登録日:2015/09/09 Wed 08:02:46
更新日:2024/01/16 Tue 11:13:31NEW!
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アルス、キーファ、遊んでくれてありがと。
つまらなかったわ。
じゃあね。
マリベルとは、『ドラゴンクエストⅦ エデンの戦士たち』の登場人物。
CV:悠木碧(ヒーローズⅡ)
◆概要
主人公の幼なじみで、パーティーキャラの一人。
漁村フィッシュベルの網元の一人娘であり、「美少女」を自称するお嬢様育ちの毒舌家。
小柄で頭にずきんを被っており、パッケージイラストではリンゴを齧っている。
◆人物像
ドラクエキャラクターとしては珍しく反骨精神に溢れており、歯に衣着せぬ物言いが多く、切れ味鋭い毒舌が最大の特徴。
主人公・仲間はもちろん、一国の王や魔物のボス、果ては神様にすら毒を吐くそのブレない姿勢は特筆に値する。
その言動は一見するとわがまま放題の小娘の悪口にも見えるが、物事の本質に切り込むセリフも多く、鬱々としたシナリオ・キャラクターの多い本作におけるプレイヤーの代弁者の役割も担っている。
一方、根は優しい性格のようで、ぶつくさ文句を言いながらも主人公と共に人助けをしたり、人を労わる発言をしたりもする。
上述の毒舌家という面に関しても、毒を吐く対象は敵や無礼な人物、あるいは主人公のような気心の知れている間柄であることが多く、
初対面だったり尊敬している(と思われる)相手には敬語で接する場面もあり、お嬢様らしい育ちの良さを感じさせる。
ワガママではあるが、人間の醜さが多く描かれる本作の登場人物の中では、非常にまともかつ善人。
作中では、マチルダやプロビナの神父から「心の優しい人」と評されている。
ただし、善行に対する見返りは欲しいタイプのようで、過去の世界で町を救った後に、現代で自分の偉業と名前が伝わってないと露骨に不満がる。
また、PS版の戦闘中の会話では、マリベルの行動で味方が回復したり状態異常が治った後のターンに話しかけると
「◯◯を回復させたのは あたしよ あたし! おぼえといてね。」
「いま マヒをといたのは この マリベルちゃんだってこと わかってるかしら ◯◯って。」
等と自身の成果をやたらアピールしてくる。
◆キャラ性能
ステータスは典型的な魔法使いタイプ。
MP・すばやさが伸びやすい反面打たれ弱く、最大HPは本作の仲間キャラで最下位。
レベルアップで習得する呪文・特技は「メラ」「ラリホー」「マヌーサ」「リレミト」「しっぺ返し」など。
『7』ではマリベルのみ「メラ」を習得できる。
特に序盤のボス戦では、敵の守備力を下げる「ルカニ」とHPを回復する「ホイミ」でパーティを支える。
狙って扱うのは難しいが「しっぺ返し」でボスの攻撃をやり返す搦め手もあり、マリベルのキャラクターにマッチしていて面白い。(眼から怪光線を放つマリベル……)
3DS版(リメイク)では「しっぺ返し」の特技そのものが削除され(表現的に難しかったのだろうが、少し残念である)、代わりにレベルアップで「イオ」を習得できるようになった。
敵全体を攻撃できるため、特に雑魚戦のダメージソースとして非常に有用。
3DS版では全パーティキャラに1つずつ、専用の演出が入る特技が設定されているのだが、魔法使いタイプのキャラだからということなのか、マリベルの固有演出特技は「マダンテ」。
他のキャラと異なり唯一、あるモンスター職を極めなければ覚えられない特技での固有演出である。
なお、リメイク版では職業ごとにキャラクターの衣装が変わるのだが、マリベルは特に「天地雷鳴士」の巫女衣装がかわいいと評判。
◆本編での活躍
物語序盤からキーファと共に仲間として加わり、しばらくの間パーティの紅一点として活躍する。
しかし、物語中盤*1で病に倒れた父親の看病のため、マリベルはパーティから離脱してしまう。
離脱直後、父親が回復すればマリベルもすぐに復帰するつもりではいたが、思いの外長く苦しむ父親を放って冒険にいくわけにもいかず、しばらく旅を諦めることに。
その後、神(に偽装した魔王)によって世界が再び封印されると、再びパーティに参加してくれるようになる*2。
ただし長らく戦線から遠ざかっていたため、復帰時点では職歴・レベル共に他のメンバーとだいぶ差が生まれていることが多く、メルビン合流後は留守番させるプレイヤーも多い。
ステータスは他のキャラときちんと差別化できている*3ので、鍛え直す余力があれば十分一軍で活躍できる。
本作から実装された仲間会話システムの魅力もあり、ステータスの強弱とは関係なく「マリベルと話したい」一心で最後までついてきてもらったプレイヤーも決して少なくないはず。
◆他作品への出演
ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり
ドラクエの3DアクションRPGである『DQH』シリーズの2作目にガボと共に参戦。
前作には『7』出身のキャラがいなかったため、DQ7ファン待望の参戦となった。
他の魔法使い系ヒロインとの差別化の問題で、マリベルの武器はまさかのブーメラン。
ちなみに原作『7』でマリベルはブーメラン系を装備できない。
一応メラ系やルカナンといった呪文も使えるが、性能的にはミドルレンジからブーメランで敵を一掃する物理キャラになっている。
戻ってきたブーメランをキャッチするタイミングで技を繰り出すと攻撃が強化される『ジャストとくぎ・じゅもん』という特性を持ち、操作に慣れが必要であるもののかなり強力。
