登録日:2014/09/07 Sun 22:14:24
更新日:2023/12/21 Thu 10:51:28NEW!
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おまえの罪、それは―――
おまえの存在そのものだ――――
『Pandora Hearts(パンドラハーツ)』は月刊Gファンタジーで連載していた望月淳氏によるダークファンタジー漫画。
2005年1月号に掲載された読み切り『パンドラハーツ』を基に設定を大幅に改編し連載化した作品である。
2006年から連載され、2015年4月号で完結した。全24巻。
ルイス・キャロルの童話『不思議の国のアリス』及び『鏡の国のアリス』をモチーフにした『御伽噺』をコンセプトに、非常にダークかつ重厚なストーリー展開が特徴。作者によると他にもイギリスの童謡や歌謡集である『マザーグース』も参考にした模様。
作画のクオリティは初期から高いのだが、その絵柄や雑誌柄から読んでいない人からは腐向けという印象を一方的に持たれがちである。しかし媒体の割には腐要素は比較的薄く、むしろヒロイン達の活躍やその恋愛模様にもしっかりと焦点が当てられている。
基本的にヒロインがお飾りになる作品も少なくないGファンタジーのオリジナル作品の中では、珍しいくらいしっかりとヒロイン達がヒロインとして活躍する作品である。
何よりも本作の魅力としては、連載当初から貼られた伏線が中盤から後半にかけて驚く程鮮やかに回収されていくことである。秀逸に張り巡らされた設定の数々と、非常に深く緻密かつ魅力的に練られた世界観、そしてそれらを基にして綿密に組まれたシナリオの完成度は圧巻の一言。
ぶっちゃけネタバレが最大の敵となる作品なので、初見の方は基本設定以外は一切の情報を入れずに読むことを強くオススメする。当記事も物語の謎の確信に触れるネタバレは伏字の部分でもあえて記述しない。
また、登場人物の大半が特定の誰かに対する執着や憎悪、偏愛といった感情を抱き、それによって様々な事をやらかすアレな人達ばかりなのも特徴の一つ。よりはっきりと言えば敵も味方も男も女もヤンデレばっかである。むしろツンデレなメインヒロインがかなり希少な存在となっている。
この辺りの登場キャラがヤバい奴ばかりなのは、オリジナルが不思議の国のアリスな時点である意味必然であると言える。本家もヤバい奴しかいないんだし。
しかし、それでいてどのキャラクターも綿密な背景とキャラクターの描き込みによって、独特ながらもとても魅力的で感情移入できるキャラクター達にしっかりと仕上がっている。
総じて、一度読み始めれば読む程に虜になっていくこと間違いなしの作品だと言える。
単行本の巻数も上記の通り全24巻なので非常に読み易い。尤もラストの3巻はかなり分厚いので実際は25~6巻分くらいのボリュームがあるが。
後は、単行本のギャグ漫画も評価は高く、さらにカバー裏が毎回遊び過ぎているのもお楽しみの一つ。というより本編が重苦しいのでこうしたおまけでしか癒しがない…
外伝小説も全3巻発売されているが、こちらはシナリオ、挿し絵、さらにおまけ漫画の全てが原作者の望月氏自身の書き下ろしという豪華仕様である(執筆したのは代筆の作者だが)。
各キャラのエピソードを切り抜いた番外編となっており、内容も原作者書き下ろしだけあって原作の雰囲気をよく小説に落とし込んでいる。ファンは必読の外伝である。ただしネタバレも当然含むので、できれば原作を読み終わってから読むことをオススメする。
他にも公式ファンブックも計3巻発売されており、いずれも非常にボリュームのある内容である。何かと細かい設定の多い本作をより深く理解する為にはこちらも必読である。
2009年にはXEBEC製作でアニメ化されたが、7巻までの内容なので非常に中途半端なところで終わっている。さらに基本的には原作通りの内容なのに、原作の細かい描写をカットしまくったせいで内容が飛ばし飛ばしになっている部分もある上、原作で張られていた幾つかの伏線もカットされている。加えて単純に作画もあまり良くない。
この為に原作ファンからの評価もあまり良くないが、単行本をいきなり買う事に抵抗がある人が、お試し感覚で軽く見る分には良いのかもしれない。
ストーリー
四大公爵家の一つ、ベザリウス家の長男のオズ=ベザリウスはその日、15歳の成人の儀を控えていた。
だがその日、別荘の裏庭で奇妙な墓を見つけた時から、彼の運命は狂い始める…。
成人の儀の最中、突然現れた赤いローブの集団によって、伝説に言い伝えられていた監獄「アヴィス」に堕とされてしまったのだ。
そのアヴィスの中で出会った謎の少女・アリスに導かれるがまま、オズは彼女と契約を交わす。
アリスの力で再び元の世界に戻ってきた彼は、アヴィスの研究・その事件解決を仕事とする組織・パンドラに匿われることとなる。
そしてオズは、パンドラと共に過ごすうちに、自身の出生にまつわる秘密や裏に潜む組織「バスカヴィルの民」の陰謀の渦へと入っていく。
これはひとつの物語。ある男によって綴られた滑稽な御伽噺の続き…。
登場人物(CVはアニメ版の声優)
○オズ=ベザリウス
CV:皆川純子
本作の主人公。
四大公爵家の一つ、ベザリウス家の長男にして次期当主候補。年齢は15歳。
基本的にいたずら好きの女好きで、女の子はすぐさま口説きにかかり、その時にかける言葉はホストさながらで、原作者の周囲で呼ばれていたあだ名は「ホスト」。それでいいのか主人公…
一方で意図せずにヒロインをデレさせ、本人はそのことに無自覚な鈍感系主人公の気もある。
また年齢不相応な鋭さを見せる一面もあり、ブレイクとも真っ向から腹の探り合いで翻弄する場合もある。さらにいざという時の胆力もかなりもので銃で撃たれても怯まない程。
他にも、ギルバートを初め弄りがいのある他人を弄るのが大好きなドSで、非常に腹黒い一面もある。
表面上は明るくお気楽で、逆境にも屈せず献身的な性格だが、それは幼い頃から父親から冷遇され形成された、自己否定的な寂寞感の裏返しであり、本質はあらゆる物をそのまま受け入れてしまう極めて虚無的で自罰的な性格である。
明るくお気楽な言動も、自身の弱さを周囲から包み隠す為のものであり、ブレイクやロッティなど一部の鋭いキャラからは「どこにいるのか分からない」「質の悪い加害者」などと評されている。
前述した女好きでいたずら好きな側面も、全ては誰かに好かれたい構ってもらいたいという、彼自身の心の中の願望が表層化したものだと思われる。まあ叔父さんの影響も間違いなくでかかったのだろうが。
当初はその自罰的な性格から、周囲に迷惑をかけない為に成人の儀でアヴィスに落とされてから10年後の世界に帰還したのを機に、自身の罪を知るべくパンドラで行動することを決めたが、ロッティやエリオットの言葉でやがて自分自身に目を向けるようになり、自分自身と仲間たちを守り彼等と胸を張って歩む為に行動するようになる。
作中で途中からある経緯からジャックの魂の断片が宿った事で、稀にジャックが彼の身体を借りて表層化してくるようになり、彼の導きで血染めの黒うさぎの力を制御するようになっていった。また、ジャックの魂の器となる人物である事から、彼に執着するアヴィスの意志も求めており、その為にパンドラとバスカヴィルの双方から「アヴィスの意志を手に入れる鍵」と見なされている。
契約した血染めの黒うさぎの力はオズの身体には負担が大きすぎた為に、普段はギルバートの鴉の力で封印しているのだが、やがて血染めの黒うさぎの力を制御できるようになり始めたばかりか、何故かオズ自身が血染めの黒うさぎの力を勝手にアリスから引き出して行使できるようになり、ブレイクのイカレ帽子屋と同じアヴィスにまつわるものを砂塵に還す力までもを発揮するようになる。
さらに現代人の子供である筈なのに、何故か作中で初めて会ったアリスのことを懐かしいと感じたり、100年前の光景に既視感を抱いたりと、サブリエの悲劇の関係者である事も示唆されており、ジャックの器である件も含めて彼自身にも非常に謎が多い。
そしてアリス同様、物語の展開にしたがって自身の記憶と出生の秘密を知ることになる。
○アリス
CV:川澄綾子
本作のメインヒロイン。
オズと契約を交わしたチェイン(契約獣)である『血染めの黒うさぎ(ビーラビット)』の少女。実年齢不明。
本来の姿は大鎌を持った巨大な黒いウサギの姿なのだが、何故か人間の少女の姿にもなれる。人間型のチェイン自体は他にもいるものの、人間とチェインの姿を切り替えられるのはチェインの中でも彼女だけであり、どちらが本来の姿なのかは不明。
確立された自我と人格を持ち、人の姿にもなれる上にチェイン特有の殺人や食人衝動なども持たないという、数いるチェインの中でも極めて特殊なチェイン。
長い間記憶喪失のままアヴィスに閉じ込められ、外の世界に脱出し記憶を取り戻すためにオズと契約する。ちなみにそれ以前にもアヴィスから脱出しようとして度々パンドラやバスカヴィルの民と衝突していたらしく、彼等からは最重要警戒対象のチェインにされている。
しかし、脱出後はオズの身体を守るべくギルバートに鴉の力で自身の力を封印されたことで、ブレイクの脅迫交渉に応じて、自分の記憶を見つける為にオズと共にパンドラに協力するようになる。
バリバリの肉食で豪快な俺様系アホの娘で、オズに対し「私のもの」としてジャイアニズムを発揮し、その明るさと真っすぐな性格で度々オズを救っている。本作では最早希少なツンデレキャラ。好物は「肉」であり、常に自分の直感のみで生きている。基本的に難しい言葉を使う時は雰囲気で言ってるだけで意味など理解しておらず、過去の自分の細かい発言などいちいち覚えてすらいない。
その男前っぷりは凄まじく、はっきり言って本作の男連中の大半より男前な上に、どっちがヒロインなのか主人公なのかも分からなくなる時すらある。しかし、その一方でデレた時や弱みを見せた時などの破壊力も凄まじく、そのギャップで多くの読者を萌え殺した。
原作者の周囲で呼ばれているあだ名は「番長」。それでいいのかメインヒロイン…
当初は、その喧嘩早い性格と記憶探しへの執着から、契約者であるオズ以外の人間に対しては淡白で、特に敵対者に対する容赦は一切なくオズの意見すら聞かずに攻撃することも多かったが、チェシャ猫の件でオズに肯定されて以降は、少しずつギルバートを初めとした他の人間とも打ち解けていくようになり、戦闘でもオズの意見に従うようになる。早い話がデレ始めた。
戦闘力は非常に高く、下位のトランプ程度なら人間態で素手でも殺せる程。しかし、彼女の力があまりに強大過ぎた為に、上記した通り脱出後はギルバートの鴉の力でチェインとしての力を封じられ、その為に平時は人間の姿で過ごしており、外見相応の普通の少女程度の力しか出せなくなっている。
加えて、物語が進む毎に何故かオズが自分で血染めの黒うさぎの力を勝手に使うようになり、それに伴って逆に彼女の中の血染めの黒うさぎの力はどんどん衰退していく事になる。
そしてオズ同様、物語の展開にしたがって自身の記憶と出生の秘密を知ることになる。
実は元々は人間の少女であり、サブリエの悲劇の際に何者かに殺害されている。それ後は何故か自ら記憶を破り捨てて記憶を失い、チェイン血染めの黒うさぎとなってアヴィスに存在してきた
○ギルバート=ナイトレイ
CV:鳥海浩輔
パンドラのエージェントで、10年前のオズの従者。当時は14歳で作中では24歳。
傷だらけな上に記憶喪失の状態で、何故かベザリウス家の敷地内で行き倒れていたところを拾われ、オスカーの紹介でオズの従者として仕えることになったが、
オズがアヴィスに堕とされ、彼を取り戻すために四大公爵家のナイトレイ家の養子となってパンドラにも入り、後に鴉との契約に成功する。
オズやオスカーことは強く慕っており、特にオズに対しては自身の主人(マスター)として異様とも言える程の執着心を持っている。そして再会したオズとは年上としての再会となったが、従者以上友達未満な複雑な関係となっている。
