登録日:2013/04/01 Mon 17:45:58
更新日:2023/12/08 Fri 13:28:10NEW!
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key rewrite rewritehf 日常 涙腺崩壊 ヒーコー ちょっとゴッド入ってます
あなたの記憶の物語とはkeyの作品「Rewrite Harvest festa!」のストーリーの一つ
ファンディスクであるこの作品には各ヒロイン1人1人にスポットを当てたストーリーが収録されており、これは篝がメインとなるストーリーである。
本編にて最も重要な立ち位置におり、裏ヒロイン的な扱いであった篝が正式な6人目のヒロインとなりそんな彼女が中心となるストーリー。
風祭学園へと転校してきた篝と待ちに待った収穫祭。そしてラストに明かされる世界の秘密と壮大なラストは正にRewrite Harvest festa!全体を締め括るのに相応しい物となっている。
まあこの後本編より遥かに長いおまけが待ってるんだけど…
◆あらすじ
風祭市で開催される収穫祭。一週間をぶっ通しでのお祭り騒ぎ。短期バイトや社会勉強、ただ単純にはしゃいだりぼけーっとするも良し。そんな一大イベントを目前として突如、風祭学園に転入生がやってくる。
名前は未来来篝。瑚太朗は彼女の姿を一目見た瞬間、会ったことも無いはずなのに何故か奇妙な感覚を覚える。
そして時間が流れ街は収穫祭ムード一色に。祭りが始まっても篝はやることがあると瑚太朗と距離を置くも、一枚のスタンプカードを手渡してくる。
良い記憶…楽しい思い出と共にスタンプが溜まっていくカード片手に瑚太朗は収穫祭を楽しんでいく…
◆主要登場人物(ネタバレを含む)
転入生の篝のことを気にかけながらも待ちに待った収穫祭を楽しんでいく。
「わかるか…この豆の価値が」
ストーリー内でのメインヒロイン。月宮市の静之海高校というどっかで聞いたことあるような名前の場所からやってきた転入生。
腕にやたら長い奇妙なリボンを巻いていたり好きなUMAは人と答えたり、いきなり自分を抱きしめてうっとりしたりと奇妙な行動が目立つ。
コーヒーのことを何故かヒーコーと呼び、並々ならぬ思い入れを見せる。
「数年後、卒業したクラスメイトたちが…あーあの子なんて名前だっけ…転入生の…K…Kなんとかさん?…といまいち思い出せないくらいの、控えめな存在でいたいと思うのです」
- 神戸小鳥
収穫祭中は委員会の手伝い。ニワトリカフェなるものを経営していたらしいが一羽脱走してしまった挙げ句にからあげ屋台にダイブされてしまう。
「…うう、あたし大失態だぜー」
収穫祭中はクラスの友達と遊び倒す。祭りに関してはビギナーらしくしょっちゅう群衆の波に呑まれて大変なことに。
「本場ドイツのバウムクーヘン食べたかったです…」
収穫祭中はいつも通り部室に引き篭もる。私服で校内を闊歩してしまこの面倒を見てやったりしている。
「幼子は父を殴るにも全力を尽くすものよ」
収穫祭中はソーセージ屋でバイト。瑚太朗と一緒に屋台を見て回ったりもし、金魚すくいやサンマすくいに夢中になる。
「復讐するは我にあり」
収穫祭中は教室責任者を引き受ける。街中に突如現れた巨大ヒマワリと友情を育んだりする。
「大丈夫。やれるな、めしべ?」
- 井上
相変わらずのイノウェイさん。転入してきた篝のことが気になり彼女の友達一号となった瑚太朗に接触を図る。
「録音だなんて人聞きの悪い。うちの部員がたまたまレコーダーを録音モードにして歩いてたら、勝手に声が飛び込んできただけ」
この世界では大々的に瑚太朗との決着がついているらしく、冒頭からどこぞの野菜王子みたいなセリフを言ってくる。
「…オレはもう、戦わん」
リラクエを除くとこのルートでのみ登場。相変わらずドヤ顔可愛い。瑚太朗に龍が天に昇るかのような見事なアッパーをかます。
「…ふっ」
以下、ネタバレ含む。
何日も続いていく収穫祭を瑚太朗は全力で楽しみぬいていき、スタンプも順調に溜まっていく。が、一週間だけの筈の祭りはいつまでも続きやがては時間の概念が崩れ始めみんな当たり前のようにスタンプを所持し
