登録日:2013/08/18 Sun 02:08:36
更新日:2023/11/10 Fri 13:38:04NEW!
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「おら、この海が好きだ!」
『あまちゃん』とは、2013年4月から同年9月までNHK総合にて放送されたTVドラマで、『連続テレビ小説』の第88作目。
主演は能年玲奈。脚本は『木更津キャッツアイ』『タイガー&ドラゴン』で有名な宮藤官九郎が手がけている。
前番組は『純と愛』、後番組は『ごちそうさん』。
シナリオは『故郷編』『東京編』『震災編』の三部構成。
朝ドラの新機軸に取り組もうとした前作『純と愛』の評判が芳しくなかった上、同作の脚本を手掛けた遊川和彦氏とは違う意味で朝ドラとは馴染まなそうなクドカンの起用に、当初は不安の声が挙がっていた。
しかし始まってみると
- 展開が速い
- 芸能人が実名で登場(主に80年代アイドル)*1
- 楽曲も実名で登場(ゴーストバスターズ!!)
- 劇団出身者の扮する濃すぎる脇役の皆さん
- 要所で出てくる鉄拳の絵
- 画面中に仕込まれた細かすぎる小ネタ
など、「朝ドラ」「コメディ」らしさを最大限残した上でクドカンドラマの要素を組み込もうとする取り組みと、
暑苦しさのない能年玲奈のキャラクターが大変な高評価を得て、現在に至るまでほぼ全週に渡り視聴率が20%台をマーク。
再放送や録画(twitter上で「昼あま」「夜あま」と呼ばれる)を含むとその視聴率は50%に達するとまで言われるほどの社会現象を起こす。
北三陸市のモデルになった久慈市でも、観光客が2倍以上に増えるなど「アマノミクス」に沸いているらしい。
また、朝ドラの中では珍しいほどの「実況向き」の作品であり、twitter発の「あま絵祭り」「#ミズタク俺の部屋祭」も話題となっている。
2013年の紅白歌合戦では大方の予想通りコーナーが組まれたが、
なんとその内容は「クドカンが本当に脚本を書いた『第157話』」という凄まじいもので(配信版でも後日談としてその部分だけ収録)、
紅白応援大使として挙動不審気味に進行を務めていた「天野アキ」の姿も相まって、年末の話題をさらった。
◆あらすじ
家出同然に故郷を離れ東京で暮らしていた天野春子の元に一通のメールが届いた。
「母さん倒れたYO!( ' j ' )/ 救急車呼んだYO!( ' jj ' )/ 意識ないYO! ( ' jjj ' )/」
春子は若干怪しさを感じつつも、娘の天野アキを連れて岩手県北三陸市に帰京する。
しかし母・天野夏の危篤の話は、北三陸市の町おこしを図るべく、春子に「北の海女」を継がせるための嘘であった。
夏と大喧嘩した挙句東京に帰ろうとする春子だったが、アキが海女達の姿を見て「かっけえ」と大興奮。
アキは東京での冴えない自分を克服すべく、24年ぶりの新人海女になることを決意する。
やがてアキはアイドル志望の少女、足立ユイと出会い、ユイと共に北三陸のアイドルとして注目を浴びていく。
◆主な登場人物
天野アキ
(演:能年玲奈(現:のん))
主人公。東京篇のナレーションを担当。
東京での「地味で暗くて向上心も協調性も存在感も個性も華もないパッとしない」自分を変えるべく、北の海女の仲間入りをする。
東京では進学校に通っていたはずなのだが、回が進むごとにアホの子化が進行中。
天野春子
(演:小泉今日子/有村架純(若い頃))
アキの母。震災篇のナレーションを担当。
アイドルになる為に家出同然で上京した過去を持ち、GMT48プロデューサーの太巻とは浅からぬ因縁を持つ。
ちなみに演者は1980年代のトップアイドルの一人。
NHK紅白歌合戦にも5回出場しており、結果的に2013年の本作枠での出場がある意味25年ぶり6回目となった。
また2回目の1985年紅白出演時には(歌は『なんてったってアイドル』)、当時の朝ドラ『澪つくし』とのコラボ企画内で他の女性歌手たちと共に海女姿で踊っていた。
天野夏(あまの なつ)
(演:宮本信子/徳永えり(若い頃))
アキの祖母。通称「夏ばっぱ」。袖が浜の現役海女で海女クラブ会長。強烈な北の海女達を束ねるラスボス的存在。
脇役の皆さんが屯している喫茶「リアス」及びスナック「梨明日」を経営する。
座右の銘は「来る者は拒まず、去る者は追わず」で、自らの仕事を「サービス業」と割り切るなど、基本的にドライな性格。
故郷篇のナレーションを担当しており、毒舌やメタ発言でキャラの行動をバッサリ斬る。
このナレーションが基本的に第三者的な視点に立っているため、
「ナレーションをする夏ばっぱは幽霊である=夏ばっぱは震災で死ぬ」という死亡フラグ説がよく立てられていたが…最終的に見事にへし折った。
余談だが、演じた宮本女史は80年代に夫の作った映画で多数メインを務めブレイクした過去を持つ。
種市浩一
(演:福士蒼汰)
北三陸高校潜水土木科の生徒で、アキの初恋の人。
卒業後は上京するが、色々あって板前の修行をすることに。
昔は全ての生徒とダチになる仮面ライダーだった。
水口琢磨
(演:松田龍平)
通称ミズタク。
初登場時は身分を偽っていたが実は芸能事務所のマネージャーで、正体がバレた後、アキをスカウトした。
◆用語
岩手県北三陸市
岩手県の架空の田舎町。実際の岩手県久慈市とその周辺の村を想定している。
じぇじぇ!