オズの事は自身の身を顧みない彼に不安を抱きつつ、一方で彼自身もまたオズに対する執着から危うい行動が多く、オズを初めとした周囲からはその姿勢を危険視されている。
アリスの事も、当初はオズの身体を脅かす害虫としか認識しておらず、「バカウサギ」と呼んで銃を抜く事すら辞さない程に露骨に嫌悪していたが、彼女と共に過ごす中で次第に互いに仲間意識が芽生えていくこととなる。
一方でオスカーに対しては、ナイトレイ家に渡った事から強い負い目を感じて10年の間避け続けていた他、義弟のエリオットのことはナイトレイ家では唯一可愛がっていた為、自身が鴉と契約した上でナイトレイ家から逃げ出した事に負い目を感じており、彼との関係性でも悩んでいる。
その持ち前のヘタレさをブレイクにイジられることもしばしばで、アリスに付けられたあだ名は「ワカメ」。公式での呼び名は「ヘタレワカメ」。
公式でもネタにされるレベルでそのヘタレさは筋金入りであり、肝心な場面ではヘタレて役に立たず、オズの従者でありながら彼の複雑な心境にも気付ききれていないなど、従者としても割とダメな部分が多く、多くの読者から「このワカメしっかりしろ」と言われた。
加えて同じく記憶喪失のアリスとは違って、自分の記憶を取り戻すことに本能的な恐怖を抱いており、記憶を取り戻すことは望んでいない。
そんな様子からオズやブレイクやシャロンに弄られる事がしばしばであり、特にブレイクからはあらゆる意味で振り回され続けている。ちなみにブレイクは彼の上司のように振る舞っているが、実際はあくまで使用人に過ぎない彼よりギルバートの方が、パンドラ内での立場は当然ながら遥かに上である。
しかしオズやアリス同様、物語の展開にしたがって自身の記憶と出生の秘密を知ることとなり、そんな中でやがて彼なりに精神的にも従者としても成長していく事となる。
契約するチェインは黒翼のチェインの一体の『鴉(レイヴン)』。鎖で縛られた巨大な鴉の姿をしたチェインであり、バスカヴィルすら耐え切れない程の青い炎を吐くなど凄まじい戦闘力を有しているが、鴉の力はオズの身体を守るべく血染めの黒うさぎの力を封印する為に使っており、鴉の力を使って戦う事はできない状態になっている。他にも主に銃の扱いに長けている。
○ザークシーズ=ブレイク
CV:石田彰
レインズワース家の使用人。外見は24歳で実年齢は不明。
ピエロのような出で立ちをしており、アリスから付けられたあだ名も「ピエロ」。甘いものが好きなのか常にキャンディを持ち歩いており、お茶会の際には客や相手のケーキにすら手をつけ、テーブルの上で暴れるなどとんでもない使用人。
チェインと契約した影響で身体の成長が20代前半で止まっている。しかし、その負荷で肉体にはとうに限界が来ており、本人曰く本編開始の時点で余命は1年程度だと言う。加えて実は左目の眼球が無く、その為に普段は前髪で左目を隠している。ちなみに目の色は紅く禍罪の子の一人。
誰に対しても慇懃無礼で常に人を喰ったような性格をしており、他人を小馬鹿にするのが趣味なドS男であり、何を考えているのかもさっぱり分からない。特にシャロンやオズと共にしばしばギルや数少ない友人のレイムを弄って楽しんでいる。
しかし、本心としては忠義に篤く仲間に対しても真摯な性格であり、原作者からは「厳しいパパ」と評されている。シャロンからは影で「ザクス兄さん」と呼ばれて慕われており、彼女と共にパンドラとは関係なくあくまで個人的な目的として100年前のサブリエの悲劇の真実を求めて活動している。
ちなみに彼のパンドラ内での立場はそれ程に高くはなく、レイムはブレイクの上司であり、ギルバートは使用人に過ぎないブレイクより遥かに上なので、他の者がいる前では特にギルバートに対しては普通に使用人として接している。
剣術に非常に長けており、「パンドラ最強」と謡われる程に強く、基本的に彼に戦わせれば負け無しなのだが、肉体に限界が来ている関係からチェインの力を使えば直ぐに吐血して倒れてしまうのであまり戦えない。しかもその症状は物語が進む程に深刻になっていく。
契約するチェインは『イカれ帽子屋(マッドハッター)』。帽子とマントを羽織った巨大な目玉の姿をしたチェインであり、アヴィスに関わる全ての力を消滅させるチェイン殺しのチェイン。その力と持ち前の剣術と合わせる事でチェインやバスカヴィルに対しては絶対的な戦闘力を誇り、バスカヴィルからは“天敵”として最大の警戒対象の一人にされている。一方でイカれ帽子屋自体は普通の人間や現実世界の物に対しては何の干渉もできないチェインであり、その為に契約者としては珍しく戦闘時はあくまでチェインのことは補助として扱い、ブレイク自身がその力を剣などに纏わせて直接戦うスタイルである。
その正体は本編の50年前に、100人以上の人間を殺害してアヴィス堕ちした違法契約者「紅目の亡霊」ことケビン=レグナード。己の主人の一家を殺された過去を変える為に違法契約をし、最終的にはアヴィスに堕とされたが、そこでアヴィスの意志と接触して彼女に左目を奪われた。寿命が少ないのも本当の理由は2度目のチェインとの契約だからである。その時の経験から100年前の真実を追い求めるようになった
○シャロン=レインズワース
CV:花澤香菜
四大公爵家の一つ、レインズワース家の令嬢にして次期当主。外見は13歳で実年齢は23歳。
本作のヒロインの一人で、穏やかで優しい性格だが、内なる芯の強さを持つ強かな少女で、ブレイクの主人。
ブレイク曰く大のショタコンらしいのだが、真偽は不明。一方でアリスのことを気に入っており、彼女に「お姉さま」と無理矢理言わせた言われた際は非常に喜んでいた。ショタコンと言うよりは可愛い系の少年少女が好きなだけかもしれない。
常にどこかにハリセンを仕込んでおり、ツッコミの際にはこれで相手を張り倒す。相手は主にブレイク。ちなみにこのハリセンはシャロンに限らずレインズワース家の女性は皆が携帯している。どういう家なんだレインズワース家…
普段はブレイク同様に底の知れない態度をしているが、中身は外見相応の少女であり、ブレイクのことも表向きは呼び捨てにして主人らしく振る舞っているものの、裏では「ザクス兄さん」と呼んで慕っており、彼の前で見せる妹としての素顔のギャップは凄まじい。
しかし、四大公爵家次期当主としての自覚と覚悟は並々ではなく、例え人質に捕られても毒を盛られて衰弱した状態でも動じず、決して相手には屈しない胆力の持ち主。
中身は既に大人の女性なのだが、ブレイク同様にチェインとの契約の影響が身体の成長が13歳で止まっている。しかし箱入り娘なので恋愛に関しては奥手で、本人は恋愛小説が好きなもののキスシーンの挿し絵だけで赤面してしまう。一方で酒が入ると女王様気質になる。
一応は主要キャラの一人なのだが、その中でも出番が少なく、おまけでそれをよくネタにされがち。
契約するチェインは『一角獣(エクエス)』。黒いユニコーンの姿をしたチェインであり、影と影を繋いで相手の会話や場所を影を通して見聞きして情報を収集したり、影を通して空間を繋いで人間を転移させることが可能。基本的には情報収集が得意なチェインなのだが、戦闘能力もそれなりに高く、かなり汎用性の高い便利なチェインである。
○ヴィンセント=ナイトレイ
CV:福山潤
四大公爵家の一つ、ナイトレイ家の養子でギルバートの弟。年齢は23歳。
長い金髪に金とワインレッド色のオッドアイが特徴な美青年で、顔立ちや切れ長な目がギルバートと似ている。片目が紅く禍罪の子の一人。
兄と同時期にやはり何故か傷だらけでナイトレイ家の敷地内で倒れていたところを保護され、それ以降は兄を探していたのだが、ギルバートがナイトレイ家の養子となったことで再会。後に彼と同じくパンドラに入ってエージェントとなる。
兄に対し病的なまでの執着心を抱いており、何を考えているのかと問われると「僕はいつでもギルのことを考えていますよ」と答える変態的なブラコン。
しかも何かにつけてハサミであらゆるものを切り裂こうとするヤバい癖の持ち主であり、従者のエコーを何かにつけて膝に乗せたり髪を拭いたりと人形のように愛でているド変態。ヴィンセントそこ変われ
兄であるギルバートですら不気味に感じる程に底知れない人物で、実は100年前のサブリエの悲劇の関係者であるらしいが、何故か100年前の事件を知られることを何よりも恐れており、100年前の真実を求める全ての人間(特にブレイク)を嫌悪して妨害しようとする。
パンドラに与する一方で実は裏でバスカヴィルの民とも内通しており、本作のトリックスターの一人として、様々な事件の裏で暗躍を繰り返すが、その目的は不明である。
実は影でエイダと交際しているが、それはオスカーからベザリウスの扉の鍵の在処を探り出す為の道具にする為で、内心では彼女の事は嫌っている。むしろ過去の経験から女性嫌悪をしている節もある。一方でロッティのように裏表なく自身に対して淡白な女性はあまり嫌ってはいない。
しかしこのような人物だが、兄のギルバートさえ絡まなければ意外にも感性は常識的な部分もあり、特にエイダとの絡みを境にして、後に作中では段々とツッコミ役にも回るようになっていった。
契約するチェインは『眠り鼠(ヤマネ)』。ゼンマイ仕掛けの玩具のネズミのような姿をしたチェインであり、対象者を眠らせることができるのだが、副作用としてヴィンセント本人もその力に当てられて思わぬ場所で寝ることもある。
実はギルと同様に100年前の人間である。サブリエの悲劇の際にギルにグレンの力を継承する儀式を妨害する為に、謎の女性の口車に乗せられてアヴィスの扉を開けた張本人。そのことがサブリエの悲劇とどう関与したのかは不明だが、彼自身は自分のせいでサブリエの悲劇が起きて慕っていたジャックらが死んたのではという恐れから、100年前の真相を知られることを何よりも恐れており、同時に兄のギルに対して強迫観念と言える程の執着を持って行動するようになった
○エコー
CV:広橋涼
ヴィンセントの従者の少女。年齢は自称16歳。
水色の短髪の可愛らしい少女だが、無表情で棒読みで台詞に必ず句読点を付けるのが特徴。一人称は「エコー」。本作のヒロインの一人であり、本作では希少なクーデレキャラ。
ヴィンセントに忠実な人形のような振る舞いを見せるが、内心ではヴィンセントのことはウザがっており、本心ではヴィンセントに対しては恐怖や不信感も抱いている。
一方でオズのギルバートの主人であり恩人という話をすんなり信じたりと、意外に根は素直な性格であり、相手に対してもズバズバとものを言うなどある意味アリスと同じで裏表がない。
オズからは「エコちゃん」と呼ばれているが、その度に「エコーです」とばっさりと返すのがお決まり。しかし、オズの言葉に共感したことをきっかけにやがて人間らしい感情に目覚め、ヴィンセントの命令に背くなど独立した意思を見せ始める。
そしてやがてオズに対して好意を抱き始め、オズから祭りの際にプロポーズを意味する髪飾りを貰って赤面したり(オズ自身はその意味を知らなかった)、アリスに嫉妬したりと明確にデレ始める。可愛い。
そのビジュアルとクールな杓子定規系のキャラ、そしてデレた時の破壊力から本作の男性ファンオタクからの人気は非常に高く、特にヴィンセントにとある理由で毒を盛られた際の顔を赤らめながら息を荒くして喘ぐエコーの姿は、全国のリョナ好きを無事に爆死させた。
ちなみに作者のお気に入りキャラの一人でもある。
戦闘では、袖から暗器を出して戦い非常に高い身体能力を持つが、人間相手はともかく通常の武器が効かないチェイン相手には決定力に欠ける。
その正体はバスカヴィルの民の一人、ツヴァイ(ノイズ)のチェインが生み出した仮想人格の一つ。普段はエコーとして活動しているが、ヴィンセントの命令でツヴァイと切り替わる。肉体の所有権は当然ながら主人格のツヴァイの方が上である。ちなみに仮想人格でありながら普段からヴィンセントの従者として活動している事から、ヴィンセントに並々ならぬ執着を抱く主人格のツヴァイからは嫌われている
