様。
調査のために星や智恵に協力を依頼することもあり、特に特殊なグリモアを持つ星の魔法には利用価値を見出していた。
主任研究員のリィムはコギーを託されたここねに協力を申し出、代わりに星の救助と軍隊介入の抑制を引き受けている。
ただし「善処する」「必ずできるとは限らない」という曖昧な前置き付きの口約束であるため、どこか不審な気配がある。
追記・修正はこれまで出た全ての魔法少女のデータを入れてからお願いします。
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- 魔法少女ここね ヒロインのここねの魔法はビームを出して街を滅ぼしたり、鉄拳で語り合うようなものではなく、ぬいぐるみみたいな無生物とお話できるようになるというとてもファンタジーなものです。たまたま最初に魔法をかけたのが戦車だった っていうだけなのです。(作者twitter定期より) -- 名無しさん (2015-12-27 01:20:30)
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