信長の野望 武将風雲録

ページ名:信長の野望 武将風雲録

登録日:2013/12/07 (土) 00:53:12
更新日:2023/12/07 Thu 14:01:05NEW!
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『信長の野望 武将風雲録』とは平成2(1990)年に光栄が発売した信長の野望シリーズ第四作。



◆概要

前作で導入された配下武将、野戦と攻城戦などのシステムを基礎とし、ヨーロッパとの接触による技術革新や数寄、侘び茶等の桃山文化が花開いた当時の世相を反映し「技術と文化」が本作の柱として据えられた。


前作同様菅野よう子女史がBGMの作曲を担当し、勇壮なBGMをバックに主だった大名の紹介が始まるOPはシリーズ屈指の出来と今なお語り草である(後発機へのリメイクでは削除されている事が多い。もったいなや…)。
また前作では信長だけだった専用BGMが武田、上杉、今川、毛利などの有力大名にも与えられた。これもいずれ劣らぬ名曲である。



◆前作からの改善点

前作で省かれていた東北、北関東、九州が復活し再び全国が舞台 となった。
前々作『全国版』では配下武将の概念が無く、登場したのが1582年時点までに大名だった人物だけなので、伊達政宗や島津義弘などの東北、九州の武将たちの多くは本作が初参戦となる。
ただし東北は現在の南東北三県にあたる地域しか登場しておらず南部や津軽などのお膝元のユーザーたちは再び涙を呑む事になった。中国や九州なども一部の国が省略されている。


また出鱈目だった武将の評価も子孫の方々直々の抗議が実を結び、かなり改善された。
前作で不当評価の代表格だった赤井(荻野)直正も政治51、戦闘78と「丹波の赤鬼」に相応しい一線級の能力を与えられた。
それでも地方武将が冷遇される傾向はまだまだ続くし、藤堂高虎が武闘派だったり、佐竹義重と松平信康がほぼ似たような能力だったりと今見ると首をかしげる評価も多いが…。


さらに、前作では武将それぞれの政治力に依存していた行動力の回復量が城主の政治力依存に変更され、国単位で割り振られるようになった。
政治力が低すぎてまったく活躍できなかった猛将や忍者武将も城主にさえならなければ存分に力を振えるようになった(忍者武将は敵国の情報収集を絶対失敗しない隠しスキルも与えられた)。
また城主は行動力が尽きるまで何度でも行動できるが、消費行動力が大きく、逆に一般武将は少ない行動力で命令を下せるが、1月に1回しか動かせないという差別化が図られ、
誰を城主に任命するか、誰にどの命令を下すかをより熟慮する必要が生まれ戦略性が増した。


質だけではなく数の面でも時代が下がるにつれ元服してくる武将が大幅に増やされた。寿命の設定も1年単位で決められていた前作から4段階の大味設定に変更されたため、史実より長生きする武将が多く、かなり遅くの年代まで問題無くプレイできる。
ただ、やはり高齢武将は死にやすくシナリオ1の朝倉宗滴やシナリオ2の毛利元就などは開始一ターン目で即死する事が多く、時報扱いされていた


他、武将の台詞も大きく追加され自分から仕事を志願して来たり、主家が滅亡すると勝手に自害したり恨みを買うような仕打ちをすると乱心して大名に襲いかかったりと個性化が進んでいる。
茶人や宣教師などの訪問者や「本能寺の変」以外の歴史イベントが登場したのも本作が最初である。桶狭間だぎゃー。



◆政略

本作の目玉となっているのが、技術及び文化に関するシステムの導入である。
技術力は上昇させると内政開発の効率が上がる他、金山を発掘したり、鉄砲や鉄甲船などの新兵器を開発できるようになる。
技術力は殆どの地域で最初は0のため九州の島津家や近畿の三好家など最初からある程度の技術力を有する大名家はかなり有利に立ち回れる。


文化度は前作でも存在したがその比重は大きく増し、文化度の10倍の数値が商業値の上限になるため収入と直結するようになった。武将教育の能率や、徴兵できる兵士の質などにも影響を与える。
この文化値を高めるには通常、名物と呼ばれる茶器を集めて茶会を催す必要があり、その成功率には第五の武将能力である教養が影響している。
この教養値は他にも商人との取引や外交、兵器開発の効率にも影響するため前作では箸にも棒にも引っかからなかった今川氏真も教養だけは一級品なのでそれら方面で活躍が出来るようになった。