○オスカー=ベザリウス
CV:梅津秀行
オズとエイダの叔父で、ベザリウス家現当主。年齢は当時は35歳で作中では45歳。
オズを父親代わりに育てた人物であり、現在のオズの人格は彼の影響が大きい。
10年前までは細身なイケオジだったが、10年でマッチョになった。
豪快で気さくな性格をしており、貴族らしからぬ庶民的な感覚の人物で、よく服装を変えて下町に遊びに行っている。庶民の出である妻のサラともそこで出会ったのだが、身体が元々弱かった為に出産の際に母子共に亡くなっている。
女好きでしょっちゅう女性を口説いており、その点はオズにしっかり引き継がれている。しかし、今でも本当に心から愛している女性はサラだけである。
その人柄から貴族間でも人気は高く、パンドラ内でも彼を慕う者は多い。レインズワース家の使用人のブレイクや、バルマ家の使用人のレイムとも仲が良く、派閥間を超えてパンドラ内での影響力は非常に高い。
オズやギルバートからも尊敬されているのだが、ギルバートの方からはベザリウスを裏切りナイトレイに渡ったという引け目から、この10年間は避けられ続けていた模様。しかし、2人のことは実の息子として変わらず大事に想っており、ぶっちゃけ本作屈指の漢である。
前述の人柄もあってか次男でありながらベザリウス家当主に選ばれたが、チェインとの契約に必要な素質は無かったらしく、ベザリウス家の保有する黒翼のチェインである鷹獅子は兄のザイが契約した。それでも当主として他の家とも渡り合えるだけの確固たる政治手腕もあり、時にはオズやギルバートを2人の安全を確保した上で、あくまでパンドラの人間として利用することを容認する側面もある。
○エイダ=ベザリウス
CV:福原香織
オズの妹。年齢は当時は8歳で作中では18歳。
10年前は幼い少女だったが、10年の時を経て可憐かつナイスバディな美少女に成長した。本作のヒロインの一人であり、その中でもぶっちぎりの巨乳である。その大きさはロッティすら超えており、作者曰く「その胸は凶器」。
性格は天然ぎみのおっとりとした少女であり、背景には花とのほほ~んという擬音が入るほどである。現在では国内有数の名門であるラトウィッジ校に入学しており、そこではこのキャラクターに似合わず風紀委員を務めている。しかし一方で、いざという時はなれない剣を手にしてヴィンセントを守ろうとするなど、実は芯の強さも持っている女性である。
猫が好きらしく10年前も現在も猫を飼っており、ラトウィッジ校では風紀委員の活動に猫の嗅覚も利用していた。
オスカーやオズからは溺愛されており、彼女が好きな人ができた旨を報告したところ、特にオスカーは半狂乱状態になるほどである。一方で彼女自身も叔父や兄のことを慕い続けて10年もの間兄を待ち続けていた。ギルが常に被っている帽子も彼女がプレゼントしたものである。
実は彼女が想いを寄せる相手とはヴィンセントのことであり、オスカーが持つベザリウス家が持つ扉の鍵を手に入れる為の材料として利用するべく、ヴィンセントから交際を申し込まれたのだが、利用されるどころか持ち前の天真爛漫さで逆に無自覚にあのヴィンセントを振り回していくことになる。ヴィンセントに対する想いは本物なのだが、そもそもブラコンの変態であり女嫌いの気すらある彼との恋愛を成就させるのは、あまりにも高く険しすぎる道のりである。
さらに10年間も兄をアヴィスから助ける方法を探すべく、彼女なりに様々なオカルトや伝承を調べた結果、とんでもないオカルト好きになってしまい、その様はあのヴィンセントをドン引きさせた。10年前からギルが教えたアヴィスの伝承に興味を持つなど元々その傾向はあった。
○ザイ=ベザリウス
CV:大川透
オズとエイダの父親にして、オスカーの兄。
作中ではある理由から顔に常に影が入っており、その容姿ははっきりと描かれてはいないが、顔に大きな傷があるのが特徴。また10年後は顎ヒゲを生やしている。
何故か息子のオズのことを毛嫌いしており、その感情は憎悪に域にすら達している程。基本的にオズのことは「アレ」と呼んでおり、名前を呼ぶことすらもない。
オズの存在すら全否定しており、彼の言動がオズの人格を歪める決定的な要因となった。この為にオズの中ではその存在自体がトラウマになっており、ギルバートからは殺意を抱く程に嫌悪されている他、オスカーやエイダからも複雑な感情を抱かれている。
何故かオズがアヴィスに堕ちた10年の間に消息を絶っているが、ベザリウスの人間としての権力や政治手腕はかなりのものだったらしく、国内の貴族間での知名度や影響力は未だに強い。作中ではエリオット達も一目見ただけで彼が誰なのかを理解する程で、成人の儀の際にはシャロンも今後は彼と比較されるであろうことをオズに忠告している。
後に何とバスカヴィルの民と行動を共にしていることが明らかとなったが、その目的は謎に包まれている。また、何故かベザリウス家と対立関係にあるナイトレイ家当主のナイトレイ公とも繋がりがある模様。
契約するチェインは黒翼のチェインの一体の『鷹獅子(グリフォン)』。黒い巨大なグリフォンの姿をしたチェインであり、アヴィスとこちらの世界を繋げて入口を作る能力を持っている。加えて本人も剣や銃などである程度は戦えるが、流石に最前線で戦力として戦える程ではない。
実は成人の儀の日にオズをアヴィスに堕としたバスカヴィルの民の正体。鷹獅子の力でオズを堕とした張本人で、ギルが彼を憎む理由はその為である。彼とバスカヴィルの関係性は10年前以前からのものであり、バスカヴィルにオズがジャックの器である事を教えて、アヴィスに堕とすように進言したのも彼である
○エリオット=ナイトレイ
CV:野島裕史
ナイトレイ家の嫡男で、ギルバートとヴィンセントの義理の弟。年齢は16歳。
現在は名門ラトウィッジ校に従者のリーオと共に通っている。
性格はとても誇り高い熱血漢で、自分の家名と血に強いプライドを持っている。弱者や他人を助けることを貴族としての誇りであり義務としている、良い意味で貴族らしいノブレスオブリージュの精神に溢れた少年。
常に弱者を助ける事と自分を決して死なせない事を信条としており、自分のことを粗末にする者には他人を助ける資格などないという信念を持つ。
その信念と行動、そして彼の言葉が結果的にはオズに自身の過ちや問題を気付かせ、オズの精神的な成長と変化に大きく影響する事となった。
負けず嫌いな努力家であり、本質的にはオズと似ているところも多い。
その一方で、短気なので直ぐに頭に血が上り後先を考えない言動をすることも多く、色んな意味で猪突猛進気味な少年であり、その点でリーオに諫められる事も少なくない。ブレイクからは「沸点の低いお坊ちゃん」と評されている。
基本的には、ナイトレイ家の人間とは思えない程に真っすぐな少年なのだが、その真っすぐ過ぎる性格に加えて、父親のナイトレイ公にベザリウスを憎むよう幼少期から刷り込まれた事もあって、ベザリウス家には強い敵意を示しており、エイダのことも一方的に嫌っている。一方でエイダからは「とても頼りになる優しい人」と評されている。
また、鴉との契約に成功したにも関わらず、実家を逃げ出してベザリウス家に戻ってオズの従者をしているギルバートのことも嫌悪している。ギルバートの方もナイトレイ家の中では唯一エリオットの事は義弟として可愛がっていた事もあって、エリオットに対しては強い負い目を感じている。
オズとも当初は愛読小説「聖騎士物語」の押しキャラで衝突して以降、オズがベザリウスだと発覚したこともあってすれ違いが多かったが、オズ自身がラトウィッジ校の件を経てエリオットと友達になる事を望んでぶつかり続け、やがてエリオット自身も自分の目で物事を見極められる人間になりたいという思いを抱くようになった事もあって、エリオットも心を開き2人は気の置けない友人となっていった。
一方で、100年前にグレンが作曲した懐中時計のオルゴールの曲「レイシー」を、何故か自分が作曲したと言ってリーオと共にピアノで連弾したり、血まみれの死体の中で血に濡れた剣を持って佇むという悪夢に苦しめられるなど、色々と謎が多いが…
戦闘ではナイトレイ家後継者の証である黒剣で戦う。剣術は年齢を考えると中々なものであり、本気ではなかったとはいえバスカヴィルのファング相手に時間稼ぎできる程。
○リーオ
CV:渡辺明乃
エリオットの従者を務める少年。年齢は16歳。
ぼさぼさ頭にビン底眼鏡が特徴で、いつも飄々としたマイペースな性格。本好きであり知的好奇心が凄く、珍しい動植物など自分が好奇心を持ったものは全て調べようとする。
基本的には冷静なのだが、実はエリオットよりも手が早く凶暴な性格であり、主人のエリオットに対してすら一切の容赦なく鉄拳制裁を下す。また、エリオットに対しても全く遠慮せずにズケズケと物を言うなど、作者からも「エリオットじゃなければ即クビになっている」と評されている程である。
しかし、実はエリオットに対してはかなりの忠義と恩を感じており、彼の一切遠慮ない言動も全てはエリオットに対する彼なりの従者としての使命感からである。実際にエリオットが内心では自分の非を認めている場合は、何も言わずに彼に静かに自制を求める。エリオットに対する忠誠心は並々ならぬものであり、彼の為なら自分自身やオズのことすら殺せると発言する程。エリオットからも単なる従者を超えて対等な友人として扱われ、その絆は互いに非常に強い。
元々は孤児で、ナイトレイ家が管理する孤児院・白天使(フィアナ)の家出身であり、エリオットとはそこで出会い彼に見初められた。庶民の出身の者を従者にすることは、エリオットの兄や姉からは大反対されたものの、エリオット自身は自分やナイトレイの名に媚びない従者を欲していたこともあって、半ば強引にリーオを従者にしたという経緯である。
一方で、何故か自身の眼を見られることを何より嫌っており、かつて自分の髪を斬って眼を見ようとした子供を殺しかけた程である。かけている眼鏡も伊達であり、髪を伸ばしているのも全て眼を隠す為である。
一応エリオットの護衛も兼ねている為、普段から銃で武装してその扱いも教え込まれているものの、銃や剣を扱うセンスは皆無で、銃が当たった際には本人も驚く程である。
○ルーファス=バルマ
CV:内田夕夜、チョー(幻影)
四大公爵家の一つ、バルマ家の現当主。年齢は67歳。
現在の四大公の中では最年長なのだが、彼もまたチェインとの契約の影響で肉体の成長が止まっており、外見は20歳前後のまま。その事や本人の秘密主義もあってか、基本的にパンドラ内であっても公の場に出る時は、下記のチェインの力で作った風船人形ような外見の老人の幻影を影武者としており、本人はシェリルの車椅子を押す従者の青年に扮している事が多い。
古風な口調が特徴な人物で、常に人を喰ったような言動をする非常に食えない人物。
パンドラ随一の変わり者変人と呼ばれており、「知識は力」「情報を制した者が全てを制する」というバルマ家の家訓をどこまでも地で行く男。その情報力は凄まじくパンドラを駆使した情報網の構築はおろか、他人の弱みを握ることにも余念はなく、知ったところでどうにもならないような、極めてどうでもいい個人情報まで把握しようとする。
他人のことは基本的に己に有益か無益かのみで判断し、平然と駒として利用する冷徹な人物でもあり、オズやブレイクらからは嫌悪されている。口では相互利用とは言いつつ何だかんだで情を捨てきれないブレイクとは違って、こちらはオズ達とは完全なる相互利用に基づく関係性が展開されるのが特徴で、一応味方サイドのキャラだが完全な味方とは言い難い。
物語ではその情報力を振るって、度々オズ達に働きかけては彼等を利用する形で動かすポジションであり、物語の謎を紐解く上で非常に重要な役割を担うキャラとなる。
そんな彼の唯一の弱点は幼馴染であるシャロンの祖母・シェリル女公爵であり、彼女に対しては昔から一切頭が上がらず、彼女のハリセンによる制裁を何よりも恐れている。一方で彼女に対してだけは自身の情報を無償で提供することもあるなど、実は互いに深い信頼関係がある模様。