北三陸市の方言。驚いたときに使う。
ちなみにもっと驚いたときは「じぇじぇじぇ!」、凄まじく驚いたときは「じぇじぇじぇじぇ!」と増える。
作中最高記録はアキが忠兵衛を目撃した時の16回。
顔文字は「( ' jj ' )」。
じょじょ!ではない。奇妙な冒険でもない。
実際に岩手の小袖地区にいる漁師仲間の間で使われる言葉だが、車で何分か内陸に行くと通じなくなるらしい。
汎用性が高く、2013年の流行語大賞に選ばれた。
北の海女
北三陸市で活動する現役の海女。素潜り漁ができる場所の最北端であることから「北限の海女」とも呼ばれる。
トレードマークは絣半纏(かすりばんてん)と、「北の海女」と大書された手拭。
漁師であると同時に北三陸の「観光資源」の一つであり、彼女たちの素潜り漁は観光客のためのショーも兼ねている。
そのため、普段ウニを捕る量は紳士協定で決められており、海開きが終わると「本気捕り」として、自分のためのウニを好きなだけ取るのがお約束となっている。
そしてそれが終わったら虚脱状態で「琥珀入り海女のミサンガ」を編むのもお約束である。
潮騒のメモリー
作中でヒットした映画と、そのテーマソング。
主演は鈴鹿ひろ美(演:薬師丸ひろ子)で、テーマソングも彼女が歌う。
自前のアイドルと映画と楽曲をセットで売るという殆ど薬師丸さん本人の経験のような*2な商売により、LPレコードが60万枚売り上げたという設定。
一見すると80年代のアイドルソングをパロディしたネタ曲だが、実は作品的に重要な意味を持つ。
重要な意味を持ちすぎてドラマが終盤に差し掛かるまでCDを出せなかったほどである。
なお映画の内容については「著作権の都合で見せられない」らしく、何故か鉄拳の紙芝居で解説される。どうでもいいが、小泉今日子が紅白歌合戦で初披露した歌は『渚のハイカラ人魚』なんて名前だったりする。後題名や曲調から70年代アイドルの『潮風のメロディ』(南沙織)や『潮騒のメロディー』(高田みづえ)を連想したファンもいるとかいないとか…
GMT48
太巻がプロデュースするアイドルグループ。その名の通り、地元出身の少女達を集めている。
東京篇で、アキは彼女達の仲間入りを果たそうとするが…。
リアルでもCDが発売された。
追記・修正はその火を飛び越えたり「じぇじぇじぇ!」と叫んだりしてからお願いします。
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*1 また実名ではなくても小泉今日子、宮本信子、尾美としのり(80年代に映画『転校生』でブレイク)、杉本哲太(80年代に嶋大輔の後輩グループ『紅麗威甦』の一人としてデビューしNHKドラマ等から俳優に転身)と実際の80年代に芸能界で話題になったキャストが複数参加している。*2 (なぜか)紅白歌合戦で桜田淳子がカバーした『セーラー服と機関銃』や松田龍平の父松田優作と共演した映画の同名主題歌『探偵物語』、薬師丸女史が本作放送の翌年紅白歌合戦に初出演した際に披露した『Woman Wの悲劇より』等。。また春子役の小泉女史もまた、昔紅白で『木枯しに抱かれて』『快盗ルビイ』と主演映画の主題歌を披露していた。
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