登録日:2011/10/16 (日) 02:19:36
更新日:2023/11/21 Tue 10:24:07NEW!
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伊集院光 深夜の馬鹿力 離婚 愛人 交尾 鬱展開 カブトムシ コーナー 神コーナー こんな感じで持つ 大体両親は離婚する 重白 カブトムシの秘密
『カブトムシの秘密』とは、TBSラジオ系で放送中の"月曜JUNK 伊集院光深夜の馬鹿力"内で2007年7~10月に放送された番組内のコーナー。
構成の渡辺が町でカブトムシにたかられたのをきっかけにカブトムシを飼い始めたが、渡辺にはさっぱりカブトムシの知識がない。
そこで、カブトムシ好きのリスナーからカブトムシについてのよくある質問と、それに対する答え3つを募集するのだが…
【放送されたネタから抜粋】
Q.カブトムシの天敵はなあに?
A.1:モグラ!
2:フクロウ!
3:お前みたいなクソ小学生が!大した知識もねーのに飼い出したあげくいじり殺すんだよ!!…あとお前の本当のおふくろはいつも一緒に暮らしている女じゃねぇかんな!!
Q:カブトムシの上手な持ち方は?
A.1:オスのカブトムシは小っちゃい角を持つ。
2:メスのカブトムシは脇腹を持つ。
3:2年前、両親が離婚した。
伊集院「ちびっこ聞いてるか〜?お父さんとお母さんが永遠に傍にいると思ったら大間違いだぞ!!」
今日は、月に一度の父親と会う日。
「おう、風邪とか引いてないか?」と父親。ぎこちない挨拶をした後、親父は僕を寿司屋へと連れて行ってくれた。
学校のことや母親のことなど、大体同じことを聞いてくる親父に、少し気をきかせて、毎回違った感じで答えていた。
そうこうしているうちに寿司が出てきた。僕が割り箸を割ると、「おい、寿司は手で食うもんだ」と親父はウニの軍艦巻きをたいらげた。
そして、「父さんな…再婚しようって考えてる。」と続けた。
「ふうん…そう。」僕は俯いたまま箸を置き、手でトロをつまんだ。
こんな感じで持つ。
…こんな感じで、3つ目の回答は家庭内離婚、愛人、病弱な家族など質問の趣旨とは関係性がほぼ皆無な話題を織り交ぜ遠回しに答えるのがお約束となっている。
"夏休み特別企画"と銘打っていたが、伊集院曰く「このコーナーに飽きたら夏休みが終わるんだよ。お前らが2学期学校へ行った日が夏休みの終わりだ!!」ということで10月上旬までコーナーは続いた。
◆他に投稿・採用されたネタの一部
Q:カブトムシにあげちゃいけないのはどんなエサ?
A.1:腐ってしまった果物。
2:こんにゃくゼリー。
3:結婚して8年。専業主婦のトモコは幸せな生活を送っていた。しかし、夫は忙しく、夏休みを取れる状況ではない。子供のタクヤとツヨシにとっては、祖母の実家を訪れることが夏休みの唯一の楽しみだった。
ある日、息子たちが捕まえてきたカブトムシのエサを買いに、スーパーに出かけたトモコ。
何気なくリンゴを手に取った時、今日も悪魔が囁いた。トモコは慣れた手つきで、リンゴをハンドバッグに滑り込ませた。
平凡な生活の中、トモコは万引きのスリルを感じることが唯一の生き甲斐となっていたのだ。
何食わぬ顔で他の商品の会計を済ませ、店を出ようとしたその時、誰かが必要以上の力でトモコの腕を掴み上げた。
「払ってないの、あるよね?」
店の奥の事務所でトモコは呟いた。
「お金は、払いますから…」
「そういう問題じゃないんだよ、奥さん!!」
しかし、トモコの耳には万引きGメンの言葉など届かなかった。
ただ目の前の赤い果実を見つめながら、息子たちの笑顔を思い出すのであった。
「盗んだリンゴなんてあげても、カブトムシも、タクヤもツヨシも、喜ばないよね…」
盗んだエサはあげちゃいけない。
Q:一つの虫かごで、たくさんのカブトムシを飼うとどうなるの?
A.1:エサの取り合いをしてしまう。
2:ツノでつつきあう。
3:離婚したばかりの時は暗かったお母さんも、最近月曜日に知らないおじさんが来るようになってから昔のような表情に戻ってきた。
おじさんはいつものように僕にあいさつをしてくる。だけど、僕はあいさつを返したくない。逃げるように自分の部屋に行き、本当のお父さんにもらったカブトムシの観察をする。
夜、暑さで起きると、1階でおじさんと一緒に寝ているお母さんが、泣いているような声を出している。まただ。だから僕はおじさんが嫌いなんだ。
ふと虫かごに目をやると、オスとメスが繋がっていた。
こうなる!!
伊集院「いやぁー、交尾しちゃうんだよね〜。カブトムシも…おまえのオフクロも!!」
またネタの性質上長文になりがちであった。投稿するリスナーも間違った方向に力が入り、コーナー最終回大トリのネタはこんな感じに…
Q:「外国のカブトムシは逃がしてはいけない」と聞きました。なぜですか?