さらに加えて、シェリルこそが彼の初恋の人であり、彼女が結婚して娘どころか孫が生まれて、老齢になった今でも恋焦がれ続けているとんでもなく一途な人。ただし、愛しているのは彼女だけで、その孫のシャロンにも一切容赦ないところは徹底している。
契約するチェインは黒翼のチェインの一体の『愚鳥(ドードー)』。黒い巨大なドードーの姿をしたチェインであり、幻影を作り相手を惑わす能力を持つが、やろうと思えば相手をショック死させることもでき、単純な物理的戦闘力もかなりのものである。また、ルーファス自身も常に愛用している鉄扇である程度戦闘を行え、その見かけに反して戦闘力は中々のものである。
○レイム=ルネット
CV:諏訪部順一
バルマ家に仕える使用人。ルネット伯爵家の次男で、年齢は26歳。
生真面目な性格で、変人の主人やイカレた部下兼友人の間に挟まれて振り回される作中屈指の苦労人。
緊張したり追い詰められると眼鏡を高速で拭くのが癖である。
あのブレイクの数少ない友人であり、昔ある事情から一時的にレインズワース家で働いていた頃に、ブレイクと出会いやがてシャロンの母・シェリーの影響で心を取り戻したブレイクと親しくなった。
周囲からは「影が薄い」だの「地味」だのと評される事が多いが、仕事自体は非常に優秀であり、実はパンドラ内での信用や影響力はかなりのもの。基本的に家の関係で派閥がハッキリと分かれているパンドラ内においても、どの家とも一切わだかまりなく交流しているほぼ唯一の人で、主人のルーファスは勿論、他の四大公のオスカーやシェリルからも信頼されている。
さらに何故か年下からも年上からも、上司からも部下からも「レイム」or「レイムさん」と呼ばれて全くファミリーネームでは呼ばれない。それだけ親しみやすいということなのであろうが本人は気にしている。
主人のルーファスの無茶ぶりにも慣れており、彼の数少ない指示からその意向を汲み取って行動する非常に有能な人物である。
契約するチェインは『三月うさぎ(マーチヘアー)』。羽根付き帽子を被った白いうさぎの姿をしたチェインで、契約者を一時的に仮死状態にする能力を持つ。戦闘には全く使えないチェインで、その戦闘力は下級チェインのトランプ以下である。その為にルーファスからチェインの能力を隠すように命じられ、他のパンドラの関係者やブレイクですら三月うさぎの能力は知らなかった。
○シェリル=レインズワース
レインズワース家の現当主。実年齢不明だが、ルーファスの年齢から考えるとおそらく60代前半から中頃と思われる。
見た目は優雅で気品が漂う上品な糸目の老婦人であり、常に朗らかで笑顔を絶やさない。足が不自由であるらしく車椅子で移動している。ちなみに糸目なのは若い頃からである。
一方で、想定外の危機的な事態にも全く動じないばかりか、それを逆に楽しむ程の凄まじい胆力の持ち主であり、本気を出した時の迫力と威厳は一切老いを感じさせないまさに女傑。レインズワース家の家訓である「レインズワースの女たる者、いついかなる時も明るく・軽やかに・美しく」を、年老いてなおどこまでも地で行く女性。
パンドラや他の四大公に対する影響力や政治手腕も凄まじく、あのルーファスですら全く頭が上がらない。ルーファスのことは「ルー君」、使用人のブレイクのことは「ザッ君」と呼んでおり、この2人を子供扱いできる作中唯一の人物。ブレイクが「パンドラ最強」と呼ばれているのに対して、彼女自身は「パンドラ最恐」と周囲からは恐れられており、あのヴィンセントですらあまり近づきたくないと考えている程である。
レインズワース家に伝わるハリセン術の威力もシャロンのそれを超えており、単純に叩く事はおろか投擲して壁にめり込ませる事すらも可能。何者なのこのおばあちゃん…
一方で、その愛用ハリセンに国内で流行しているジャン太君というぬいぐるみのキーホルダーを付けているなど、意外とミーハーな一面も持つ。
契約するチェインは黒翼のチェインの一体の『梟(オウル)』。黒い梟のような姿をしたチェインであり、普通の梟のサイズから他の黒翼のチェインと同サイズの巨体まで自由に大きさを変えられるのが特徴で、無音の闇を作り出して広範囲の相手の視覚と聴覚を封じる能力を持つ。主に後方支援向けの強力な能力だが、契約者への負担が大きいらしく短時間しか使えない。
≪アヴィス≫
○アヴィスの意志
CV:川澄綾子、柚木涼香(うさぎの人形)
アヴィスの力の核が具現化した少女で、パンドラとバスカヴィルの民の双方が求める存在。
普段はアヴィスの最下層に存在する喋る人形だらけの家に住んでいる。
外見はアリスと瓜二つであり、本人曰く彼女の本当の名前も「アリス」である。血染めの黒うさぎのアリスとの相違点は髪や服装まで全てが真っ白であること。
文字通りアヴィスの全ての核となる存在であり、一部の例外を除いて全てのチェイン達が仕えるべき主人にあたる。チェインにとって彼女の意思は絶対であり、違法契約者のチェインは基本的に自分の契約者よりも彼女の意思を最優先する。パンドラのチェインなどの完全に契約者の制御下に置かれているチェインであっても、暴走したりその制御から外れた場合は彼女の意思を実行すべく暴れる。
性格は、アリスとは対照的な穏やかな言動で天真爛漫かつ無邪気だが、己の快不快だけでチェインを破壊し、チェシャ猫にあげる為に笑顔でブレイクの左目を抉り取るなど、無邪気故の残酷さと狂気が滲み出ている少女。
しかも、その時々で急に人が変わったかのように笑ったり子供のように泣きじゃくったり、直前までの記憶を喪失したりと、その言動も情緒も記憶も全てが不安定な存在である。
かつてサブリエでバスカヴィルの元で幽閉されていた際にジャックと出会い、自身に様々な事を教えて遊びに来てくれるジャックを強く慕うようになる。ジャックに対する執着心は凄まじく、現在もアヴィスでジャックの事を待ち続けており、それによって現実世界に様々な干渉をしようとする。ジャックの器であるオズの事も求めており、その為にバスカヴィルからはオズはアヴィスの意志に繋がる鍵と見なされ危険視されており、パンドラもオズに注目している。
その一方で、アリスのことは嫌っているらしく、時折アリスに対して干渉しては冷笑的な言葉を浴びせて時には排除しようとする他、彼女の意思を受けたチェシャ猫を初めとした多くのチェインがアリスの命を狙って行動している。
その正体はアヴィスで産み落とされた双子の片割れがアヴィスの核と融合した存在。そしてもう一人の双子こそが後の血染め黒うさぎの方のアリスであり、彼女が人間だった頃は彼女の身体を使って時折現実世界に意識だけ表層化してアリスとして過ごしていた。即ちアリスとはこの双子に与えられた共通の名前であり、2人は文字通り表裏一体の同一にして異なる存在同士である
○チェシャ猫
CV:山口勝平
猫型の獣人のような姿をしたチェイン。
元々は目が無かったのだが、かつてアヴィスの意志がブレイクから奪った左目を与えられている。右目はない。
アヴィスの意志の狂信者であるとされており、彼女に仇なす全ての者に敵意を向ける。
普段はアリスの記憶から構築された特殊な空間を住処としており、そこでアリスの記憶を守っている。基本的には現実世界に干渉することはなく、この空間内ではチェインとしての存在を安定させて自由に力を発揮できるので、事実上契約者を必要とはしていない存在である。
アリス同様に確固たる人格と自我を持ち、食人や殺人衝動も希薄であるなど極めて特殊なチェインである。外見も巨大な猫の影のような姿になって暴れる事もできるが、こちらは暴走状態に近くこの姿になることは人型の姿を捨てることであり、アリスと違って自由に姿を変えられる訳ではない。また自分の事をチェインではなくあくまで猫だと自認していることも特徴。
作中では、アヴィスの意志の脅威であるアリスとブレイクをまとめて自身の空間に閉じ込めて抹殺を試みる。一方で何故かアリスの記憶を守る事を己の使命としており、オズからも違和感を抱かれるが…
その正体は、かつてヴィンセントに両目を抉られたアリスが飼っていた黒猫が、アヴィスに堕ちてアヴィスの意志の力でチェインと化した存在。彼が慕っていたアリスとはアヴィスの意志の方であり、後に血染めの黒うさぎとなるアリスではなかった。彼が守るアリスの記憶も厳密にはアヴィスの意志の記憶であり、彼はアヴィスの意志を守るべくその記憶を守り続けていたのである
≪バスカヴィルの民≫
○シャルロット=バスカヴィル
CV:豊口めぐみ
愛称”ロッティ”。実年齢は不明。
バスカヴィルの実働部隊の一人で、一見するとイケイケで自由奔放なお姉さんであり、ファングらも手を焼く女性。気に入らない男は足で踏んでいくスタイル。作者のお気に入りキャラの一人である。
しかし、実際はバスカヴィルの使命に関しては誰よりも真面目で真摯であり、部隊の中では現場指揮官を任せられることも多い。その為に作中では回を追う毎に素の真面目な性格が表に出るようになっていき、当初のふざけた言動は鳴りを潜めていった。
加えてとても仲間思いであり、特に年少のリリィに対しては姉のように色々と面倒を見ている。
実はかつてグレンに恋心を抱いており、彼を崇拝している。ジャックとも奔放な彼を一見嫌いながらも内心では彼がグレンと友人として接することに感謝していた。それだけにグレンを倒して英雄と呼ばれるようなった現在のジャックに対しては、かなり複雑な心境を抱いている。
また、グレンに対する思いもかなりのもので、バスカヴィルの使命とは関係なく100年前のグレンの真意を知りたいという思いもあり、ラトウィッジ校の件ではファングらと共にあくまで独断でオズと接触して、ジャックから話を聞き出そうともした。
同時に他人を見る目もかなりのもので、初対面でオズの歪さを見抜いて彼が加害者であることを告げてオズを精神的に追い詰める。しかし結果的には、彼女の言葉がエリオットと並んでオズに自らの間違いを気付かせて、彼を精神的に成長させる大きな要因となった。
作中では、バスカヴィルサイドの中心的な人物として全編を通して活動しており、オズ達やパンドラと衝突する機会も最も多い。その為、必然的にある目的からバスカヴィルに接近しようとしていたブレイクとも何かと縁がある。
契約するチェインは『リオン』。王冠を被ったオスのライオンの外見をしており、高い機動力に加えてパワーや攻撃力などにより優れており、地面に罅を入れる程の膂力と爪を持つ強力なチェイン。
○リリィ=バスカヴィル
顔に魔の紋様を彫られた少女。外見年齢は12歳で実年齢は不明。
サブリエの悲劇の際にアヴィスに堕ちたが、11巻で新たにバスカヴィルが保有する扉から現実世界に出てきた。それ以降はロッティ達の実働部隊に加わっている。
基本的には無邪気で人懐っこい少女で、天真爛漫で典型的なアホの娘。バスカヴィルの民の屈指の癒しキャラとして存在しているが、しかし一方でその無邪気さ故の残酷な一面も持つ。
ある一件でレイムと関わって以来、様々な理由が重なってレイムがお気に入りとなる。しかしパンドラの人間であるレイムは彼女と敵対せざるを得ず、レイムの方は無邪気に自分に善意を向ける彼女に複雑な心境を抱いている。
契約するチェインは『バンダースナッチ』。黒い猟犬のような姿をしたチェインであり、上記のリオンがパワーに優れていたのに対して、こちらはより機動力に優れている。しかしその爪を使った攻撃も、人間に瞬間的に難なく致命傷を与える程の高い殺傷力を持っている。
○ファング=バスカヴィル
CV:近藤孝行
尖った髪型をした大柄な糸目の青年。
バスカヴィルの実働部隊の一人で、常に物腰は丁寧であり、敵であっても礼節を持って接する人物。奔放な言動をするロッティに手を焼く事もある。顔の刻印はリリィの顔の魔の刻印を真似て彫ったものである。また、子供好きらしくリリィの面倒も頻繁に見ており、リリィからも特に慕われている。