遂には街に魔物が現れたりするも誰もそのことに違和感を持たないまま楽しい時間が過ぎていく。そして人々が徐々に姿を消し始め、何月何日なのかすらわからなくなったその頃
遂に瑚太朗は違和感に気づいて井上の残した情報を元に森へとやってくる。
そこにいたのは異業の魔物。間一髪かと思われたが瑚太朗の危機を救出したのは姿を見せなかった篝であり彼女の口から真実が語られる。
この世界は月の篝が研究の一環として生み出した物であり、この場にいるのも篝本体。
人というものを身近でより詳しく研究するために、風祭の収穫祭と同じシチュエーションを用意し純粋に何かを楽しめるだけの世界を作り上げた。そして自らも理解力を人間レベルに合わせていた。
祭りを楽しんでいたのは皆、枝の世界で残酷な人生を迎えようとして逃げたいと思っていた人たち。それらの感情が篝によって抽出されて生み出され、この世界へと呼び出された。
そして世界はそんな絶望の淵にいた人々が収穫祭というイベントによって無垢なる楽しみを思い出せる、一時の楽園となっていった。
とはいえそれは枯れかかっていた枝世界にわずかな命を吹き込んだだけのいずれは滅ぶ運命にあった研究空間でしかない。
しかし混じり気の無い純粋な楽しいという感情を味わった人々は元の世界のことを思い出し現実でもう一度頑張ってみようという活力が沸き、自分から元の過酷な世界へと帰っていく。
静かに終わりへと向かう世界の中、瑚太朗は最後のスタンプを押すために1人残った篝と祭りを楽しむ。
この世界の中で僅かながらも人の感情というものを知った篝は、その悲しみを拭うために瑚太朗と共に行く。
既に人々は去り、祭りの会場は形だけのものと化していたが、それでも瑚太朗と篝は満足であった。
と、そこで空を見上げると無数の白い光が降り注ぐ。そこから弾き出されるのは去った者達が誰とも知らぬ楽園の制作者…篝へと向けた最後のメッセージ。その大半が一時の安らぎをくれた篝への感謝で満ち溢れていた。
「違うのです…」
「私は…違うのです…こんなねぎらいを求めたわけではなかった!」
しかし、自身を労うその数々の言葉を目にした途端、篝は両手で顔を覆って泣き始める。そこに浮かぶ感情は喜びでは無かった。
「私は…詫びたかったんです!」
「過酷な運命を与えてしまったことに、誰かが詫びねばならないとしたら…それは私の仕事だったはずです」
「人の心を得て…私ははじめてそれを痛感しました」
「けど、とても名乗り出ることはできなかった…」
「…怨嗟が…おそろしくて…」
「私がそれを一身に浴びれば、こんな弱い心など一瞬で砕け散るのだと…!」
「だから…皆が去ってから…それを最後の仕事にしようと…」
「ごめんなさい…」
「私は…信じがたいほど罪深いことをしてきました!」
人の感情を知ってしまったが故の悲しみ…
この儚い楽園を用意し、絶望にいた人々に一時の夢を見せたのは確かに自分だ。
しかし、元を正せば命の理論という研究の元、膨大な並行世界に命を散りばめさせそれらを管理・干渉し…時に過酷な運命を与えてしまったのもまた自分なのだ。
その現実を痛感し、自分がしてきたことへの後悔を胸に篝はひたすらに天を見上げて吠え続ける…
人でいることは、星霊たる自分にはあまりに恐ろしいこと…しかしそんな心がなければ人は人なり得なかったのだと…
最後まで残った瑚太朗は自分を責めることは無いと慰め、その小さな体をそっと抱きしめる。瞬間、世界は白一色へと染められていき終わりを迎える。
「瑚太朗、そこにいますか?」
「いるよ。最後までそばに」
自分という存在の感覚すら無くなっていく中、瑚太朗は篝から流れ落ちた一滴の滴をスタンプカードで受け止める。最後のマス目が埋められ、全ては終焉を迎えた…
…ひとりだけでも、告白できて良かった
ありがとう、瑚太朗――
追記・修正は楽しい思い出と共にお願いします。
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