A.1:外国のカブトムシは環境の異なる日本では生きていけないから。
2:逆に、適応力が強く繁殖してしまった場合、元々いた日本の虫たちの食べ物を奪ったりして、生態系に悪影響を与えてしまうから。
3:地方の農村は慢性的な嫁不足で、例に漏れずわたしも四十を間近にして結婚のあてはありませんでした。私は農家の長男で、両親から毎日のように結婚しろ結婚しろと言われていました。結婚相談所の紹介で嫁さんをもらったのは、私が三十九歳、妻はまだ二十歳になったばかりのときでした。彼女はカバン一つだけを持って、フィリピンからやってきましたが、近所からは好奇の目で見られ、あれほど結婚を求めていた両親でさえ、彼女を心から歓迎してはいませんでした。
それでも私は、彼女を愛していました。日本が満足に話せなくても、料理にスパイスが効きすぎていても、そんなことは問題ではありませんでした。彼女の笑顔が私は好きでした。笑ってそばにいてくれれば、それだけでよかったんです。実際彼女は、努力もしてくれていました。拙い日本語で一生懸命話し、料理の味つけを勉強し、小言の絶えない姑にも嫌な顔一つせず、日本の習慣や、田舎のしきたりを身に着け、家や村に馴染もうと精いっぱい努力をしていました。
しかし彼女は、なかなか受け入れられませんでした。姑の小言は止まず、近隣の者にはありもしない卑猥な噂を立てられました。姑は、彼女が出歩くのを禁じるようになりました。掃除や洗濯など、家の中のことだけをやるように命じました。孫ができれば、姑の態度も変わったのかもしれませんが、なぜかその機会は訪れませんでした。
やがて、私の愛したあの笑顔も、太陽のような笑顔も、見られなくなりました。ついに私は離婚を切り出しました。「もう…もうこんな家に縛られることはないよ。君は自由に生きていい。」結婚して1年が過ぎた頃でした。
東京で彼女を見たと聞いたとき、私は五十になっていました。出稼ぎに行っていた男が彼女を見たというのは、錦糸町のフィリピンハブでした。迷いつつ私は東京へ向かいました。教わった店は、繁華街からはいくらか離れた、細い路地の奥にありました。店の前まで行きながら、どんな顔をして会ったらいいのか、何を話したらいいのか、そもそも会っていいのか、色々考えていると突然ドアが開きました。
「アリガゾウゴザイマシタ、マタ来テネ。」
投げキッスをしてお客を送り出したのが彼女でした。
ドアの前に立ち尽くす私に、怪訝そうな目を向けた彼女の表情が一瞬で驚きに変わりました。
決して…決して嬉しそうな顔ではありませんでした。しばらく二人とも言葉もなく見つめ合っていました。私は絞り出すようにして声を出しました。
「…久しぶりだね。」
「イラッシャイマセ、ドゾ。」
狭い店内の一番奥のボックス席に案内され、向かいに彼女が座りました。
「ビール、ビールでヨカッタネ?」
「あ…は、はい」
掛ける言葉が見つかりませんでした。
やがてポツリポツリで彼女は話し始めました。流暢な日本語でした。
「私ネ、アナタノコトウランデナイヨ。オ母サンモウランデナイ。イロンナコト教ワッテ、ソレガトテモ役ニタッテル。アリガタカッタトオモッテルヨ。…ダレモ悪クナイ。タダチョット、カンキョウガ、ソウカンキョウがアッテナカッタ。ソレダケ。」
うつむいて話していた彼女が顔を上げました。目元の化粧が滲んでいました。
「私ネ、今イッショニ暮ラシテイル人ガイルノ。トテモイイ人。オ金ハアマリナイカラ、私モ働カナキャイケナンダケドモ。デモ、私ヲタイセツニシテクレル、リョウリオイシイッテ褒メテクレル。オ母サンにカンシャシナキャネ。」
「…そう、よかった。」
「子供モイルノ。」「え、男の子?女の子?」
「イチバンウエが男ノコで8サイ、ソレカラ、女ノコ女ノコ男ノコ女ノコデ5人キョウダイ。イマオナカノ中ニモイルノ。」
店を出た私を見送る彼女は、あの笑顔で笑っていました。
これでよかった。彼女は幸せに暮らしている。
田舎へ帰る高速バスの中、彼女の笑顔が瞼を離れませんでした。
本当に彼女は、…本当に彼女は、幸せになれたんだろうか?
濃い化粧を見たか?際どい衣装を見たか?
荒れた肌を見たか?こけた頬を見たか?
化粧で隠した痣を見たか!目つきの悪いボーイを見たか!下衆に笑う客どもを見たか!
彼女の涙を!!…私は見なかったのか!?
彼女を守れなかった負い目のせいで、無意識に見たくないところから目を反らしてはいなかったか?
「それが彼女の幸せだ」とか、虫のいいことを言って、責任を逃れただけじゃないのか?
カブトムシは、最後まで世話をしなければいけません!!
伊集院「長ぇ…なっげぇーよ!!バカじゃねーの、お前!こういうとことか送んなくてさ、文学の賞とか取りゃいいじゃん!」
比較的短い期間で終了したが、リスナーからの評判も良く、大作ネタが数多く生まれた名コーナーであった。
Q:追記や修正はどうやればいいの?
A.1:アニヲタの集いにログインする。
2:メニューの「項目変更」を押す。
3:両親が離婚し、僕は父、弟は母に付いていくことになった。
そして別れの日。何も知らない弟は、「お父さんたちは行かないの?」と無邪気に聞いてくる。
「後で行くよ。あっ、そうだ。この項目を新しい家に持って行って、慣れさせてやってくれ。」
そういって父親は、この夏、弟のために立ててやった項目を手渡した。
―弟と母親を乗せたタクシーを見送った後で、親父の嗚咽が、肩越しに聞こえた…
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▷ コメント欄
- 俺所広司スゲーがんばったよ!! -- 名無しさん (2015-01-07 22:13:56)
- このリンクはクソじゃないか死ねー -- うんこ (2022-03-19 09:04:32)
- このラジオにハガキ送るのはいろんな才能をドブに捨てている奴しかないないとわかる傑作コーナー -- 名無しさん (2023-01-04 14:53:12)
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