バスカヴィルの使命には従順だが、一方で良識的な人物で道理に反したことは嫌っており、サブリエでのグレンの虐殺命令にも真っ先に異議を唱えていた。
バスカヴィル屈指の剣士であり、主に身の丈ほどもある大剣を使って戦う。その戦闘力と剣術は相当なものであり、エリオットを難なくあしらっている他、純粋な剣術ではブレイクには及ばないものの、作中では下記するチェインとの連携で彼をギリギリのところまで追い込んでいる。
契約するチェインは『トーブ』。黒い穴熊のような姿をしたチェインであり、地中を自在に掘り進んで地中から奇襲することを得意としている。小型のチェインだがその爪による攻撃力は一撃で人間に重傷を負わせるなどかなりのもの。しかしどちらかと言えば奇襲攻撃を得意とするチェインな事に加えてファング自身が自分が戦うことを重視しているので、契約者としては珍しく戦闘ではあくまでチェインは補助要員として使っている。
○ダグ=バスカヴィル
CV:白熊寛嗣
寡黙な大男。
バスカヴィルの実働部隊の一人で、口数は少ないが、ファングと共にリリィの顔の魔の刻印を真似て自分も顔に刻印を彫るなど、非常に仲間思いであることが伺える。
基本的には裏方に徹してあまり目立たないが、戦闘ではモーニングスターを駆使して見た目通りのパワフルな戦闘を行う他、ロッティ達を担いで移動したり撤退するなど、その見た目に反して動きも非常に早く、行動や判断力にも優れている。
ユラ邸の事件の際には、どさくさに紛れて封印の石を破壊するなど、その時々の状況に乗じて仕事もきっちりとこなすので、仲間内での信頼も厚いらしく、まさに縁の下の力持ち的存在。
また、この見た目に反して薬草や毒物などにも精通している。
○ツヴァイ=バスカヴィル
謎のバスカヴィルの女性で、一人称は「僕」。外見年齢は16歳で実年齢は不明。
その容姿はフードに隠れていて謎だが、どうやらかなりの薄着の上からマントを羽織るという中々な恰好をしている模様。
第1話から登場している唯一の名有りのバスカヴィルで、成人の儀の日にオズを襲撃し、ギルの身体を操ってオズを傷つけ、オズをアヴィスに堕とす準備を整えた張本人。その為に、ギルからは強い敵意を向けられているが、一方で何故か彼女の方もギルに対しては強い悪意を抱いている模様。
非常に凶暴かつ残忍な性格で、下記するチェインの能力で人間を弄び、オズがアヴィスから帰還したのを察知すると、独断でオズの動向を先回りして追い、再びギルを操って彼をアヴィスに堕とそうとした。
それ以降は勝手に独断専行した挙句、オズを危うく死なせかけた咎で謹慎処分を受けているらしく、その性格や行動はロッティ達ですら手に負えないとのことで、同じバスカヴィルに対する仲間意識も希薄である。
契約するチェインは『ドルダム』。糸を張り巡らせた巨大な女性の人形のような外見をしたチェインであり、他人を糸で絡めとって『ドルディ』という名の仮想人格を取り憑かせ、契約者のツヴァイの意のままに操る能力を持つ。契約者に取り憑かせればその契約者が使うチェインまである程度操れ、対象が抵抗すればする程に糸が深く絡まって相手をより深く操れるようになるが、殆ど動揺も抵抗もしない相手などは上手く操りきれないという欠点も持つ。他にも仮想人格を取り憑かせて操るので当然ながら無機物は操れない。
その正体はヴィンセントの従者であるエコーの真の姿であり、ヴィンセントの前では通称の『ノイズ』を名乗っている。エコーとは対照的にヴィンセントに対して並々ならぬ執着と愛情を示しており、バスカヴィルでありながらバスカヴィルの使命よりもヴィンセントの意向を優先して行動している。ヴィンセントが執着する兄のギルや、平時は自分に代わってヴィンセントに仕えるエコーを嫌っているのもこの為
○潜む瞳(ジーリィ)
長いフードを纏った不気味な雰囲気の老婆。
常にバスカヴィルの本拠地のどこかに存在し、度々影から姿を現す。一応はバスカヴィルの一員なのだが、普段どこにいるのかもいつから存在するのかもグレンも含めて誰も知らない。
グレンとバスカヴィルの役割がアヴィスの管理と監視であるのに対して、バスカヴィルの頂点であるグレンが暴走しないよう監視するのが潜む瞳の役割であり、その為に悠久に近い時を生きている模様。
≪サブリエの悲劇の関係者≫
○ジャック=ベザリウス
CV:小野大輔
100年前のベザリウス家の子息であり、パンドラの創設者でもある。当時25歳。
オズをそのまま成長させたような外見の青年であり、長い髪を三つ編みにしているのが相違点である。
サブリエの悲劇の際に自らの力を持ってバスカヴィルと対峙し、当主たるグレンを討ち取って被害を最小限に食い止め、世界を救った英雄と称賛されており、その為に内情を知る者達からは、ベザリウス家は英雄の一族として尊敬を集めている。
明るく奔放な性格をしており、女好きで頻繁に女性を口説いている。その性格はオズやオスカーと通じるものがあり、さらに天然ボケでおまけ漫画等で周囲を振り回す。しかし本気を出せば、英雄という称号に相応しい凄まじいカリスマ性と存在感で周囲を圧倒し、当初は敵対していたパンドラの職員達も跪かせて崇拝させる程。しかし本人は英雄と呼ばれることに複雑な思いを抱いている。
レイムは、相手の心に自然に入って相手を屈服させるその言動や存在感を「清らかな水の様」と評している。
当然ながら既に故人だが、現在は魂の断片となってアリスの記憶の中におり、アリスの記憶に触れることでオズの身体に憑依し、自身の魂の断片を集めながらオズの身体の中で眠っている。
何故かオズのことを当初から知っていたらしく、必要とあれば彼の身体を借りて発言したり、彼の身体を通じてアリスの血染めの黒うさぎの力を操ったりもする他、100年前にアリスやアヴィスの意志、ギルやヴィンセントともそれぞれ深い関わりがあったらしく、彼等のことを気にかけるような発言も度々している。
本作のあらゆる謎の鍵を握る最大のキーパーソンである。
○グレン=バスカヴィル
CV:谷山紀章
バスカヴィル家の当主であり、サブリエの悲劇を引き起こしたとされる張本人。外見年齢は27歳で実年齢は不明。
実はグレンというのは、バスカヴィル家の当主が代々世襲する名前であり本名ではないが、しかし作中では専らグレンと呼ばれると彼を指す場合が多い。彼の本名は“オズワルド=バスカヴィル”。
自身の主人だった先代グレンのレヴィから当主の座を継いで、100年前のバスカヴィル当主となる。同時にジャックとは親友の間柄だったのだが、100年前にアヴィスの意志を狙って突如サブリエの悲劇を引き起し、配下のバスカヴィルに大量殺戮を命令してジャックとは決別する。
その直後にジャックとの戦いで死亡し、本来百の巡りを経てこの世に帰還するグレンの魂は封印の石を使って封印される。その為に以降バスカヴィルはグレンの魂の探索と封印の石の破壊を最大の目標に設定して、100年間暗躍を続けてきた。
バスカヴィル家当主として5体の黒翼のチェイン全てと契約しており、その中でも最も強大な個体である『黒竜(ジャバウォック)』を特に使役していたらしい。現在は黒竜以外の黒翼のチェインは全て扉と共に四大公爵家に使役されている為に、黒竜がバスカヴィルが保有する唯一の黒翼のチェインとなっている。
○レイシー=バスカヴィル
ジャック、グレンにとって大切な女性だったとされる人物。外見年齢は25歳で実年齢は不明。
アリスによく似た外見の小柄な女性で、両目が紅く禍罪の子の一人。
第1話で登場した成人の儀の会場である屋敷の地下にあった謎の墓の主。ジャックとグレンの2人が作った曲「レイシー」の曲名となった人物でもある。
実は彼女の存在や行動があらゆる意味において全ての発端となった。
○レヴィ=バスカヴィル
オズワルドの主人にして、彼の先代のグレン。外見年齢は29歳で実年齢は不明。
外見は銀髪たれ目の青年で、一見すると飄々とした言動の気のいい青年だが、目的の為なら身内すら利用する冷酷さも持っており、配下のバスカヴィル達も気圧される程の非情な言動もするなど、非常に苛烈な側面も持っている。
バスカヴィルの当主でありながら、バスカヴィルの不変性を嫌って内心では変化を望んでいる人物で、ジャックのことも彼の異常性を気に入り、屋敷に入る抜け道を教えて、彼をオズワルドやレイシーと積極的に交流するよう取り計らった張本人。
オズワルドにグレンの力を継承した後に肉体の限界で死亡するが、死後彼の死体から生まれたあるチェインが、後に大きな悲劇を呼ぶこととなる。そして同時に彼とレイシーが生前に行ったある実験が物語の全ての発端となった。
○アーサー=バルマ
100年前のバルマ家の御曹司にして後の当主。ルーファスの3代前の当主にあたる。
当初からジャックやバスカヴィル家と親交を持っていた人物であり、サブリエの悲劇の後にジャックと共にパンドラを立ち上げて、ジャックの依頼で彼の死後にその死体を使って、バルマ家に伝わる魔術の知識を用いて封印の石を作成し、それを5人の術者達に託した。
さらに己が知りうるサブリエの悲劇やバスカヴィルに纏わる全ての情報を、何重もの暗号を使って手記にしたためて、バルマ邸の書庫の中に隠していた。
○ミランダ=バルマ
アーサーの妹。赤髪の美人。
ジャックともアーサーを通じて親交があったらしいが、サブリエの悲劇の際に消息を絶ったことから、アヴィスに堕ちたかバスカヴィルに殺害されたと思われる。
実は100年前にヴィンセントを唆してアヴィスの扉を開けさせた謎の女性の正体。ギルがグレンの力を継承して死んでしまうことを恐れるヴィンセントを、言葉巧みに誘導して扉を開けるように仕向けた。彼女の目的やその行動がどうサブリエの悲劇と結びついたかは不明だが、ヴィンセントにとってはこの出来事はトラウマと化しており、彼の女性嫌悪のきっかけともなった
≪その他の人物≫
○イスラ=ユラ
バルマ家の故郷たる“かの国”から派遣された使者。かの国の権力者の息子。
かの国の人間に多い赤髪と、くねくねしたオカマのような言動が特徴。
バルマ家と同じく情報こそ力という考えを持ち、あらゆる情報を得ることに至上の喜びを見出している。さらに「圧倒的な未知を前に笑いながら死にたい」という願望を持ち、己の命には全く頓着しない変態知識欲の権化のような人物。また、ジャック=ベザリウスの大ファンであり、彼の器にして生まれ変わりと呼ばれるオズに対しても執着している。
元々は、本国から四大公爵家と接触してパンドラやアヴィスに纏わる情報を探り出すように命令を受けて来たのだが、本人は本国の命令などに興味はなくあくまでも自分の個人的な欲求や目的のために活動している。
作中では元々同じ民族であるバルマ家と接触した他、さらに資金集めのために宗教団体を保有している。首狩り事件で息子や弟が死んで心を病んだエリオットの母親がその教団に入信しており、その関係でエリオットらとも因縁がある。さらに現在ではナイトレイ家が運用するフィアナの家にも頻繁に出入りしている模様。
情報力や政治交渉の手腕については本物であり、あのルーファスを情報戦で苦戦させる程である。
○フィリップ=ウェスト
オズがレべイユの外れで出会った少年。同年代の少年達に虐められていたところをオズに助けられる。
元々は貴族の子息だったが、没落したことで今では貧しい性格をしている。
しかし、父親と一緒にいられることから貧しい生活も気にしないなど、とても父親想いの純粋な少年で、父親の帰りを待っていたのだが、実はその父親のウィリアムこそ拘束された違法契約者だった。
エコーからウィリアムに対する人質とするべく当初は身柄を狙われたが、オズの説得によって解放されてオズから父親を取り戻すと約束をされる。しかしウィリアムはヴィンセントによって殺害されてしまい、その約束が果たされることはなかった。
その後は暫く登場していなかったが、後にサブリエでオズと再会し、現在はフィアナの家に引き取られていたことが明らかになる。しかし、本人は父親が死んだことを悲しむどころか、父親は生きていると主張しているなど、明らかにおかしな言動をしているが…
○ウィリアム=ウェスト
