ピストルカービン

ページ名:ピストルカービン

登録日:2015/01/27 (火) 05:23:55
更新日:2024/01/12 Fri 10:26:11NEW!
所要時間:約 7 分で読めます



タグ一覧
小銃 拳銃弾 兵器 ピストルカービン カービン



ピストルカービンとは、その名の通り拳銃弾を使用する(比較的)短銃身な小銃のことである。
ピストル・キャリバー・カービン(拳銃弾使用型騎兵銃)の略でPCCと呼ばれることも。



そもそもカービンって何よ?

銃が誕生した当時、戦場に自動車なんぞという便利なものはなかった。当時の戦争における高機動兵科といえば騎兵である。
騎兵用に短縮・軽量化し、馬上でも邪魔にならないように改良されたものがカービンの始祖だ。実際、日本語では騎兵銃というし。
カービンという単語自体、古フランス語のカラビニエール(騎兵隊の意)に由来する。
当然ではあるが、短銃身化で銃弾初速が低下するため、威力や命中精度では歩兵銃に劣る。
また、マズルブラストや発射音、射撃時反動の増大を招き、銃そのものへの負担も多少重くなるようだ。


騎兵という兵科自体は、ライフリングの普及や銃砲と火薬の進化で軍制から姿を消したが、カービンそのものは命脈を保った。
軽量で取り回しがいいので、カウボーイや探検家、保安官といった半分アウトローなお歴々に人気だったし、
火薬の発展でアホみたいに大口径化しなくても射程と威力が保証されるようになり、制式小銃の小型化が進んだからだ。
そして二度の世界大戦を経て、カービンは『小型軽量で、車両乗員や機動力優先の特殊任務専用銃』という立ち位置を得た。


歩兵装備の充実やフルオートシステムの完全普及が成った昨今では、カービンはアサルトライフルをより短銃身化した
《アサルトカービン》のことを指す場合がほとんどである。概ね特殊部隊御用達。
特に米軍では、M16の後継として選定されたM4カービンを大半の部隊(特殊部隊どころか一般兵にまで)に更新させている。
が、防弾装備の発達と普及から、軽量で小口径なアサルトカービンのみでは威力不足に陥る局面も増えているらしく、
分隊内にバトルライフルを装備させた選抜射手を配置する必要に迫られるなど、小型軽量化の行き過ぎもやはりダメらしい。



で、肝心のピストルカービンって?

読んで字の如く、使用弾を拳銃と共用するカービンのことである。まんまやね。
金属薬莢というものが登場し、それを取り入れたリボルバー・ハンドガンが流行したので、弾丸を共有し、より高威力・長射程を得るために開発されたのだ*1
要は、金属薬莢を使用したライフルの最初期モデルでもある。
この頃はまだカービンではなくライフルなのだが、個人カスタムのソウドオフとかいろいろあるので。
弾丸を新規開発しなくてもその辺のノウハウを共有できるので、開発期間が短縮できるのが利点。
何より普及してる弾を使うので、売る側買う側双方にとっても懐に優しいのが魅力である。
西部開拓時代にはカウボーイや保安官に愛用された。ウィンチェスター・レバーアクションとSAAの組み合わせは至高の定番。
ちなみに、『T2』でシュワちゃんがスピンコックしながらぶっぱしてるのは、同じウィンチェスター製だがショットガンである。念のため。


20世紀になっても民間の自衛用として前述のウィンチェスター・ライフルを持ってる家庭があったり、
面白いところでは.45ACPを使用した特殊部隊向けカービンとしてデ・リーズル・カービンというのも作られた。
また、カービンの役割を代行できる拳銃というのも開発された。ほとんどがストック(ホルスター兼用のものもある)を増設させただけだが。
これもある意味ではピストルカービンの一種といえるか?ルガーP08のアーティラリーモデルやマウザーC96あたりが有名。


現在では、ケルテックのSUB-2000のような法執行機関向けの、拳銃弾使用型セミオートライフルがそう呼ばれる。
バックアップ・ウェポンである自動拳銃と弾薬(拳銃の種類によってはマガジンも)を共有できるのは、現在でも通用するメリットとなっている。
ライフル弾に比べて大口径かつ、反動や発砲音も比較的マイルド。
さすがに通常のライフルに比べれば有効射程や貫通力、弾道安定性で劣るが、その辺は一長一短だろう。軍用じゃないんだし。
また、短機関銃に民生銃砲規制に従って長銃身化・フルオート機能撤廃措置を施したものもこう呼ばれることがあり、ピストルカービンとして売れば法規制を回避しやすいという点は地味ながら大きなポイントと言える。



ピストルカービン一覧

あくまで有名どころというか、検索してある程度情報が出てきたものだけ記載してある。


ウィンチェスター M1873

ニューヘイブン・アームズカンパニー(ウィンチェスターの改称前)のベンジャミン・タイラー・ヘンリーが開発したM1860の第二次改良モデル。
厳密にはカービンじゃないのだが、ソウドオフ化したりして馬上運用が可能なように個々人でカスタマイズしてたとかなんとか。
SAAと弾薬が共用でき、西部開拓民と先住民の戦いに多用され、俗に『西部を征服した銃』とも呼ばれる。
ドラマ『拳銃無宿』で主人公が使用したソウドオフモデル『ランダルカスタム』はつとに有名。
後にリアル技術チート銃器界最高峰の超天才ジョン・モーゼス・ブラウニングの手でフル規格のライフル弾も撃てるよう再設計されたが、
その頃にはボルトアクションライフルの基礎概念が完成しており、民生品としてはともかく軍用供給は失敗している。