教養も茶会に参加させる事で上昇するが、最低でも教養60以上の武将が必要なため、会津の蘆名家などでは茶会すら開けなかったりする。
(田舎者=無教養という図式なのか畿内や東海の武将は教養が高く、東北や四国などの武将は低い傾向。前述の蘆名家でも遠江守名義で登場している金上盛備などは中央にも名の知れた教養人だったのだが…)。
余談だが蘆名家には松本図書介(ずしょのすけ)という武将がおり、名前のインパクトとその雑魚ぶりから「としょのすけ」と呼ばれ二階堂盛義的意味でアイドルと化し、あっというまに忘れ去られたというエピソードがある(最近は氏輔名義で登場している)。


◆戦闘

本作からは機動力が余っていれば部隊移動後の攻撃が可能になったため、前作のような時間切れまでひたすら逃げ回る戦術は使えなくなった。また本作では兵種は各武将固定でなくなり、兵士も国単位で一括管理され、訓練や編成などは非常に楽になった一方、合戦自体は雨や雪といった天候の概念や季節による日の出日の入りの長さの変化、野戦での本陣の設営や、籠城戦で発生する月跨ぎの長期戦、他大名との共同戦線や自国からの増援派遣など様々な要素が追加され、これらも勘案しながら作戦を練る必要性が生じ、取れる戦術の幅も大きく広がった。


機種によっては平野、山脈など一定の傾向に従いつつも同じ国から同じ国に攻め込んでも毎回違う戦場が出現する場合もあり、これは当時の合戦は遭遇戦が主だった事を再現している。また全国に一つずつ決まった国から攻め込むと出現する古戦場が設定され、桶狭間や川中島などの有名合戦を再現し、当時の空気に浸る事ができる。


やはり技術という本作のテーマを際立たせるため離れた相手を一方的に攻撃し、さらに複数部隊による援護射撃も発生するなど鉄砲は他シリーズに比べてかなり強かった。織田信長や武田信玄がまったく無名の武将の放つ鉄砲の流れ弾に当たり死亡する事もしばしば。本作ではじめて登場した海戦においても鉄甲船の独壇場と化し、もはや弱いものイジメの域である。


なお、今作では教育で鍛えられるのが政治のみになっため、文官系武将を軍師に育てるにはひたすら自分より強い武将を突撃で討ち取り屍山血河を築き上げる以外に道は無くなった。これも戦国乱世をより忠実に再現した要素の一つであると言える(え)。


◆問題点?

本作の柱として打ち出された技術と文化だが、高めるには兎に角金と物と時間がかかった。
全国展開する戦国屈指の巨大財閥・今井宗久に嫌味を言われながらぼったくられ、茶器の等級しか頭に無い俗物茶人・千利休に家臣の前で恥を掻かされ、彼らに殺意を覚えたプレーヤーも多い事だろう。


それは仕方ないにせよコンピューター側が酷いチートを行っており、こっちがやっと鉄砲を自給自足できるようになったころには、弱小大名でも全兵士に鉄砲を行きわたらせ、敵国に攻め入ろうにもあっという間に蜂の巣という事もざらであった。また大軍で攻め込むと守備側圧倒的有利な籠城戦の構えを見せるため、同等か少数精鋭で攻め込んで野戦に持ち込んだ方が良く大軍を率いる意味があまりなくなってしまった。


また本作はバブル経済真っ只中だった発売当時の世相を反映してか(?)前作以上に米相場の乱高下が激しく、米の売買で差益を出す方が普通に内政するより儲かってしまうので、せっかく文化を金銭収入と関係させた意味が薄くなってしまっている。


ちなみに公式のハンドブックでは内政不要論(他が内政にかまけている内に軍備に力を入れてとっとと各地を攻め取ろう)を展開した武田勝頼が親父の武田信玄に言い負かされるという展開があるが…
上記の通りCPUがこちらより国力を上昇させてくる仕様のため、内政やってたらジリ貧になるのがオチ。
信玄が懸念していた鉄砲籠城も即効で攻めれば鉄砲保有数が少ないので被害を抑えられる
そもそも単騎で敵軍を殲滅可能(今作では武力95以上の武将は異常な程の補正が入る)な信玄が健在で有能武将が多数いる上に2国所有すると言う恵まれた状態でくすぶっている方が愚の骨頂なので、
結果的に勝頼の見立てが正しいという結果になっている


上杉謙信に至っては、数値上は武力100となっているのだがどうも内部数値が120(150と言う人もいる)はあるようで、訓練・兵忠誠度・兵力さえしっかりしていれば
武力100近い武将たち数人と戦ってもひけをとらないどころか、勝ってしまうことが多い。
鉄砲を持たせた兵力100で城や本陣に籠られると、1月や2月程度の攻撃ではびくともしなくなる。いくらなんでも強すぎだろう…