フィリップの父親。『蟲(グリム)』の違法契約者。
元は貴族だったが、友人に騙されて没落してしまい、環境の変化と貧しくなったことで妻を亡くし、その後悔とフィリップの環境を変えるために違法契約者となった。
どうやら首狩り事件について何らかの情報を持っていたらしく、その為に一旦パンドラ本部で拘束されていたのだが、脱走してそのままレべイユ市街に逃げる。
しかし、そこでアリスらと遭遇して血染めの黒うさぎの力を発揮したアリスに、蟲は深手を負わされて戦闘不能になり、必死で銃で抵抗しようとするも、フィリップの元に連れ帰ろうとするオズの涙ながらの訴えに戦意を喪失する。
しかし、その直後にヴィンセントによって射殺され死亡。息子と再び会うことは叶わなかった。
○リータス
封印の石を作成した術者の末裔。高齢の男性で足が不自由らしく車椅子や杖に頼っている。
母親の代から封印の石を守る使命を継ぎ、ジャックや母の遺言通り血染めの黒うさぎの力を持つ者が現れるまで、森の奥の屋敷の最深部で封印の石を守り続け、使用人のマリーに侵入者を排除するように命じていた。そのマリーのことはただの使用人ではなく実の娘のように愛している。
作中では、オズがジャックが予言していた血染めの黒うさぎの力を持つ人物だと察してマリーを止め、その後はパンドラに封印の石を引き渡すことを約束し、オズに自分達が知り得る情報を集めた箱を託した。しかし、オズ達が一旦リータス邸を離れたその直後に首狩りに襲撃されて、一瞬で首を刎ねられて即死した。
○マリー
リータスの従者の美しい女性。
元々は森の中に捨てられていた捨て子であり、リータスに拾われて育てられた。その為にリータスのことはただの主人ではなく、実の父親のように慕っている。
リータスの指示で屋敷の侵入者の排除の任務を受けており、封印の石の真上にある鏡の部屋に相手を誘導して、封印の石の力でチェインを封じて鏡で相手を撹乱して殺害するという戦法を得意としていた。本人の身体能力も非常に高く、人体を容易く切断する鋸を武器に戦う。
作中ではその戦法でオズ達を圧倒するが、オズがアリスに代わって血染めの黒うさぎの力を発現したことで敗北する。しかし、トドメを刺そうとしたオズをアリスが制止して、彼女自身も血染めの黒うさぎの力を見たリータスに制止されたことで戦いは終了する。
その後は、封印の石を引き渡す約束がされ、遂に長年の使命が終わったリータスにお茶を入れようとするが、その直後に首狩りによってリータスが殺害され、リータスの死に動揺して泣き叫んでいる間に、彼女自身も首狩りに首を刎ねられ死亡した。
○首狩り
正体不明の謎の違法契約者。
オズからアヴィスから帰還したその約1年前から活動している。主に四大公爵家の一つナイトレイ家を標的とし、物語開始時点でエリオットの3人の兄達と叔父を全員殺害しており、さらに鴉の契約者となったギルも2度襲撃されている。
数少ない目撃情報から契約しているチェインは『首狩りの女王(クイーンオブザハート)』という通称で呼ばれている。
一方で、リータス邸に現れて彼等を殺害して封印の石を破壊するなど、その目的は謎であり、その行動からバスカヴィルとの関係性も疑われるが当のバスカヴィル側にも覚えがない模様。
また、活動開始から既に1年が経過しようとしているのに、何故かアヴィス堕ちする様子もない。
重要用語解説
- アヴィス
現実世界と並行して存在する異世界。
表向きは大罪を犯した者が堕とされる牢獄という御伽噺の場所として知られているのだが、実際はチェインを生み出す母胎となる異空間であり、この空間に堕ちた生物はアヴィスの力の影響で変貌してやがてチェインになる。
あらゆる時代や時間と繋がっており、アヴィスとこちらでは時間の関係が完全に狂っているので、アヴィスから現実世界に帰還しても元の時間軸に戻れるとは限らない。パンドラがチェインを生み出す装置として認識しているのに対して、あらゆる時間に繋がっていることからグレンは「世界の縮図のような空間」と評しているなど、アヴィスという世界に対する見方は立場によって様々である。
現在のアヴィスは壊れた玩具箱のような暗黒の世界だが、かつては黄金の光が舞う美しい世界であったらしく、現在のアヴィスは完全に狂っていることがかつてアヴィスを管理していたバスカヴィル達からも示唆されている。そしてその原因がアヴィスの意志の誕生であるらしい。
かつてはバスカヴィルが管理するアヴィスの扉以外に、アヴィス側からこちらの世界に干渉する方法は無かったのだが、現在ではアヴィスが狂った影響で時折現実世界との間に“道”と呼ばれる亀裂が生じて、チェインが勝手に現実世界に渡ってくるようになり、違法契約者による被害が度々発生するようになった。
- チェイン
アヴィスの力によって生み出される異形の生命体。
アヴィスに存在して人知を超えた力や能力を持ち、通常兵器は殆ど効かない。様々な外見や種類の者がいるが、下位の者は同一個体が複数存在する。知能は個体や種類によって様々だが、殆どの者は明確な知性は持たずに本能のままに活動している。
通常はアヴィスの中にのみ存在するのだが、時折上記の道を通って勝手に現実世界に干渉してくる。しかし、現実世界で彼等が存在を保つのは無理なので、人間に契約を持ちかけて契約者を得ることで存在を安定させ、契約者の人間の身体に憑依して活動する。
そして契約者の意思や人格を侵食して、人間を殺害してそれを喰らうことでさらなる力を得ようとする。殆どの個体は例え正規の契約で制御された者であっても、殺人や食人の本能を抱えており、制御が外れれば己の本能やアヴィスの意志の命令のままに暴走するが、中にはそういったものを持たずに確立された自我や意思で動く個体や、他のチェインとは全く異なる性質や役割を持つ特殊個体も存在する。
チェインにはそれぞれ個体名が存在するが、それらの名前は不思議の国のアリス、鏡の国のアリスのキャラクターから取られている。かなりマニアックなものもあるのでアリスファンはそういった面でも楽しめるかもしれない。
- アヴィスの扉
アヴィスに通じる入口となる扉。全部で5つ存在する。
元々はバスカヴィルの民が全て管理していたが、サブリエの悲劇の際に四大公爵家によって内4つの扉の鍵がグレンから奪取され、そして後に奪取した4つの扉を一つずつ分割して四大公爵家でそれぞれ管理することとなった。
パンドラの契約者は、これらのいずれかの扉からチェインを呼び出して契約を行い、同時に扉を通じて契約したチェインは鍵を持つ当主がその扉のアヴィスの力を絶つことで、召喚できないようにする等の制御が可能である。ただし、扉からチェインを呼び出すには、その扉を守る番人たる黒翼のチェインとの契約者がいることが必須条件であり、その為にナイトレイの扉は長らく事実上使用不可能な状態だった。
四大公爵家にとっては、扉とその鍵は国内やパンドラ内での権力や立場を絶対的なものたらしめる言わば命綱であり、特に扉はアヴィスに干渉したり、パンドラ内の契約者という戦力を整えてそれを管理する上で必要不可欠なものである。
- 扉の鍵
アヴィスの扉を操る為のアイテムであり文字通りの鍵。
それぞれの扉に対応して一つずつ存在し、見た目は光の玉の様であり無機物に宿らせることで機能する。宿らせる無機物は何でもよく極論その辺の石でも可能。
これを使って対応する扉にアクセスしてアヴィスに干渉したり、チェインを呼び出したり、逆にアヴィスの力を絶つことでその扉を通じて契約したチェインを召喚不可能にできる。黒翼のチェインなどの強力なチェインの力なら破壊することも可能だが、破壊しても細かい光の破片が時間をかけて収束し、やがて元通りに復元されて自動的に復活する。
扉と並んで四大公爵家にとっては命綱と呼べるものであり、代々各当主が直接管理して宿らせた物も隠し場所も、基本的には身内や家族にも明かさないことが多い。
- 契約
チェインの存在を現実世界で安定させる為に人間と行う儀式。
チェインとの契約には2種類が存在し、一つはパンドラに選出された契約者がアヴィスの扉を使ってチェインを呼び出し、封血鏡(カルケル)というアイテムを使って行う正規の契約。もう一つは勝手に現実世界に干渉してきたチェインと、そのチェインの呼びかけに応じた人間が勝手に行う違法契約である。
違法契約の手順は契約するチェインの血を契約者となる人間が飲んで、チェインの名前を呼ぶことで完了する。その一方でパンドラでの契約手順はチェインの血を封血鏡に取り込ませて、同じくチェインの名前を呼ぶことで完了する。
また、契約者の中には稀にチェインと契約した時点で身体の成長が止まる者もいる。パンドラの契約者で該当するのはブレイク、シャロン、ルーファスの3人であり、バスカヴィルの契約者は全員そうなっている模様。
- 違法契約者
正式な手筈を踏まずに勝手にチェインと契約した者。
主に一般人が、道を通じて勝手にこちらの世界に干渉してきたチェインに唆されてなるものであり、存在の安定化を目論むチェインは「過去を変えたくないか?」と持ち掛けて、相手がそれを了承すると上記の手順を経て契約を行い違法契約者となる。
違法契約者となった者は、自身のチェインに過去を変えるだけの力を与える為に、チェインが望むままに他の人間を殺害して喰わせる。そしてチェインによって意識や人格を操作されて、殺人に対して特に抵抗を持たなくなってしまう。
そして刻印の針が進む毎に、チェインとの結びつきが強くなってより強力な力を引き出せるようになることと引き換えに、肉体がアヴィスの力に侵されて寿命が削られて精神も壊れていき、遂にはチェインが受けたダメージがそのまま契約者の肉体にもフィードバックされるようになる。
初期段階であればチェインを消せば助けられるが、この段階に入るともう手遅れであり、最終的には刻印の針が一周してアヴィスへの道が開き、契約者は鎖に囚われてアヴィスの最下層にまで引きずり込まれて消える。ちなみに過去を変えることについてはアヴィスの意志の元まで辿り着ければ一応できる可能性はあるのだが、大抵の者はそこまで行き着く前に精神が壊れて、自らがチェインに成り果てるとのこと。
- 刻印の針
違法契約者の胸に現れる契約の証。
時間の経過に伴って針が進み、それに伴ってアヴィスの力が契約者の肉体に満たされていく。それによってチェインとの結びつきが強まり、肉体や精神が徐々に壊れていき、そして最終的に刻印の針が一周すると契約者はアヴィスに堕とされる。
一方で、チェインが表層化していない時は末期の違法契約者であっても正常な状態である程度普通の暮らしができる上に、刻印の針も通常はチェインが表層化している間とその直後にしか出現しないので、違法契約者と普通の一般人を平時に見分けることはかなり困難である。
- 封血鏡(カルケル)
パンドラでの契約に用いられる小さな鏡。
パンドラが開発した専用の契約アイテムで、パンドラの契約者はチェインと契約する際に、これに血を取り込ませることで契約を行う。そうすると封血鏡に針の無い刻印が浮かび上がり、これによって契約者自身の身体に刻印を刻まず、契約者がアヴィス堕ちやアヴィスの力に侵されるリスクなく、これを媒介にして契約したチェインを操れる。その為に、パンドラの契約者はこれを常に肌身離さず持ち歩いている。
デメリットとしては、違法契約と違って契約に一定以上の資質を要求される他、直接チェインと繋がる違法契約程にはチェインの力を引き出すことはできない。さらに封血鏡を破壊された場合は、その時点でチェインとの契約が強制的に消滅する。
この封血鏡については、その内容からパンドラ内でも最高機密の一つに指定されており、パンドラ職員の中でも詳細は知る者は限られている模様。
- 封印の石
物語中盤頃に存在が発覚した本作のキーアイテムの一つ。
かつてジャックがアーサーに依頼して作らせたもので合計5つの石が存在し、それぞれが巨大な陣を描くことで、グレンの魂を縛りその魂を継いだグレンの器の自覚を阻害して、同時にバスカヴィルの民がグレンの魂を見つけることを妨害する効果を持つ。さらにはそれぞれの石の周囲では石の力によってチェインの召喚を封じられるという副次的効果もある。
