登録日:2012/05/19 Sat 15:03:15
更新日:2023/10/20 Fri 12:43:11NEW!
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星海社 奈須きのこ 武内崇 逢倉千尋 坂本真綾 sf ラブコメ 月 珊瑚 かぐや姫 絵本 漫画化 佐々木少年 月の珊瑚
空に水。
水に空。
月の空には砕け散った海がある
『月の珊瑚』とは2010年12月21日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された『坂本真綾の満月朗読館』に書き下ろされた短編小説。
作者は奈須きのこ
後に書き下ろし部分を付け加えて星海社ウェブサイトの「最前線」で配信されたが後に『四月の魔女の部屋』と同じく2011年10月13日に星海社FICTIONS・星海社朗読館より、坂本真綾による朗読CD二枚組を付けて商品化した。
イラストは武内崇と逢倉千尋
Carnival Phantasm三巻にはufotable制作のムービーが収録されている。
また、「最前線」にて月姫のコミカライズを担当した佐々木少年氏により漫画化され、現在連載中。
きのこ曰く
表コンセプトはかぐや姫
裏コンセプトは『月姫3000』
退廃的なイフストーリーらしい
世界観は月姫が起きなかった世界みたいなものらしく
しかし、EXTRAのようなifとも違う、扱い的に「魔術残ってたけど退廃的な世界」。
どちらかというと鋼の大地系よりの世界観とのこと。
◎ストーリー
それは、愛を知らない少女が奏でた、小さな恋のお話
西暦は、多分3000年ぐらい。
既に西暦は失われていて文明の発達により月と地球に分かれた人類は、唐突にあらゆる情熱、種としての繁殖への熱すらも失い、緩やかに滅亡への道を歩んでいた…。
そんな時代の地球のどこか、珊瑚礁の広がる小さな島に住む少女は互いを思い合う「愛」というものが理解できず、後を断たない求婚者たちに無理難題をつきつけては、申し出を断り続けていたが、ある日ブリキ人形のような小人の男性に出会う。
そして少女は小人に物語を語る。
月での愛物語である「珊瑚の話」を…。
■登場人物
◆語り部の少女
星はまたたく。海はさざめく。人恋しくて珊瑚は謳う。
わたしたちは海月みたいに、ふわりふわりとその日ぐらし
物語の主人公でありヒロイン
作中では通称「お姫さま」(おひいさま)
名前を呼ばれている描写があるが作中では出てこない。
正式名称はないらしい。
亜麻色のショートカットの髪形をしている。
デザインはきのこ曰く「坂本さんとアルクェイドが混ざった感じ」
武内曰く「キャラクターが『京都、春。』と似ていてなんかほんとすいません。」
生きるための知識は遺伝子で、暮らす為の知識は口伝で継承される。
彼女の母や祖母はたいへんな美人だったらしいが自分は型落ちしているらしい。
少女らしさも欠けているとかなり自虐的な部分がある。
字の読み書きは出来ない。
後に読み書きを教えてもらう。
珊瑚礁に覆われた三日月形の島に住んでいる。
物語冒頭では15人の求婚者がいたらしく、アリシマの君という人物にも求婚を迫られていたが全て断っている。
断り方も「月のサカナ」を取ってきて欲しいという、かぐや姫のような断り方をしている
別に男性や人間が嫌いという訳ではなくただ人間性に欠けており「愛」という感情を知らないだけらしい。
◆小人
これはご丁寧に。私、こういう者です
アリシマの君をふった後にお姫さんの前に現れた人物。
ランチバッグ程度の大きさのブリキのような乗り物に乗っている。
曰く「お刺身を載せる舟みたい。」
外見は表面が全てつるつるしていてのっぺらぼう。
顔の部分には透明な覗き穴があるが月の光に反射していて中が見えない。
今では生命が失われていてしまった月に住んでいる。
配達の仕事をしているらしく、珊瑚礁の島に訪れたのも仕事半分、個人的趣味が半分らしい。
理由は月では「物語」が不足しているため、その買付をするためにやって来る。
「音」による記録の意味が分からない。
※以下の登場人物は物語のネタバレを含みます
◆月の娘
わたしはヒトに近づけたでしょうか?
お姫さんの語る珊瑚の話に出てくる登場人物。
月の裏側にある石灰でできた樹木とソラを覆う分厚い氷の中心にいる。
正体は星を効率よく運営するための入力装置。
星を一つの生命として捉え、その魂を摘出し、珪素生命として安定させたもの。
主要元素である水素、炭素、酸素、窒素を提供する炉心でもある。
炉心や入力装置とはいっても感情はしっかりとある。
きのこ曰く「珪素ちゃん」
ヴィーナススタチュー
亜麻色の長い髪形をしている。腕は珪素であり珊瑚礁のようになっている。
人間がいなくなった理由を考えながら森や空を作っていたが
ある日地球からやって来た人間の男性に出会い、徐々に彼に恋をして人間になろうとするが……
◆地球の男
人間がイヤで、何もかもを見限って、月に昇ってきたそんな私が人を愛する道理がない
珊瑚の話に出てくる地球から月へ来た男性。
貴方であり私。
二度と脱げない宇宙服を着ている。
情報が価値を持った文明の末路。
生きようとした人間達が産み出したデザインベイビーの一人で生活欲を獲得した代わりに「ディスレクシア」という学習障害にかかっている為、「音による言葉」を理解出来ない。
彼にとっては他人との意志疎通はすべてテキストで行われる。
ヘルメットの下は思いのほか平凡で、優しい顔をした青年。
人間に無関心ではあったが、だからこそ真摯に向き合おうと努め、結果として「相互不理解」を徹底した。
もとより半分ひとでなし。
月には一人になるために来たが探索を進める内に少女の形をした珪素生命を見つけ、そこからちょっとおかしな平凡な暮らしを始めるが…
自分と人間を捨て、関わりを絶った時、彼は人間を辞退した。
その罰は月の海で与えられることになる。
光る海。謳う珊瑚。
――今も、貴方に恋をしている。
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▷ コメント欄
- 型月作品の中で今の所コレが一番好きな俺は多分少数派なんだろうな -- 名無しさん (2015-07-12 01:29:00)
- 大丈夫、俺もこれが一番好きだ。まあ少数派だとは思うけどな -- (2015-08-19 00:20:16)
- 漂白した月姫って誰かが言ってたな。 -- 名無しさん (2015-09-02 20:09:47)
- きのこポエムの極致。もっと評価されるべき -- 名無しさん (2015-11-11 21:55:15)
- この世界の朱い月のブリュンスタッドってどうなったの? -- 名無しさん (2016-06-09 15:03:47)
- 鋼の大地が終わりつつある地球でこっちは忘れられつつある地球って言った感じ -- 名無しさん (2017-10-15 22:39:17)
- 面白かったが、なんとなく漫画で「どの時代でもさっちんは報われない」と思ってしまった。いや、単に似た容貌なだけなんですけど。 -- 名無し (2019-06-09 20:06:42)
- カタルシス。心を浄化する系。型月作品の重大な設定が明かされてる。『星』『頭脳体』『アーキタイプ』『物言わぬ石』『触覚』『夢』『揺りかご』『世界を閉ざす』。これを読むと以前は何となくしか分からなかった抽象的な言葉の意味合いをある程度推測できるようになる。あとどうして積極的に文明リセットする必要があるのかとか。地母神の多くが怒り狂うのかとか。 -- 名無しさん (2021-02-18 16:51:33)
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