一方でプレイヤーにも茶器回しというある意味本作を象徴するチート技が存在し、


茶器を一つ買う

家臣に与える

その家臣を城主に任命する

別の家臣に城主から茶器を与える

その家臣を城主にする

別の家臣にry


という具合で本来かなりの金を費やす家臣の忠誠維持を無限ループで行う事が出来た。以前は攻略本で推奨していたほどだったが、ニンテンドーDSで本作がリメイクされた際はチュートリアルで非道行為呼ばわりされ、禁止が通告されるなど公式でネタにされている。


◆評価

以上のようなシステムの穴こそあれ、シンプルでとっつきやすいゲームシステムに比して取れる行動や戦略の幅が広く、大名ごとの個性化が図られている割に近年の作品ほどは極端な戦力差は無いため誰でも統一のチャンスがあり何度でも遊べる事、CPUが適度に強く討ち死に率が高いため緊張感あるプレイが出来る事などから『信長の野望』の完成形として今なお評価の高い作品である。各機種への移植の他、ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDS、3DSと三度もリメイクされている事もその評価の高さを物語っている(後者二つはシステムが大きく変更されほぼ別ゲーになっているが…)。
古い作品ではあるが手に取るのは比較的容易である。国中の名物を集め茶会三昧するもよし、鉄甲船部隊で俺TUEEEEEEEEするもよし、お気に入りの武将を極限まで鍛え上げるもよしで思い思いの戦国絵巻を描いてみてはいかがだろうか。




追記修正も できぬようでは アニヲタとは 呼べませぬぞ


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  • 覇王伝では南部や安東は出るけどいつの間にか東北の勢力図が武将風雲録と一緒になってる -- 名無しさん (2013-12-07 02:05:57)
  • 技術力が内政の効果に影響してくるとは、今初めて知ったでござる・・・ぐはぁ!(吐血 -- 名無しさん (2013-12-07 07:44:32)
  • ちなみに内政は限界に近づけば近づくほど効率が悪くなっていくので、最初に技術を目いっぱい開発(資金は米転がし)した後に始めた方が効率がいい。 -- 名無しさん (2013-12-07 09:35:15)
  • 「としょのすけ」こと松本氏輔は二階堂と共同で三春の田村清顕(マーくんの嫁・めごたんの父)を攻めた時に戦死しており、因縁めいた何かを感じる。 -- 名無しさん (2013-12-07 09:40:47)
  • 島津を推してるところもあるけど、あそこはほんのちょっと罠。伊東、その先の大友はなんとか勝てても、九州統一を目指すなら、その先にある武闘集団龍造寺を相手にしなければならずちょっときつい。それよりは、両上杉やら里見やらの弱小~中堅どころばかりで大したライバルがいない北条のほうがやりやすく感じる。鉄砲が少ないというハンデはあるけどね。 -- 名無しさん (2016-03-01 09:20:07)
  • そういえば、DS2 -- 名無しさん (2016-03-01 09:58:33)
  • ↑ミス; そういえばDS版は、CPUのチート具合はどうなってるんだろ……? -- 名無しさん (2016-03-01 09:59:29)
  • ↑タイトルが「信長の野望DS2」だからミスじゃないよ。 ↑3当主様が公式チートの上杉や武田が一番オススメかな兵士100で攻めればほぼ敵軍殲滅できるし… -- 名無しさん (2016-03-01 18:40:19)
  • ↑いや、DS2のところで途切れちゃったんで汗 -- 名無しさん (2016-03-01 19:09:09)
  • あるいは、野戦で敵兵力を削って、一度撤退してから、(場合によっては月を改めてから)城攻めする、というのも一つの手だよね。その場合、よその国に、目標の国を先に攻められることもあるけど。 -- 名無しさん (2016-08-13 09:00:30)
  • 思うに、チートされるのは兵力だけにして、技術や鉄砲製造はCPUがコマンド実行してあげる、というようにすればバランス取れてたんじゃなかろうか。 -- 名無しさん (2018-05-25 09:03:21)
  • 本願寺の鉄砲隊が強すぎ! -- マチルダ中尉 (2020-03-15 22:05:20)
  • 本作で印象的なのが開戦時に兵数が敵以下だと毎回イベントが発生して暴走モードに突入、敵を殲滅する島津義弘だな -- 名無しさん (2022-04-25 15:58:17)

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