デ・リーズル・カービン

南米出身のイギリス人、ウィリアム・ゴドフリー・デ・リーズルが設計した特殊部隊向けボルトアクション・カービン。
弾倉を米軍からの供給品であるガバメント、機関部やストックはリー・エンフィールドライフルから流用することで開発期間を短縮している。
ステンガンのサプレッサー装着型との性能テストの結果、フルオート機能と生産性以外のすべての面で優れるとして採用される。
その点はあれと比較しちゃいかんでしょ……
が、何やかんやあって130挺しか生産されず、それもほとんどが終戦後の植民地鎮圧などに使用されている。
イギリス製だが英国面には含まれない。含めるほどメジャーじゃない?知らんな。


ケルテック SUB-2000

法執行機関での運用を第一義に開発されたピストルカービン。元々設計していたものがコスト面でアレだったので、再設計した結果誕生した。
自動拳銃同様にグリップ内にマガジンを仕込む形式を取り、グロック17&19系列、ベレッタM92系列、シグザウアーのP226、
スミス&ウェッソンのM59シリーズのものであれば使用可能。ただし9パラか10mmショートに限る。
ハンドガンの作動方式をライフルに組み込んだような感じになっており、コッキングハンドルはストックに位置する。
恐ろしいことに、リアサイト内蔵のヒンジで真ん中から折り畳むこともできる。しかも基礎重量1.8kgとやたら軽量。
軽くてコンパクトに折り畳めて拳銃弾とマガジンをそのまま使えるということで、結構売れてるとか。さもありなん。


ベレッタ Cx4

ベレッタがリリースした『ストームファミリー』というモデルカテゴリーの一種。
スポーターモデルかSF映画のプロップガンのような、柔らかい丸みをおびた外観が特徴。
各部がボタンとパーツの抜き差しのみで接続されており、工具なしでの分解とアンビ化が可能。
その名は4種の口径(Caliber)を意味しており、バレルとマガジンアダプター、ボルトを換装するだけで投射弾薬を変更できる。
使用可能弾薬は9パラ、9x21mm IMI弾、10mmショート、.45ACP。マガジンは言うまでもなく、ベレッタ製自動拳銃のものをそのまま使える。
2011年に銃身短縮とフルオート機能を搭載した短機関銃型のMx4が発表されている。


CAAタクティカル ロニ

イスラエルのCAAタクティカルが開発した、自動拳銃をカービン化するためのコンバージョンキット。
装着はキットにトリガーから上を挟み込んで固定するだけで、スライドはコッキングハンドルに固定される。
バックアップ兼用のフリップアップ式アイアンサイトと、着脱可能なフォールディング・フォアグリップを標準装備する。
計4つのピカティニーレールが仕込まれ、オプションの増設が可能。ストックには予備マガジンホルダーがある。
現在リリースされているモデルバリエーションは12種だが、どんなに大口径でも.45ACPが限度のようだ。
ガスガンや電動ガンでも寸法がだいたい同じためか、日本でも普通に購入可能(主にベレッタかグロック対応型)。


CZ スコーピオンEVO3 S1 カービン

チェスカー・ゾブロヨフカ社の9mm短機関銃「スコーピオンEVO3」のバリエーションの一つ。
民間向けセミオート専用モデル「スコーピオンEVO3 S1」の銃身を16.2インチに延長したもの*2
標準でサプレッサー付きのモデルもあるほか、ハンドガードにM-Lokシステムスロットを備えるなど拡張性も高い。
遊戯銃としてはデンマークのASG社からEVO3シリーズの電動ガンが発売されている。




登場作品

物による。デ・リーズルはドマイナーだから、よほどマニアックな映画かゲームでないと見られんだろう。
その点M1873は西部劇御用達なので、そっち方面のDVDを借りればいくらでも見れる。
ただし、古いマカロニ・ウェスタンではM1873が骨董品のレアモノであるがゆえに、ものが残っているM1892以降を代役に使っている。
なので、M1873を見たかったら80年代以降の作品を視聴しよう。
というか、M1873以外まともに映像作品に登場しとらん気がするのは気のせいか?






追記・修正お願いします。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,6)

[#include(name=テンプレ3)]


  • 100年前弱まではそうでもなかったが、現在では、「ピストルカービン」と「サブマシンガン」の境目が曖昧になっている。もちろん「サブマシンガンかと思ったらフルでも撃てるピストルカービンだったでござる」なMP5の仕業である。 -- 名無しさん (2015-01-27 09:24:13)
  • 「ピストルカービィ」に見えて、「そんなコピー能力あったかな?」と思ってしまった -- 名無しさん (2020-08-05 20:48:36)

#comment

*1 銃身が長いと弾頭の加速距離が延びるため、装薬の種類や量にもよるが威力が上がる。また、照準線が長くなるために照準の精度も上がる。
*2 フルオートモデルは「スコーピオンEVO3 A1」となる

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