素材にはジャック本人の身体を使っており、ジャックの死後に彼の死体を媒介にして、アーサーがバルマ家に伝わる魔術の知識と懇意にしていた術者達を使って5つの石を作成し、それぞれ5人の術者に託して管理させていた。しかし、その後は術者達とパンドラの関係が完全に切れてしまい、作中でルーファスがアーサーの手記を解読したことで、ようやくその存在がパンドラ内でも明らかになった。
外見は水晶のような見た目の巨大な円柱型の石であり、動かすのも困難なレベルの大きさである。特殊な材質で出来ていて銃や剣などで大きな衝撃を受ければ簡単に壊れてしまう。
序盤でファングが語っていたバスカヴィルの「探し物」の正体であり、バスカヴィルが100年間姿を隠して暗躍していたのは、これを探し求めていたからである。手がかりがほぼ皆無な上にそもそも現物の見た目すら分からなかった為、流石のバスカヴィルも捜索に苦戦していたが、作中でようやく一つ目の石を発見して破壊に至り、これを境にパンドラとバスカヴィルで封印の石を巡っての争奪戦が繰り広げられることになる。
各勢力用語解説
- 四大公爵家
国内の貴族の中でも特に強大な権力を有している4つの公爵家。
100年前のサブリエの悲劇の際に国を救った救国の英雄達とされており、その功績からそれぞれの家は高い地位と名声を与えられて貴族から尊敬を集めている。
その実態は、かつてジャックを中心にパンドラを結成した者達であり、バスカヴィルから奪取した4つのアヴィスの扉とその鍵をそれぞれ保有し、アヴィスの研究と互いの家を監視して牽制し合う為にパンドラを結成した。
これが四大公爵家が国内で高い権力と立場を保持し続けている本当の理由であり、パンドラの最高意思決定権は各家の当主達が有している。
一方で、その中でもナイトレイ家だけは表向き英雄とされながらも、裏では100年前の惨劇の際に国を裏切った裏切り公爵の汚名を噂されている。その為かナイトレイ家はパンドラでも汚れ仕事を担当することが多く、逆に英雄の一族として最も尊敬を集めているベザリウス家とは、まさに光と闇のような関係性で何かと対立やきな臭い噂が絶えない。
- パンドラ
四大公爵家を中心に結成された国家機関。表向きは国の治安維持機関とされている。
本部は首都のレべイユに存在し、他にもサブリエを含む各地に支部が存在する。ちなみに使用している施設の殆どは、かつてバスカヴィルが所持していたものである。
その実態は、サブリエの悲劇以降にアヴィスに関する研究を行い、同時にアヴィスの扉を有する四大公爵家が互いに監視し合う為に結成された機関である。長年に渡る研究で封血鏡や、チェインとその契約者を強制的に拘束する束縛の陣の開発など様々な成果を出しており、違法契約者の取り締まりなどのアヴィスに纏わる国内の事件への対処も一手に担っている。
その一方で、アヴィスの研究の為なら人体実験等も影で行うなど、かなり後ろ暗い面も多い組織である。加えて組織自体は四大公爵家を中心とした貴族とその関係者で構成されており、前述通り最高意思決定権は四大公が持っているという形な為に、組織内は四大公爵家を中心とした一種の派閥で分かれているらしく、決して一枚岩の組織ではない。
組織としての目的は、バスカヴィルが保有する最後のアヴィスの扉と鍵を奪取し、最終的にはアヴィスの意志を手に入れて、アヴィスの全てを掌握することである。このように国家や各貴族の思惑が非常に色濃く出ている組織である。
- バスカヴィルの民
アヴィスの使者たる紅い死神達。アヴィスと共に御伽噺の存在として知られている。
しかし、彼等は実在する集団であり、その正体はかつての貴族“バスカヴィル家”の者達である。紅い死神の通称通りメンバーは全員が紅いフード付きマントを羽織っている。
かつてアヴィスを直接管理・監視していた一族であり、貴族の中でも取り分け特別な立ち位置に存在し、決して表には出ずに国家の裏で絶大な権力を有していた。アヴィスに直接干渉することが可能な唯一の一族であり、アヴィスに纏わる様々な知識と数多くの契約者を持ち、ナイトレイ家やバルマ家など極一部の貴族家だけが繋がりを持つことを許された。
しかし、100年前にグレンが突如サブリエの悲劇を引き起こし、グレンの命令で大量虐殺を行った結果、ジャックを中心とした四大公爵家に敗北したことで一気に没落し、生き残った者達は逆賊として追われて姿を消し、その所有地や施設の殆どはパンドラの管理下に置かれた。
その後は、100年もの間当主であるグレンを探すべく封印の石の捜索を行い、自分達に残された最後の扉からアヴィスに堕ちた仲間達を少しずつ集めて再起の時を狙っていた。その最終目的はグレンを取り戻し、やはりアヴィスの意志を手に入れることであり、その為にアヴィスの意志に繋がる鍵とされるオズを執拗に狙っており、パンドラからは最大の脅威として認識されている。
実は彼等は血の繋がった血族ではなく、アヴィスの使者の異名通りアヴィスによって選定された者達の集団である。選ばれた者の身体にアヴィスの光の玉が入り、その瞬間にその者は自然とグレンがいるバスカヴィルの本拠地へと引き寄せられてバスカヴィルとなる。そしてその肉体はチェインに近いものへと変わり、高い再生力を有するようになる。一方で彼等は元々アヴィスに近い特別な体質や力を有している者達なので、その存在自体が周囲の環境を歪めてしまう為に、不幸な境遇で生まれ育った者が多い。その為かバスカヴィル同士の結束力は非常に高い
- グレン=バスカヴィル
こちらではキャラではなくグレンという存在を解説する。
バスカヴィル家当主となった者達の通名であり、当主として5つの扉の鍵と、扉を守る5体の黒翼のチェインと同時に契約し、バスカヴィルの中でも取り分け絶大な力を有する存在。しかし、その強大な力と代価としてやがて肉体は生きたまま崩壊を始めるので、その前に次のグレンとなり得る者にグレンの力を継承する儀式を行う。
継承の儀式としては、5体の黒翼のチェインの継承権を譲渡して一定の時間をかけて順に契約させ、全てのチェインと契約することで継承を完了する。ちなみに次期当主のことはこの継承の儀式で初めて他のバスカヴィルの者達に周知される。
さらにグレンは不滅の魂を有する存在であり、歴代のグレン達の膨大な知識を保存する為に、その全ての魂と記憶は次のグレンの身体に代々継承される。例え継承の儀式の前に死亡したとしても、グレン達の魂と記憶は全て百の巡りの後にそのまま再び現世に転生し、新たなグレンとなり得る者へと宿りその者をグレンとして覚醒させる。そしてバスカヴィルの者達はグレンの元に引き寄せられて再び集う。
ちなみにグレンの肉体は、グレンの死後はチェインと化す。グレンの死体から生まれたチェインは、かつて己の中にあったグレンの魂を追い求め、その魂と器たる新たなグレンを傍で守ろうとする性質を持つ。
- 封印の石の術者達
サブリエの悲劇の後に、封印の石を作成した5人の従者達。
全員が当時のバルマ家お抱えの術者で、楔とそれに絡まる蛇のマークを共通のシンボルとしていた。
石の完成後は当時の当主のアーサーから石とそれを守る使命を託されるも、その後はサブリエ崩壊による国内の混乱もあって、その中でパンドラとの繋がりは絶えてしまい、既にパンドラからはその存在も認知されてはいなかった。
彼等の方も現在ではリータスなど一部の子孫しか生き残っておらず、殆どの一族が絶えて封印の石は誰に守られることも知られることもないまま、その多くがそのまま放置されていた。
中には使命を忘れて、石の力を私欲の為に使おうとした者もいた様だが、その者も結局目的を達成することはないまま息絶えた模様。
- ユラの教団
イスラ=ユラがこの国で資金集めの為に立ち上げた宗教団体。
上記の封印の石の術者達のシンボルマークを、そのまま教団のマークにしている。
思想としては「アヴィスは死んだ全ての者達がいる理想郷であり、世界をアヴィスに堕とせば死んだ者達とも再会できる」というまさにカルト宗教であり、首狩り事件で心を病んだエリオットの母親もここに入信し、ナイトレイ家に亀裂を入れる要因となっている。
また、現在ではナイトレイが管理する白天使(フィアナ)の家にも関わりを持っているらしく、同施設の子供達も教団の活動に参加しているなど、何かと不穏な空気になっているが…
作中で発生した事件
- サブリエの悲劇
本編の約100年前に発生した大事件で、本作の物語の全ての発端。
当時の首都サブリエが突如アヴィスに堕ちて消滅した事件であり、表向きは大地震によるものだとされている。
バスカヴィルの民とその当主のグレンが世界をアヴィスに堕とそうと目論んだ事件で、ジャックを中心とした後の四大公爵家がその被害をサブリエだけに留めて世界を救済したとされている。その際にグレンはジャックによって打倒されて生き残ったバスカヴィルの民は失踪し、後にジャックらはアヴィスの研究を進める為にパンドラを発足した。
この事件を経て英雄としての名声と、アヴィスの扉という影の力を手に入れた四大公爵家は、その後の動乱期を経て貴族達の尊敬を集めて国内で絶大な権力を有するようになっていき、逆にかつて裏で絶大な力を持っていたバスカヴィル家は没落し、逆賊として追われる身となった。
一方で、この事件が非常に不明瞭な部分や謎が多く、当事者であるバスカヴィルの民ですらその全容やグレンの真意を把握できてはいない。またこの事件にはアリスやギルやヴィンセント、そしてオズ自身も何らかの形で関わっていたらしく、ブレイクやシャロンはこの事件の真実を求めて活動している。
- 紅目の亡霊事件
本編の約50年前に起きた違法契約者による連続殺人事件。
ケビン=レグナードという名前のある騎士が起こした事件で、116人もの人間が殺害された挙句、ルーファスの祖父である当時のバルマ公が総力を挙げて捜査したが結局捕まえることはできず、最終的にはケビン自身が刻印の針によってアヴィスに堕とされたことで終結した。
契約者のケビンは紅い目が特徴的な人物であり、闇夜に浮かび上がるその紅い目から“紅目の亡霊”という異名で恐れられたという。
その正体はザークシーズ=ブレイク。かつて自身が仕えた主人の一族が末娘を残して政敵に全滅させられ、その過去を変える為にチェイン・白騎士(アルプス)と違法契約して多くの人間を殺害した。最終的にはアヴィスに堕とされてその先でアヴィスの意志と出会い左目を取られるも、必死で彼女に訴えて過去の改竄に結果的には成功する。しかし、その結果本来無事だった筈の末娘が違法契約者となって最期は一家全滅したという、より最悪の歴史に改変されてしまうことになった
- 首狩り事件
本編の約1年前から起きている違法契約者による猟奇連続殺人事件。
被害者はいずれも四大公爵家の一つナイトレイ家の人間であり、最初にナイトレイの長男とその叔父が、そして次に次男のクロードと三男のアーネストが相次いで殺害された。鴉との契約に成功したギルも二度襲撃され、一度目は直接襲撃されてギル自身は無事だったものの、その身代わりとなって使用人が死亡している。二度目は毒殺されかけたが何とか無事だった。
被害者はいずれも首を切断されており、そのことからパンドラでは犯人のことを“首狩り”と呼称している。
四大公爵家が直接狙われて犠牲者が出ていることから“パンドラ発足史上最悪の事件”として認定されており、パンドラは総力を挙げて最優先で捜査を進めているのだが、未だに手がかりは全く掴めてはいない。
クロードとアーネストの殺害事件以降は長らく消息を絶っており、アヴィス堕ちしたとも見られていたのだが、中盤のリータス邸の事件で再び出現して活動を再開した。しかし、今回はナイトレイとは全く関係ないリータスらが殺害されており、その目的は一切が謎である。
国家関連の用語解説
- この国
オズ達が暮らす作中の国家。正式な国名は不明で、作中では専ら「この国」「此方の国」等と呼ばれている。現在の首都はレべイユ。
