インビテーショナルカード(MtG)

ページ名:インビテーショナルカード_MtG_

登録日:2011/07/09(土) 11:17:36
更新日:2023/11/20 Mon 10:56:30NEW!
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mtg インビテーショナル インビテーショナルカード 優勝者特権 瞬唱の魔道士 闇の腹心 プレイヤー・スポットライト・カード



インビテーショナルカードは、Magic the Gathering(以下マジック)のインビテーショナルで優勝したプレイヤーがデザインしたカードである。共通点がある「プレイヤー・スポットライト・カード」についても当項目で説明する。



インビテーショナルとは、マジックにおけるオールスター的な大会で、各公式大会の優勝者や人気投票で選ばれたプレイヤーが参加する。


この大会の優勝者には『ある特権』が与えられる。






なんと、カードを一枚デザインできるのである。








自分の考えたカードをファンたちがネットやら同人やらで盛り上がっていたオリジナルカードが現実になる……これは当時のユーザーたちに衝撃を与えた。


勿論、選ばれた有名プレイヤーも例外ではない。
という訳で、プレイヤーたちが夢を実現させるために、死闘を繰り広げることとなる。





ちなみに、デザインされたカードは軒並み優秀で、環境に多大な影響を与えたものもある。


なお、イラストにはデザインしたご本人のマジック世界での姿が描かれる。そのため一部のカードはモデルとなったプレイヤーの名前がそのまま愛称として用いられている。


以下より、一枚ずつ紹介してゆく。



■なだれ乗り/Avalanche Riders (Darwin Kastle;1998)


インビテーショナルカードの一枚目。4マナで速攻持ちの2/2クリーチャーで、なんと戦場に出た時に土地を一枚破壊する。エコー持ちではあるが、逆にそれを利用したコンボデッキも作られ、土地破壊は言うまでもなく、ポンザレッドなどにも採用され、大活躍した。インビテーショナルカードで唯一のアンコモン。



■ルートウォーターの泥棒/Rootwater Thief (Michel Long;1999)


2マナのマーフォーク。
マナを払えば空を飛ぶ上に、戦闘ダメージを与えたら2マナで相手のライブラリーから一枚選んで追放できる。コンボデッキキラー。
クリーチャータイプ:マーフォークを活かして部族デッキ(フィッシュ)にも採用されたり、一枚差しが多いコンボデッキの対策として今も使われる。ちなみにデザインした人はマーフォークに襲われてる手前の人。



■翻弄する魔道士/Meddling Mage (Chris Pikula;2000)


白青マルチクリーチャー。
なんと戦場に出るに対し、選んだカードの使用を禁止する(細かいルールが存在するが、割愛)。
マルチカラーとは言え2マナ2/2とサイズ的にも充分な戦力であり、出ただけで相手の動きを制限できるので、パーミッションには理想のクリーチャーの一体。当時はトリコロールなどにも採用された。
余談だが、基本的にプレイヤーたちがデザインしたカードは強すぎて実現不可能なものがほとんどなのだが、Chris Pikulaがデザインしたカードはあまりに地味すぎて、「こんなの誰も使わねーよ!」となってしまうため、逆に強くデザインさせ直したとか。
ちなみにアラーラで性転換した。



■影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator (Jon Finkel;2001)


マルチになった知恵の蛇。
3マナで畏怖持ち。オリジナル同様、ダメージ与えるとカードが引ける。
言うまでもなく、コントロール系には相当なアドバンテージを与える化物で、当時トップレアとして雑誌でも紹介された。


が。環境に合わず出番ほとんど無し。


だが、時のらせんにてタイムシフトで登場。環境にもマッチして評価が大幅にアップした。


ちなみに元々はタダで撃てる神の怒りをデザインしたが、さすがに却下されたらしい。当たり前である。



■森を護る者/Sylvan Safekeeper(Olle Rade;1997)


森を護るくせに森を壊すクリーチャー。
正確には土地を生け贄にして、クリーチャーに被覆を与える。様々なデッキでクリーチャーの援護や対策に使われた。


イラストがエルフっぽいのにクリーチャータイプは人間。


なお、優勝者の年代が前後しているが、これは氏が優勝した当時はまだこの特権ができていなかったため、急きょ作られることになった。



■非凡な虚空魔道士/Voidmage Prodigy(Kai Budde;2002)


ドイツが生んだ天才プレイヤーがデザインしたカード。だがイラストがあまりにカッコ悪すぎて大不評だった
(元々出来ていた絵に顔を移植したようなイラスト。フォイル版で別イラストに差し替えられ、タイムシフトでも再録された)。
ウィザードをコストに対抗呪文が何度も撃てるナイスガイ。自身もウィザードなので一回は必ず打ち消せる(マナがあれば)。