習得技は『ギガスロー』『パワフルスロー』『バーニングバード』など。
全体的に優秀な技が多く、雑魚戦・ボス戦問わず柔軟に対応できる。
テクニカルな操作を要求されるキャラではあるが、ストーリー攻略の主力として十分使っていけるポテンシャルを持つ。
アラレちゃん走りで戦場を駆ける姿は必見。
◆余談
物語終盤のパーティ編成はマリベルの部屋で行うのだが、マリベルをパーティに加入させた場合は、誰か一人をマリベルの部屋でお留守番させなければならない。
……年頃の女の子の部屋にたったひとり残される伝説の英雄(じいさん)は、そこはかとなくシュールである。
まあ、他のメンバーが残っても微妙な状況ではあるが。
隠しボスからもらえるご褒美「ゆめのキャミソール」が装備できる唯一のキャラクター。
PS版では装備するとグラフィックも変わるのだが、それを見てどう思うかは……ひとそれぞれである。
『7』制作当初、シナリオでマリベルの存在はなかったそうだが、本作から導入された仲間会話システムを活かすため*4にマリベルが用意されたという背景があり、色々な場面で「はなす」コマンドを選ぶ度に、様々な反応を見せてくれる。
恐ろしいまでのセリフのバリエーションを誇る本作の仲間たちだが、マリベルは特に印象的なセリフが多い。
惜しむらくは移動中や戦闘中に「はなす」コマンドを選択しなければ、印象的な台詞が聞けないこと。
そのため、「はなす」を頻繁に実行するプレイヤーとそうでないプレイヤーとでは、マリベルの印象がだいぶ違ってくる。
彼女が可愛らしい一面(いわゆるツンデレの「デレ」部分)や、物事の本質を突く発言が見られるのはたいてい「はなす」コマンド実行時なので、このコマンドを使わなかったプレイヤーからは単なるワガママ娘と思われがちで、発売当初は批判の的になることも多かった。
そんなマリベルを指して、「早すぎたツンデレ」とも呼ばれる。
「ツンデレ」がオタク界隈に一気に浸透するのは2000年代中頃であり、本作発売時(2000年8月)にこの概念は存在しなかった*5ため、マリベルは少し時代を先取りしたキャラクターであった。
デレ分は確かに少ないが、要所で見せる乙女らしいセリフの破壊力は凄まじく、徐々にファンを獲得し、現在では他のドラクエシリーズの人気キャラにも劣らない高い人気を誇る。
任天堂ホームページで掲載されているコンテンツ「社長が訊く」にて、堀井雄二氏は、
「話しかけた際にボロクソ言われた方が面白いだろうと思い、(今で言う)ツンデレにした」
とインタビューで答えている。
ちなみに、本人曰くおじいちゃんっ子。その割にはメルビンに対する当たりがキツイ
◆印象的なセリフ一覧
特に戦闘中の台詞はバリエーションも非常に多く、マリベルの魅力を堪能できるが、残念ながら3DS版以降は戦闘中の仲間会話機能が削除されてしまった。
- フ フルチンですって… 命令よアルス。もう2度と この人に話しかけるんじゃないわよ。
- キーファが自分の信じる道を歩いてるですって? あれはわがままっていうのよ。
- ガボもなかなか良いとこあるじゃん! あら、アルス。なんだか目が潤んでない? あ、あたし? バカね。美人の目はいつも潤んでいるものよ!
- (マリベルが敵を倒した時)さあ ほめなさい! ◯◯(敵の名前)を倒したあたしを ほめちぎりなさい。
- (マリベルがザキで敵を倒した時)あら。ザキに驚いてるの? 心配しなくたって大丈夫よ。まだ、あんたにはかけないから。
- (マリベルが自分のHPを回復した時)もう! なんで あたしが 自分で 回復なんか するわけ! これって アルスの役目でしょ!
- (敵がベホマズンを使用した時)ちょっと何よ今の! 敵がベホマズンだなんて反則よ! あんた文句言ってきなさいよ!
- (主人公を狙った攻撃が外れた時)かんしゃしなさいよ。今のは あたしが 祈ったから……な…なんでも ないわよ!
- (戦闘時、マリベルが防具を付けていない時)ちょっとやだー! 今あたしまるハダカ……って、もうっ! 防具の事だってば!
- (メタル系モンスターと遭遇した時)きゃ~! メタルよメタル! アルス、早く倒すのよ! きゃ~! きゃ~!
- 死が必ずしも その人の価値を無くしちゃうとは限らないわよ。もしアルスが死んでも、あたしはきっと、アルスのこと忘れないもの。
- あたしが死んだら、アルスはあたしのことずっと覚えててくれる?
【はい】ふーん。だったらあたしもあんたのこと、ずっと覚えててあげよっかなぁ。
【いいえ】ふん! じゃあ、あんたが死んだらあんたの思い出なんか、ぜーんぶほうむってやるから。
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*1 離脱タイミングはプロビナ、ルーメン、マーディラス攻略後。この3地方は順不同で攻略できる。*2 この頃には父親の体調もやや安定していた。
*3 ガボは素早さ以外がパッとせず装備も貧弱、メルビンは鈍足、アイラはステータスが平均的
*4 また、「男とだけ話していてもつまらないだろう」という堀井雄二氏の判断もあったとのこと。
*5 「ツンデレ」という単語が存在していなかっただけで、類似の性格のキャラクターが皆無だったわけではない。とはいえ、2000年代中期のツンデレブーム以前はやや希少なキャラ付けではあった。
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