王政の国家であり、貴族を中心とした国家運営がされている。かなり広大な国土を有した豊かな国であるらしく、首都近郊の物価も安定しているらしい。
100年前のサブリエの悲劇の後の数十年は、四大公爵家の誕生や首都の遷都の影響でかなり国内も混乱して治安の悪い動乱期が続いたのだが、現在では政治も経済も落ち着いて高水準で安定している。その一方で、街の外れに行くと貧しい生活をしている者も多く、細々と生活している没落した元貴族もいるなど、地域によっての貧富の差はやはり明確にある模様。
この国の基準では15歳で成人と見なされるらしく、貴族の場合は15歳になった者は社交会等への本格的な参加が許される。
実は、作中世界において唯一アヴィスと直接接触している“力場”のような土地に存在する国家であり、故にバスカヴィルの民もこの国に存在していた。その為アヴィスの力に直接触れることができる世界で唯一の国であると同時に、違法契約者の被害が発生するのも主にこの国だけである。
- レべイユ
この国の現在の首都。
大きく貴族が暮らす上流の町と庶民が暮らす下町に分かれており、上流の町にはオペラなどの上流の施設があり、下町は広大なマーケットを中心に広がっている。
町は主に貴族と庶民が生活圏を分けて共存する形で暮らしており、下町もマーケットを中心に活気は良く住民の生活水準や治安は全体的に高いが、一方で街の外れはスラムと化しており、こちらは治安も悪く貧富の差ははっきりとしている。
パンドラの本部やラトウィッジ校など国の重要な施設がほぼ集中しており、貴族の屋敷なども多数ある一方で、貧しい庶民は主に集合住宅で暮らしている。
年に数度「聖ブリジッドデイ」を初めとしたお祭りも行われ、この日は下町も貴族の町も問わず非常に賑わう。
- サブリエ
100年前のこの国の首都。
現在のレべイユと同様に貴族と庶民が生活圏を分けて共存する活気ある街だったらしく、多くの貴族に加えてバスカヴィル家の本邸もここに存在した。
しかし、サブリエの悲劇によって街はアヴィスに飲み込まれて消滅し、現在は土地を穿つ巨大な空洞と廃墟が残っているだけであり、その周辺は国内最大のスラム街と化している。
アヴィスの力が最も色濃く残る土地であり、穴の奥にはアヴィスの記憶が残留していて迷い込んだ者を迷わせる。そして帰り道を見失った者はやがてアヴィスの力に侵されて精神が壊れ、肉体が部分的にチェイン化した自我の無い怪物に成り果てる。その土地の危険性から、現在では穴の周辺はパンドラが封鎖しており、パンドラの支部が設置されて常時監視している。
実は100年間姿を隠していたバスカヴィルの本拠地はこのサブリエ跡地の穴の奥に存在し、バスカヴィルが保有する最後の扉もそのままそこに隠されている。自分達の勝手知ったる古巣でしかもパンドラの管轄地でありながらパンドラも易々とは踏み込めない場所という、まさしく灯台下暗しとはこのことである
- ベザリウス家の別邸
築200年以上とされるベザリウス家が保有する別邸。レべイユの外れに存在する。
ベザリウスの人間が成人の儀を行う際に利用する施設であり、誓いの言葉を述べて沈黙の時計台と呼ばれる時計に手を触れることで、成人の儀は完了となる。
この場所で成人の儀を執り行っている最中に、オズはバスカヴィルによって襲撃されてアヴィスに堕とされた。
その庭の下には古い墓が存在し、オズはそこで懐中時計を見つけた。オズの成人の儀の事件以降はパンドラの管轄下に置かれ、現在は使用されていない。
ここも100年前まではバスカヴィルが保有していた施設の一つであり、地下にあった墓はレイシーの墓である。
- ラトウィッジ校
国内有数の名門校。
全寮制で主に13歳~18歳までの貴族の子息が通う。国家の中枢を担う人材を育成することを目的とした学校であり、勉学だけでなく貴族としての振る舞いや集団生活など様々なことを学ぶ。ちなみにこの国では15歳で成人扱いなので、大学のような側面もあるのだと思われる。
施設は非常に古く100年前以前から存在するものであり、実は数代前のベザリウス家当主やバスカヴィルの民も含めた、様々な時の権力者や貴族達が様々な目的で施設に手を加えて改築を続けた結果、校内には一般には知られていない隠し通路や隠し部屋が数多く存在する。
- 白天使(フィアナ)の家
ナイトレイ家が運営する孤児院。主にチェインによる事件で孤児となった児童を引き取っている。
施設はサブリエ跡地の近くに存在し、このような場所に存在する理由としては、一度アヴィスやチェインと関わった人間はチェインを引き寄せやすい為に、いざという時にパンドラが動きやすく隠蔽もしやすい場所に置いているとされている。
孤児となったフィリップも後にこの施設に引き取られた他、リーオもここの出身である。しかし、上記の通り最近ではイスラ=ユラや彼の教団の者が頻繁に出入りするようになっているらしく、彼の教団の活動に同施設も関わっている。
その実態は子供達を使ってチェインを引き寄せる為の実験場。元々は鴉の契約者がいないことで扉からチェインを得られないナイトレイが、チェインの確保と研究の為に発足した施設である
- かの国
この国の隣に存在する国家。こちらも正式な国名は不明で、作中では専ら「彼の国」等と呼ばれている。
バルマ家が元々所属していた国家であり、こちらもおそらく貴族中心国家であると思われる。人種としては赤い髪の人間が多いという特徴があり、服装などの文化は中華風である。
かつてはこの国との貿易や交流も行っていたが、サブリエの悲劇で発生した地殻変動によって国境が物理的に分断されてしまい、現在では交流や貿易等は殆ど行われておらず、100年経った今も復興の目途は立っていない。
この国に存在するアヴィスやチェインに纏わる情報を掴んでおり、その力や力に関するより詳細な情報を欲しているが、国境が物理的に分断されているので情報を思うように収集できずにいる。その為にイスラ=ユラを使者として派遣するが、ユラは本国の思惑など無視して独自に活動している。
作中の言い伝え
- 禍罪の子
100年前のこの国に存在した言葉。紅い目を持つ人間を指す。
100年前までこの国では「紅い目を持つ人間は災いを齎す」とされており、迫害の対象になっていた。どうやらバスカヴィルが発祥の言い伝えだったらしく、サブリエの悲劇によるバスカヴィルの没落と国内の動乱を経て、現在ではその言い伝えを記憶する者も殆ど残っていない。
作中で該当する人物はブレイク、ヴィンセント、レイシーの3人。
その正体はアヴィスの核と接触する力を持った完全なるイレギュラー。本来核と接触する権利を持つのはグレンだけなのだが、禍罪の子はグレンを介さずに核やアヴィスの力と接触することができ、同時に一部のチェインの能力が効き難いなどの特異体質も持つ。その為にバスカヴィルは禍罪の子は災いを齎すという言い伝えを広げ、グレンの近親者に禍罪の子がいた場合はグレンとなった際に自身の手でアヴィスに堕とすことになる
- 百の巡り
この国に昔から伝わる言い伝えであり、死んだ人間や生き物の魂は、百の巡りを経て100年後に再び現世に転生するという。早い話が輪廻転生のことである。
当初はパンドラでもただの言い伝えだと思われていたが実は事実であり、死んだ者の魂はアヴィスを通じて百の巡りを行い転生するのが作中世界のシステムである。
その中でも特に例外的な存在がグレンであり、グレンは次のグレンに魂と力を継承する前に死んでも、歴代グレンの魂は百の巡りの後にグレンとしての記憶と人格を全て保ったまま再び転生できる。
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▷ コメント欄
- 女の子がみんな可愛い -- 名無しさん (2014-09-07 22:26:00)
- どんでん返しに次ぐどんでん返しの連続。登場人物の多くが鬱屈した何かしらの思いを抱えている -- (2014-09-07 23:09:26)
- 16巻末からの展開には正直びっくりした。次巻で最終回か早いな -- 名無しさん (2014-09-07 23:17:11)
- 早いな。けど、思い返せばもう8年。 -- 名無しさん (2014-09-07 23:23:11)
- アニメのedはどっちも名曲 -- 名無しさん (2014-09-08 06:26:42)
- 誰だっけ?がすごい多い漫画 -- 名無しさん (2014-09-08 06:38:46)
- ↑えっ? -- 名無しさん (2014-09-08 06:49:24)
- ここ三巻くらいで毎回泣いてる気がする -- 名無しさん (2014-09-08 08:58:16)
- 5巻くらい出てるときに表紙イラストに引かれて買ってそのまま追いかけてる漫画だわ。伏線回収も見事だし、完結したらしっかり評価されると良いな。 -- 名無しさん (2014-09-08 18:23:20)
- ブレイクさん大好き。彼が死んでしまって最終巻読む気が半分くらい失せた。 -- 名無しさん (2015-02-06 21:54:53)
- ↑この漫画の魅力の半分はブレイクだったからなぁ。 -- 名無しさん (2015-02-06 21:58:53)
- 最初黒執事みたいに、パラレル19世紀末のイギリスが舞台なのかと思った -- 名無しさん (2015-02-06 22:03:03)
- 何かブレイク死んでからの次巻で完結させるつもりだったけど予定より話延びてまだ終わってないみたいね。最後は二巻同時発売になるかね? -- 名無しさん (2015-02-06 22:08:46)
- ↑まじで!なんか最終巻ちっとも発売する気配ねーじゃんとか思ってたらまだ終わってなかったのか! -- 名無しさん (2015-02-06 22:28:58)
- 腐向けじゃない的な説明されているけど、黒執事を読んでいた自分は最初かなり腐向けな漫画だと感じた。もちろん、意識して読めばそんなことは全然ないって分かるんだけどね。 -- 名無しさん (2015-02-06 22:36:55)
- ↑追記 女の子が軒並み可愛いから男が読んでも普通に楽しめるしね。 -- 名無しさん (2015-02-06 22:39:27)
- アナログでここまで綺麗なカラーを描ける人って滅多に居ないから尊敬する。色使いが本当に素晴らしい -- 名無しさん (2015-02-07 00:13:21)
- サンホラの漫画でも描いてくれないかなぁ。 -- 名無しさん (2015-02-07 00:33:59)
- 6月末に最終巻発売。予想通り二巻同時発売となりました(笑)長い連載になるとキャラが勝手に動いちゃうんだろうし、仕方ないね -- 名無しさん (2015-05-27 15:43:36)
- 24巻がやべえ分厚いw -- 名無しさん (2015-06-27 17:36:30)
- うろ覚えでどこの話だったか忘れたけどオズが客観的に「どうにかしたかったけどしたところでどうにもならないんだろうし自分もああなるんだろうな」と考えてたシーンが今でも好き -- 名無しさん (2016-09-02 15:24:23)
- 敵も味方も愛する者のために全力疾走ってのが良いね。 -- 名無しさん (2020-11-05 16:03:36)
- 広告貼りまくれば今からでも売れると思うんだけどな... 個人的には1巻の時点で引き込まれた。 -- 名無しさん (2021-09-25 19:22:51)
- 一個の作品としての完成度はそれこそハガレンとかに並ぶレベルだと思うし、まさに隠れた名作とはこの作品のこと。ぶっちゃけ今からでももっと作画とかも含めてハイクオリティなアニメを作り直して、序盤の数巻を無料公開とかして大々的に宣伝したら普通に全然ヒットすると思う -- 名無しさん (2022-09-01 22:20:38)
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