■真面目な身代わり/Solemn Simulacrum (Jens Thoren;2003)


アーティファクトクリーチャーで、出た時に基本土地を戦場に出し、墓地に落ちると一枚ドロー。「非常に似ている」イラスト共々優秀な一枚。
こいつがSokemn(厳粛な)を「真面目な」と訳してしまったせいで後々ソリンの肩書きが面白いことになった。


この度基本セット2012で再録されたが、イラストが変更された。



■闇の腹心/Dark Confidant(Bob Maher;2004)


ライフと引き換えに毎ターンカードが引ける軽量クリーチャー。土地(正確には0マナならなんでも)ならライフを失わないので、「ボブで土地がめくれたら宇宙」なる謎のワードを生み出した。
非常に強力で、コンボからウィニーまで環境を問わず採用されている。墓生まれの詩神に謝れ。
元デザインは緑1マナでプレイヤー1人に毒カウンターを9個置く、だった…。



■ラクドスの穴開け魔道士/Rakdos Augermage (Terry Soh;2005)


お互いに手札から一枚ずつ捨てさせる強迫持ちのクリーチャー。ウィザード初の先制攻撃持ちで3マナ3/2と優秀。



■宝石の洞窟/Gemstone Caverns(藤田剛史;2005)


日本人初のインビテーショナルカード。
後攻だと開始前から好きマナを出せる状態で戦場に出しておけるため、コンボデッキには重宝される。ただ伝説の土地であったりと制約も多いため、使い処が難しい。
ちなみにこのカードはデザインしたカードの中から人気投票で選ばれてカード化されたため、イラストに本人は登場していない。



■イーオスのレインジャー/Ranger of Eos(Antoine Ruel;2006)


白のクリーチャーでありながら、戦場に出ると1マナ以下のクリーチャーを二枚まで手札に持ってくる運び屋。1マナ以下とは言え、そのマナ圏には優秀なクリーチャーが多いため、トーナメントでもよく姿を見かけられた。
後にイーオスのレインジャー長としてリメイクされ、そちらも活躍している。



瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(Tiago Chan;2007)
青2マナ2/1に瞬速と墓地のインスタントorソーサリー再利用能力が付いており、様々な環境でブイブイ言わしている。
元デザインはカウンター能力持ち土地だったが、強すぎるためボツに。
ゴシックホラーの世界のカードなのにアジア系な出で立ちで違和感バリバリ。
その後ジャッジ褒賞でブラジルのサッカー選手みたいになったりモダンマスターズ2017で青く光ったりした。



ちなみにカードのデザインは大会前に提出するのだが、日本プレイヤーの藤田剛史氏は北斗神拳伝承者を再現したカードを提出したことがある。残念ながらその時は優勝を逃したが、カード化されていたらあべしな環境になっていた事だろう。


…残念ながら、インビテーショナルカードの企画はもう終了してしまっている…。


そして時は流れ2019年。インビテーショナルカード同様に実在のプレイヤーをイラストに登場させる新システム「プレイヤー・スポットライト・カード」が登場した。カードをデザインするまではいかないが、今後発売予定のカードを見て、その中から自分を登場させるカードを選べるという特権が世界選手権の優勝者に与えられた。


以下、同様に1枚ずつ紹介していく。


□熱烈な勇者/Fervent Champion(Javier Domínguez;2018)
赤の1マナ1/1に速攻・先制攻撃・他の騎士の強化・自身への装備コスト低下とこれでもかと詰め込んだ、まさにエルドレインというべきパワーカード。1ターン目にこいつ→2ターン目にこいつ2体というブン回りはもはや投了もの。


□精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder(Paulo Vitor Damo da Rosa;2019)
白にあるまじき手札破壊能力を持ったクリーチャー。捨てるのではなく2マナ重くしているだけだが、素早い白単アグロが使うと永久追放も同義になりかねない。
マジックにおいてPVと言ったら大抵はプロモーションビデオでなくこちらを示す。


□フェアリーの黒幕/Faerie Mastermind(高橋優太;2021)
宝石の洞窟以来の日本人優勝者によるカード。
飛行と瞬速に加え、相手が各ターン2枚目のカードを引くたび自分も便乗して1枚引けるというクロック・パーミッション戦略に合致した一枚。全プレイヤーにそれぞれ1枚引かせる起動型能力も持つ。
なお、インビテーショナルカード時代と同様モデルとなった高橋氏自身もこのカードのデザインに関わっており、完成に至るまでのエピソードを記したコラムがWebで無料公開されている。



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  • ピキュラ・ソーレン・フィンケル・ボブに加えてポルトガル人も新イラストか -- 名無しさん (2015-10-19 11:57:45)

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